助動詞の基礎を身につけよう

助動詞の基礎を身につけよう

①will

point
真っ白なキャンパスに確信ある未来を描く

willはただの「未来」じゃないんです

まずは、海外ドラマで最もよく使われる助動詞willです。

僕は「will=未来」と思っていましたが、willの本質とはこちら。

ほぼ100%そうであることを確信している

最初に、「主語が私以外」の場合を考えてみましょう。

例えば、It will rain tomorrow.(明日雨が降るだろう)

このセリフをあなたが言ったとしたら、willは「あなたが確信している」のです。

He will get betterも、あなたが彼はよくなると思っているのです。

willは「よくわからんこと」について空想を語りますが、話し手に強い自信があるのが特徴

わからんことを「絶対そうなる!」って「天気予報で見たから」のような根拠がないと普通は言えませんよね?

つまり、「It will」は主観的でありながら、客観性も含んでいるのです。

では、根拠が弱いときはどうすればよいでしょうか?

I think it will rain tomorrow.のように「I think+助動詞を含む文」にすることで確信を和らげながら使うことができます。

I think+助動詞」のセリフはドラマでも何百回と使われており、まさに鉄板のフレーズです。

教科書に書いてあることは、嘘です

willと言えば必ず出てくるのがbe going to(gonna)。

「どっちでもいいんじゃないの?」と何度説明されても違いがわからないコンディショナーとトリートメントのような存在です。

そして、教科書や参考書にほぼ100%書いてある説明がこちら。

・will:その場で思い浮かべた未来(今決めた)
・be going to:前々から決まっている未来(すでに決めていた予定)

いきなり結論をぶっこみますが、この説明は嘘です。

なぜなら、海外ドラマを見ていると、

I’m going to go to the bathroom.(トイレに行ってくる)が使われまくっているのです。

おかしくないですか?

どう考えてもトイレに行くことって予定しないですよね?

willはたったの一度も出てきません。

ドラマのセリフが古いのか?

そこで、ネイティブの先生に聞いてみました。

僕「トイレに今行きたい…って今思い浮かべる未来だから、willを使うべきじゃないですか?」

先生「I’ll go to the bathroom.とは絶対言わないわよ。I’m going to go to the bathroom.が自然だわ。」

あまりに衝撃的だったのですが、本当の使い分けは何なのか?

永久保存版!これが本当のwillとbe going toの使い分け

実は、先ほどの教科書の説明には2つの間違いがあるのです。

まずは1つ目の間違い。

be going toは「前々から決まっている未来」だけではなく「今決めた未来」も両方言うことができます。

すなわち、be going toはいつでも使える唯一の未来形だということ。

なぜなら、goが「あいまい動詞」だからです。

going toは「今の状態を離れて次の場所へ向かっている」ニュアンスなので、「今、こういう未来に進んでいる」ことを言っているだけ。

いつ決めたかなんて関係ないのです。

そして2つ目!本題のwillです。

まず、「will=その場で思い浮かべた未来」というこの説明は正しいのです。

主語が「私」の場合、

I will go to New York next month!(来月ニューヨーク行くからな!)

「その未来を実現しよう!」とその場で決めるニュアンスがあります

もし、すでに航空券を持っているなら、I’m going to go to New York next monthを使います。

つまり、「決まっている予定」に対してwillは使えないということ。

しかし、ここで大きな疑問が残っていますよね?

「トイレ行くって、今決めたのに何でwillが使えないの?」ということです。

実は、I willは「~してくるからね」という「相手に向けた約束」のニュアンスが出るのです。

ここが最大のポイント。

I’ll call you right back.(電話かけ直すからね)
I’ll stay here until you come home.(あなたが帰るまでここにいるからね)

一方、be going toは「ちょっくら便所行ってくるわ」と自分の意志を言っているだけのイメージ。

つまり、willはトイレにフィットしないのです。

I’m going toは「するんよ、するねん」、I willは「するからな、するからね」と考えるとわかりやすいです。

最後にwillとbe going toの使い分けをまとめておきましょう!

<海外ドラマではこう使われる>

・Chandler will move in here.
(チャンドラーはここに引っ越してくるつもりよ。)
・Come on, it will be fun!
(ねえ、楽しいよ!)
・Of course I will.
(もちろん、やります。)
・I will not rest until the job is done.
(その仕事が完了するまで、休むつもりはないから。)
Will he be back soon?
(彼はもうすぐ帰ってくる?)

②can

point
現実を見たうえで、確実に選べる未来を示す

canはできる?…「できる」って何?

canは「~できる」と覚えていました。

しかし、「できる」って、そもそもどういうことなんでしょう?

ズバリ、「現実的にありえる可能性」です。

willと比較してみましょう。

I willは「よくわからない未来」に対してそのときの空想を描くイメージ。

I will go to New York!は、お金がなくて現実的に難しそうでも、とりあえず気持ち優先で、「その未来を俺は選ぶ!」というニュアンスです。

しかし、I can go to New Yorkはあくまで「今ここで確実に選べる未来の可能性」を冷静に提示するイメージです。

お金がある、長く休める、パスポートがある…能力、権力、許可といったたしかな根拠をもとに「こんな未来が選べるよね」と現実的な可能性を示すのがcan。

客観的でどっしり地に足がついた響きがするのが特徴です。

例えば、You can play the pianoは「ピアノを弾いている未来が選べる」ということなので、「ピアノを弾く能力がある」や「ピアノを弾く環境が整っている」の意味でも使えます。

Can I play the piano?だと「私はピアノを弾く未来を選べますか(=弾いてよいですか?)」というニュアンス。

さらに、can beを使えば、「わからないことへの可能性」も言えます。

例えば、受験生の息子を心配した母親が、It can be hard(大変そう)。

この場合、徹夜している息子を見たうえで、大変に違いない!と現実的な可能性を言っています。

母が受験するわけじゃないので、It is hard!(大変だわ)と言い切るのは変であり、canもまた、頭の中の空想を語る言葉なのです

<海外ドラマではこう使われる>

・I can do that.
(できるよ。)
・I can do whatever I want.
(それは僕の自由だ。)
・You can watch our tape if you want.
(見たいなら私たちのテープを見ていいよ。)
Can I ask you a question?
(聞いてもいい?)
Can I have another one?
(もう一枚もらえる?)
・Hey, can you turn the lights off?
(電気を消してくれる?)
・It can be quite hard.
(ものすごく大変そう。)
・We can be there in five minutes.
(5分後に着くよ。)

③would

point
本当はこうだった。パラレルワールドを妄想する

「空想」ではなく、「妄想」するのです

さあ!助動詞の中のラスボス的存在、wouldの登場です。

使いこなせている日本人を僕は見たことないですが、これを読めば、wouldの本質と使い方がすっきりクリアになりますよ!

まず、学校では「wouldは現実にはありえない仮定を言う」と習いますが、

If I were a bird, I would fly to you.(もし私が鳥なら、あなたのもとに飛んでいく)

「もし鳥だったら…て、こんなの誰が使うのさ?」

そう僕は思っていたのですが、鳥人みたいなありえない現実ではなく、普通にありえたはずの現実を言うのがwouldの本当の使い方です。

ここまでのwillやcanなどの助動詞は「まだ起こっていない未来への空想」を言いましたよね。

こんなこと言いなできたらいいな、あんな夢こんな夢いっぱいあるよね…と真っ白なキャンパスに未来を空想するのが特徴。

例えば、If we go well, I will go out with her.(このまま順調にいけば、彼女と付き合えそう)

まだ起こっていないことなので、好き勝手に空想できます。

一方、wouldがよく使われる場面は、白いキャンパスにすでに現実が描かれてしまったときです。

もう空想する余地がない。

例えば、彼女が別の人と付き合ってしまったとき、

If I had asked her out, I would have gone out with her.(もし告白していたら、付き合ってたのになあ)

と、選べたかもしれない現実を「妄想している」のです。

「こうすりゃよかった」と過去に対する妄想を言うときは「would have+過去分詞」の形になります。

人生にはいくつもの分岐点がって、別のルートを選んでいる自分が同時に存在する(パラレルワールド)と考えてください。

彼女と付き合っていない自分も、付き合っている自分もどっちも可能性としてありえた。

付き合っていない現実から見ると、付き合っている自分はI would go out with herです。

つまり、日常会話でwouldを使うときは「そっちを選んでたら…」という「本当はこうだったかもしれない現実」と考えるのがわかりやすいです。

では、wouldを使うときの「私の気持ち」は、「あのとき告白していたら結婚できたのに…」という絶望と後悔と悲しみで死にかけているということ?

そんなことはありません!!

「あのとき告白していたら今の最高の奥さんには出会えなかったんだよなあ」

これは超幸せな気分ですよね?

つまり、今の現実にあなたが満足しているかどうかで、wouldを言うときの気持ちが決まるというわけなのです

可能性は無限にあるけれど、たった1つの現実しか選べない人生。

「こうだったらよかったのに!」「こうじゃなくてよかった!」…と言いたい場面、たくさんありますよね。

私が、あなただったとしたら

他にも、友達の誘いを断るときにも、I would go if I had time(時間があれば行くのに)のように言えます。

「現実的には時間はないけど、もしあれば」という妄想をすることで言い訳に使うパターンです。

このように、ありえた現実を言うのがwouldであり、「もしも鳥だったら」のようなファンタジーなセリフは日常会話でまず言いません。

しかしなのです!

例外的に日常でよく使われるありえない仮定が1つあるのです。

さあ、それは一体なんでしょうか?…答えはこちら。

I would ask her out.(俺なら誘うけどな)
I would go.(俺なら行くけどな)

「俺なら」、つまり「私があなただったら」という100%ありえない現実です。

学校ではIf I were youをつけないと減点されますが、実際の会話ではif節を使わずにwouldだけで使われることが多いです。

You should ask her out(彼女を誘うべきだ)、You should go(行くべきだ)のようにshouldを使って言うこともできますが、「私なら」とI wouldを使うことで押しつけがましくなく、「あくまで自分はそう思う」と、さりげなくアドバイスすることができるのです。

<海外ドラマではこう使われる>

・That would be great!
(それはよさそう!)
Would it be OK if I cleaned it?
(掃除しても大丈夫そうでしょうか?)
・I would have told him to do it too.
(私も彼にそう言いたかったの。)
・I would have called, but I lost your number.
(電話したかった…でも番号をなくしちゃって。)
・And that ass? I would wear that thing for a hat.
(あのお尻?私なら帽子のようにかぶるわ。)
・If we did what you did, a man would never call.
(もしあなたがしたことを私たちがしたら、普通は二度と電話かかってこないよ。)
・If Janice were a guy, she would be sleeping with somebody else by now.
(ジャニスが男なら、今頃他の女と寝てるわ。)
Would you like to have dinner sometime?
(いつかディナーでも行きませんか?)

④could

point
未来の選択肢のアイデアを「やさしく」提案する

couldはcanの過去形としてほぼ使われない

「couldはcanの過去形です」って学校で習いましたよね。

「電車に乗ることができた」は、I could get on the train.

簡単すぎる…ってこれは間違いなのですよ!

「電車に乗れた」はI got on the trainと普通に過去形で言います。

I could get on the trainの意味は、「電車に乗ることもできる」…つまりwillやcanと同じく、起こっていないことへの空想を言うのがcouldなのです。

もちろん、couldを使ってI could swim(俺は泳げた)のように過去の能力も言えますが、海外ドラマでは「まだ起こっていないこと」に対して、couldが使われているセリフの方が圧倒的に多いです。

例えば、来週遊びに行くとして、どこに行こうかと悩んでいます。

We could go to the mountain. We could go to see the movie. We could go to Disneyland.(山に行くか。映画を見に行くか。ディズニーランドもありだね)

このように「これもいいかもね」みたいに選択肢の1つとしてやさしく提案する、この感覚がcouldです。

We can go to the mountainでも通じますが、canよりもcouldの方が「できます」感が強くないんです。

つまり、それを選ぶかどうかはあなたの自由

Can I have ~?と同じように、あいまいに言うということは、つまり、相手に「選ばない自由」も与えているということなのです。

だから、couldはcanよりもマイルドで押しつけがましくない感覚になるのです。

Can you help us?よりもCould you help us?の方がより丁寧な依頼になるのも全く同じ理由です。

他にも、子供にYou have to study English(英語勉強しなさい)というよりは、You could study English(英語学ぶのもいいかもね)やI would study English(私なら英語学ぶかな)のように言う方が「決めるのはあなたよ」と子供の気持ちを尊重している感じを出せるのです。

ifと組み合わせれば、意見を言えるんです

couldは「1つの選択肢(アイデア)」を言えるので、ifと組み合わせて気軽に意見を言えるんです。

例えばこんな感じ。

If it rains tomorrow, we could go to see the movie. If it’s sunny tomorrow, we could go to the mountain.(雨だったら映画に行けるし、晴れたら山もありだね)

If we go to Disneyland, we could enjoy Christmas mood.(ディズニー行ったら、クリスマス気分味わえるね)

一方で、If we had money, we could go to Disneyland.(お金があったら、ディズニーランドに行けるのにね)のように、「お金があったら」という現実にはありえない妄想を語ると、couldで「実際はディズニーランドに行けない」ことになります。

このように、couldは前についているifによって、「あり得る空想(仮定法)」と「ありえない妄想(仮定法過去)」の両方で使うことができます

If we had money, we would go to Disneylandのように、wouldを使ってもほぼ同じ意味になりますが、couldの方がいくつかの選択肢からディズニーを選んでいるニュアンス。

wouldはディズニーだけを妄想しているニュアンス。

他にも、I wishは「ありえないもうそう」をいうのでI wish I could go to Disneylandは、「ディズニーランド行けたらな」と「行けないことが確定した現実」を嘆いています。

また、could以下を省略したI wish I could(できればいいんだけど)は、やんわり断るフレーズとして日常会話で活躍します。

くっびー、うっびー、まいびー

アメリカにいたときに、とにかく耳にしたのがcould beやwould be。

「くっびー」「うっびー」リズミカルに耳に残る響きであり、ネイティブは当たり前のように使っているのですが、「なんだこれは!?」と使いどころが全くわかりませんでした。

先ほどの例でいくと、「山よりもディズニーがよさそうだ」と感じた場合、Disneyland is great!と言いたくなります。

しかし、be動詞の原形を使うと、「ディズニーランドは素晴らしい」という響きになってしまいます。

もちろん言いたいことは通じますが、そもそも、「どこに行けばよいか」を議論していたので、Disneyland could be great!(ディズニーいいと思う)のように、isをcould beに置き換えることで私が思っている主観的なニュアンスが伝わり、会話らしい響きになります

さらに、私がどれぐらいgreatと思っているのか、その度合いによって助動詞をいろいろ使い分けます。

should beであれば「行くしかない」感じが出るし、would beなら「ありだろ」、might beなら「いいかもね」。

中学英語ではThis is a penとかIt is difficultのように、A is Bの形が出まくりますが、A is Bというのは100%正しいことを言っている確定的なニュアンスになります。

日常会話ではThis might be a pen(ペンかもしれない)とか、It could be difficult(難しいだろ)みたいに、be動詞を変化させ、より主観的な言い方の方が使えるんです。

日本語でも「難しいです」と言い切らずに、「難しいかも」とか、「難しそう」とか、ぼかして言いますよね。

意見を言うときに、ぜひcould be、would be、might beを使ってみてください!

<海外ドラマではこう使われる>

・It could be really late.
(遅くなるに違いない。)
・We could just drink wine.
(ワインだけ飲むのもありね。)
・We could all go out to dinner.
(みんなで食事に行くのもよいわね。)
・I could have had you if I wanted you.
(私がその気なら、あなたと寝てたわ。)
Could you give us a second?
(少しだけ時間をいただけますか?)
・I wish I could join you guys, but I got to get back to apparently boring job.
(一緒に行けたらいいんだけど、退屈そうな仕事に戻らなくちゃ。)

⑤should

point
いくつかの選択肢からよりよい未来を提案する

shouldはすべき…ではありません

突然ですが、あなたに100万円の臨時収入が入ってきました。

さあ、どうしますか?

You could give it to your wife.(奥さんに渡すこともできるよ)
You could make a donation.(寄付することもできる)
You could travel around the world.(世界中を旅することもできる)
You could rent TOKYO DOME.(東京ドームを貸し切ることもできる)

100万円あれば東京ドームだけでなく、なんと花やしきを借りることもできます。

このように、couldを使って気軽にアイデアを言うことができますが、そこの「もう1人のあなた」の声が聞こえてきます。

You could spend money in a royal style.(豪遊することもできるよね)
You could save up secretly.(へそくりすることもできるよ)
I should save up secretly!(へそくりしたらいいじゃん!)

このように、アイデアを出すのがcouldであれば、それを選んで指差すのがshouldです。

すなわち、couldでアイデアが出揃った後に、どれが一番良いかを天秤にかけて、未来の方向性を提案する言葉

それがshouldの正体です。

学校では「すべき」と覚えたかもですが、「すべき」じゃないのです。

shouldに強制感はないので、「したらいいじゃん」と気楽に次の方向性を提案するニュアンスになります。

また、shouldを言うとき「他でなく、それを選ぶ理由」があるはずなので、

You should give it to your wife because she always takes care of you.(いつもお前を大事にしてくれているから、100万円は奥さんにあげるのがいいよ)

このように、becauseで理由をつけることで説得力が増すのです。

shouldを使えば「後悔の気持ち」も言える

「いろいろなメリットを考えて、彼に決めた。でも付き合ってみたら、思ってたのと違う!」ってときありますよね。

そんなときは、I should have been friends with you(友達でいるべきだった)のように、「should+have+過去分詞」の形にすることで、「こっちの未来を選ぶべきだった」と「後悔」の気持ちを言えます。

後悔のフレーズといえば、It’s too bad(残念です)、I regret(後悔しています)も使えますが、ドラマではshould haveの方が圧倒的に多かったです。

また、妄想のwouldを使ってIf I hadn’t called him, I would date with the other guy(あのとき彼に電話しなければ、もう一人の人と付き合ってるだろうに)と、間接的に後悔の気持ちを言うこともできます。

何かを選べるということは、何かを選べないということなので、人生に後悔はつきものですよね。

助動詞を使うことで、希望、失望、後悔、納得など、本音の気持ちを表現できるというわけなのです。

<海外ドラマではこう使われる>

・You should be with me.
(俺と付き合えよ。)
・You should get some sleep.
(少し横になるのがいいよ。)
・I think you should go.
(行くべきだと思う。)
・I think we should get back together.
(私たちは、よりを戻すべきだと思う。)
・So do you think we should get dressed?
(私たち、ドレスを着たほうがよいと思う?)
・I should have called.
(電話しとくべきだった。)
・I totally should have said that.
(本当に、それを言っておけばよかった。)

さて、ここまで5つの助動詞を学んできました。

実は、これらの助動詞を順番に並べて理解することで自由に使えるんです。

can(今ある現実的可能性)→could(選べる未来)→should(どれを選ぶか)→will(選ぶ)→would(もしこっちを選ばなかったら…)

この一連の流れをイメージしておくと、幅広いシーンに応用できます。

⑥might

point
そうなるかもしれない未来

mightは過去ではありません

「mightはmayの過去形」だと覚えている方も多いんじゃないでしょうか?

しかし、mightに過去の意味はありません!

過去を言うときは、might haveを使います。

実は、ここまでの助動詞と同じく、mightも「未来のこと、わからないことへの話し手の空想」を言います。

もう一度willを思い出してください。

「ほぼ100%そうなるんだ!」という相手への約束を語り、強い確信がある場合に使われましたよね。

一方でmightは、「~かもしれない」という確信弱めの可能性を語ります。

根拠がなくても言えるので、より主観的な言葉になります。

ドラマで使われていたのは、I might get fired(解雇されるかもしれない)、It might be too hard(すごく大変かもしれない)。

他にもAre you gonna go there?(そこに行くの?)のような未来の質問に対して、I might(たぶんね)と答えるシーンもありました。

maybeと同じニュアンスですが、might beとは言わず、mightを使うときは主語とセットで使われるのが普通です。

might as wellは「難しいかもしれないけど一応やってみようかな~」という場合や、We might as well take a bus(バスに乗った方がよいかもね)のように、shouldよりも弱く提案するイメージ

We could take a busに近いニュアンスで使えます。

<海外ドラマではこう使われる>

・That might be fun.
(楽しくなりそうだ。)
・Oh, it might be weird.
(ん~それは変な感じがするかも。)
・It might be time to move.
(もうここを引っ越すときかもしれない。)
・I thought you might be cold.
(寒いだろうなと思って。)
・I thought this might happen today.
(今日それが起こる予感がしてた。)
・Something else I might have said?
(何か他に、俺言ったかな?)
・I might as well stay until Trey’s recovered.
(トレイが回復するまで、ここにいるのがよさそうね。)

⑦may

point
mightとニュアンスはまったく同じ

mayとmightの意味はまったく同じです

mayとmight…ズバリ、ふたつの単語のニュアンスはまったく同じ!

ラムネとサイダーのような関係であり、She might comeもShe may comeもどちらも「たぶん彼女来るかも…」と、そこにある可能性やニュアンスはまったく同じです。

そして繰り返しになりますが、mayの過去形はmightではありません

You may know him(彼を知っているかもしれない)を過去形にする場合は、You may have known him(彼をすでに知ってたかもしれない)と、「may have+過去分詞」を使います。

「じゃあ、何でmayの過去形がmightだと学校で教わるんだ!?」って突っ込みたくなりますよね。

実は、複文のセリフで2つ使い分けることが原因なのです。

I think you may come.(たぶん彼女来るかもって思う)
I thought you might come.(たぶん彼女来るかもって思った)

I think(現在形)を使うときはmay。

I thought(過去形)を使うときはmight。

最初の動詞の時制に合わせるという「時制の一致」があります。

ただし!「彼女来るかも」ってどちらも未来のことを考えています

mightが意味しているのは過去ではなく、やっぱり未来なのです。

ちなみに、May I ~?(~してもよいですか?)は参考書でよく見ますが、ホテルの接客や年配の方が使うようなフォーマルな響きがします。

Can I ~?やCould I ~?が十分丁寧で、よく使われています。

<海外ドラマではこう使われる>

May I help you?
(お手伝いしましょうか?)
・Okay, may I see the comics?
(漫画を見せてもらえます?)
・The answer may surprise you.
(その答えにたぶんあなたは驚くわ。)
・This may be a little awkward.
(ちょっと気まずいかもだけど。)
・I may have said those things before, but…
(前にも言ったかもしれない、けど…。)
・I think there may be another reason.
(他の理由があるかもしれない。)
・I think you may have a drinking problem.
(あなたはアルコール依存症だと思う。)
・I think we may have really done it this time.
(私たちは本当にできたかもしれない気がするよ。)

⑧must

point
お前に未来を選ぶ自由などない

押しが強すぎるのが、あなたの長所よ

さて、ここまでの助動詞は、「よくわからない今や未来」に対して、「これもできる(can、could)」、「こうかもしれない(might、may)」、いろいろ可能性を絞り出して「これがいいじゃん!(should)」、「こうしよう!(will)」とメリットを考えながら自由に未来を創造していくというものでした。

ではmustとは何か?

「イチゴも桃もマンゴーも美味しそう!」とウキウキ気分のお口の中に、無理やり苦手な柿をぶち込まれるイメージです。

たとえいくつもの可能性があっても、mustはその道を「選べ」という命令に近いニュアンスを含んでおり、そこに自由などないのです(泣)。

勉強するのが我が子のためと思っても、You must study!では強制感が出ます。

You have to studyの方がニュアンスは弱く、You should studyだと柔らかなニュアンスで言えます。

このように見るとmustはヤバすぎる言葉に思えてきますよね…

しかし、逆に強引によい方向に決めつけて使えばよいのです。

You must be tired.(疲れたでしょう)
You must be a great other.(絶対いいお母さんだね)
You must be Takuzo Kakuno.(角野卓造さんですよね)

このように、「相手を観察して察する合いの手フレーズ」として使えます。

must beをぜひ使い倒してやりましょう!

<海外ドラマではこう使われる>

・That must be fun.
(楽しかったでしょ。)
・You must be so happy!
(超ハッピーじゃん!)
・You must be Robin.
(ロビンさんですよね。)
・Stop! Stop it! You must stop!
(はいストップ!止めろって!)
・You must work out all the time.
(いつも体を鍛えてらっしゃるのね。)
・I must say, well done.
(本当によくやったわ。)
・I must have Robin back.
(ロビンを奪い返さなければならない。)
・My mom must have invited him.
(お母さんが彼を招待したに違いない。)

⑨gonna

point
思いつきでも、予定でもOK。いつでも使える未来形!

海外ドラマに4000回以上登場!!be going toの口語形

さあ、ここからは学校では習わない助動詞です。

gonnaは未来形「be going to」の口語として、「be gonna」で使われ、後ろに動詞の原形をつけます。

発音は「がな」。

トランプ大統領もスピーチで、We’re gonna take the country back!と話しており、ビジネスシーンなども含め、ネイティブの日常会話でものすごく使われる口語助動詞です。

仮に、この単語を覚えずにドラマを見ると「gonna?知らんがな!」となります。

ポケモンで言うところのポッポ並みの出現率であり、絶対に知っておくべき単語なのです。

さらにgonnaの素晴らしい点は、いつでも使える唯一の未来形であるということ。

I’m gonna go to the bathroom(トイレ行ってくる)、I’m gonna go to America tomorrow(明日、アメリカに行きます)のように、未来が決まっていようが、決まってなかろうが、いつでも使える最強の助動詞がgonnaなのです!

がなびー、あむがな、ゆあがな、うぇがな、あゆがな

gonnaは出現率は高いのですが、ネイティブは高速で話すのでgonnaの単独では全然聞き取れないというのが難点です。

そこで、gonnaの使われ方をドラマで数えてみました。

gonna be(がなびー)、I am gonna(あむがな)、You’re gonna(ゆあがな)、We’re gonna(うぇがな)、Are you ganna(あゆがな)

ラップのようなノリで覚えておくと、楽しいです。

第1位:がなびー(gonna be)「~にいるだろう、~な状態だろう」
第2位:あむがな(I am gonna)「私は~するつもりです」
第3位:ゆあがな(You‘re gonna)「あなたは~するでしょう」
第4位:うぇがな(We’re gonna)「私たちは~するつもりです」
第5位:あゆがな(Are you gonna)「あなたは~するつもりですか?」

<海外ドラマではこう使われる>

・I’m gonna get some coffee.
(コーヒーを買ってくるわ。)
・Are you gonna tell her?
(彼女に言うつもり?)
・Rachel’s gonna be here.
(レイチェルはここに来るよ。)
・Okay, it’s not gonna happen.
(大丈夫、それは起こらない。)

⑩wanna

point
後ろに動詞をつけるだけ。選びたい未来を言える!

want toの省略形、会話助動詞

海外ドラマや映画を見ていると、必ず出てくる助動詞!

それがwanna(わな)。

want toの省略形として話し言葉で使われます。

こちらも学校では習わないので、知らずにドラマを見ているとあなたは何回もワナにはめられます。

まずは発音してみてください。

自分がビールを飲みたいときはI wanna drink beer.

相手の希望を聞くときはDo you wanna drink beer?

「あいわな」「どぅゆわな」と一息で言ってみると、want toよりもなめらかに発音できると思います。

アメリカ英語では「t」の音を脱落して発音することから、口語ではwannaやgonnaが定着したようです。

使い方としては、wannaの後ろに動詞の原形をくっつけるだけ。簡単です。

例えば、Why do you study English?(なぜ英語を学ぶの?)と聞かれたとします。

さあ、どのように答えますか?

Because I wanna see a movie in English.(英語で映画が見たいの)
Because I wanna get a high score of TOEIC.(TOEICで高得点とりたい)
Because I wanna work abroad.(海外で働きたい)
Because I wanna make a lot of foreign friends,(たくさんの海外の友達を作りたい)

このように、Because ~ I wannaを使えば本音の思いを言えますよね。

みたい!したい!なりたい!と欲望のエネルギーにあふれています。

今この瞬間、心から選びたい未来を語る人生のガソリン、原動力となる単語、それがwannaなのです。

<海外ドラマではこう使われる>

・I wanna see what happens!
(この先どうなるか見たい!)
・I don’t wanna get divorced.
(離婚したくないの。)
・I just wanna be with him all the time.
(彼といつも一緒にいたいだけなの。)
・Nobody’s gonna wanna watch that.
(誰もそれを見たがらないわ。)
・Do I look like a guy who doesn’t wanna get married?
(俺、結婚嫌いの男に見える?)
・Where do you wanna go? ―I think you know where I wanna go.
(どこに行きたい?―言わなくてもわかってると思うけど。)

⑪gotta

point
ちょっと用事が!臨場感あふれる単語

今、しなければならなくなった!

助動詞のラストはgottaです!

あまり見慣れない単語かもしれませんが「have got to」の省略形であり、映画やドラマ、洋楽にもよく登場します

have got toはhave toとニュアンス的にはほぼ同じ、「~しなければならない」です。

しかし、getが含まれているので、「~しなければならない状態になった」、その変化について言っています。

つまり、「今しなければならなくなった」ことにgottaが使えるのです。

例えば、I gotta pee!(トイレ!)やI gotta work!(仕事しなくちゃ!)みたいな感じ。

I have toよりも臨場感を感じられるのがミソです。

gottaは「しなければならない」という義務感があるので、基本的には不自由なニュアンスが出ます。

しかし、I would love to, but I gotta get up early tomorrow(したいけど、明日早く起きないと)のように「しなければならない」ことを言い訳にして、誘いを断るシーンで使うことができるんです

I gotta go!(もう行かなくちゃ!)が会話を切り上げるときに使える鉄板フレーズであり、ドラマで何度も使われていました。

僕自身も、オンライン英会話の先生と相性が微妙だな~と思ったときは、I am sorry, I gotta go!と早めに切り上げるのに愛用しています。

<海外ドラマではこう使われる>

・I gotta go.
(行かなくちゃ。)
・I gotta work.
(仕事があるんだ。)
・I gotta talk to her.
(彼女と話さないとな。)
・I gotta think about this.
(これについてはよく考えないといけない)
・I gotta get out of here!
(ちょっと出てくるわ!)
・I gotta get back to the hospital.
(病院に戻らなければならない。)
・There’s gotta be a better way.
(もっとよい方法があるはずだよ。)
・Look, there’s gotta be a way that we can stop this from happening.―Like what?
(それが起こるのを止められる方法があるに違いない。―例えば?)

【たった11個の単語、使いこなせれば最強】

いろいろ助動詞を学んできましたが、「こんなふうに使えばよいのか~!」と助動詞が持つ魔法のような力を感じてもらえたのではないでしょうか。

たったの11個の単語ですが、この11個を使いこなせるかどうか。

ここに「伝わる英語を話せるかどうか」の大きなカギがあるのです。

最後に、もう一度助動詞を整理しておきましょう。

【助動詞とはメニューから料理を選ぶ感覚】

想像してみてください。あなたはとてもお腹が減っています。

そこで、友達におすすめの和食の店に連れて行ってもらいました。

あなた「あ~早く食べたい。でも、このお店初めてだし…何にしよう?」
友達「刺身とか、生ものは大丈夫?」
あなた「うん、刺身食べられるよ。」
友達「このメニューで言うと、のどぐろの塩焼きも美味しいし、白子の天ぷらも美味しいし、おでんも美味しいよ。マグロの刺身も好きかもね。」
あなた「全部美味しそう!!迷うわ~。おすすめは?」
友達「絶対にのどぐろだね。後はこの店おすすめの日本酒は絶対だね。」
あなた「うん、じゃあそれ頼もう!」

そして、2人で美味しくのどぐろと日本酒をいただきました。

…と、まあ何のオチもない(笑)。

日常でありそうな会話のやりとりですよね。

実は、この話の中で「事実」として語れるのは…

I was hungry, and my friend took me to Izakaya, and we ate nodoguro.
(お腹が減っていたので、友達が居酒屋に連れて行ってくれて、のどぐろを食べました)

たったの2行だけです。

でも普通は、「美味しいもの食べたい。ではのどぐろいただきます」…とスムーズにいかないですよね。

「美味しいもの食べたい」→「のどぐろ食べた」

この2つの間にある「→」こそが日常会話であり、そこで使えるのが助動詞なのです。

助動詞を分類すると、大きく分けて3つありますが、弓矢で未来を選び抜くイメージを持つとわかりやすいです。

感情(I wanna eat)→可能性(can, could, might, may)→方向性(should, must, gotta)→実現(will, gonna)→事実(I ate nodoguro)

まず「こういう料理あるよ」と伝えるのが、canやcouldやmay。

選べる「可能性」を考える助動詞で、メニューを見る感覚です。

弓はまだ引いていないので、助動詞も力を持っていません。

次に「どれがおすすめ?」とその中から何を頼むかの「方向性」を出していくのがshouldやmust。

ぐいっと弓を引くイメージがあり、未来への方向性を定める、強い力を持つ単語です。

そして、「それを頼もう!」がwillやgonna。

未来に狙いを定めて弓を解き放つ感覚。

gonna=is going toなので、弓矢が解き放たれ(go)、的に向かって勢いよく飛んでいるイメージ。

もう止めることはできません。

ニュースなどで使われる、現在形や過去形は「事実」の的に矢が刺さったイメージです。

その事実を動かせません。

しかし、日常会話で主にやりとりされるのは「矢が的に刺さるまで」。

そこには無数の可能性があるのです。

「こんな未来に行きたいな~!」と夢を描き→的を定めて→矢を放つ

助動詞とは世界を創造する、弓矢のような存在かもしれません。

助動詞で空想を広げよう

助動詞とは一体何なのか?

「助動詞は動詞を助ける役割です」と僕は学校で習ったので、なんとなく理解してたんですが…そもそも助動詞って何なんでしょうか?

まずは助動詞のないセリフ。

現在形I have coffeeは、普段コーヒーを飲む「習慣」を言っているし、I had coffeeは、コーヒー飲んだという「事実」を言っています。

どちらも私はコーヒーを飲んでいますよね。

では、助動詞をつけてみましょう。

I will have coffee. / I could have coffee. / I can have coffee. / I should have coffee. / I must have coffee.

前から順番に、「コーヒーを飲もう」「コーヒーを飲むのもありだな」「コーヒーを飲めるよ」「コーヒー飲むべきだよ」「コーヒーを飲まなきゃダメ」。

そう、どれもコーヒーを飲んでいないのです

コーヒーを一口も飲んでないのに、コーヒーを飲むことについてごちゃごちゃ言っているとは、つまり「空想」。

そう、助動詞の正体とは、すなわち「空想」なのです

「空想って、誰のだよ?」He can have coffeeもShe would have coffeeもYou should have coffeeも、空想しているのは彼でも彼女でもあなたでもないのです。

「私」が空想しています。…ここが最大のポイントです。

She will have coffee.と、隣のおじさんが言った場合、隣のおじさんが空想しています。

助動詞とはそれを語っている人の空想、つまり「主観」なのです。

よくわからないことを考え、語るのが日常会話

日本語では、「明日は雨です」「今は雨です」のように未来も現在も同じように言えます。

しかし、英語では、未来、つまり「頭の中の空想を語る」とき、willやcanやmightのような助動詞を使うことで、「これは私が空想していますよ」と現実と空想を明確に区別する必要があるのです。

「いやいや、普通に現実を生きているし、そんな空想とかしてないし!」と思われるかもしれませんが、日本語で普段考えていることって、「英語どうやったら話せるかな~?」とか、「あの人は私をどう思っているかな~?」とか、「週末どこ行こうかな~?」とか、「老後どうしようかな~?」とか。

ほとんどが「まだ起こってないこと、よくわからないこと」ですよね。

そして、これを語るのがズバリ、助動詞なのです!

助動詞を使いこなせれば、英語を使って考え、意見も伝えられるようになり、「英語脳」へとぐっと近づくことができるのです。

助動詞を使う「順番」を知れば、英語脳になれる

本項では、これから11個の助動詞を学んでいきますが、実は、思考の流れに沿って助動詞を使う「順番」というものがあるのです。

「まず最初にcanで、次に○○で、それから●●を使って、最後に☆☆を言えば…英語で考えられてるじゃん!」

このように本項を読めば、助動詞をどの順番で発想すればよいかがすべてわかるようになります。

思考の順番に合わせて、「可能性、方向性、実現、妄想」の4つのグループに助動詞を分類していますので、そちらも注目してみてください。

それでは、助動詞を学習していきましょう!

「助動詞をマスターしよう」に続く

前置詞をマスターしよう

コアイメージ

<よく目にする基本の前置詞>
①at:一点   ②by:近接   ③for:方向性   ④from:出発点
⑤in:包囲   ⑥of:分離   ⑦on:接触   ⑧to:方向・到達
⑨with:付帯

<実は日本語でも使っている前置詞>
①about:周辺   ②after:追従   ③against:反対
④around:円に沿って回る   ⑤before:前   ⑥off:分離
⑦since:起点   ⑧under:(上から覆われて)下にある

<知っているとお得な前置詞>
①across:~を横切る   ②among:たくさんのものに囲まれて
③between:個別に結びつく
④during:「~の間」「~の間じゅう」   ⑤over:覆う
⑥through:貫通   ⑦until:継続

<知っていると自慢できる前置詞>
①along:~に沿って   ②behind:背後(~の後ろに)
③beside:横にいる・隣にいる   ④beyond:超越   ⑤into:突入

よく目にする基本の前置詞

atやonなどの前置詞は、知っている人も多いですよね。

例えば、at→「~で」、on→「~の上に」のように覚えていることでしょう。

しかし、atやonの意味はそれだけではありません。

コアイメージをつかんで、派生する意味もおさえましょう。

①at

「一点」から意味が広がったat

時間や場所を表すatは「~で」と覚えている人も多いのですが、atには、コアイメージである「一点」から派生して、「場所・時」「割合」「状態」「対象」という4つの意味があります。

複雑に感じるかもしれませんが、「一点」というイメージを定着させておけば、いずれもすんなり理解できます。

さっそく、それぞれの意味を見ていきましょう。

(1)場所・時の一点

atは「一点」→「場所・時の一点」を表します。

例えば、at Parisは「パリという場所の一点」であり、「ロンドンに行くときにパリで一度乗り換えて…」などのように、パリを「地図上の一点」と考えるときに用います。

一方、「時の一点」であれば、以下のように使われます。

I got up at 6:00 this morning.(私は今朝6時に起きた)

atが一点を表すことを考えると、例文は、「6時ちょうどに起きた」という意味になります。

ところで、at Parisに似た表現に、in Parisがあります。

先に述べたように、at Parisはパリを一点としてとらえていますが、in Parisは、パリという空間に包まれたイメージ。

つまり、inの核心は「包囲」なので、「有名なシャンゼリゼ通りで凱旋門が見えて、両脇にはブランドショップがあり、足元にはハトがいて…」などのように、パリの街に包まれている様子を表します。

(2)割合の一点

atの「一点」は、「目盛りの一点」という感覚で、速度計や温度計などの「割合」を表します。

My father drove at 100 miles an hour.(父は時速100マイルで運転した)

例文は、車のメーターの針が100マイルという「目盛りの一点」をビシッと指していることを表しています。

(3)状態の一点

少し難しい意味に、「一点」→「状態の一点(~中)」があります。

Please make yourself at home.(どうぞおくつろぎください)

例文のat homeは、「くつろいで」という熟語。

これは「くつろぐという状態の一点にいる」ことから、「くつろいで」となりました(ここでのhomeは「家」→「家でくつろぐこと」という意味になります)。

例文のmakeは、make O(目的語)C(補語)の形で、「OをCの状態にする」と訳します。

直訳は「あなた自身(yourself)をくつろいだ状態(at home)にして(make)ください」となります。

(4)対象の一点

ここまでの3つの意味は、すべて「止まった一点」を表していました。

しかし、「対象の一点」はatに動きが出て「めがける一点」になります。

She looked at him.(彼女は彼を見た)

look at ~は「~を見る」という熟語ですが、視線を「一点」に投げかけているので、atが使われます。

同様に、「笑い」を投げかければ、laugh at ~「~を笑う」、「微笑み」を投げかければ、smile at ~「~に微笑みかける」となります。

ちなみにatは、的の一点をめがけていますが、必ずしも命中するとは限りません。

ちょうど、smileを投げかけても気づかれないことがあるのと同じです。

さらに、atはあくまで「一点をめがける」だけで、それが届くかどうかまでは示しません。

後ほど出てくるforやtoとの区別のポイントになりますので、覚えておきましょう。

[atを使ってみよう]

【場所・時の一点】
I met her at the corner.
(私は彼女に(通りの)角で会った。)
⇒「角を場所の一点」と捉え、at the cornerと表します。

【割合の一点】
The temperature stood at 32℃.
(気温は摂氏32度だった。)
⇒温度計の目盛りが32℃という「一点」を表しているイメージです。

【対象の一点】
The dog jumped at me.
(犬が私に飛びついてきた。)
⇒jump at ~「~に向かってジャンプする」という熟語です。「私という一点をめがけて」飛びつくというイメージです。

②by

「近接」のイメージが基本のby

「~によって」というイメージが強いbyですが、byの基本となるイメージは、「~の近くに」という「近接(~の近くに)」。

このイメージを定着させることで、その他の意味も、暗記に頼らず、すんなり理解できます。

これをもとに、「経由」「行為者」「手段」「単位・差」「期限」といった意味を見ていきましょう。

(1)近接(~の近くに)

by本来の「近接(~の近くに)」という意味から確認しましょう。

He always stood by his students in difficult times.(彼は困ったときいつも生徒の味方をした)

stand by(stood by)という熟語には、「傍観する」「味方する」「待機する」という3つの意味がありますが、これらの意味はすべて、「近接(~の近くに)」から考えることができます。

1「傍観する」
「~の近くに(by)立つ(stand)」→「傍観する」
2「味方する」
「(精神的に)近くに(by)立つ(stand)」→「味方する」
3「待機する」
「(舞台などの)近くに(by)立つ(stand)」→「待機する」

このように、「~の近くに」という本体の意味をしっかりおさえると、stand byの3つの意味も簡単に理解できます。

(2)経由

by=「近くに」というイメージを持っていると、by way of ~「~経由で」という熟語の意味も容易に想像できます。

I went to Rome by way of Paris.(私はパリ経由でローマに行った)

by way of ~は直訳すると「~という道を通って」。

by=「近くに」なので、by way of Parisは、「パリの近くを通って」→「パリ経由で」に。

(3)行為者

誰もが知っているby=「~によって」。

この意味は、「~を通って(経由)」→「~という人を通って」と変化したものです。

America was discovered by Columbus.(アメリカ大陸はコロンブスによって発見された)

本来は、「アメリカ大陸はコロンブスを経由して発見された」ということ。

そこから、「コロンブスによって」となりました。

(4)手段

お馴染みのby=「手段」は、「行為者」が「手段(~によって)」になりました。

I went there by car.(私は車でそこまで行った)

同様に、by train「電車で」、by e-mail「Eメールで」、by phone「電話で」などを表します。

さて、最後にbyの応用を2つ紹介します。

(5)単位・差

I am hired by the hour.(私は時給制で給料をもらっている)

このbyは単位を表すので、by the hour「1時間単位で」→「時給制で」という意味になります。

(6)期限

Can you finish it by 11 o’clock?(11時までにそれを終えられる?)

byの「~の近くに」から、「どんなに近づいてもOK(でもそれを過ぎちゃダメ)」→「~までには」となりました。

例文は、「11時にどんなに近づいてもOK」→「11時までに」の意味。

時間を表すbyとuntilの違いは後述します。

[byを使ってみよう]

【近接】
I go by that coffee shop every morning on my way to work.
(私は毎朝仕事に行く途中、あのカフェのそばを通る。)
⇒go by ~「~を通り過ぎる」という熟語です。直訳「~の近くを(by)行く(go)」ということです。

【手段】
I reserved the tickets by phone.
(私は電話でチケットを予約した。)
⇒by phone「電話で」という手段を表します。

【単位・差】
I am older than you by 8 years.
(私はあなたより8歳年上だ。)
⇒by 8 years「8歳差で」となり、byは「差(~の分だけ)」を表しています。

【期限】
I have to finish the report by next Monday.
(私はそのレポートを次の月曜までに仕上げなければならない。)
⇒「月曜まで」は、「月曜までには」という「期限」を表しています。

③for

大まかな方向性を表すfor

forといえば、「ために」という意味が有名ですが、基本のイメージは「方向性(~に向かって)」です。

forを見たら、まずは「方向性(~へ向かって)」を考えてみてください。

この「方向性・賛成」の他に、「目的」「交換」「理由」「範囲」という意味があります。

さっそく順番に見ていきましょう。

(1)方向性・賛成

まず、for=「方向性(~へ向かって)」から確認してみましょう。

Is this the train for Shibuya?(これは渋谷行きの電車ですか?)

例文のfor Shibuyaは、電車の表示でもお馴染みですね。

このforで覚えておきたいのは、方向性のforの場合、必ずしもゴールに到達するとは限らないということ。

ざっくりと「そっちの方へ向かう」イメージです。

反対に、必ずゴールに到達するのはtoです(for、to、atの違いについては後述します)。

ところで、forは「気持ち」が向かうことも表します。

「気持ちが~に向かって」から、「~に賛成して」という意味が生まれました。

I’m all for it!(大賛成!)

例文のforは「賛成」。

allはforを強調しているので、all forで「大賛成」となります(単に「賛成」という場合は、I’m for it.)。

(2)目的

気持ちが何かに向かうということは、何かを求めるということ。

ここから、「~を求めて、~のために」という意味が生まれました。

I’m looking for my purse.(私は財布を探しています)

look for ~は「~を探す」という熟語。

「~を求めて(for)、キョロキョロ見る(look)」ということですね。

(3)交換

さて、ここからはforの応用です。

forには「~と交換に」という意味もあります。

I paid ten pounds for the pen.(私はそのペンに10ポンドを支払った)

「ペンと交換に10ポンドを払った」ということです。

ちなみに例文は、「ペンのために10ポンド払った」とも解釈できますね。

このように、「ために」から「交換して」の意味が生まれたわけです。

(4)理由

forは「理由」も表します。

Thank you for coming!(来てくれてありがとう!)

Thank you for ~は「for以降のことを理由にあなたに感謝する」というのが本来の意味です。

(5)範囲

forは、時間的な範囲を表す場合にも用います。

I’ve been reading the novel for two hours.(2時間ぶっ続けでその小説を読んでいます)

for two hours「2時間」というのはよく使われますが、「2時間というゴールに向かって」→「2時間」となったわけです。

[forを使ってみよう]

【方向性・賛成】

Are you for or against the proposal?
(あなたはその提案に賛成ですか反対ですか?)
⇒forは「気持ちが~に向かって」→「~に賛成して」、againstはforの逆で「~に反対して」となります。

【目的】
She is waiting for John.
(彼女はジョンを待っている。)
⇒wait for ~は「~を待つ」という熟語。「~を求めて(for)待つ(wait)」というイメージです。

【交換】
I bought the pen for three pounds.
(私はそのペンを3ポンドで買った。)
⇒forは交換を表します。そのペンを「3ポンドと交換に」購入したことを表します。

【理由】
Kyoto is a city known for its beauty.
(京都はその美しさで知られている街だ。)
⇒be known for ~「~で知られている」という熟語。for以下は「理由」を表しています。

④from

出発点を表すfrom

fromは、「出発点」というイメージをしっかり持つことで、その他の意味も理解しやすくなります。

ここから派生し、「原料」「原因」「分離」「区別」といった意味まで広がりました。

fromは「方向・到達」を表すtoの相方でもあります。

さっそく、順番に見ていきましょう。

(1)出発点

from本来の意味は「出発点(~から)」。

ちょうど「スタート地点」を表すようなイメージです。

We started from Yokohama.(私たちは横浜から出発した)

例文のスタート地点は横浜。

この後、横浜を離れることを想像すると、「分離」の意味もすんなり理解できるでしょう。

ちなみに、from「出発点」の相方は、「~へ」という「方向・到達」を表すtoです。

(2)原料

「原料」とは、あるものの「出発点」と考えることができます。

例えば、be made from ~は「~で作られている」という熟語で、from以下には原料(目で見ても必ずしも元の物質がわからないもの)がきます。

Chocolate is made from cacao.(チョコレートはカカオからできている)

チョコレートを見ても、原料であるカカオを認識するのは難しいですね。

ところで、be made from ~に似た熟語に、be made of ~があります。

日本語訳は同じ「~で作られている」ですが、of以下には「原料」ではなく、目で見てわかる「材料」がきます。

(3)原因

「行動の出発点」と考えると、fromには「原因(~が原因で)」の意味があることも理解できます。

The grasshopper died from hunger.(キリギリスは空腹で死んだ)

例文は、「空腹を出発点として(空腹が原因で)、どんどん体力がなくなり、その結果死んでしまった」というイメージ。

寓話の『アリとキリギリス』(The Ant and the Grasshopper)を想像しながら読んでみましょう。

(4)分離

「出発点からスタートする」とは、つまり、「スタート地点から分離する」ということ。

そこからfrom=「分離(~から離れて)」の意味が生まれました。

Illness prevented him from going to school.(病気のせいで彼は学校へ行けなかった(病気は彼が学校に行くのを妨げた))

S prevent 人 from -ingは、「Sは人が~するのを妨げる」という熟語ですが、これは「人が-ingの動作から分離した」(→人は-ingしない(できない))と意訳すると、より自然な日本語になります。

(5)区別

「頭の中で物事を分離できている(区別できている)」ということから、from=「区別(~と区別して・異なって)」という意味が生まれました。

Masato is different from his brother in every way.(マサトは兄とは何から何まで違う)

例文は、A is different from B in ~は、「AとBは~において異なる」という表現です。

このfromは「区別(~と異なって)」を表すので、different「異なる」と相性がよいのです。

[fromを使ってみよう]

【原料】
What is this made from?
(これは何からできているのですか?)
⇒be made from ~で「~で作られている」という熟語。「~」には、原料がきます。海外のレストランで、食べ物を指差しながら使える言い回しです。

【原因】
He was tired from overwork.
(彼は働きすぎて疲れた。)
⇒「過労を出発点に」→「過労が原因で」というイメージ。

【分離】
He must refrain from smoking.
(彼は禁煙しなければならない。)
⇒refrain from ~「~を控える」という熟語です。「タバコを控える」とは、喫煙から「分離」すること。そのため、refrain「控える」と「分離」のfromは相性がよいのです。

【区別】
He can’t tell right from wrong.
(彼は善悪の区別がつけられない。)
⇒tell A from B「AとBを区別する」という熟語です。直訳「AとBを区別して(from)、伝える(tell)」→「AとBお区別する」となりました。

⑤in

何かに包まれているイメージのin

inのコアイメージは「包囲」。

ここから派生したのが、「形式」「包囲状態」「時の包囲・経過」です。

ちなみに、「時の包囲・経過」のinは、会話でも頻繁に使われます。

(1)包囲

inの「包囲(~の中に)」は、何かを身につけている状態を表します。

The woman in the fur coat is Catherine.(毛皮のコートを着た女性はキャサリンです)

例文は、キャサリンが大きなコートにすっぽり覆われているイメージ。

「服に包まれて」→「服を着て」という意味になります。

これによりinは、点ではなく「包囲」を表すことがわかります。

もう1つ、in=「包囲」を理解するのに、わかりやすい例文があります。

The sun rises in the east and sets in the west.(太陽は東から昇り西に沈む)

「東から昇る」と聞くと、ついfromを使いそうになりますが、英語ではinを用いてin the eastと表します。

これは日本人が方角を「点」として捉えているのに対し、英語圏の人々は方角を「大きな空間」として捉えているから。

つまり、東西南北のそれぞれに大きな箱があり、太陽はその箱の「中で」昇ったり、沈んだりするというイメージです。

これを理解すれば、「東から昇る」を表す際にinが使われることも、しっくりくるでしょう。

(2)形式

「包囲(~の中で)」が派生して、inは「形式(~という形で)」も表します。

Please speak in English.(英語で話してください)

この文では、「英語の中で(英語という範囲の中で)」→「英語という形式で」と解釈できます。

この「形式のin」は様々な表現で使われるので、覚えておくと役立ちます。

例えば、in group「集団(という形式で)」、in cash「現金(という形式)で」、in a loud voice「大きい声(という形式)で」などがあります。

(3)包囲状態

「(雰囲気の中に)包まれて」から、「~の状態で」という意味が生まれました。

He is in love with her.(彼は彼女に恋している)

in love with ~は、「~に恋している」という熟語。

これは「恋愛の雰囲気に心がすっぽり包まれて」→「恋愛の状態で(=恋をして)」となりました。

ちなみに、片想いか両想いかは、文脈しだいです。

(4)時の包囲・経過

「包囲」は、in the morning「午前中に」などのように、「時の包囲(~に)」も表します。

これは「午前(morning)の範囲内で」ということ。

解釈が難しいのは、in an hourなどの「経過(~したら、~後)」のinです。

I’ll be back in an hour.(私は1時間で戻ってくる)

例文は、「戻るという行為は、1時間の範囲内で行われ、それが完成する(終わる)」と解釈します。

つまり、戻ってくるのは1時間後です。

[inを使ってみよう]

【包囲】
The boy sat in the chair.
(男の子は椅子に座った。)
⇒in the chairは、肘掛け椅子やソファに、すっぽり包まれるように座っているイメージです。ちなみに、on the chairは、普通の椅子に腰かけている状態を表します。

【形式】
Please pay in cash.
(お支払いは現金でお願いします。)
⇒「現金という形式で」→「現金で」に。海外旅行のショッピングなどの際によく聞く表現です。

【包囲状態】
She was in trouble.
(彼女は困っていた。)
⇒in trouble「困って」という熟語です。「困ったこと(trouble)に包まれている状態」というイメージです。

【時の包囲・経過】
She will be here in no time.
(彼女はもうすぐ帰ってきます。)
⇒in no time「今すぐ」という熟語です。このinは「経過(~後)」を表して、直訳「0秒後に」→「今すぐ」となりました。

⑥of

分離から所有まで3つの顔を持つof

of=「所有(~の)」と覚えた人も多いと思いますが、ofのもともとの意味は「分離」。

これを覚えておくと、ofの新しい顔が見えてきます。

この機会に、ofの「分離」を定着させてください。

「分離」から「所有」に向かう過程で、意味に広がりを持つようになったのです。

ofを理解するためには、a)完全に離れた「分離」、b)分離と所有の中間で、微妙にくっついている「起源・材料」、c)完全にくっついている「所有・部分」と「関連」という、3つの顔を理解することが大切です。

さっそく、順番に見ていきましょう。

(1)分離

繰り返しになりますが、ofははるか昔、「分離(~を離れて)」の意味でした。

He is independent of his parents.(彼は親から自立している)

be independent of ~は「~から自立している」という熟語。

independent「自立・独立」とは「何かから離れる」ことなので、分離のofと相性がよいわけです。

(2)起源・材料

2つ目のofの顔は、「分離」と「所有」の中間である「起源・材料(~を材料にして)」。

主にbe made of ~「~で作られている」の形で使われ、of以下には材料がきます。

ofは元の材料と「つながっている」感じがあるのです。

My new jacket is made of leather.(私の新しいジャケットは革製だ)

似た熟語にbe made from ~「~で作られている」があります。

日本語訳はbe made of ~と同じ「~で作られている」ですが、fromの後にくるのはofと異なり、目で見ても必ずしも元の物質がわからない「原料」になります。

Chocolate is made from cacao.(チョコレートはカカオからできている)

fromには「分離」の意味もあるので、「元の物質から分離している」イメージです。

(3)所有・部分

本来の「分離」から何百年もの時間をかけて、ついに「所有(~を所有して)」の意味になりました。

学校で習うのは、この所有のofがメインです。

The street of Rome are beautiful.(ローマの通りは美しい)

「所有」のofは、本来の「分離」の意味とは真逆です。

ご存じのように、A of Bで「Bが所有するA」「Bの中のA」という意味ですね。

(4)関連

「~を頭の中で所有している」ことから、「~について(考える・話す)」という意味も生まれました。

He is speaking of Singapore.(彼はシンガポールについて話している)

speak of ~は「~について話す」という表現で、ofは「関連(~について)」を表します。

同様の表現に、think of ~「~について考える」やcomplain of ~「~について不満を言う」などがあり、いずれも「関連のof」が使われています。

ちなみに、これらのofは、speak aboutなどのように、aboutに置き換えることができます。

さらに、be afraid of ~「~を恐れる」、be aware of ~「~に気付いている」、be sure of ~「~を確信している」など、多くの熟語に「関連の」ofが使われています。

[ofを使ってみよう]

【分離】
He is free of debt.
(彼には借金がない。)
⇒be free of ~「~がない」という熟語。そもそもfreeは「ない」という意味です(「束縛がない」→「自由」ということ)。そのため、free「ない」と「分離のof」は相性バッチリなわけです。

【起源・材料】
What is this cloth made of?
(この布は何で作られていますか?)
It’s made of nylon.
ナイロン製です。)
⇒be made of ~で、「~で作られている」という熟語。「~」には目で見てわかる材料がきます。

【関連】
I was thinking of the girl.
(私はその女の子のことを考えていた。)
⇒think of ~「~について考える」という表現です。think ofのofは、aboutに置き換えてもOK。

⑦on

何かにぴたりと接触しているon

onのコアイメージは、「接触」です。

つい「上」と訳してしまいますが、実際には上だけでなく、横でも下でもくっついていればonが使われます。

まずはこのイメージをしっかり定着させましょう。

そうすれば、このイメージから派生した「進行中」「意識の接触」「依存」「影響」という意味も、すんなり理解できます。

(1)接触

繰り返しになりますが、onの核心は「接触(~にくっついて)」。

重力の関係で「上」に接触することが多いだけで、実際はくっついていればどこであってもonが使われます。

There is a picture on the wall.(壁に絵が掛けてある)

得は壁の上にあるわけではありません。

しかし、両者は接触しているのでonで表せます。

(2)進行中

よく使われるのが、「進行中」のon。

on saleという表示は、日本でも見たことがあるでしょう。

The book is now on sale.(その本は発売中です)

「動作に接触している」ということから、「進行中(~の最中)」という意味になりました。

例文のon sale(発売中)という表現は、「販売という動作に接触して」→「発売中」となります。

同様に、テレビでよく見かけるon air(放送中)という表現は、「空中に電波を飛ばす作業に接触して」→「放送中」と考えればOKです。

(3)意識の接触

意識に対しても、onは使われます。

「意識が接触している」→「~について」という意味が生まれました。

I bought a book on cats.(私は猫に関する本を買った)

「猫に関する本」と聞くと、a book about catsを思い浮かべる人もいるでしょう。

aboutも「~について」の意味ですが、どちらかというと、一般的な内容の場合に用います。

これに対し、onは「専門的な内容」の場合に使います。

つまり、aboutは「周辺」という漠然としたイメージから一般的な場合に、onは「接触」というイメージからその内容をべったりと深く扱う場合に用いるわけです。

上の例文でいえば、a book on catsは猫に関する専門書を表し、仮にa book about catsであれば、猫について軽く扱ったエッセイのような本を表します。

(4)依存

「心の接触」から、「依存(~に頼って)」の意味も表します。

単に接触しているというよりも、思いっきりくっついて頼っているイメージ。

この依存のonは、様々な熟語で使われていて、以下のdepend on A (for B)「Aに(Bを)頼る」はその代表例です。

Japan depends on foreign countries for oil.(日本は石油を外国に頼っている)

(5)影響

最後に、「影響」のonを紹介します。

Such magazines have a great influence on children.(そのような雑誌は子供に大きな影響を与えている)

例文は、Aが単にBに接触するだけでなく、強い影響力を与えるイメージです。

この「影響のon(~に影響を与えて)」は、様々な熟語で使われています。

例文のhave an influence on ~は、「~に影響を与える」という熟語。

influenceがchildrenにグイグイと力を与えて、変形させるようなイメージです。

[onを使ってみよう]

【接触】
There is a spider on the ceiling.
天井にクモがいる。)
⇒この場合、クモは天井にくっついています。クモは天井にぴたりと接触しているので、onを用いてspider on the ceilingと表します。

【進行中】
I’m on a diet.
(私はダイエットをしています。)
⇒on a diet「ダイエット中」という熟語。「ダイエットに接触して」→「ダイエット中」というイメージ。

【依存】
This ice cream is on me.
(このアイスおごるよ。)
⇒直訳の「このアイスは私を頼りにしていいよ」から、「このアイスおごるよ」に。onは「依存」を表します。

【影響】
I wasn’t able to concentrate on my work.
(私は仕事に集中できなかった)
⇒concentrate on ~は「~に集中する」という熟語。「影響のon」で、on以下にグーッと力を与えるようなイメージです。

⑧to

「方向・到達」などを表すto

前置詞の代表格ともいえるtoは、ある方向へ向かう「方向・到達」がコアイメージです。

そこから派生して、「結果」「一致」「対比・対立」という意味が生まれました。

「方向・到達」と「結果」は、toを右向きの矢印「→」に置き換えると、断然わかりやすくなります。

一方、「一致」と「対比・対立」は「方向・到達」のイメージから少し発展した意味になりますが、コアイメージを定着させれば、それほど難しいことはありません。

(1)方向・到達

toの核心は「方向(~へ向かう)・到達(~に着く)」。

ちょうど、from「出発点」の相方のイメージです。

I walk to the station every day.(私は毎日、駅まで歩いていく)

このときポイントになるのが、toはある方向へ向かっただけでなく、「きっちり最後まで到達する」ということ。

例文では、「駅に向かい、そして最後は駅に到着する」ことを表しています。

同じ方向性を表す前置詞のatやforとは、その点が異なります。

atやforは、「そちらの方へ向かう」だけで、到達するとは限りません。

(2)結果

toは右向きの矢印「→」のイメージから、到達点を強調し、さらに「結果(~の結果…)」表すこともあります。

When I saw the film, I was moved to tears.(その映画を見て私は感動して涙を流した)

moveは「(心を)動かす」から「感動させる」という意味です。

例文のtoを「→」に置き換えると、意味がとりやすくなります。

When I saw the film, I was moved to tears.(感動した→涙を流す)

(3)一致

toは本来、右向きの矢印「→」のイメージですが、矢印が向かった先に「くっつく」という部分のみが強調されることもあります。

I belonged to the tennis club.(私はテニス部でした)

belong to ~「~に所属する」という熟語ですが、toは矢印ではなく「くっつく」イメージを持つとわかりやすいでしょう。

(4)対比・対立

「方向・到達」のイメージが発展して、「対比(~と比べて・~よりも)」や「対立(~に対して)」の意味が生まれました。

これは何かが対象物に「到達」し、そしてそれが跳ね返ってくる(対立する)イメージです。

We sat face to face.(私たちは面と向かって座った)

face to faceで「顔に対して顔」→「面と向かって」となります。

ちなみにその逆はback to backで「背中に対して背中」→「背中合わせで」という意味になります。

[toを使ってみよう]

【方向・到達】
It is five minutes to six now.
5時55分(6時5分前)です。)
⇒5:55なのか、あるいは6:05なのか、迷う人も多いのではないでしょうか。そんな時は、「6時に向かって(to)、あと5分(five minutes)」と直訳するとわかりやすくなります。あるいは、toを「→」に置き換えると、「6時に向かって」ということがわかりやすくなります。

【結果】
To my regret, she refused my proposal.
ガッカリしたことに、彼女は僕のプロポーズを断った。)
⇒もともとは、She refused my proposal to my regret.「彼女は僕のプロポーズを断って、僕はガッカリした」でしたが、この文のように、to my regretの部分が前に出ることもよくあります。

【一致】
The car belongs to him.
(その車は彼のものです。)
⇒belong to ~は「~に所属する」という熟語。「物が人に属している」という意味でもよく使われます。

⑨with

もとは「相手」という意味だったwith

withのコアイメージは「付帯」。

全体としては、「付帯・携帯・道具」「様態」「付帯状況」などを表します。

さらに、withには「付帯」のほか、「相手・関連」の意味もあります。

(1)付帯・携帯・道具

withの代表格といえば、tea with lemon「レモンティー」などを表す「付帯・携帯(~と一緒に、~を持って)」です。

“A with B”というイメージでおさえましょう。

I’d like tea with lemon.(レモンティーを頂きたいのですが)

このとき気をつけたいのが、A with BのAとBは同等ではなく、Aがメイン(主役)でBはオマケである、ということ。

例文のtea with lemonでは、tea(紅茶)がメインで、withの後のlemon(レモン)はオマケ。

tea with lemonという単語の並びも、主役→オマケの順になっています。

また、「~と一緒に、~を持って」から、「~を使って」という「道具」の意味が生まれました。

例えば、write with a pen「ペンで書く」のように使われますが、これは「ペンを手に持って」→「ペンを使って」となりました。

(2)様態

withは後ろに「注意」や「簡単」などの名詞をとって、「様態」も表します。

Treat this with care.(注意してこれを扱ってください)

例文のwith careは、「注意深さを持って」→「注意深く」となりました。

別の「様態」を表す例としては、with ease「簡単に」、with difficulty「苦労して」、with kindness「親切にも」などがあります。

(3)付帯状況

with A B「AがBのままで」という形でよく使われます。

これは「付帯状況のwith」といわれるもので、withの後ろに2つの要素がくるのが特徴です(通常、前置詞の後には要素となる塊は1つだけしかきません)。

Don’t speak with your mouth full.(ものを食べながらしゃべるな)

例文では、with your mouth fullが”with A B”の形になっています。

直訳「口が(your mouth)いっぱい(full)のままで」が「ものを食べながら」となりました。

その他にも、with one’s eyes closed「目が閉じられたままで」→「目を閉じて」、with one’s arms folded「腕が組まれたままで」→「腕を組んで」などがあります。

ここまでは、「付帯」というコアイメージから派生した意味でしたが、最後にあまり馴染みのない「相手・関連」について紹介します。

(4)相手・関連

実は、withはもともと「相手(~を相手に)」という意味でした。

”A with B”で、”A vs. B”という「ライバル関係」のイメージだったのです。

それが、時間をかけて「AとBはいつもワンセット」→「一緒に」となって現在に至ります。

この「相手」の意味をおさえると、withの理解が一気に深まります。

She is angry with him.(彼女は彼に怒っている)

直訳「彼を相手に怒っている」→「彼に(対して)怒っている」となります。

つまり、彼女の怒りは「一方通行」で、彼の方は別に怒っているわけではありません。

しかし、多くの人は、例文を「彼女は彼と一緒に怒っている」と訳してしまいます。

文脈によってはそうなる可能性もありますが、そのケースは非常に稀。

また、そのように訳した場合は、何に対して怒っているのかがわからなくなります。

これを機会にぜひ、with=「相手・関連」の意味も覚えておきましょう。

[withを使ってみよう]

【付帯・携帯・道具】
She cut the meat with a knife.
(彼女はナイフで肉を切った。)
⇒withは「道具(~を使って)」の意味です。「ナイフを持って」→「ナイフを使って」となりました。

【様態】
He got it with ease.
(彼は簡単にそれを手に入れた。)
⇒with easeは「簡単さを持って」→「簡単に」となりました。

【付帯状況】
He stood there with his eyes closed.
(彼は目を閉じてそこに立っていた。)
⇒withの後ろに2つの要素がくる「付帯状況のwith」。with one’s eyes closed「目を閉じて」という表現です。

【相手・関連】
What’s the matter with you?
(何があったの?)
⇒withは「関連」を表し、「あなたに関して何があったの?」というイメージ。日常会話でもよく使うので、覚えておくと便利です。

実は日本語でも使っている前置詞

前置詞の中には、日本語として使われている単語もたくさんあります。

例えば、アフター5のafter、アラサーのaround、オフ(休日)のoffなどなど。

このパートでは、それらの前置詞を紹介します。

①about

「周辺」「周り」を意味するabout

aboutは「約」でお馴染みですが、基本のイメージは「周辺」「周り」。

「周り」といっても、文字通り「アバウト」な感じで、「グダグダ」覆うイメージです。

They gathered about the fireplace.(彼らは暖炉の周りに集まった)

暖炉の周りに集まる場合、きれいに暖炉を囲むというより、形は気にせずそれぞれが自由に好きな場所に座りますね。

だから、グダグダのイメージを持つaboutを用いたabout the fireplaceがぴったりきます。

一方、aboutと同じように使えるaroundは、「周り」といっても「グダグダ」ではなく、きれいな円で囲うようなイメージ。

例えば、around the tableであれば、「テーブルを囲む」という意味になります。

aboutには「周辺」「周り」から生まれた意味として、「約~」「関連」もあります。

例えば、about 30は「30の周り」から、「約30」を意味します。

Tell me about yourself.(君のことを話してくれ)

about yourselfは「君の周辺のこと(血液型・趣味・家族構成など)」→「君について(君のこと)」。

つまり、about=「周辺」「周り」をおさえておけば、「約~」や「関連」の意味も、簡単に理解できます。

[aboutを使ってみよう]

【周り、周辺】
There is something mysterious about her.
彼女にはどこか謎めいたところがある。)
⇒about=「周り」とイメージすれば、すんなり理解できます。「彼女の周りをmysteriousな雰囲気が漂っている」→「謎めいたところがある」に。日常会話でも使えるので、ぜひ覚えておきましょう。

【関連】
Don’t worry about the results of your test.
テストの結果は心配するな。)
⇒about the result of your testは、「テストの結果について」。「モヤモヤと周りを覆っている」意味を含むaboutを用いることで、「不安」や「心配」のニュアンスが、しっかり伝わります。

②after

追従のイメージを持つafter

after=「後」という意味はお馴染みですが、まずは「追従」「後を追いかける」というイメージをしっかり持ちましょう。

Repeat after me.(私の後に繰り返して)

学校の授業などで、必ずと言っていいほど聞くこの英文は、まさに「追従」。

つまり、after meには、「(教師である)私の後を追いかけて(そして英語を言って)」というニュアンスが含まれています。

もう1つの意味「模倣」は、「後を追いかける」イメージから生まれました。

This is a picture after the style of Vincent van Gogh.(これは(フィンセント・ファン・)ゴッホ風の絵画だ。)

例文は、「この絵はゴッホのスタイルの後の絵です」と訳しがち。

しかし、after=「後を追いかける」というイメージを持っていれば、正確に読み取れます。

つまり、after the style of Vincent van Goghは「ゴッホのスタイルの後を追いかけて」→「ゴッホのスタイルを真似て」→「ゴッホ風の」と解釈できます。

これを機会に、after=「後」だけでなく、after=「後を追いかける」を覚えるようにしましょう。

[afterを使ってみよう]

【後・追従】
I asked her to look after my children.
(うちの子供の面倒を見るように、彼女に頼んだ。)
⇒look after ~は「~の面倒を見る」「~の世話をする」という熟語です。「子供の後を追いかけて(after)、よく見る(look)」ということです。

【模倣】
I was named Masato after my mother.
(私は母(の名)にちなんでマサトと名づけられた。)
⇒name A after Bは、「BにちなんでAと名づける」という熟語。「母の後を追って」→「母にちなんで」ということです。

【模倣】
Nancy takes after her mother in everything.
(ナンシーは何から何まで母親に似ている。)
⇒take after ~は「~に似ている」という熟語。takeを「(遺伝子を)とる」と解釈すれば、直訳の「~に似た性質の(after)、遺伝子をとる(take)」→「~に似ている」とすんなり理解できます。このtake after ~は「遺伝子をとる」ことから、「血縁関係」がないと使えません。これに対しresemble(似ている)は、血縁関係がなくても使えます。

③against

“vs.”で表すことができるagainst

againstのコアイメージは「反対」。

反逆精神を持って何かに立ち向かうイメージです。

記号で表すなら”vs.”です。

I think that Spain will compete against Brazil in the World Cup Final.(ワールドカップ決勝戦ではスペインはブラジルと対戦すると思う)

まさに「スペインvs.ブラジル」というイメージです。

さらに、「反対」のイメージが発展して、「防御・対照」の意味が生まれました。

The earth looks beautiful against dark space.(真っ暗な宇宙を背景にして、地球が美しく見える)

「地球の美しさと真っ暗な宇宙が対照をなしている」というイメージから、againstは「~を背景にして」の意味に。

againstをvs.に置き換えて、「美しい地球 vs. 真っ暗な宇宙」と考えるとわかりやすいですね。

もう1つ覚えておきたいagainstの意味は、「強い接触」。

She was leaning against the door.(彼女はドアにもたれかかっていた)

againstの代わりに、「接触」のonを用いてon the doorとしてもよいのですが、あえてagainstを用いることで、「ドアからの反作用を受けるほどぐったりとドアにもたれかかっている」様子を効果的に表すことができます。

ちなみにこの言い回しは、小説などでよく使われています。

[againstを使ってみよう]

【反対】
I’m against your idea.
(私はあなたの考えに反対だ。)
⇒be against ~「~に反対だ」という表現です。ちなみに、「私はあなたの考えに賛成だ」は、I’m for your idea.に。

【防御】
The coat protected her against the cold.
(そのコートは寒さから彼女を守った。)
⇒このagainstは「防御(~に備えて・~に対して)」を表しています。

【強い接触】
The car scraped against a wall.
(その車は壁をこすった。)
⇒scrape against ~「~にこすりつける」という表現。「車が壁から反作用を受けるほど強くぶつかる」というイメージから、againstが使われます。

④around

ぐるっと回るイメージのaround

「円に沿って、その周りをぐるっと回る」ことを表すaroundですが、学校では、次のような文を習いましたね。

The earth goes around the sun.(地球は太陽の周りを回る)

地球(the earth)が太陽(the sun)の周りを回っているのは周知の事実ですが、aroundはまさにその動きをピタッと表しています。

ところで、ぐるっと回るaroundですが、必ずしもきれいに一周する必要はありません。

「半周」や「四分の一周」程度の時にも使われます。

The robber went around the corner.(泥棒は角を曲がって行った)

角を曲がる場合、おおよそ90度くらいですが、このようなときにもaroundが使われます。

さらに、「周り」のイメージから生まれたのが、「概数(約~)」の意味。

around fifty dollarsなら、「50ドルの周り」→「約50ドル」。

ちょうど、aboutと同じイメージになります。

ちなみに、日本語で使われる「アラサー」は、around 30から生まれた言葉。

雑誌などのメディアでは、30歳より「前」を表すときに使われることが多いようですが、本来の意味に従えば、30歳の「後」でも使えます。

[aroundを使ってみよう]

【円周】
I hope to travel around the world.
(私は世界一周旅行がしたい。)
⇒「worldの周りをぐるっと回って旅する」→「世界一周旅行をする」を意味します。

【半周、四分の一周】
Christmas is just around the corner.
(クリスマスはもうすぐだ。)
⇒around the cornerは、「すぐ近くに、間近に」という熟語として使われることもあります。「角を曲がったところに」→「すぐ近くに」といったイメージを持つとわかりやすいでしょう。

【概数】
He is around 40 years old.
(彼は約40歳(アラフォー)です。)
⇒「40歳の周り」→「約40歳」という意味。

【概数】
Shall we meet around 5:30?
5時30分ごろに会いましょうか?)
⇒「5時30分の周り」→「5時30分ごろ」という意味です。この場合のaroundはaboutとイコールなので、about 5:30と言ってもOK。

⑤before

「→」に置き換えられるbefore

beforeのイメージは、誰もが知っている「前」。

beforeやafterは、日本語でも使われるメジャーな単語です。

I went there the day before yesterday.(私は一昨日そこに行った)

The day before yesterdayは、「昨日(yesterday)の前の日(the day before)」から、「一昨日」という意味になります。

このように、beforeは易しい単語ですが、リスニングとなると、実は混乱する人も少なくありません。

He got up before lunch.(彼は昼食前に起きた)

文字をじっくり読むことができる場面では、この文は容易に理解できます。

ところが、リスニング試験やネイティブとの会話になると、1回聞いただけでは、「目が覚めた」ことと「ランチ」の順番がわからなくなりがちです。

そんなときに強い味方になってくれるのが、右向きの矢印「→」。

使い方は簡単で、beforeを「→」に置き換えるだけです。

He got up before lunch.(「起きた」→「ランチ」)

これなら、「起きて、それからランチ」という順番が瞬時にわかりますね。

今後はbeforeを見たら、ぜひ、「→」に置き換えてみてください。

[beforeを使ってみよう]

【前】
The party was held the week before last.
(そのパーティーは先々週に開かれた。)
⇒the week before last「先々週」という表現です。もともとは、the week before the last (week)で、ここから「先週の前の週」→「先々週」となりました。

【矢印】
You have to finish it before noon.
正午前にこれを終わらせなくてはいけません)
⇒beforeを矢印に置き換えることで、「それを終わらせる」→「正午(になる)」という順番が簡単にわかりますね。

⑥off

身近でよく見かける前置詞off

offのイメージは何かから離れること、つまり、「分離」です。

offはあまり意味の広がりのない単語なので、「分離(~から離れて)」のイメージから想像していくと、たいていの意味は読み取れます。

例えば、off work「仕事から離れて」→「仕事を終えて」という意味になり、I’m off work at 7 o’clock.(私は7時に仕事を終えます)などと使います。

また、日本語で使われる「オフレコ」というのはoff the recordからきています。

つまり、「記録(record)から離れて」→「記録に残さない」ということです。

さらに馴染み深いのが割引に使われるoffです。

30 percent off the market price(市価から30%引き)

「市価から30%分離れて」→「市価の30%引き」という意味です。

お馴染みの表記をもう1つ。

海外ではもちろん、日本の公園でも英語表記で見かける文です。

Keep off the grass.(芝生に入るべからず)

直訳「芝生から離れた状態を(off the grass)保つ(keep)」→「芝生に入らない」という意味です。

このようにoffは、シンプルかつ、身近でもよく見かける前置詞といえます。

[offを使ってみよう]

【分離】
He got off the train at the last stop.
(彼は終点で列車を降りた。)
⇒get off ~「~から降りる」というお馴染みの熟語も、「列車を離れる」ことをイメージすれば、すんなり理解できます。ちなみに対義語はget on ~「~に乗る」。こちらは、onの「接触」から「列車にくっつく」を想像するとわかりやすいですね。

【分離】
His remarks are always off the point.
(彼の発言はいつも的外れだ。)
⇒off the pointは「要点から(the point)離れて(off)」。そこから、「的外れ」の意味に。

【分離】
I’m off coffee now.
(今はコーヒーをやめているんだ。)
⇒「コーヒーから離れている」→「コーヒーをやめている」の意味に。日常会話でもよく使われます。

⑦since

時間の幅を表すsince

sinceのコアイメージは「起点」。

「時の起点」→「~以来」という意味が基本です。

動作や状態が、過去の1点から現在までずっと続いている時間の幅を表します。

I haven’t seen her since then.(それ以来、彼女には会ってないんだ)

このように、sinceは、現在完了形(have p.p.)とセットでよく使われます。

「過去から現在まで」を表す現在完了形とsince「~以来(ずっと)」は相性がよいのです。

また、老舗の店やブランドショップでよく見かける、”since 1928”などの表記。

これは「創業1928年」という意味。

ここから、sinceには、「過去の1点から現在までずっと続いている」、「原点はそこにあって、それが今も続いている」、そんな感覚を含んでいることがわかります。

ところで、sinceには、「接続詞」の用法もあります。

例えば、It has been three years since I saw her last.は直訳すると、「彼女に最後に会ってから、3年が経つ」です。

これが転じて、「もう3年も彼女に会っていない」となります。

ちなみに接続詞のsinceには、「~だから」「~のため」という「理由」の意味もあります。

Since he is sick, he is absent.(彼は病気のため、欠席です)

「~以来」とは無関係に思えますが、これも「ある行為を起点にして(動作の起点)」→「~だから」となっただけなのです。

[sinceを使ってみよう]

【時の起点】
We have known each other since childhood.
(私たちは、子供のころからの知り合いです。)
⇒現在完了(have known)とsince「~以来(ずっと)」がセットで使われています。

【時の起点】
Since when have you been in this cafe?
いつからこのカフェにいたの
⇒Since when?は「いつからなの?」という意味。Since when ~?「いつから~なの?」という「文の形」になることも。

【接続詞のsince】
It’s been ages since I saw you last.
本当にお久しぶりですね。)
⇒agesは「長い間」を表し、直訳すると「あなたに最後に会ってから、長い時間が経ちましたね」。これが転じ、「お久しぶりですね」となります。

⑧under

上から覆われた下を意味するunder

underは「下」とだけ訳されることが多いのですが、「(上から覆われて)下にある」と覚えましょう。

このイメージを持つと、次の文が、単に「カバーの下に(新車が)ある」のではなく、「カバーに覆われている」情景が、イキイキと浮かびます。

His new car was under a cover.(彼の新車はカバーが掛けられていた)

「下にある」ことから「未熟」という意味が、「(上から覆われて)下にある」というイメージから「(上から)支配されている」という意味が生まれました。

He did it under the influence of alcohol.(彼は酒の勢いでそれをやった)

under the influence of alcoholで、「アルコールの影響に支配されて」→「酔っぱらって」という意味です。

ちなみに、of alcoholを省略して、under the influenceでも同じ意味を表します。

さらに、「支配されている」が発展し、「(支配されている)最中」という意味が生まれました。

海外の工事現場ではunder construction「建設中」と書かれている看板を見かけることがあります。

これは、「建設者の支配下で進行している」とイメージするとわかりやすいでしょう。

[underを使ってみよう]

【~に覆われた下方】
There is a cat under the table.
テーブルの下に猫がいる。)
⇒学校で習ったようなお馴染みの文。覆っているものはテーブルで、猫がテーブルに覆われた下方にいることを表しています。

【~に覆われた下方】
What do you have under your arm?
脇に何を抱えているの?)
⇒日本語では「脇の下」と言いますが、英語では「腕の下」に。

【支配・影響】
The nation is under the economic influence of Japan.
(その国は日本の経済的影響を受けている。)
⇒under the influence of ~(~の影響を受けて)という表現。underは「支配・影響」を表しています。

【最中】
The new bridge is under construction.
(その新しい橋は建設中だ。)
⇒under construction「建設中」という熟語。このunderは、「(建設者に支配されている)最中」を表しています。

知っているとお得な前置詞

ここでは、acrossやduring、betweenなど、見たことがあったり、なかったり…、そんな前置詞を紹介します。

知っているとちょっとトクすること間違いなし。

①across

向こう側へ渡っていくacross

acrossは「十字(cross)を切るように移動する」→「~を横切る」という「通過」のイメージ。

ちょうど、こちら側から向こう側へ渡っていく、そんな動作です。

He flew across the Pacific.(彼は太平洋を飛行機で横断した)

こちら側から、「太平洋を横切って」向こう側へ横断する、そんな動きを表していますね。

次に注目したいのが、across=「貫通・浸透」です。

英語上級者でも、across=「通過」しか意識しない人が多いのですが、acrossには「完全に通過するくらい隅々まで」、つまり「貫通・浸透」という意味もあります。

例えば、across the countryは「国中に」、across the worldは「世界中に」という意味になります。

ところで、acrossは、本来「通過する」イメージで「動き(動作)」を伴うものですが、視線が向こう側へ通過した結果、「向こうにあるもの」を指し示すこともあります(=対極)。

The restaurant is across the street.(そのレストランは、通りの向こう側にあります。)

この場合、レストランや通り自体には動きはなく、対極にあるという位置関係を表します。

「対極」の意味のacrossは、日常会話でもよく使われます。

位置関係がすぐに思い浮かぶように覚えておきましょう。

[acrossを使ってみよう]

【通過】
I came across him in the bar.
(そのバーで偶然、彼に会った。)
⇒come across ~で「~に出会う」という熟語。「交差するほど衝撃的な出会い・偶然の出会い」に使われます。

【貫通・浸透】
The rumor spread across the company.
(その噂は会社中に広まった。)
⇒across the companyで、「会社を完全に通過するくらい隅々まで」→「会社中に」となります。

【対極】
The store is right across the street.
(その店は、通りの真向かいにある。)
⇒「~の向こう側にある」という意味のacrossです。rightをつけることでacrossが強調されて「真向かい」の意味に。

②among

埋没のイメージを持つamong

amongは「たくさんのものに囲まれて」という「埋没」のイメージを持つことが大切です。

I found the girl among the crowd.(人混みの中にその少女を見つけた)

この文のように、まずは、人混みの中に紛れているイメージを持ってください。

「~の間」と訳されることが多いのですが、それでは単語の意味を根本から捉えられません。

さらに、「何かの中にポツンといる」ことから、「~のうちの1つ」、つまり「例示」の意味が生まれました。

Tokyo is among the largest cities in the world.(東京は世界で最も大きな都市の1つだ(世界有数の大都市だ))

このような文を見たら、まず、the largest cities in the world「世界最大級の都市」がたくさんあって、それらにTokyoが囲まれている絵をイメージしてください。

そこから、「東京は世界で最も大きな都市の1つ(大都市を1つ例に出すなら東京だ)」という意味になるわけです。

2者は「between、3者以上はamong」と覚えている人も多いbetweenとamongの使い分けですが、ポイントは、数ではなく、対象者が特定かどうかということ。

個別にガッシリ握手するような状況では、相手が3者であっても、amongではなくbetweenを用います。

◎特定でない多くのものの間で⇒amongを使う
◎特定の2者の場合⇒betweenを使う
◎特定の3者以上の場合⇒betweenを使う

[amongを使ってみよう]

【埋没】
The actor is very popular among young people.
(その俳優は若者にすごく人気がある。)
⇒「若い人々に囲まれて」→「若い人々の間で」というイメージです。

【例示】
This lake is among the deepest in the country.
(この湖はその国で最も深いものの1つだ。)
⇒「たくさんの深い湖に囲まれて」→「最も深い湖の1つ」ということです。

③between

個別にガッシリ結びつくbetween

「~の間」と訳されるbetweenですが、大切なのは「相手とガッシリ結びつく」というイメージを持つこと。

amongと比較して、「betweenは2者の間に、amongは3者以上に用いる」と説明されることがよくあります。

確かに当てはまるケースが多いのですが、実際は「3者以上」にbetweenが使われることもあります。

まずは、betweenが「2者の間」で使われる例を見てみましょう。

Between you and me, she is going to resign.(ここだけの話だけど、彼女は辞職するんだ)

between you and meの直訳は、「あなたと私の間(のことだけど)」。

そこから「ここだけの話だけど」に。

日常会話で使われる表現です。

Switzerland lies between France, Italy, Germany and Austria.(スイスはフランス、イタリア、ドイツ、オーストリアと接している)

この場合、スイスは、対フランス、対イタリア、対ドイツ、対オーストリアと、それぞれ「個別」に国境を持っています。

つまり、スイスとフランスの国境にはイタリアは関係なく、あくまでも、「スイス対○○」です。

このように、「それぞれの間で個別にガッシリ握手する」イメージの時には、たとえ「3者以上」であってもbetweenが用いられます。

その他、treaty between three countries(3国間の協定)という表現にもbetweenが使われますが、これも「3つの国がそれぞれの国とガッシリ握手する」イメージに合いますね。

[betweenを使ってみよう]

【2者の間】
What’s the difference between the cultures of East and West?
(東洋と西洋の文化の違いは何ですか?)
⇒the difference between ~「~の違い」という表現。「2つのものの間の違い」というイメージです。What’s the difference between ~?「~の違いは何?」は、外国人との会話で役立つのでぜひ覚えましょう。

【3者以上】
The Mediterranean lies between Africa, Europe and Asia.
(地中海はアフリカ、ヨーロッパ、アジアと接している。)
⇒この場合、地中海とアフリカ、地中海とヨーロッパ、地中海とアジアと、それぞれ個別につながっているので、相手が3者以上でもbetweenが使われます。

④during

特定の期間を表すduring

まずは、duringの「~の間」という意味を確認してみましょう。

The doors remained open during the meeting.(会議の間、ドアは開いたままだった)

この場合のduringは「(会議の)間じゅう」「(会議)の間ずっと」という継続を表しています。

後ろにくるのは、特定期間を表す名詞です。

似た前置詞にforがありますが、forは漠然と「(時間的な)範囲」を表すだけで、duringのように特定期間を欲しがるような面倒なことはありません。

例えば、during the month「その1か月の間」は、後ろにthe monthがくるように特定の期間を表します。

これに対して、for a month「1か月の間」は、単に「1」という意味のaで十分なのです。

また、duringは「~の間」という、「ある期間の中で起きる出来事」を表すこともあります。

The rain changed to snow during the night.(夜の間に、雨が雪に変わった)

この文は間違っても、「夜の間じゅう(変化し続けた)」ということではありません。

「雨が雪に変わる」のは、夜の間のどこかの時点です。

もう1つ注目したいのは、duringとwhileの違いです。

duringは「前置詞であり、後ろに名詞をとる」、whileは「接続詞であり、後ろにS V(主語と述語)がくる」という決まりがあります。

例文で確認しましょう。

During my stay in New York, I visited museums every day.(ニューヨークに滞在中、私は毎日美術館に行っていた)
While I stayed in New York, I visited museums every day.(ニューヨークに滞在している間、私は毎日美術館に行っていた)

[duringを使ってみよう]

【特定期間】
I was standing during the whole lecture.
(私は講義中ずっと立っていた。)
⇒theを加えることで、特定の期間を表しています。

【特定期間】
A man came to see you during your absence.
君の留守中に、ある男性が(君に)会いに来たよ。)
⇒「あなたの留守中」のある時点に、男性が来たという意味です。

⑤over

何かを「覆う」イメージのover

overは「~を越えて」と覚えている人が多いと思いますが、これも「覆う」というイメージからきています。

このイメージをしっかり定着させると、お馴染みの「~を越えて」はもちろん、その他の意味も難なく理解できます。

この説明をちょっと変わった例文から見ていきましょう。

The quick brown fox jumps over the lazy dog.(すばしっこい茶色のキツネは怠け者の犬を飛び越える)

キツネが犬の上をぴょんとジャンプする様子が、まさにoverのイメージです。

ちなみにこの英文は、一文の中にアルファベット26文字がすべて使われています。

さらに、over=「覆う」というイメージを定着させておくと、その他の意味も簡単に理解できます。

We discussed the matter over coffee.(私たちはコーヒーを飲みながら、その件について話した)

over coffeeで、「コーヒーを覆うように話をする」→「コーヒーを飲みながら話をする」ということが理解できます。

ところで、overは「物体」だけでなく、抽象的なものも覆います。

I’m going to stay here over the weekend.(週末中はここにいるつもりです)

weekend(週末)は抽象的なものですが、考え方は同じ。

「週末を覆っている」→「予定表やカレンダーの週末部分を覆っている」というイメージから、「週末中」と訳します。

「覆う」がキーポイントになるoverですが、対象になるものが橋やお茶などのように物体の上を表す場合と、週末(weekend)のように時間などの上を表す場合があり、それぞれ「物体的上方」「抽象的上方」と言います。

[overを使ってみよう]

【物体の上を覆う】
Let’s talk over a cup of tea.
お茶を飲みながら話そう。)
⇒「お茶の上を覆うように、会話が行き交う」→「お茶を飲みながら、会話が行き交う」となります。over=「覆う」と覚えておけば、わざわざover=「~しながら」という別の訳を考えなくてもすぐに理解できます。

【物体の上を覆う】
Snow is falling over the north of England.
イングランド北部全体に雪が降っている。)
⇒雪が降って、イングランド北部をすっぽり「覆っている」イメージです。overは、接触していない例が多いのですが、この英文のように(地面に)接触している場合もあります。

⑥through

何かを通り抜けるイメージのthrough

throughのイメージは「貫通」。

端から端まで通り抜けるイメージです。

throughは何かを通り抜けたり、貫通したりするイメージを持つことで、「終了」や「手段・原因」などの意味も簡単に理解できます。

まずは基本の「何かを突き抜けるイメージ」の例文を見ていきましょう。

The Thames flows through London.(テムズ川はロンドンを通って流れている)

この文から、テムズ川がロンドンを貫いて流れていることがわかります。

また、「貫通」とは「何かが貫いて通り抜けること、最後まで行くこと」。

ここから「終了」を表すことも理解できます。

Is she through college yet?(彼女はもう大学を卒業したのですか?)

through collegeは「大学を通り抜ける」→「大学を終える(卒業する)」という意味になります。

さらに、throughは「原因」や「手段」も表します。

She attends success through hard work.(彼女は一生懸命働いたので(働いたおかげで)成功した)

through hard work「一生懸命働くことを通して」→「一生懸命働いたおかげで」となります。

同様に、through the Internet「インターネットで」、through carelessness「注意不足で」などがあります。

[throughを使ってみよう]

【貫通】
He looks through the newspaper every morning.
(彼は毎日新聞に目を通す。)
⇒look through ~「~に目を通す」という熟語。「目線が新聞を通り抜ける」イメージを持つとわかりやすいでしょう。

【終了】
I’m through with her.
(彼女とは終わったんだ。)
⇒through=「終了」。be through with ~は「~との関係を絶つ、~と手を切る」という意味です。

【手段】
I located my old high school friend through the Internet.
インターネットで高校時代の友人を見つけた。)
⇒「インターネットを通して」→「インターネット(という手段)で」。throughを「依存のon」に置き換え、on the Internetと表してもOK。

⑦until

ある時点までの継続を表すuntil

「~までずっと」を意味するuntilは、ある時点までの継続を表します。

I waited for her until nine o’clock.(僕は彼女のことを9時までずっと待っていたんだ)

「9時までずっと待っていた」と、「継続」を表すのが特徴です。

一方、似た意味を持つbyは、「~までには」という期限を表します。

次の例文で2つの違いを確認してみましょう。

1. I’ll be here until five.(5時までずっと、ここにいます)
2. I’ll be here by five.(5時までには、ここに来ます)

1は「今から5時までずっと(ここから動かない)」という「継続」を、2は「5時までには(ここに戻ってくる)」という「期限」を表します。

ちなみに、untilはtillに置き換えてもOK。

細かい違いはありますが、同じ意味と考えてほぼ問題ありません。

ただし、「untilはlが1つ、tillはlが2つ」という綴りの違いには注意してくださいね。

辞書で接続詞のuntilを見ると、「~してついに」という意味が載っています。

この場合、「彼が現れるまで3時間待った」と後ろから訳さず、左から順に「彼女はそこで3時間待った。そして、彼が現れた」と読み進めると、簡単に理解できます。

例文で確認しておきましょう。

She waited there for three hours until he appeared.(彼女はそこで3時間待ち、そして(ついに)彼が現れた)

[untilを使ってみよう]

【継続】
She stayed in the coffee shop until closing time.
(彼女は閉店時間までそのカフェにいた。)
⇒「~までずっと(until)」というイメージ通りですね。

【接続詞のuntil】
I will stay here until it stops raining.
雨が止むまでここにいます。)
⇒untilには接続詞の用法もあります。untilの後ろにSVをとるものの、意味はまったく同じ「~するまでずっと」です。

知っていると自慢できる前置詞

コアイメージがだいぶつかめてきたのではないでしょうか。

最後は、besideやbeyondなど、「これって前置詞?」という、あまり馴染みのない6つを紹介します。

覚えておけば、英語通に一歩近づけること間違いなし!

①along

長いものの外側や上を進むalong

alongは「~に沿って」で馴染み深い前置詞ですが、それだけではありません。

「~に沿ってその外側を進む」という意味のほかに、「~に沿ってその上を進む」場合も表し、外側を進む場合は「運動方向」、上を進む場合は「通過」を表します。

「along the river」を使った文で、両者を見比べてみましょう。

1. She walked along the river.(彼女は川沿いを歩いた)
2. The ship sailed along the river.(その船は川を航行した)

1は、「~に沿ってその外側」を歩くという「運動方向」を表しています。

一方、2は、「~に沿ってその上」を進むという「通過」の意味を表しています。

つまり、同じalong the riverでも、「歩く」なら「川沿いを」になりますし、「航行する」なら「川の上を」になる、というわけです。

どちらに当てはまるかは、文脈や常識などから簡単に判断できます。

alongは、会話では熟語でよく使われます。

その場合のalongは、前置詞ではなく、副詞になりますが、考え方は同じです。

下の例文1はget along with、例文2はalong withが熟語です。

1. She is calm and gets along with everyone.(彼女は温厚な人で、みんなと仲良くやっている)
⇒get along with ~は直訳すると、「~と一緒に(with)道に沿って(along)進む(get)」。ここから「~と仲良くする」に。
2. Why don’t you come along with us?(私たちと一緒に行かない?)
⇒come along with ~は直訳すると、「~と一緒に(with)道に沿って(along)行く(come)」。ここから「~と一緒に行く」に。

[alongを使ってみよう]

【運動方向】
They walked along the beach.
(彼らは浜辺に沿って歩いた。)
⇒この文のalongは「運動方向」を表します。along the beachで、「浜辺に沿って」ということです。

【通過】
He ran along the sidewalk.
(彼は歩道を走った。)
⇒この文のalongは「通過」を表します。along the sidewalkは「歩道そのものを通って」「歩道の上を」となります。

②behind

「背後」を表すbehind

behindの基本は「背後(~の後ろに)」です。

黙って使える執事のような存在です。

People are talking about him behind his back.(みんな陰で彼の噂話をしている)

behind one’s backは、「陰で」という熟語。

直訳の「人の背中の後ろで」から、「陰で」という意味になりました。

さらに、「時間的な背後」から、「遅れて」という意味も表します。

behind schedule「予定より遅れて」という熟語はよく使われます。

ところで、次の文の意味は分かるでしょうか?

He is sitting behind the steering wheel.

sit behind the steering wheelは、「運転席に座る」という意味の熟語です。

英語の世界では、運転席に座る様子を「ハンドル(the steering wheel)の後ろに(behind)座る(sit)」と表現します。

前に進むという視点から、ボンネット→ハンドル→運転者という位置関係で捉えているのです。

よって例文は、「彼は運転席に座っている」と訳します。

[behindを使ってみよう]

【背後】
I found a wallet in the street behind my house.
家の裏の通りで財布を見つけた。)
⇒behind my houseで「私の家の背後」という位置を表しています。

【遅れ】
The train arrived ten minutes behind schedule.
(電車は予定より10分遅れて到着した。)
⇒behind scheduleで「予定より遅れて」という熟語です。

【副詞のbehind】
Did you leave your valuables behind?
(貴重品をお忘れではありませんか?)
⇒leave ~ behind「~を忘れる」という熟語。このbehindは前置詞ではなく「副詞」ですが、意味は前置詞と同じです。海外のタクシーやデパートのトイレでも見かける一文ですので、ぜひ覚えておきましょう。

③beside

熟語で使われることが多いbeside

besideは“be(いる)+side(横)”。

つまり、「横にいる」がbesideのイメージ。

似た意味の前置詞にbyがありますが、besideはbyほど広い意味はありません。

beside「~のそばに」は、さほど難しくない前置詞です。

He parked his car beside the store.(彼は自分の車をその店のそばに止めた)

例文は、車が店の横に並んでいることを表していますね。

besideはよく熟語で使われます。

beside the pointは、「ポイント(point)の横(beside)」、つまり「的外れ」という意味。

さらに、beside oneselfは、「自分自身(oneself)の横(beside)」、つまり、「自分のそばに自分がいる」→「我を忘れる」です。

ところで、besideによく似た前置詞にbesidesがあります。

綴りはsがついただけですが、意味は全く異なり、besidesは「~に加えて、~以外に」という意味です。

I have no friends besides him.(私は彼以外に友人がいない)

この文のbesidesをbesideと間違えると、「私は彼のそばに友人がいない」というわけのわからない訳になってしまいますね。

意味を取り違えないためには、ややこじつけではありますが、besidesのsは「複数形だった」と考えて、「複数ある(ということは他にもある)」→「~に加えて、~以外に」と覚えるとよいでしょう。

また、besidesは「その上」「あとね」など、何かを追加したいときにも用いられます。

会話では、I’m tired; besides, it’s late.(疲れているし、それにもう時間も遅いよ)のように使われます。

beside:前置詞「~のそばに」
besides:前置詞「~に加えて」、副詞「その上」

[besideを使ってみよう]

【besideの熟語、beside the point】
Your question is beside the point.
(君の質問は的外れだ。)
⇒beside the point「的外れ、重要ではない」という熟語。「ポイントの横」→「的外れ、重要ではない」となりました。

【besideの熟語、beside oneself】
He was beside himself with joy when he won the competition.
(彼は大会で優勝し、嬉しさで我を忘れた。)
⇒beside oneself「我を忘れる」という熟語。「自分のそばに自分がいる」くらい、「喜びなどで我を忘れる(本人がもぬけの殻になる)」ような状況で使われます。

④beyond

塀を乗り越えるイメージのbeyond

beyondのコアイメージは「超越(~を越(超)えて)」です。

「はるか彼方へ乗り越えて行く」、そんな光景を思い浮かべるとバッチリです。

The ship disappeared beyond the horizon.(船は水平線の彼方に消えていった)

船が水平線のはるか向こうへ消えていく様子が思い浮かびますね。

さらに、beyondは「超越」から派生した「否定」の意味を持ちます。

His decision is beyond me.(彼の決定に私は理解できない)

beyond meを直訳すると、「私を超えている」。つまり、「私の能力を超えている」→「私にはわからない」。

ちょうど日本語の「キャパを超えている」と同じです。

ちなみに、beyond meはbeyond my understandingに置き換えて、His decision is beyond my understanding.と表すこともできます。

「否定の意味を持つbeyond」は、そのほか様々な熟語で使われますが、すべて「~を(越)超えて」をベースに考えるとすんなり理解できます。

例えば、beyond descriptionは「言葉で表現できる範囲を超えている」→「言葉では言い表せないほど」、beyond one’s controlは「コントロールできる範囲を超えている」→「手に負えないほど」などがあります。

[beyondを使ってみよう]

【超越】
Japanese culture spread beyond its borders.
(日本の文化は国境を超えて広まった。)
⇒例文は、国境を超えて、文化が広がっていく様子を表しています。ちなみにspreadは、過去形も同じspreadという形です。

【超越】
I stayed out beyond midnight.
(私は真夜中を過ぎるまで外にいた。)
⇒beyond midnightで、「真夜中を越える」。「真夜中を超えるまで」というイメージです。

【否定の意味を持つ】
The situation is beyond our control.
(その状況は私たちの手に負えるものではない。)
⇒beyond one’s control「手に負えない」という熟語です。「コントロールできる範囲を超えている」→「手に負えない」ということです。

【否定の意味を持つ】
Her beauty is beyond description.
(彼女の美しさは 言葉では表現できないほどだ。)
⇒beyond descriptionで、「言葉で表現できる範囲を超えている」→「言葉では表現できないほど」という熟語になります。

⑤into

突入の意味を表すinto

intoは、「包囲」を表すinと「方向・到達」を表すtoがくっついた単語。

intoのコアイメージが「突入(~の中に入っていく)」というのも納得できるのではないでしょうか。

He went into the building with his mother.(彼はお母さんと一緒にその建物に入っていった)

intoは、「ある意識・状態への突入」も表し、「~になる」「~に変化する」と訳します。

A caterpillar turns into a butterfly.(毛虫は蝶になる)

さらに、「時間の突入(~を超えて、~まで)」も表します。

例えば、into the nightは「夜の中に入っていく」→「夜が更けるまで」というイメージで使われます。

They talked well into the night.(彼らは夜が更けるまで話し込んだ)

wellは強調の役割で、直訳は「十分に夜の中まで突入して」です。

ところでintoは、日本語の「ハマっている」も表します。

このintoは「意識・状態への突入」からきていて、例えば、I’m into nail art.(私はネイルアートにハマってます)のように使います。

「最近、何にハマっている?」は、What are you into these days?と言います。

these daysは「最近」。

日常会話で、あいさつのように使われます。

[intoを使ってみよう]

【意識・状態への突入】
She tried to translate Japanese into English.
(彼女は日本語を英語に訳そうとした。)
⇒translate A into B「AをBに翻訳する」という熟語です。「日本語が英語に変化する」イメージです。

【意識・状態への突入】
He didn’t go into details.
(彼は詳しくは話してくれなかった。)
⇒go into details「詳しく述べる」という熟語です。「詳細の中に入っていく」→「詳しく述べる」となりました。

【時間の突入】
My mother is well into her eighties.
(母はゆうに80歳を超えています。)
⇒well into her eightiesで、「十分に80歳の中に入っていく」→「80歳をゆうに超えている」となります。

いかがだったでしょうか?

前置詞のコアイメージを把握することで、自然と正しい文章を組み立てることができるようになります。

ぜひ活用してみてください。