「修飾する」の真実

「修飾する」の真実

1. 「他のじゃなくて」という形容詞

この項で扱うのは、「形容詞の限定用法」です。

もう、そう聞いただけで閉じたくなった読者の方もいらっしゃるかもしれません。

文法用語が嫌で嫌で、なるべくそういうことがわからなくても、中身だけわかるようにしてほしい!

そういう気持ちを抱いている方はいっぱいいらっしゃると思います。

でもご心配なく。

その「用語」の意味を必ずわかるように説明いたします。

そして、文法用語は、一般その意味がわかってしまうと、とても便利なのです。

この機会に、文法用語を理解しておきましょう。

すると、今まで難しくてわからない!と思っていた他の文法書や、素晴らしい他の先生方の説明がもっと簡単にわかるようになります。

今までモヤモヤしていた頭の中の霧が晴れるのは、気持ち良いですよ!

特に形容詞や副詞といった修飾語関係の用語や考え方はわかりにくいものです。

きちんとわかるように、ここでは「修飾」「形容詞」「限定用法」と呼ばれるものを解説していきます。

「修飾する」とはどういうことか

さて「修飾する」というのは「様子を説明する」と言い換えてもよい言葉です。

名詞の様子を説明するのが形容詞です。

そして、名詞以外の言葉(主に動詞)の様子を説明するのが副詞です。

まず、形容詞が名詞を修飾するということを説明していきましょう。

形容詞は、名詞の様子を説明する言葉です。

例えば、「机」はモノの名前ですから名詞です。

「古い机」「大きな机」「木でできた机」「父が使っていた机」は全て「机」の様子を説明しています。

これらが「形容詞」です。

厳密に言えば、単語一語なら「形容詞」、複数の語が集まってできた1つのかたまりが名詞の様子を説明していれば「形容詞句」、主語+動詞のかたまりが形容詞の働きをしていれば「形容詞節」です。

・an old desk(古い机)⇒形容詞
・a desk made of wood(木でできた机)
・a desk that my father used to use(父がかつて使っていた机)⇒形容詞節

英語は「軽い情報が先、重い情報が後」というのが語順の原則なので、長いかたまり、つまり2語以上で修飾する場合、名詞の後ろに形容詞のかたまりがつきます

学校で習う関係代名詞節は、先行詞である名詞の様子を説明する一種の形容詞節です。

形容詞の限定用法

「修飾する」を英語に直すと「to modify」です。

これは「修正する」とか「限定する」という意味もある言葉で、語源的には「サイズに合わせて余分なところを削っていく」イメージを持つ言葉です。

形容詞の修飾には「限定用法」というのがあります。

これは、名詞に形容詞が直接くっつく形をとり、機能としては、漠然とした情報を「削って」いくことで、名詞の情報をより具体的に、明確にします

I need a red pen, not a black one.(赤ペンが必要なんだ。黒じゃない)
⇒他の色ではなく「赤」、他の色ではなく「黒」というふうにペンの種類を色で限定して説明しています。

a girl who speaks French(フランス語を話す女の子)
⇒a girlだけだと、世の中に存在するあらゆる女の子から取り出した、「とある1人の女の子」というとても漠然とした意味になりますが、そこに「フランス語を話す」という修飾語をつけることによって、「フランス語を話さない女の子」は候補から削り取られ、除外されます。

限定用法の修飾を行うことによって、情報がより具体的になっていくことがわかるでしょうか。

具体的に数えられるものとして捉えることが可能に

実はこれが意外な文法的効果を発揮する場合があります。

皆さん、こういうルールを聞いたことはあるでしょうか。

ルール:lunch、breakfast、dinnerは原則的に不可算名詞であるが、形容詞とともに用いられるときには可算名詞になる。

I’ve already had lunch.(もう昼食は食べましたよ)
⇒lunchは不可算。
I had a big lunch today.(今日はガッツリ系のランチを食べました)
⇒a big lunchは可算。

breakfast、lunch、dinnerはともに不可算名詞です。

一方で「食事」を意味するmealは可算名詞です。

a mealは「一回の食事」という1つの「形」、別の言い方をすれば「区切り」を持っているので、可算名詞になるのです。

しかし、breakfast、lunch、dinner は、そのmealを「朝用、昼用、夜用」のどの「機能」として食べるのかを意味する言葉です。

つまり、形ではなく「用途・機能」の話をしているのです。

このように、形をイメージしない言葉なのでbreakfast、lunch、dinnerは不可算名詞になります。

ところが、ここに形容詞がつくと、breakfast、lunch、dinnerが実体を持ったモノ、つまりmealのイメージで具体化されるのです。

機能としての、「昼用」という用途が、「昼に食べたガッツリとした一回の食事」というふうに具体的な形で捉えられていくわけです。

ここではbigという形容詞によってlunchが具体的にmeal化され、a big lunchという可算名詞に化けます。

これが限定用法の修飾が持つ具体化の力です。

この現象は、breakfast、lunch、dinnerにとどまらず、より広範囲な抽象的な意味を持つ名詞にも起きます。

例えば「影響」を意味するinfluence、effectを辞書で引いてみてください。

これらの名詞は原則的に不可算名詞ですが、辞書には「具体例ではan~、~s:その際しばしば修飾語を伴う」と書かれています。

The herbal medicine had a beneficial effect on my health.(漢方薬が健康に有益な効果を及ぼした)
⇒beneficialという形容詞がつくことで、「一個・一回の具体的な『有益な影響』」が実際に体の中に発揮されたことを表します。

他にもexpectation、improvement、adjustmentなど、様々な抽象名詞で同じ現象が起きますが、原理はどれも同じで、形容詞が限定用法の修飾を行うことにより、抽象的な数えられない概念が、一回・一個の具体的で数えられる現象として捉えられるようになるというものです。

今回は形容詞の限定用法についてお話をしました。

次項ではもう1つの用法である叙述用法について説明します。

限定用法と叙述用法の違いがわかれば、関係代名詞の制限用法と非制限用法の違いが直感的にわかるようになります。

2. 「ただの様子説明」の形容詞

形容詞が名詞の様子を説明するのに、限定用法に加えてもう1つ、叙述用法というのがあります。

叙述というのは、別の言い方をすれば「説明する」ということです。

え?ちょっと待って、そもそも「修飾」って「様子を説明する」ってことでしょ?と混乱する読者の方もいらっしゃると思います。

具体例で説明しましょう。

叙述用法の典型的な形は、補語にやってくる形容詞です。

I bought an old paint.(私は古い絵を買った)…限定用法
⇒世の中にいろいろ絵はあるけれど、ここでは「古い」絵を買ったんだよ、という情報を絞り、具体化しています。
This paint is very old.(この絵はとても古い)…叙述用法
⇒「この絵」がどんなものなのかの情報を説明しています。

叙述用法との違いを理解するため、限定用法の特徴を再確認しましょう。

限定用法の要点は2つあります。

<限定用法の特徴>
① 世の中に○○と呼ばれるものはたくさんある。
② その中で、今回のは、~という性質を持つものだよ、それ以外の性質のものじゃないよ、と情報を絞る。

I bought an old paint.なら、①は「この世には絵と呼ばれるものはたくさんあるけれど」です。

oldがつくことで②「今回の絵は『古い』という性質を持つものだよ。新しいものじゃないんだよ」と、絵の情報を絞っていく働きを持ちます。

一方で、叙述用法は、その名詞(ここではthis paint)の様子をただ語るだけです。

「他のじゃなくて…」という「絞る」働きはありません。

上の例文ではわかりにくいでしょうか?

実は学校英文法での難関の1つ、関係代名詞の非制限用法を例にとると、これは随分とわかりやすくなります。

関係代名詞の制限用法

まず日本語で、「機能赤い服を着ていた女性」というフレーズを考えましょう。

「機能赤い日服を着ていた女性」というフレーズの、「昨日赤い服を着ていた」の部分は、どんな「女性」なのかを説明する形容詞のかたまりです。

そして、限定の働きをしていますね。

まず、①世の中に「女性」と呼ばれる人間はたくさんいます。

そして、②その中で「昨日赤い服を着ていた」という形容詞のかたまりが、「今話題にしている女性は、昨日赤い服を着ていた女性のことだよ。他の色の服を着た女性じゃないよ」というふうに、「女性の情報を絞って」います。

これを英語にすると、

a woman who wore a red dress yesterday

となります。

このように限定用法の機能を果たす関係代名詞節は、制限用法と呼ばれます。

ここでの「制限」は、まさに「限定」と同じ意味で、言い方が違うだけです。

関係代名詞の非制限用法

次に、日本語で、「鹿児島生まれの私の母」というフレーズを考えてみましょう。

さて、まず、「私の母」ですが、限定用法(関係代名詞なら制限用法)のように、①「この世に『私の母』はたくさんいるけど」、という考えは成立しますか?

常識的に考えて、「私の母」というのは「女の人」や「猫」のような「種類名」ではありません。

つまり、「この世にたくさんいる「私の母」と呼ばれる生き物のうちのとある一人」というわけにはいかないはずです。

もし、これが限定用法なら、②「この世に『私の母』はたくさんいるけれど、その中で今私が話題にしているのは『鹿児島生まれの』私の母であって、他の私の母じゃないよ」ということになります。

これは明らかにおかしいですね。

つまり、「鹿児島生まれの」というフレーズは「私の母」を限定したり、区別しているのではなく、「私の母」に「鹿児島生まれ」という情報を追加しているだけです。

これが叙述用法の形容詞の働きです。

関係代名詞を使ってこのフレーズを英語にしてみましょう。

叙述用法は関係代名詞では非限定用法と呼ばれます。

制限、つまり情報を限定するのではなく、情報を単に追加しているだけなので、このような呼び名があります。

×my mother who is from Kagoshima
⇒関係代名詞としては制限用法と呼ばれます。「他の『私の母』ではなく、鹿児島生まれの私の母のこと」という意味になり、不自然です。

My mother, who is from Kagoshima, visited her hometown last month.(鹿児島生まれの私の母は、先月、生まれ故郷を訪ねた)
⇒関係代名詞としては非制限用法と呼ばれます。カンマで区切られるのが特徴で、「私の母がいて、ちなみに鹿児島生まれなのだけれど…」という「情報の追加」を意味します。

もしも説明を受ける名詞(先行詞)が「この世に1つ/1人しかないもの」なら、使う関係代名詞は、基本的に非制限用法になります

「私の母」は基本的には1人しかいないはずです。

「猫」とか「男の子」のように、「この世にたくさんいる、種類全般」の話をしているのではありません。

すると、当然、「たくさんいるものの中から、情報を絞る」というようなことはする必要がなくなるので、制限用法の関係代名詞節は使いません。

その代わりに、情報の追加を表す非制限用法の関係代名詞を使うわけです。

Bill Clinton, who is the former president of the United States, made a speech at the ceremony.(元米国大統領であるビル・クリントン氏がセレモニーで挨拶をした)
⇒「この世にたくさんいるビル・クリントンのうちの、元大統領のビル・クリントン」というのはおかしいので、関係代名詞はカンマをつけた非制限用法にして、「情報の追加」であることを表します。これを発音する際には、カンマのところをしっかりと区切ってポーズを置いて読み上げます。

このような感覚がわかっていれば、ライティングでよりフォーマルな文を作り出すことができるようになります。

関係代名詞の非制限用法も、従来のようにリーディングのためだけではなく、ライティング、さらにはスピーチに使うことを目標にしましょう。

3. 副詞を知ろう

名詞はすごく大雑把に言えばモノや人の概念の名前を表し、動詞はこれまた大雑把に言って、動作を表します。

それに対して、形容詞と副詞は「様子」を表す言葉です。

形容詞は名詞を修飾、つまり、名詞の様子を説明する言葉だということがわかりました。

それでは副詞は何でしょう?

端的に言ってしまえば「名詞以外の言葉を修飾する」言葉です。

事実なのですが、これでは、え?広すぎじゃん?ということになってしまうので、もう少し絞って、具体像をつかみやすいように説明していきます。

副詞の最も一般的な働きは、動作の様子説明

副詞の一番よくやる働きは、動詞の修飾、つまり、動作の様子や目的を説明することです。

例えば「走る」という動詞。

どんなふうに「走る」のか?

「速く走る」、「ダラダラ走る」、「友達と走る」、「明日走る」…これらはどれも「いつ、どこで、どんな風に『走る』のか」を説明する副詞です。

また、「終電に間に合うよう走る」、「健康のために走る」、「痩せたいから走る」なども、走る理由を説明する副詞です。

英語にしてみると、以下のようになります。

・He ran fast.(彼は速く走った)
・He ran with his friend.(彼は友達と走った)
・He will run tomorrow.(彼は明日走るだろう)
・He ran in order to catch the last train.(彼は終電に間に合うように走った)

副詞は、程度の幅を持つ形容詞と副詞の「程度」も表す

次に副詞が行う働きは、形容詞と副詞の修飾です。

ただし、形容詞と副詞なら何でも副詞が修飾するのではなく、「程度の幅を持つ」形容詞と副詞の「程度」を副詞が説明するというものです。

例えば、「速く走る」と言うとき、「速く」は「走る」という動詞の様子を説明する副詞ですが、「速く」には「どのくらい速く」なのかに関する幅があります。

この幅の程度を説明するのもまた副詞の役割です。

ここでは「とても速く(走る)」とか「そこそこ速く(走る)」、または「世界一速く(走る)」などです。

・He runs very fast.(彼はとても速く走る)
・He ran fast like never before.(彼はこれまでにないくらい速く走った)
⇒どちらもfastの程度を説明しています。

形容詞でも同じです。

例えば「美しい景色」なら、「景色」という名詞の様子を「美しい」という形容詞が説明していますが、この「美しい」には「どのくらい美しい」のかに関する幅があります。

その幅を説明するのが「とても美しい(景色)」「見たことないくらい美しい(景色)」というような言葉で、これらも副詞です。

・The city is known for its very beautiful scenery.(その町はそのとても美しい景観で知られている)
⇒どれくらい美しいのか説明しています。
・The hotel is surrounded by some of the most beautiful scenery in the area.(そのホテルはその地域で最も美しい景色に囲まれている)
⇒どう美しいのかを説明しています。

いわゆる「副詞的用法」は何をしているのか

不定詞の副詞的用法や分詞構文など、文法における多くの副詞用法は動詞の様子を説明していると考えてよいです。

①不定詞の副詞的用法

・My daughter grew up to be a doctor.(私の娘は大人になって医者になった)
⇒grew upしてどうなったのか、という「動作の結果」の説明。
・I am happy to hear the news.(その知らせを聞いて嬉しく思います)
⇒何をした結果(嬉しいという)状態になったのか、という「状態(be動詞)の原因」の説明。

分詞構文(=分詞の副詞的用法)

Hearing her voice, I was relieved.(彼女の声を聞いてホッとした)
⇒どういうことをして、was relievedしたのか、という「動作の原因」の説明。

ただし、形容詞や副詞の程度を表す不定詞の副詞的用法もあります。

代表的なのがtoo~to構文と、enough to構文です。

・He was too afraid to go there by himself.(彼は怖くてそこへは1人で行けなかった)
⇒直訳すると、「そこへ1人で行くことに向かっては、恐れすぎた」。どれくらい怖かったのかの程度を表しています。
・You’re smart enough to know that.(あなただってそれくらいのことわかってるでしょ)
⇒直訳すると、「それを知っていることに向かってあなたは十分頭が良い」。どれくらい頭が良いのかの程度を表しています。

いわゆる「副詞節」は何をしているのか

副詞の働きをするS+V~のかたまりを副詞節と呼びます。

多くの場合、主節の動詞の動作の原因や条件、結果などを表します

If you come earlier, we’ll show you around.(もし早く来るなら、この辺りを案内するよ)
⇒show aroundという動作が実現するための条件を、副詞節であるif節が説明しています。
When the ambulance arrived, he was unconscious.(救急車が着いたとき、彼には意識はなかった)
⇒unconsciousという状態にあった(=was)のが、どういうときの話なのかを副詞節であるwhen節が説明しています。

形容詞や副詞の程度を表す副詞節もあります。

so~that構文がその典型です。

I laughed so hard that I could hardly breathe.(笑いすぎて息が苦しかった)
⇒that I could hardly breatheはどのくらいhardに笑ったのかの程度を表します。

4. 関係副詞と関係代名詞の違い

関係代名詞と関係副詞の違いをすっきりさせないまま、ビジネスの現場で英語を使っていらっしゃるビジネスマンをよく見かけます。

話し言葉では避けて通ることもできる表現ですが(それでも結構使います)、フォーマルなプレゼンでは使うでしょうし、ライティングにおいては使う必要があります。

関係副詞をマスターするにあたって、1つ覚えておくと便利な知識があります。

それは「前置詞+名詞」→副詞というルールです。

副詞が最も多く行う働きは動詞の様子を説明する(=修飾する)ことでした。

例えば、

私は学校で、友達と話した。

なら、動詞「話した」の様子を説明しているのは「友達と」と、「学校で」の2つです。

誰と、どこで話したのかを説明しています。

つまり「友達と」と、「学校で」はどちらも副詞の働きをしているわけです。

これらを分解してみると、「友達」は「友達」という名詞と、「と」という助詞が組み合わさったもの、「学校で」は「学校」という名詞と、「で」という助詞が組み合わさったものです。

英語でもこれと同じことが起きます。

I talked with friends at school.

with friendsとat schoolはtalkedを修飾する副詞ですが、それぞれ「前置詞+名詞」で構成されています。

学校でhereとthereを習うときに、原則的にこれらの前に前置詞をつけてはいけないと習います。

それぞれ「ここに・ここで」、「そこに・そこで」と訳せる言葉なのでついついto hereとかat hereとやりたくなりますが、一部の表現を除いてそれはできません。

なぜかと言えば、hereとthereは副詞で、それぞれが

here≒in this place、to this place、at this place
there≒in that place、to that place、at that place

という構成になっているからです。

つまりhereとthereは前置詞を内蔵している言葉なのです。

これは関係代名詞と関係副詞の関係にも当てはまります。

where≒in which (place)、to which (place)、at which (place)
⇒実際にはplaceは省略されます。
when≒in which (time)、on which (day)、at which (month)
⇒実際にはtime、day、monthは省略されます。
why≒for which (reason)
⇒実際にはreasonは省略されます。
how≒in which (way)
⇒実際にはwayは省略されます。

このように、「前置詞+関係代名詞」→関係副詞という構成になっていることがわかります。

どういうときに関係副詞を使うのか

関係代名詞ではなく関係副詞を使うのは、「関係副詞節の中に、先行詞を置いてみるときに、前置詞がなければその先行詞を置くことができないとき」です。

先行詞とは、「それだけでは情報が足りない、説明を必要とする名詞」のことで、関係詞節の直前に存在します。

関係詞節とは、「関係代名詞や関係副詞を使った、先行詞を詳しく説明するためのS+V~」のことです。

以下、具体例を見ていきましょう。

例えば、
I visited the city where my mother spent some years in her youth.(私は母が若いころに数年間を過ごした街を訪れた)

なら、the cityが「どんな街なのか」の説明を必要とする名詞(先行詞)で、where my mother spent some years in her youthが説明の内容である関係副詞を使った関係詞節です。

このmy mother~in her youthという節の中に先行詞であるthe cityを入れてみましょう。

うまく入れるためにはthe cityの前に前置詞inをつけて、in the cityとしなければなりません。

つまり、もしこの節を関係副詞whereの代わりに関係代名詞whichで書くなら、

I visited the city.+My mother spent some years in the city in her youth.
→I visited the city in which my mother spent some years in her youth.

となります。

前置詞+関係代名詞→関係副詞」の原則に従い、このin whichがwhereになるわけです。

I visited the city where my mother spent some years in her youth.

しかし、関係詞節の中に先行詞を置いてみるときに前置詞が不要な場合は、関係代名詞を使います。

例えば以下に使っているvisitという動詞は他動詞で、前置詞を使わず直接、目的語を後ろにつけます。

This is the city.+My mother visited the city several times in her youth.
→This is the city which my mother visited several times in her youth.

このように、「前置詞+関係代名詞」にする必要がないときには、関係副詞(ここではwhere)にせず、そのまま関係代名詞(ここではwhich)を使えばいいわけです。

howを使うときの注意

関係副詞のhowを使うときは、先行詞をつけてはいけません

つまりthe way howとしてはいけない、ということです。

×This is the way how he successfully started his business.

howだけを使うか、the wayだけを使うか、どちらか1つです。

〇This is the way he successfully started his business.
〇This is how he successfully started his business.
(こうやって彼はうまく自分の事業を立ち上げた)

関係副詞の先行詞は省略して使うことが多い

関係副詞の先行詞は、それがあからさまに場所や時、理由を表しているなら省略されることが普通です

これは先行詞と関係副詞が「同じことを言っている」ために起きます。

・This is the place where he was hit by a car.(ここが、彼が車にはねられた場所です)
⇒the placeもwhereもどちらも「場所」を表すので、繰り返す必要がありません。
・This is the time when challenges began.(ここから難局が始まった)

I don’t understand the reason why he complains about me.(彼がなぜ私に文句があるのかわからない)

中には先行詞ではなく、関係副詞の方を省略する人もいます。

間違いではありませんが、私たちノンネイティブにとっては先行詞を省略する方がシンプルで使いやすく、また、伝わりやすい表現です。

5. 名詞の後ろに置く修飾語

英語の語順は、消化しやすい情報から先に消化していこう、という考え方なので、「軽い情報が先、重い情報が後」です。

名詞とそれを説明する形容詞の組み合わせでは、名詞の説明を担当する形容詞が長くなることが往々にしてあります。

そうやって情報量が大きくなった形容詞のかたまりは、名詞の後ろに回ります

a running man(走っている男)→a man running along the river(川沿いを走っている男)
⇒manという名詞の様子を説明する形容詞がrunning一語のときは「軽い情報」なのでmanの前にきますが、running along the riverと2語以上で「重くなる」と、manの後ろに回されます。

分詞の形容詞用法や、不定詞の形容詞用法、関係代名詞節は長くて重い情報になることが普通なので、説明をする名詞の後ろにくっつきます。

これを「後置修飾」と呼ぶわけです。

英語を話すとき、書くときには「軽いものから先に言う」ことを意識しておくことが英文の直感的な組み立てに必要です。

・a cat lying on the sofa(ソファに横たわっている猫)
⇒分詞の形容詞用法
・a room to study(勉強するための部屋)
⇒不定詞の形容詞用法
・the man who I thought just an ordinary businessman(ただのビジネスマンだと私が思っていた男)
⇒関係代名詞節

上記の例文ではa cat、a room、the manといった軽い情報をとりあえず先に言い、その説明は後で考えるくらいの気持ちがあった方が実践的です。

使い分けについて考える

さて、今回のトピックはここで出てくる分詞の形容詞用法、不定詞の形容詞用法、および関係代名詞節の使い分けについてです。

例えば、「明日泊まるホテル」はthe hotel staying in tomorrowなのか、the hotel to stay in tomorrowなのか、はたまたthe hotel I’m staying in tomorrowなのか。

文脈にも左右され、一筋縄ではいきません。

一緒に考えていきましょう。

分詞の形容詞用法 vs 不定詞の形容詞用法

分詞の形容詞用法と、不定詞の形容詞用法の使い分けのカギになるのは「やっている最中(~ing)」なのか、「これからすることに向かう(to)」のか、です。

例えば「ハンバーガーを食べている人」という表現なら、「食べている最中の人」ということになります。

ですから、ここは~ingがふさわしいので、the guy eating a hamburgerという表現になります(ちなみにここでa guyではなくthe guyになっているのは「他の人ではなく、ハンバーガーを食べているその男だよ」という気持ちからです)。

Hey, look at the guy eating a hamburger.(なぁ、あのハンバーガーを食ってる奴を見てみろよ)

この表現が名詞の「様子を描写」するための表現だということがわかります。

実況中継みたいな感じです。

ちなみに分詞の形容詞用法には過去分詞もあります。

これは名詞が「される立場」のときに使うものです。

例えば「フランス語で書かれた手紙」ならa letter written in Frenchです。

どんな感じの手紙なのかをwritten in Frenchが描写しています。

~ingと同様、描写するという役割は変わりません。

I received a letter written in French.(私はフランス語で書かれた、一通の手紙を受け取った)

一方で、不定詞の形容詞用法はtoの持つ「→」のイメージが、「これから向かう」という意味を出し、「目的・機能」の意味を出していきます。

「~するための」とか「~するべき」というのは「これからやる、向かう」というイメージがあるわけです。

例えば、a room to study in(勉強するための部屋)という感じです。

これをa room studying inとしてしまうと、「勉強している最中の部屋」となり、「勉強をするための」という機能の意味は出なくなってしまいます。

In this dormitory there are some rooms to study in.(この寮には勉強部屋もある)

というわけで、~ingや過去分詞といった分詞なら名詞の様子を描写し、不定詞なら名詞の機能や目的を表すことがわかりました。

関係代名詞節はどんなときが出番なのか?

では関係代名詞節はどういうときに出番がやって来るのでしょうか?

ここでは分詞の形容詞用法と比べてみましょう。

分詞の形容詞用法には語順に重要な特徴があります。

それは、分詞の前についている名詞が、分詞の意味上の主語の役割を必ず果たすというものです。

The man standing still on the front porch is Jim.(玄関先でじっと立っている男がジムだ)
⇒The man is standing still on the front porch.と言えることでわかるとおり、the manとstandingには、意味の上で主語と動詞の関係があります。

What is the language spoken in Chile?(チリで話されている言語は何ですか?)
⇒The language is spoken in Chile.と言えることでわかるとおり、the language とspokenは意味の上で主語と動詞の関係にあります。

では、形容詞の前に来ている名詞が、意味の上で「主語」の役割を持っていなかったら?

そのときは関係代名詞の出番です。

×The hotel staying in yesterday is good one.
⇒stayは「人stay in a hotel」という構文をとる動詞です。hotelは意味上の主語になれません。
〇The hotel that/which I’m staying in is a good one.(私が今日泊まっているホテルはいいホテルだ)
⇒「名詞+関係代名詞+S+V~」の時、関係代名詞は省略するのが普通です。
ちなみにthe hotel to stay inなら機能の話になります。
例:We must find a better hotel to stay in.(宿泊のためのもう少しましなホテルを見つけないといけない)

逆に関係代名詞の前にくる名詞が意味の上で主語の役割をする場合、分詞の形容詞用法との意味の差はほとんどなくなります。

The factory producing a lot of pollution is going to be closed soon.
The factory that/which is producing a lot of pollution is going to be closed soon.
(汚染物質をたくさん出しているその工場は、まもなく閉鎖されることになっている)

しかし、これもあくまで「関係代名詞+be動詞+~ing/過去分詞」というときに限った話で、例えば関係代名詞節の動詞が進行形でなければこの理屈は通じません。

A woman who just got off the train dropped her wallet in front of me.(電車をちょうど降りたばかりの女性が、私の目の前で財布を落としました)
⇒a woman getting off the trainだと、「今電車を降りつつある最中の女性」という意味になり、意味することが変わってしまいます。こういうときは~ingを使わず、関係代名詞節を使います。

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