英語での表現力が広がる必須表現―Part 2―

英語での表現力が広がる必須表現―Part 2―

16. I don’t know. / I’m not sure. / I have no idea.の使い分け

何か質問されて「わかりません」「知りません」と答えるとき、英語ではどんな表現を使いますか?

最も基本的な表現はI don’t know.(わかりません)でしょう。

さらにI’m not sure.(よくわかりません)やI have no idea.(まるでわかりません)という表現もあります。

これらのフレーズの使い分けを考えてみます。

「わからない」と断言するI don’t know.

I don’t know.は「知りません、わかりません」で、質問に対する答えがわからない場合に使います

・What’s the capital of New Zealand? ― I don’t know.(ニュージーランドの首都はどこ?―わかりません)
・Do you know where John is? ― I don’t know. Ask Tom.(ジョンがどこにいるか知ってる?―知らないよ。トムに聞いて)
・Do you know if there’s a supermarket near here? ― I don’t know. Sorry.(この近くにスーパーがあるかご存じですか?―わからないです。すみません)

I don’t know.はわりと強い響きを持ちます。

「わからない、知らない」と断言している感じです。

I don’t know.一言だけで答えると、言い方によっては「知らないよ」という突き放した印象を与えて、そのまま会話が終わってしまうこともあります。

前後にSorry.(ごめんなさい)を付け加えたり、3番目の例文ではSorry, I’m not from around here.(すみません、この辺の者ではないので)のように、わからない理由を付け加えるだけで相手に与える印象は変わります。

やわらかく響くI’m not sure.

I’m not sure.は形容詞sureがポイントになります。

sureの定義は、

confident that you know something or that something is true or correct(自分が何かを知っている、あるいは何かが真実である、何かが正しいということに自信を持っている)

つまり「(何かが正しいと)確信して」ということです。

これを否定形で使ってI’m not sure.と言うと「確信が持てません、よくわかりません、はっきりとはわかりません」のようなあいまいな響きになります

・Do you know where John is? ― I’m not sure.(ジョンがどこにいるか知ってる?―ちょっとよくわからないな)
・Do you know if there’s a supermarket near here? ― I’m not sure, but I think there’s one just down the street.(この近くにスーパーがあるかご存知ですか?―よくわかりませんが、まっすぐ行ったところにあると思います。)

後者の例文のように、I’m not sure.の後に確信の持てない情報を付け加えることもあります。

I don’t know.に比べ弱い表現なので、一言で答える場合にはI don’t know.よりもI’m not sure.のほうがやわらかく響きます

本当によくわからない場合だけでなく、印象を和らげるために使うこともあります

I don’t know.を強調するI have no idea.

I have no idea.はネイティブがとてもよく使う表現ですが、I don’t know.の代わりに毎回のようにI have no idea.を使うことはお勧めできません。

この2つの表現もニュアンスが少し異なります。

I have no idea.について英英辞典の説明は、

used to emphasize that you do not know something(自分が何かを知らないことを強調するために使われる)

となります。

I don’t know.の強調形で、「全然知らない、さっぱりわからない」となります。

・What was Tom’s last name? ― I have no idea.(トムの姓は何だっけ?―見当もつかないよ)
I have no idea what he’s talking about.(彼が何のことを話しているのかさっぱりわからない)

I have no idea.は省略してNo idea.と言うこともあります。

「まるでわからない」という同じ意味を表す表現に、

・I have no clue.
・I haven’t got a clue.
・I don’t have a clue.
・I haven’t a clue.

などもあります。

これらも省略してNo clue.とカジュアルに言うこともあります。

17. many / a lot of… / lots of…の使い分け

数えられる名詞(可算名詞)を「多くの~」と表現するときに形容詞manyを使います。

同じようにa lot of…/lots of…という表現も使います。

では、これらはどのように使い分ければよいのでしょうか。

日常会話での基本的な使い方を復習したいと思います。

肯定文ではあまり使わないmany

「多くの~」を表すmanyは「数えられる名詞とともに使う」と、どの参考書にも書いてあります。

これが基本の「き」です。

したがって、

She has many friends.(彼女には友達が多い)

という文に多くの人は違和感を感じないと思います。

でも、海外ではこのような肯定文ではmanyは実はあまり使いません

ちょっと改まった響きがあるためでしょう。

普段の会話ではa lot of…/lots of…のほうをよく使う印象があります。

・She has a lot of friends.
・She has lots of friends.

という感じです。

カジュアルに響くa lot of…/lots of…

a lot of…/lots of…はどちらも意味はmanyと同じですが、もっとくだけた言い方です。

lots of…のほうがさらにカジュアルに響きます。

そして、manyとa lot of…/lots of…のいちばんの違いは、a lot of…/lots of…は数えられない名詞(不可算名詞)とともに使うこともできるということです。

例えば、体調が悪くて病院に行ったときには医師からこんなふうに言われました。

Drink a lot of water.(水をたくさん飲みなさい)

数えられない名詞(不可算名詞)を「多くの~」と形容する場合にはmuchを使うと学んだと思いますが、これも実際には注意が必要です。

普通の会話の肯定文ではmuchはあまり使いません。

この例文ではmuch waterとは言わずに、a lot of water/ lots of waterと言うほうが自然です。

否定文・疑問文で使うmany

話をmanyに戻します。

会話ではmanyよりもa lot of…/lots of…のほうが出番が多いなら、manyはどんな場合に使うのでしょうか。

manyをよく使うのは否定文・疑問文です。

・There weren’t many people there.(そこにはあまり人がなかった)
・I don’t have many friends.(私にはあまり友達がいない)
・Did you get many Christmas presents?(クリスマスプレゼントをたくさんもらった?)

のような感じです。

否定語notと組み合わせると「(~が)あまりない」という意味になります。

これらの3つの例文ではa lot of…/lots of…も使います。

肯定文で、a lot of…/lots of…ではなくmanyだけを使う場合もあります。

それは。複数名詞years(年)を修飾したり、so(とても)/too(~すぎる)/as(同じくらい)などの副詞で修飾されるときです。

この場合にはa lot of…/lots of…で置き換えることはできません。

・He’s loved in the UK for many years.(彼はイギリスに長年住んでいる)
・There were so many people in the room.(その部屋にはとても多くの人がいた)
・I accidentally bought too many eggs.(うっかりして卵を買いすぎてしまった)
・The actor has five times as many followers as the U.S. President.(その俳優は米国大統領の5倍のフォロワーがいる)

話し言葉・書き言葉の違い

a lot of…/lots of…は日常会話ではとてもよく使いますが、フォーマルな書き言葉ではmanyやa large number of…(多くの~)を使います

また、肯定文でmanyを使っても文法的には問題はなく、間違いではありません。

以上は、あくまでも話し言葉での使い分けと考えてください。

18. much / a lot of… / lots of…の使い分け

前項では数えられる名詞(可算名詞)とともに使うmany/a lot of…/lots of…の使い分けを紹介しました。

そこで、今回は数えられない名詞(不可算名詞)について「たくさんの~」と量の多いことを表すmuch/a lot of…/lots of…の使い分けについて復習したいと思います。

また、副詞のmuch/a lotについても紹介します。

肯定文ではあまり使わないmuch

much数えられない名詞(不可算名詞)を修飾して「たくさんの~」を意味すると学んだと思います。

でも、これもmanyと同じく、肯定文の場合には注意が必要です。

・I have much money.(私はお金をたくさん持っている)
・They have much information.(彼らは情報量が多い)
・There’s much traffic.(交通量が多い)

とは普通は言いません。

manyの場合は、会話中の肯定文で使っても違和感を感じさせるとまでは言えないと思います。

しかし、muchの場合は、肯定文で使うとかなり違和感があります。

そこで日常会話では、

・I have a lot of money.
・They have a lot of information.
・There’s a lot of traffic.

のように、a lot of…/lots of…を使うのが一般的です。

つまり、話し言葉の肯定文では、数えられる名詞、数えられない名詞のどちらもa lot of…/lots of…を使えばよいということです。

シンプルですね。

否定文・疑問文で使うmuch

manyと同じようにmuchも否定文・疑問文でよく使います

・I haven’t got much change.(私はあまり小銭を持っていません)
・We don’t have much time.(私たちはあまり時間がありません)
・How much water do you usually drink?(いつもどれくらいの水を飲みますか?)

のような感じです。

否定語notと組み合わせると「~があまりない」を表します。

muchの後には必ず数えられない名詞(不可算名詞)がきます。

上の例文でchange(小銭)/time(時間)は数えられない名詞です。

「変化」という意味のchange、「回数」という意味のtimeは数えられる名詞ですから、muchではなく、manyを使うことに注意してください。

また、manyと同じように、so(とても)/too(~すぎる)/as(同じくらいに)などの副詞で修飾するときにはa lot of…/lots of…ではなく、必ずmuchを使います。

・I’ve wasted so much money on crap.(くだらないものにたくさん無駄遣いしてしまった)
・Eating too much sugar is bad for you.(砂糖の摂りすぎはよくないよ)
・Take as much time as you need.(必要なだけ時間をかけていいですよ)

much/a lotの副詞用法

manyとmuchは「たくさんの~」という意味での使い方はよく似ています。

ただ、muchは「とても~、かなり~」という意味で動詞を修飾する副詞として使うことも多いのです。

これはmanyにはない特徴です。

そこで、副詞として使うmuch/a lotの使い方を見てみましょう。

副詞のmuchも否定文・疑問文で多く使い、肯定文ではa lotをよく使います。

・He doesn’t talk much.(彼はあまりしゃべらない)
・He talks a lot.(彼はよくしゃべる)
・I don’t travel much.(私はあまり旅行しません)
・I travel a lot.(私はよく旅行します)
・Does that mean much to you?(それはあなたにとって大きな意味がありますか?)

のよう感じですね。

こちらも日常会話でよく出てくる使い方です。

19. plenty of… / a lot of… / lots of…の使い分け

many/much/a lot of…/lots of…に続いて、plenty of…/a lot of…/lots of…の使い分けについても考えておきましょう。

「十分(以上)な~」を表すplenty of…

plenty of…を「たくさんの~」と覚えているかもしれませんが、単なる「たくさんの~」という意味ではありません。

英英辞典で確認してみましょう。

(the state of having) enough or more than enough, or a large amount(十分かそれ以上、あるいは大量に(持っている状態))

つまり「十分な~」「必要以上な~」「たっぷりの~」「豊富な~」という意味で使うのがplenty of…です。

「plenty of…+不可算名詞」をよく使う

plenty of…は口語でよく使います。

後に続く名詞は数えられる名詞(可算名詞)、数えられない名詞(不可算名詞)のどちらでもOKです。

この点はa lot of…/lots of…と同じです。

ただ、よく耳にする使い方としては数えられない名詞(不可算名詞)が続くことが多い印象があります。

例えば、絶対に知っておきたいplenty of…との組み合わせは不可算名詞time(時間)です。

・No need to hurry. There’s plenty of time.(急ぐ必要はない。時間はたっぷりあるから)
・You need to allow plenty of time to get to the airport.(時間に十分余裕をもって空港に到着してください)

のような感じです。

もう少し名詞との組み合わせを挙げてみましょう。

・Drink plenty of fluids to stay hydrated.(脱水症状にならないよう、たっぷり水分を摂りなさい)
・My bedroom gets plenty of morning sun.(私の寝室は朝日がたっぷり入る)
・The hotel room was clean and comfortable with plenty of space.(ホテルの部屋は清潔かつ快適で、とても広かった)

これらの例文はどれもa lot of…/lots of…を使うこともできますが、plenty of…とすることで「十分(以上)な~」「たっぷりの~」というニュアンスを伝えることができます。

plenty単独でも使える

さらに、plentyは単独で「たくさん、十分、多数、多量」という代名詞としても会話によく登場します

例えば、

Would you like some more tea? ― No, thank you. I’ve had plenty.(もう少し紅茶をいかがですか?―もう十分いただいたので結構です)

のように言います。

同じ場面で「少しだけいただきます。(そして、注いでもらいながら)もうこれで十分です」と答える場合にもplentyを使って、

Would you like some more tea? ― Just a little, please…Thank you. That’s plenty.

のように言います。

That’s plenty.(もうこれで十分です)という表現もとてもよく耳にします。

さらに、こんな場面を想像してください。

財布を家に忘れてしまって、友達に「お金を貸して」と頼んだら「20ドルしか貸せないけど、いい?」と言われたとします。

それだけ貸してもらえば十分だとしたら、

Twenty dollars should be plenty.(20ドルもあれば十分よ)

と言います。

20ドルという金額は決して「たくさん」ではありませんが、その日一日をやりくりするには十分な金額なのでplentyを使うわけです。

英英辞典の”enough or more than enough”という定義の見本のような使い方だと思います。

a plenty of…は不可

plenty of…もa lot of…/lots of…も「たくさんの~」ですが、plentyにはenoughというニュアンスがあることがポイントです。

では、最後に質問です。

「時間はたくさんある」という意味を表す文として正しいのはどちらでしょうか。

①I have a plenty of time.
②I have a lot of time.

正しいのは②です。

①の文は何が間違っているかというと、a plenty of…という部分です。

plenty of…に不定冠詞aは付きません。

I have plenty of time.が正解です。

紛らわしいので注意してください。

20. any / someの使い分け

先日、カフェで店員さんに「お水をもらえますか?」と言おうとしたときに、ふと思いました。

この「お水をもらえますか?」を英語にすると、どうなるでしょうか。

①Could I have any water?
②Could I have some water?

のどちらでしょうか。

基本的な使い分け

私の記憶では、any/anythingは疑問文・否定文で使う、some/somethingはそれ以外で使うと学んだ気がします。

例えば、こんな感じです。

・Do you have any money?(疑問文:お金を持っていますか?)
・I don’t have any money.(否定文:お金を少しも持っていません)
・I have some money.(肯定文:お金をいくらか持っています)

このように使い分けると学びました。

基本的には、これである程度の使い分けができると思います。

でも、疑問文なのにsomeを使っている文を目にしたり、実際に会話で使われている場面に遭遇したこともあるのではないでしょうか。

Can I have some water?

疑問文・否定文はany、それ以外はsomeのルールが通用しない場合が実はたくさんあります。

例えば、冒頭に出てきた「お水をもらえますか、お水をください」と店員さんにお願いするときです。

たいていは、

Could/Can I have some water.

のようにsomeを使います。

疑問文なのに、なぜany waterにならないのでしょうか。

また、疑問文でanyではなくsomeを使うのはどんな場合でしょうか。

疑問文ではany/someのどちらも使う

any/someの使い分けが英文法解説書で説明されています。

In general we use ‘some’ in positive sentences and ‘any’ in negative sentences.(一般的に、肯定文ではsomeを、否定文ではanyを使う)

これはわかります。でも、次が学校で学んだことと違います。

We use both ‘some’ and ‘any’ in questions.(疑問文ではsomeとanyのどちらも使う)

疑問文ではanyとsomeのどちらも使うと断言しています。

疑問文ではanyを使うと学んだ人は、この際「疑問文では両方使う」と覚え直しましょう。

次に疑問文でのsomeの使い方です。

We use ‘some’ to talk about a person or thing that we know exists, or we think exists.
存在することがわかっている、あるいは存在すると考えている人や物について話すときはsomeを使う
We use ‘some’ in questions when we offer or ask for things.
何かを提供したり、ほしいとお願いするときの疑問文ではsomeを使う

そして、こんな例文が載っています。

Are you waiting for somebody?(誰かお待ちですか?)

この質問をした人は、相手が誰かを待っていると思って尋ねているのでsomebodyを使うわけです。

Can I have some sugar, please?(砂糖をいただけますか?)

これもCan I have some water?と同じようにカフェで使う表現です。

砂糖も水も、もらえる砂糖や水があるという前提で「もらえますか?」と尋ねているのでsomeになるわけです。

もうひとつ、こんな違いを考えてみましょう。

・Can I ask you some questions?(質問してもいいですか?)
・Do you have any questions?(何か質問はありますか?)

最初の例文は、質問が存在するという前提で「質問していいですか?」と尋ねているのでsomeを使います。

次の例文は、質問があるかどうかわからないので尋ねるわけですからanyを使うのです。

21. go / comeの使い分け

動詞comeは「来る」と訳すことが多いですが、日本語では「行く」と言う場面でも使います。

動詞goも「行く」なのに、なぜgo/comeを使い分けるのでしょうか。

go/comeの使い分けは混乱しやすいのですが、あるルールさえ覚えておけば簡単にできるようになります。

I’m coming. / I’ll come and see you.

学校ではまずgoは「行く」、comeは「来る」と学びました。

でも、こんな文にしばしば出くわします。

例えば、台所に立つ家族から「ご飯できたよ」と言われて返す「今行くね」は、

I’m coming.

です。

「行く」と言っているのにcomeを使います。

友達に「12時に会いに行くね」と言うときも、

I’ll come and see you at twelve.

です。

これも「行く」なのにcomeを使います。

なぜでしょうか。

動きの方向が異なるgo/come

英文法解説書で「come vs go」という項目を見てみると、次のように書いてあります。

With go the movement is usually away from the speaker.
With come the movement is towards the speaker.
(goは、通常は話し手から遠ざかる動きを示す。comeは話し手の方へ向かう動きを示す)

goは自分(話し手)から遠ざかる動き(=行く)、反対にcomeは自分(話し手)に向かってくる動き(=来る)です。

ここまでは日本語とも一致します。

ところが、先の2つの文はこの定義と反対になっています。

「行く」なのになぜcomeを使うのでしょうか。

自分から相手に近づくときはcome

実は、英文法解説書にあるgo/comeの定義には、ひとつだけ特別ルールがあります。

それは、「相手のもとへと自分から近づいていくときはcomeを使う」ということです。

これだけです。

「それはなぜ?」と考えても混乱するだけなので、ルールとして覚えてしまいましょう。

そうすれば、冒頭のようにcomeを使う文がすんなり理解できると思います。

台所にいる家族に呼ばれて「今行くね」は、相手(=家族)のいる場所に自分から近づいていくのでI’m coming.になります。

友達に会いに行くのも、相手(=友達)がいる場所に行くのでI’ll come…です。

このルールだけ覚えてしまえば簡単です。

では、次のような場面ではgo/comeのどちらを使って、どんな文になるか考えてください。

目の前にドアが半開きになった部屋があります。

あなたは入ってもよいかどうか尋ねようと思います。

1. あなたと並んで部屋の前にいる人に尋ねる「入ってもいいですか?」
2. 部屋の中にいる人に向かって言う「入ってもいいですか?」

さあ、どうでしょうか。

上のルールに合わせれば簡単ですね。

正解は、

1. Can I go in?
2. Can I come in?

です。

2は相手(=部屋の中にいる人)に近づいていくのでcomeを使います。

通常の場面でgo/comeは簡単に使い分けられると思います。

「相手のもとへ自分から近づいていくときはcomeを使う」ことだけ注意すれば混乱しません。

理屈ではなくイメージでとらえることが大切です。

それができるようになると、例えばこれからバーに行こうとしている友達に「私も行っていい?」と尋ねるときには、

Can I come too?

になるのがわかると思います。

comeと言うべきところでgoと言い間違えても、それほど問題になることもないと思います。

神経質になる必要はありませんが、go/comeのどちらを使うか迷う場合は上のルールを思い出してください。

22. take / bringの使い分け

さっそくですが、動詞take/bringを使い分けて、次の5つの文を英語にしてみましょう。

1.(家を出る家族に対して)「傘を持ってくのを忘れないようにね」
2.「昨日は子供たちを動物園に連れて行きました」
3.(昼休みにランチに誘われて)「今日はお昼を持ってきたんだ」
4.(ホームパーティーに誘われて)「じゃ、ワインを1本持っていくね」
5.(BBQに誘われて)「彼女を連れて行ってもいい?」

takeもbringも、「人と人・ものが一緒にどこかに移動する」が共通するイメージです。

しかし、takeは「~を持っていく、連れていく」、bringは「~を持ってくる、連れてくる」のように、使い分けを日本語訳に頼るのは危険です。

「~を持っていく/連れていく」も表すbring

まずは例文の解答例を見ていきましょう。

1. Don’t forget to take your umbrella!
2. I took my kids to the zoo yesterday.
3. I’ve brought my lunch today.
4. I’ll bring a bottle of wine.
5. Can I bring my girlfriend?

これらのポイントになる部分だけ抜き出してみます。

1. 持っていく:take
2. 連れていく:take
3. 持ってくる:bring
4. 持っていく:bring
5. 連れていく:bring

これで、日本語訳に頼ってはいけない理由がはっきりしましたね。

bringは「~を持ってくる、連れてくる」だけでなく「~を持っていく、連れていく」を表すこともあります。

take/bringの定義

まずはtakeの定義を英英辞典で見てみましょう。

to carry or move something from one place to another(ある場所から別の場所へ何かを運ぶ、動かす)

となっています。

「何かを別の場所へ運ぶ、動かす」という意味ですね。

ものだけでなく人に対しても使います。

2つの例文のような感じです。

次はbringの定義です。

to come to a place with somebody/something(人/ものをある場所に伴う)

この定義のcome to a placeは「ある場所に来る」と訳すわけにはいきません。

comeは「行く」を表すこともあります。

前項の「相手のもとへ自分から近づいていくときはcomeを使う」というルールを思い出してください。

実はbringにもcomeと同じようなルールがあります。

自分のところに「~を持ってくる、連れてくる」だけでなく、「~を持って/連れて相手のもとへ行く」ときにも使います。

したがって、take/bringはどちらも「~を持っていく、連れていく」になる可能性があります

例文の1と2、4と5がそのことを示しています。

相手のもとへ行くのかどうかで使い分ける

take/bringがどちらも「~を持っていく、連れていく」を表すなら、どのように使い分ければよいのでしょうか。

ポイントは持っていく、連れていく場所です。

bringは「~を持って/連れて相手のもとへ行く」にも使われると説明しました。

したがって、話す人が相手のところへ「~を持っていく、連れていく」ときにはbringを使います

それに対して、相手のところではないどこか別の場所へ「~を持っていく、連れていく」ときはtakeを使います

方向を意識する

このtake/bringの違いは、方向を意識するとはっきりします。

bringは「ここに持ってくる」「そちらに持っていく」という、話し手・聞き手に向かうイメージです。

それに対してtakeは「どこか別の場所へもっていく」という、話し手・聞き手のもとから離れていくイメージです。

このイメージを思い浮かべることで、とっさのときにも使い分けることができます。

23. Something to drink / a drink / drinksの使い分け

drinkという単語があります。

動詞では「~を飲む、酒を飲む」、名詞では「飲み物」という意味です。

でも、英語で「飲み物」はa drink/drinksと言うこともあれば、something to drinkと言うこともあります。

この2つの表現は何が違うのでしょう。

動詞・名詞のdrink

来客に「何かお飲みになりますか?」「何か飲みますか?」と勧める場合に一番よく使うのは、おそらくdrinkを動詞として使ったこの表現です。

・Would you like something to drink?
・Can I get you something to drink?

something to drinkで「何か飲むもの→飲み物」というイメージです。

同じようにsomething to eatで「何か食べるもの→食べ物」です。

そして、drinkを名詞として使うと、こんなふうにも使います。

・Would you like a drink?
・Can I get you a drink?

でも、drinkを動詞として使ったsomething to drinkと、名詞として使ったa drinkではニュアンスが異なります。

a drink/drinksは「酒」

something to drink/a drinkはどちらも「飲み物」に違いはないのですが、英英辞典では名詞としてのdrinkの定義はこうなっています。

drink
(1) a liquid for drinking
(2) alcohol or an alcoholic drink

「1. 飲み物、飲料」に加えて「2. 酒」という意味があるわけです。

特にa drink/drinksは「酒」という意味で使うことが多く、逆に「酒」をalcoholと言うことの方が少ないように思います。

したがって、

・Would you like a drink?
・Can I get you a drink?

は「お酒を飲みませんか?」というニュアンスで使うことが多いのです。

それに対して、

・Would you like something to drink?
・Can I get you something to drink?

は純粋に「飲み物」ということで、アルコール以外の水・茶・コーヒー・紅茶・ジュースなども含みます。

I need a drink.

a drink/drinksは日常生活で実によく使いますが、私がよく耳にする表現をいくつか紹介します。

・Let’s go for a drink after work.(仕事の後、飲みに行こう)
・Do you want to grab a drink?(飲みに行かない?)
・I’ll buy you a drink.(一杯ごちそうするよ)
・We went to a bar for a few drinks.(ちょっと飲みにバーに行った)
・It’s been a tough day. I need a drink.(大変な一日だった。ああ飲みたい)

ネイティブはsomething to drink/a drink/drinksを無意識のうちに使い分けていて、これらのa drink/drinksの使い方はほぼ間違いなく「酒」を連想させます。

むしゃくしゃしてI need a drink.と言っている人に「オレンジジュースはどう?」と尋ねるのは愚問です。

また、動詞drinkにも「酒を飲む」という意味があります

Would you like a beer? ― No, thank you. I don’t drink.(ビールを飲みますか?-いいえ、私は酒は飲みません)

のような感じです。

こちらも覚えておきたい使い方です。

something/anything to drink

疑問文ではsomething/anything to drinkのどちらも使います。

その違いを確認しておきましょう。

Would you like something to drink?は、すでに飲み物の用意があって勧めるときの「何か飲みますか?」という意味です。

それに対して、Do you have anything to drink?は、飲み物の用意があるのかどうかわからなくて「何か飲み物はありますか?」と尋ねる表現です。

24. guy / guysの使い分け

guyという名詞からどんな意味を思い浮かべますか?

日本語でも「ナイスガイ」と言ったりしますが、複数形のguysは少し違う意味でとてもよく使います。

今回はぜひ覚えておきたいguy/guysの使い方です。

guyの意味と使い方

まずは名詞guyの意味から確認しましょう。

英英辞典によると、guyは

(informal) a man(インフォーマルに)男

「男の人」という意味です。

カジュアルな表現なので「やつ」がぴったりくることもあります。

・John is a nice guy.(ジョンはいいやつだ)
・Who’s that guy over there?(あそこにいる男の人は誰?)
・I saw two guys going into the store.(男2人が店に入ってくところを見た)

のように使います。

英語のnice guyは「(見た目だけでなく)中身が素敵な男性」を言います。

「見た目がかっこいい男性」という意味ではありませんので注意してください。

guyはくだけた表現なので、丁寧に言う場合にはgentlemanなどを使います

A gentleman at the front desk was incredibly nice and very helpful.(フロントの男性がとても親切でした)

女性に対しても使う複数形guys

では、次に複数形guysです。

もちろん「男たち」という意味で使います。

でも、会話でもっとよく耳にするのがこんな意味です。

(informal, especially NAmE) a group of people either sex((インフォーマルに、特に北米英語で)人の集団(男女ともに使う))

「人の集団」を意味するのですが、ポイントはeither sex(男女ともに使う)とあることです。

つまり、guysは男性の集団だけでなく、女性だけの集団、男女の集団の3通りの意味を表すのです。

私がこのguysを初めて耳にしたのは、女性の友人とパブにビールを飲みに行ったときでした。

店に入るなり店員さんがHey, guys.(やあ、君たち、いらっしゃい)と声をかけてきました。

複数の女性に対してもguysが使えると知らなかった私は「guys?私たちのこと?」と一瞬意味がわかりませんでした。

複数の女性に対してはHi, ladies.(みなさん、こんにちは)のようにladiesを使うことも多いのですが、guysも使われます。

呼びかけで使うguys

上記の英英辞典の定義では「特に北米英語で」とされていますが、ニュージーランドでも呼びかけや会話の中でguysをよく使います。

特にカジュアルなサービスの飲食店やショップでよく耳にします。

何人かで店に入ると、

Hi/Hey, guys.(みんな、いらっしゃい)

と声をかけられます。

また、食事を終えて店を出るときに店員さんにThank you.と声をかけると、

Thanks, guys.(みんな、ありがとう)

と言われることもあります。

複数の人全員に話しかけるyou guys

さらに、you guysの形で「(そこにいる)君たち、みんな」という意味でも使います。

例えば、誰かと歩いていて親しい友達に出会うと、

・What are you guys up to?(みんな、何してるの?)
・See you guys.(みんな、またね)

と言われたりしますし、

・What are you guys doing tomorrow?(みんな、明日の予定は?)
You guys want something to drink?(みんな、何か飲む?)

のように、複数の人全員に話しかけるようにyouの代わりにyou guysを使ったりします

guysはカジュアルな表現なので、ビジネスやフォーマルな場では避けた方がよいでしょうが、知っておくと役に立つと思います。

25. until / buyの使い分け

海外でショッピングをしていて、洋服やバッグなど「欲しい!」と思うものに出会ったけれど、考えた末に思いとどまったりします。

日本では売っていないようだし、買いたいけれど、でもちょっと高いし…と、高価なものほど悩みますね。

ちょっと他の店も見て、悩んだ結果「やっぱり買おう」とその店に戻ったら、すでに閉店時刻を過ぎていたということもあります。

そんなときに役立つ「何時まで営業していますか?」という英語の前置詞の使い方です。

「~まで」を意味する前置詞until/byの違い

これは結構悩むところだと思います。

「~まで」を表す前置詞のuntil/byの使い分けです。

「何時まで営業していますか?」にはuntil/byのどちらを使えばよいのでしょうか。

まずは、英文法解説書でuntilとbyの違いを整理しましょう。

until:Something continues until a time in the future
(until:未来のあるとき「までずっと」何かが続く)
by:Something happens by a time in the future
(by:未来のあるとき「までに」何かが起きる)

と説明されています。

untilは「今すでに何かが起きていて、未来のあるときまで続く」ことを示します。

byは「今はまだ何も起きていないが、未来のあるときまでに起きる」です。

untilは継続、byは期限と覚えておくとよいかもしれません。

では、「何時まで営業していますか?」はどちらを使いますか?

この質問をする時点でお店が営業しているのは間違いありませんね。

したがって、「今この営業している状態がいつまで続きますか?」という意味ですから、前置詞はuntilを使います。

untilの位置

「お店は何時まで営業していますか?」の主語は「お店」です。

では、英語で言うときの主語はthe shopでしょうか。

ここにも英語と日本語の違いが表れます。

英語では、店についてそこの人に直接訪ねる場合にはyouを主語にします。

日本語にすると「あなたは何時まで開いていますか?」となるので妙な気がしますが、youを使うのが普通です。

では、「お店は何時まで営業していますか?」を英語にしてみましょう。

文法的に正しい英語としては、

Until what time are you open?

となります。

しかし、私の周りで耳にする実際の口語では、

What time are you open until?

という人が多いですね。

質問文では疑問詞を文頭に持ってくる方が伝わりやすいのかもしれません。

前置詞を使わないバリエーション

私自身はWhat time are you open until?をいちばんよく耳にしますが、他にもこんな表現をよく使います。

・What time do you close?(何時に閉まりますか?)
・What are your hours?(営業時間は何時ですか?)
・How late are you open?(何時まで営業していますか?)

「何時まで営業していますか?」を一語一句忠実に英語にしなくてもよいわけです。

日本語を英語に直そうとすると、個々の英単語を思い浮かべながら文にしていくことが多いと思います。

でも、日本語にとらわれすぎると、なぜか伝わりにくい表現になったりします。

実際に使われている表現を聞いて「なーんだ、それでいいのか」と思うこともとても多いのです。

ネイティブの英語に触れる機会をできるだけ作って、どんどん耳をダンボにして表現を盗んで、自分でも実際に使ってみるのが「伝わる」英語をマスターする近道だと思います。

海外ドラマや映画(英語字幕を表示させて)を見て、日常でどんな表現を使っているのかを観察してみるのもよいと思います。

新鮮な発見がたくさんあって楽しいですよ。

26. will / be going toの使い分け

英語で未来のことを話すときには助動詞willを使うと学びました。

でも、ネイティブの会話ではwillだけでなく、be going to…で未来を表す言い方もよく使います。

will/be going to…はどう違い、どのように使い分けたらよいのでしょうか。

「~するつもり」を表すbe going to…

英文法解説書にこんな2つの会話が載っています。

Gary phoned while you were out. - OK. I’ll call him back.(外出中にGaryが電話してきたよ ― 了解。かけ直すよ)

Gary phoned while you were out. - I know. I’m going to call him back.(外出中にGaryが電話してきたよ ― 知ってるよ。かけ直すつもり)

この違いを理解することが大切です。

どちらも最初の文は同じですが、それに対する答え方が違っています。

学校ではbe going to…は「~するつもりである」と訳すと学んだ人もいるかと思います。

この2つの答え方の違いを理解する鍵は「かけ直すよ」と「かけ直すつもり」にありそうです。

「~するよ」と「~するつもり」の違い

「~する」と「~するつもりである」はどちらも「これから~する」という未来のことを言っていますし、一見、同じような意味に思えます。

では、わかりやすくするために日本語の会話で考えてみましょう。

オフィスでの会話を想像してみてください。

・明日はバレンタインデーだ。― あ、そうだね!仕事帰りにチョコを買いに行こうっと。
・明日はバレンタインデーだ。― そうよね。仕事が終わったらチョコを買いに行くつもり。

この2つの答えには微妙な違いがあります。

どちらも、仕事の後でチョコレートを買いに行くという「未来の予定」を示していることは同じです。

最初の会話では、明日がバレンタインデーだと知らされて、会話をしているそのときにチョコレートを後で買いに行くと決めています。

それに対して、次の会話では、会話をしているときにはすでにチョコレートを後で買いに行くと決めていて、もともとそうする予定でいたことを伝えています。

この違いがwillとbe going to…の違いに相当します。

今決めた行動はwill、予定していた行動はbe going to…

では、この2つの会話の後半部分をwill/be going to…を使って英語にすると、どうなるでしょうか。

・I’ll/will go buy some chocolate after work.(仕事帰りにチョコを買いに行こうっと)
・I’m going to go buy some chocolate after work.(仕事が終わったらチョコを買いに行くつもり)

となります。

最初の会話ではbe going to…は使いません。

もともとその予定ではなく、「会話をしているときに決めた未来の行動」を表すので、willを使います。

次の会話では、「すでに決めていたり、予定していた未来の行動」を表すのでbe going to…を使います。

これがwill/be going to…の決定的な違いです。

助動詞willの使い方は他にもありますが、この大きな違いを理解しておくと、今後be going to…を耳にしたときにスッと理解できるのではないでしょうか。

27. be going to…の使い方

前項でwill/be going to…の使い分けについて考えました。

be going to…は「すでに決めていたり、予定していた未来の行動」について使うのでした。

実は、それ以外にもbe going to…を使う場合があります。

予測を表すbe going to…

それは「~になるだろう、~が起きるだろう」という予測を表す場合です。

これも英文法解説書の解説がわかりやすいので引用します。

こんな場面を想像してください。

ある男性が段ボール箱を運んでいますが、箱が大きすぎて前が見えません。

行く手には壁があります。

The man can’t see the wall in front of him. He is going to walk into the wall. When we say that ‘something is going to happen’, the situation now makes this clear. The man is walking towards the wall now, so we can see that he is going to walk into it.
(その男性は自分の前にある壁が見えていない。彼は壁にぶつかることになるだろう。‘something is going to happen’と言うとき、今の状況からこれが明らかになっている。男性は壁に向かって歩いているので、彼は壁にぶつかることになるとわかる)

こんなふうに、「今の状況から考えて、今後~が起きる」という予測が成り立つときにbe going to…を使うわけです。

この使い方のポイントは、「今現在の状況からの見通しとして~が起きるはずだ」ということです。

ただし、予測を表す「~だろう」はwill/ be going to…でほとんど違いがない場合もありますが、be going to…のほうが状況や根拠に基づいて判断しているというニュアンスがあることを覚えておくとよいと思います。

状況判断を伴うbe going to…

この予測を表すbe going to…を使う場面で、私がいつも思い浮かべるのは「遅刻をするとき」です。

例えば、Aさんはいつも始業10分前にオフィスに着いているとします。

でも、今朝は寝過ごしてしまって、いつもより30分遅い電車に乗りました。

この先はどうなるでしょうか。

途中でどんなに頑張って走ったとしても、始業時刻には間に合いません。

そこで会社に連絡を入れます。

まさにbe going to…の出番です。

・I’m sorry. I’m going to be late.(すみません。遅刻します)
・I’m going to be a little late.(少し遅れます)
・I’m going to be 20 minutes late.(20分遅れます)

電車内でAさんは、頭の中でこんな判断をしています。

【今の状況】いつも始業10分前には着くようにしているけれど、今朝はいつもより30分も遅れている。
【この先の予想】駅からオフィスまで走ったとしても、始業時刻には間に合わない。遅刻するのは明らかである。

というわけで、be going to…を使って遅刻の連絡を入れるわけです。

あるいは、空が雨雲に覆われて、今にも雨が降りそうだと思ったときには、

It’s going to rain soon.(すぐに雨が降り出しそう)

のように言います。

雨が降る気配を実際に見て感じているからです。

選挙で、報道や事前調査から判断して「~が勝つと思う」という場合にも、

I think the Democratic Party is going to win the election.(民主党が選挙に勝つと思う)

のように言うことがあります。

これも現在の状況から判断した今後の予測です。

さらに、スポーツの試合前などには選手やコーチが、

It’s going to be a tough game.(厳しい試合になるだろう)

のように言うこともよくあります。

28. 現在進行形・現在形で表す未来

最終項も未来の表し方で締めましょう。

未来を表す表現としてwill/be going to…の使い方をすでに見てきました。

英語では、さらに現在進行形や現在形で未来を表すこともあります。

その使い分けを考えてみましょう。

現在進行形で表す未来

まず、現在進行形で表す未来について考えます。

例えば、こんな文です。

I’m visiting my friend in Paris next month.(来月にパリにいる友達を訪ねます)

私は学校でこう学んだ気がします。

「直近の未来は現在進行形で表すことができる」と。

私はこれがまったく理解できませんでした。

直近って、いつまでが直近なのでしょうか。

どれくらい近い未来のことだったら現在進行形を使えるのでしょうか。

また、どれくらい先のことだったらwillを使うのでしょうか。

これはまったく意味のない議論でした。

翌日のことについて、

What are you doing tomorrow?(明日の予定は?)

と尋ねることもできます。

逆に、今すぐとる行動について、

I’ll go and shut the door.(行ってドアを閉めてくる)

のようにwillを使うこともあります。

実は、重要なのはどれくらい先のことかという「時間」ではありません。

これまで同様、英文法解説書のお世話になりましょう。

今回のテーマもわかりやすく説明されています。

現在進行形で表す未来についての解説です。

I’m doing something (tomorrow)=I have already decided and arranged to do it.(I’m doing something (tomorrow)=すでにそうすることを決めて、手はずを整えてしまっている)

話している時点で「すでに決定していて、準備したり、手はずを整えたりしている未来の行動」を表すときに現在進行形を使うわけです。

すでにもう物事が「進んでいる」ことが進行形から感じ取れます。

・What are you doing on Saturday evening? - I’m going to the cinema.(土曜日の夜は何をする予定? ― 映画を観に行きます)
・What time are you leaving tomorrow? - Four. I’ve booked the first shuttle of the day.(明日は何時に出発するの? ― 4時。始発のシャトルバスを予約したんだ)

そして、こんな注意書きもあります。

‘I’m going to (do)’ is also possible in these sentences: What are you going to do on Saturday evening? But the present continuous is more natural for arrangements.(これらの文ではI’m going to (do)も可能である。《例文は省略》しかし、準備したり手はずを整えている場合には現在進行形を使う方が自然である)

「~するつもりである」とすでに決めている未来の行動についてはbe going to…を使います。

しかし、決めただけでなく、具体的に準備したり、手はずを整えたりしていることを表すには現在進行形を使うのが自然だということです。

さらに、こんな貴重な情報も添えられています。

Do not use ‘will’ to talk about what you have arranged to do.(自分がすでに手はずを整えていることについて話す場合にwillは使わない)

すでに具体的に手はずを整えていることについてwillは使わない、とはっきり述べています。

しかも、こんな例文まで用意されています。

Alex is getting married next month.(Alexは来月結婚する)

willでもbe going to…でもなく、現在進行形が使われる理由がよくわかる例文ですね。

この文を話している時点で来月の結婚はすでに計画されていて、しかも準備が進んでいるからです。

では、これを踏まえて、次の2つの文の違いを考えてみましょう。

・I’m going to visit my sister when I’m in Kyoto.(京都では妹を訪ねるつもりでいます)
・I’m visiting my sister when I’m in Kyoto.(京都では妹を訪ねます)

最初の文は「妹を訪ねるつもりでいる」くらいの意味です。

次の文では具体的に計画が進んでいることがわかります。

すでに日程も決まっていて、新幹線などの手配も終わっているのかもしれません。

簡単に言えば、スケジュール帳に書き込むような具体化した個人の予定には現在進行形を使うのが自然ということです。

繰り返しになりますが、もうすでに計画が動き出している感じが現在進行形に表れています。

現在形で表す未来

最後に現在形で表す未来です。

予定表や時刻表に載っていることや、不変の事実を表す場合には現在形で未来を表すことができます。

・The train arrives at 10:15.(列車は10時15分に到着します)
・Tomorrow is my birthday.(明日は私の誕生日です)

「いつもそうである、そうしている」という習慣を表すときに現在形を使うことからも納得できると思います。

本項から、未来を表すこんな文がすんなり理解できるのではないでしょうか。

I’m meeting her at the cinema at 11:15 tomorrow because the film starts at 11:30.(明日は11時15分に彼女と映画館で会います。映画は11時半に始まりますから)

伝える表現としてよく使います。

英語での表現力が広がる必須表現―Part 1―

英語での表現力が広がる必須表現―Part 1―

1. 表現力が広がるcouldの使い方

couldはcanの過去形として「~できた」という意味でも使いますが、別の意味で使うことも多い助動詞です。

今回は、現在や未来のことについてcouldを使う表現を中心に、どんな場合によく使うのかを見てみましょう。

couldが使えるようになると、微妙なニュアンスをうまく伝えられるようになります。

現在、未来の可能性を表すcould

「~かもしれない」という不確実な可能性を表すには副詞maybe(もしかすると)などが思い浮かぶかもしれませんが、couldでも可能性を表すことができます。

英文法解説書はこんなふうに説明しています。

We use ‘could‘ (not ’can‘) to say that something is possible now or in the future.(何かが現在、あるいは未来において起こりうる(ありうる)ことを伝えるために(canではなく)couldを使う)

現在や未来において「~かもしれない」という可能性を表すときにcouldをとてもよく使います。

ポイントは「現在や未来において」です。

couldはcanの過去形として使うこともありますが、過去についてではなく、現在や未来においての可能性を表すことも多いのです。

仕事で大きなミスをしてしまったときに、

I could lose my job.(職を失うかもしれない)

というふうにも使えます。

懸賞などで「~が当たります!」というフレーズもYou could win…!と表現します。

「仕事を失う」「~が当たる」と断言するのではなく、couldを使うことで「その可能性がある」というニュアンスを出せるわけです。

大げさに強調するcould

仲良しの女性2人が久しぶりに会ってカフェでおしゃべりをしています。

何時間話しても話題は尽きません。

そこでひとりが「私たち永遠にしゃべっていられるわ」と言ったとしましょう。

これを英語にすると、どうなるでしょうか。

「できる」なので、canを使ってWe can talk forever.と言いたくなります。

でも、正しくは、

We could talk forever.

です。

ここでcanは使えません。

なぜかと言うと、永遠に話すことは実際には不可能だからです。

ここでいう「永遠にしゃべっていられる」は現実として可能なことではなく、大げさに強調する比喩的な表現です。

こんな場合、日本語では「~できる」と言いますが、英語ではcanではなくcouldしか使えません。

次のような表現も同様です。

・I’m exhausted. I think I could sleep for a week.(すごく疲れた。1週間でも寝られると思う)
・I’m so hungry. I could eat 100 pieces of sushi.(すごくお腹が空いた。寿司なら100個は食べられる)

実際には不可能だが「~できる(ほどだ)」と程度を大げさに強調する場合にcouldを使います。

提案するcould

「~することもできるし、…することもできる」のように可能な選択肢について話したり、提案するときにもcouldを使います

英文法解説書の説明を見てみましょう。

We use ‘could’ to talk about possible actions now or in the future (especially to make suggestions)(現在、あるいは未来において可能な行動について話す(特に提案をする)ためにcouldを使う)

例えば、デートで「何を食べに行こうか」と言うときには、

We could go for Chinese, Italian, French…(中国料理、イタリアン、フレンチ…なんかがあるよね)

のように言えます。

私は以前、書店で「切手を売っていますか?」と尋ねたら、No, we don’t. But you could go to…(いいえ、でも…に行ってみたらどうですか?)と教えてくれました。

こんなときにもcouldは使えるわけです。

不確実な可能性を表現する

ネイティブはcouldを実に絶妙に会話にはさんできます。

きっぱり断定するのではなくて、「~かもしれない」という不確実な可能性を表現することができます

実際にcouldが使われている会話などをたくさん聞くとイメージがつかみやすいのですが、辞書や文法書などの例文を読むだけでも使い方のヒントになります。

2. 表現力が広がるwouldの使い方

couldと並んで会話でよく使う助動詞にwouldがあります。

Would you like…?(~はいかがですか?)やI would like…(~がほしいのです)などの表現はおなじみですね。

海外生活をするようになって、ネイティブはwouldをとてもよく使うことに気付きました。

では、どのような使い方があるのでしょうか。

辞書を引いてみてください。

うんざりするくらいたくさんの意味や使い方が出てくると思います。

これを全部覚えるのは無理かもしれませんし、暗記しても忘れます。

それよりも、数多くの意味や使い方に共通するwouldが持つイメージをつかむと、絶対に使えるようになります。

現実と異なる状況を仮定するwould

ここで紹介するのは、私が以前一緒に働いていたニュージーランド人女性の話です。

私は彼女からwouldの使い方を学んだと言っても過言ではありません。

と言っても文法を教えてもらったわけではなく、彼女自身がwould使いの名手だったのです。

彼女には息子とその妻、孫がいます。

仕事中に息子の妻への小言を聞くことが多かったのですが、その会話中にwouldが頻繁に出てきました。

例えば「彼女が孫をほったらかして友達とカフェに行ったのよ。私だったらそんなことしないわ」という、よくある不満。

ここに、

I wouldn’t do that.(私だったらそんなことはしない)

とwouldが出てきます。

あるいは「このあいだ彼女が私に…って言ってきたのよ。あなたならそんなこと言う?」という愚痴。

ここに、

Would you say that?(あなただったら、そんなこと言う?)

と、またwouldの登場です。

そして間髪入れずに、

I wouldn’t say that.(私だったら、そんなことは言わない)

と締めくくります。

このwouldのイメージ、伝わったでしょうか。

「もし私だったら…」「あなただったら…」のように「(もし)…だったら」と現実と異なる状況を仮定したり、想像して話すわけです。

仮定法でIf I were you, I would…(もし私があなただったら、私は…)という表現を学んだと思います。

前半のIf I were youという現実と異なる仮定の部分を省略して、後半のI would…だけを言うことが会話では多いのです。

「あなたが私だったとしたら…」

こんな例もあります。

レストランで何を注文するか迷っているとします。

そこに、接客係に「あなただったら何にしますか」とアドバイスを求めるとしましょう。

こんな場合は、

What do you recommend?(何がお勧めですか?)

と尋ねることもできますが、ここでもwouldを使って、

What would you have?(あなた(が私)だったら何にしますか?)

と言えます。

現実と異なる状況を仮定するのでwouldを使うわけです。

現実には起こりえない仮定・想像

『プラダを着た悪魔』という映画がありました。

ストーリーも面白いし、使える会話表現がたくさん出てくるのでお勧めです。

この中で、ファッションマガジンの鬼編集長のアシスタント職に応募してきた主人公に対して、職場の先輩はこう言います

Million girls would kill for this job.(この職に就くためならなんだってやる女の子がたくさんいるわ)

これがwould killではなくて、killだけだったりwill killだったら「この仕事のために殺人をする」と断言してしまうので恐ろしいことになります。

でも、実際に人を殺すわけではありません。

would killを使えば「この仕事のためだったら人も殺す」、つまり「この仕事を手に入れるためなら何でもする」という絶妙な例えを表現できるわけです。

辞書には数多くのwouldの使い方が載っています。

そこに共通するのは「~だったら…する」という仮定、想像のイメージです。

「仮定法にはwouldを使う」と学びましたが、この仮定、想像のイメージをつかめているとwouldがすんなり口から出てくるはずです。

3. 表現力が広がるshouldの使い方

「~するのがよい、~してはどうですか」という助言や提案をするときには助動詞shouldを使うことを学びました。

今回は、それとは違うshouldの使い方です。

例えば、海外からの友達とお花見に行く計画を立てているとしましょう。

メールで「日にちはいつがいい?」と送ったら、次のような返事がきたとします。

Anytime over the weekend should work.

これはどんな意味でしょうか。

週末は仕事があるから無理ということでしょうか。

次のような例もあります。

海外のショッピングサイトで買い物をしたら、英語で確認メールがきました。

こう書かれています。

We’ve shipped the product you purchased. You should receive it within ten business days.

これらのshouldは、会話でもメールでもとてもよく使います。

「~するはずだ」を表すshould

まず最初の文から見ていきます。

Anytime over the weekend should work.は「週末なら、いつでも大丈夫なはず」という意味です。

次のYou should receive it within ten business days.は「10営業日以内に手元に続くはずです」という意味です。

このように、shouldは「~するのがよい、~してはどうか」だけでなく「~するはず」という意味でもよく使います。

英文法解説書のshouldの項には、こう書いてあります。

We use ‘should’ to say that we expect something to happen.(何かが起きることを予期していると言うためにshouldを使う)

これから何かが起きることを予期している、つまり「~するはず」だということですね。

冒頭のお花見の日程を決めるメール文は「週末なら大丈夫」と予期していることを表し、ネットで買った商品が「10営業日以内に届くはず」ということも、ただの推測ではなく、根拠があって予期しているニュアンスがあります。

予期を表すshould

このように助動詞shouldは、話す人が「~が起こるだろう」「~だろう」と予期していることを示します

日常生活でいちばん耳にするかもしれない表現がこれです。

That/It should be fine.(それで大丈夫なはずです)

これも根拠があって予期していることを表しています。

また、私が耳にするたびに響きがおもしろく感じる表現がこれです。

That/It shouldn’t be a problem, should it?(それで問題ないはずですよね?)

です。

「問題ないはずです」も、こんなふうに表現できてしまいます。

順番待ちをしているときに、あとどれくらい待つのか尋ねると、

It shouldn’t take long.(長くはかからないはずです)

のように言われることがあります。

この表現も日常会話でとてもよく使う、ざっくりとした答え方です。

「時間はかからない」と断定はしないが、「かからないはずです」と予期しているニュアンスです。

同じように「かかっても10分程度です」と言いたいときも、

It should only take about 10 minutes.

のようにshouldを使って表現できます。

仕事のメールでも使えます。

「遅くとも6時までに折り返しご連絡できるはずです」なら、

I should be able to get back to you by 6 pm at the latest.

というように使えます。

助動詞shouldのこの使い方も覚えておくと、表現の幅が広がります。

4. should/had betterの使い分け

had betterは「~したほうがいい」という意味だと学校で学んだのではないでしょうか。

しかし、「これ、美味しいから食べたほうがいいよ」「今日は雨が降りそうだから、傘を持って行ったほうがいいよ」「あの映画、面白かったから見たほうがいいよ」などのように「~したほうがいい」という場合、常にhad betterが使えるわけではありません。

「~したほうがいい」と「~すべきである」

人に助言したり提案するとき、もうひとつ使える単語があります。

それは助動詞shouldです。

日本語では「~すべきである」と訳すと学んだはずです。

でも、「~すべきである」は「~したほうがいい」よりもきつく響く気がします。

「こうしなくてはいけない」と押しつけるような感じすらします。

助言するなら「~したほうがいい」のほうが柔らかい印象なので、shouldではなくhad betterを使いたくなりますね。

海外生活を始めた当初、学校の先生やホストファミリーが、早く街に慣れるように観光名所を教えてくれたのですが、「美術館に行ってきたら?」とか「博物館は行ったほうがいいよ」と勧めてくれるときに必ず、

You should go to a museum.

と言うのです。

そのたびに「~すべきだなんてきつい言い方するんだ」と思っていました。

ところがある日、この理解が間違っていたことに気付きました。

まさに、目からウロコでした。

「~しないと悪いことが起きる」と伝えるhad better

当時も今も使い続けている英文法解説書のshouldの項に次のように書いてあったのです。

You should do something=it is a good thing to do or the right thing to do. You can use ‘should’ to give advice or to give an opinion.(You should do something=~するのはよいこと、正しいこと。shouldは助言したり、意見を言うときに使う)

それに対してhad betterはこうです。

I’d better do something=it is advisable to do it. If you don’t do it, there will be a problem or a danger.(I’d better do something=~するのが賢明である。そうしなければ、問題や危険が発生することになる)

実はshouldとhad betterの違いはきついか、やわらかいかという響きの違いではなかったのです。

「~すべき」「~したほうがいい」という日本語訳だけで使い分けてはいけません。

shouldは「~するのはよいことです、正しいことです」となります。

これに対してhad betterは「~しなさい、さもないと問題や危険が生じます」と言うときに使うわけです。

助言、意見を述べるshould

例えば、美味しいレストランを見つけたとして、友達に勧めるときにはshouldとhad betterのどちらを使いますか?

That restaurant is excellent. You should go.(あのレストランは素晴らしいから、行ったほうがいいよ)

が正しい言い方です。

ここではhad betterは使えません。

レストランに行かなかったら問題や危険が生じるとは考えられないからです。

日本語では「あのレストラン、美味しいから行ったほうがいい」となるのでhad betterを使いそうになりますが、日本語に惑わされてはいけないわけです。

では、こんな場合はどうでしょうか。

親がいつも車で通勤しているとします。

ある冬の朝、起きたら路面が凍結していました。

「今朝は危ないから注意した方がいいよ」と言うときには、どちらを使いますか?

上の定義を理解していれば、

You’d better be careful.((運転には)注意したほうがいいよ)

と迷わずhad betterが出てきますね。

運転に注意しないと事故を起こしたり、けがをする可能性があるからです。

shouldは助言したり、自分の意見を言うときに広く使える表現なので、ここでも使えなくはないと思います。

でも、「危ないから気を付けなさい」という場合にはYou’d better be careful.が多いと思います。

「そうしないと危険だから」というニュアンスをきちんと伝えられます。

冒頭の3つの「~したほうがいい」という日本文の場合、had betterが使えるのは2番目の「傘を持って行ったほうがいい」だけです。

他の2つには普通はshouldを使います。

5. have to…/mustの使い分け

動詞句have to…も助動詞mustも意味はみなさんご存じだと思います。

でも、実際に使うとなると、どちらを使ったらよいかわからないこともあるのではないでしょうか。

have to…もmustも「~しなければならない」という意味だと学びました。

でも、まったく同じ意味なら、なぜわざわざ2つの表現を使うのでしょうか。

また、have to…よりもmustのほうが意味が強いとも聞いたことがありますが、本当でしょうか。

必要・義務を表すhave to…

英文法解説書に「have to…とmust」という項目があります。

まずhave to…の定義を見てみましょう。

I have to do something=It is necessary to do it, I am obliged to do it.(I have to do something=~する必要がある、~せざるをえない)

です。

I am obliged(私は義務付けられている)と言っているので、「義務として~しなければならない」ということですね。

規則なり、必要なりの外部的な理由があって「~しなければならない」「~せざるをえない」という意味で使うのがhave to…です。

主観的な意見を表すmust

これに対してmustの定義はこうなります。

You can use ‘must’ to give your own opinion (for example, to say what you think is necessary, or to recommend someone to do something). ‘Have to’ is also possible.((例えば、必要があると考えていたり、人に~するように勧めるなどで)自分の意見を述べるときにmustを使う。have toも可能)

「~しなければならない」と自分が考える、つまり主観的な意見を表すのがmustです。

ここで注意が必要なのは最後の一文です。

自分の意見を言う「~しなければならない」にはmustもhave to…もどちらも使えます(口語ではhave to…のほうがよく使われるように思います)。

・It’s getting late. I must/have to go now.(遅くなってきた。そろそろ行かないと)
・I must/have to go to the bank to withdraw some cash.(銀行に行って少し現金を下ろさないと)
・All my socks have holes in them. I must/have to buy some.(靴下は全部穴があいている。少し買わないと)

これらの例文中のmustは「~しなければならない」という自分の意見を表すので、have to…でもOKです。

日常会話の中でhave to…/mustのどちらも使える場合には、have to…の方をよく使うように思います。

mustには確信している響きがあるのに対して、have to…を使うと、外部的な理由から「やむをえず~しなければならない」というやわらかい響きを伝えることができます。

義務を事実として伝えるhave to…

さらに、have to…にはこんな説明があります。

We use ‘have to’ (not ‘must’) to say what someone is obliged to do. The speaker is not giving his/her own opinion.(人が義務としてしなければならないときには(mustではなく)have toを使う。このときに話者は自分の意見を述べているのではない)

「自分以外の誰かが~しなければならない」という事実を口語で伝えるときには必ずhave to…を使います。

mustは使いません。

これは結構見逃しがちですが、大切なポイントです。

Susan can’t meet us tomorrow. She has to work.(スーザンは明日は私たちに会えない。仕事があるから)

この例文の「仕事をしなければならない」は話し手の意見ではなく事実なので、mustは使えません。

強制力のある指示・規則を表すmust

ここまでの例では、mustはあまり出番がなさそうですね。

実は、mustは強制力のある指示や規則を表す場合によく使います

・You must print your name.(名前を(筆記体ではなく)活字体で書きなさい)
・You must wear a helmet if you’re travelling on a motorcycle.(バイクで移動するときはヘルメットを着用しなければならない)
・You must speak fluent English.((求人の募集要項で)流暢な英語を話せなければならない)

6. wish/hopeの使い分け

「~であってほしい」「~であることを願う」を英語にするときには動詞wish/hopeを使う人が多いと思います。

「~だといいな」のように希望・願望などを表す場合にもwish/hopeを使うことが多いでしょう。

では、wish/hopeはどのように使い分けるのでしょうか。

I wish I were a bird. / I hope so.

いきなりwish/hopeの違いと言われてもイメージしにくいかもしれません。

それぞれが使われている文を考えてみましょう。

まずはwishです。

教科書に載っていた仮定法の定番に、

I wish I were a bird.

があると思います。

「私が鳥だったらなあ」という意味でした。

事実と異なる願望を表します。

また、誘いを断るときの表現に、

I wish I could.

というのもあります。

「行けたら(~できたら)よいのですが(行けません/できません)」と丁寧に断る表現です。

では、hopeはどうでしょうか。

「明日は晴れるかな?」に対して、

I hope so.(そうだといいね)

と答えたり、プレゼントを渡すときに、

I hope you like it.(気に入ってもらえるとよいのですが)

という表現もよく使います。

また、メールなどの書き出しで、

I hope you are well.(お元気だとよいのですが)

というのもよく見かけます。

実現する可能性が乏しいことを伝えるwish

wishの意味を英英辞典で確認してみましょう。

feel or express a strong desire or hope for something that cannot or probably not happen(起こりえないこと、あるいはおそらく起こらないであろうことを強く望んだり、願う)

とあります。

wishは「おそらく実現しないであろうこと」についての強い願望を表すわけです。

これがいちばんのポイントです。

だからこそ、wishは仮定法でよく使うのです。

「私が鳥だったら…」は現実には起こりえない仮定です。

誘いを断るときのI wish I could.も「できない」という前提に立って「できたらよいのだけれど(できない)」という願いを表しています。

このように、実現の可能性がない(または低い)場合の「~だったらよいのだけれど」にwishを使います。

実現する可能性に期待するhope

一方、hopeの英英辞典の定義はこうなっています。

To want something to happen and think that it is possible(何かが起きてほしいと望み、そうなることが可能であると考える)

hopeは、実現する可能性があると思っていることが「起きてほしい」という希望を表します

I hope so. / I hope you like it. / I hope you are well.という例文は、wishと違って、実現する可能性を感じさせます。

後に続く動詞にも違いがあります。

wishの後に続く文にはwere/wasのようなbe動詞の過去形や、助動詞canの過去形couldが使われます(仮定法過去)。

一方、hopeの後に続く文の動詞は現在形が使われることが多いのです。

実現する可能性を感じているので、仮定法にする必要はないわけです。

wish+人+願い事

wishには実現する可能性のない願いを伝える以外に、

express a hope that (someone) enjoys (happiness or success)((人が)(幸福や成功に)恵まれますようにという希望を表す)

という用法があります。

・I wish you luck!(幸運を祈ります)
・I wish you every success in the future.(これからの成功をお祈りします)

この意味で使う場合は、必ず「wish+人+願うこと(名詞)」という形になります。

7. think/hopeの否定形

友達に「明日は雨が降ると思う?」と聞かれました。

次の2通りの返事をしてみましょう。

1.降らないと思う
2. 降らないといいね

どんなふうに英語で表現しますか?

「~でないと思う」は「don’t think+肯定文」

まずは「明日は雨が降ると思う?― 降らないと思う」という会話を英語にしてみましょう。

Do you think it will rain tomorrow?

と質問されたとして、「降らないと思う」はこう言います。

(No,) I don’t think so.((いや、)降らないと思う)

また、会話の答えとしては冗長ですが、

I don’t think it will rain tomorrow.

とも言います。

ここで注意していただきたいのは、英語では「明日は雨は降らないと思う」(think+否定文)ではなく「明日は雨が降るとは思わない」(don’t think+肯定文)となることです。

文の本来の動詞であるthinkを否定してdon’t thinkとなるわけです。

日本語の「明日は雨は降らないと思う」を直訳して、

I think it won’t/will not rain tomorrow.

とは普通は言いません。

「~でないことを願う」は「hope+否定文」

では、次に「降らないといいね」と答える場合を考えます。

「~だとよいと思う」「~であることを望む」を表す動詞にはhopeを使います。

では、hopeを使って「雨が降らないといいね」と返事をする場合はどう言いますか?

これも少し冗長なものを含んでいますが、自然だと思う答え方を次から2つ選んでください。

①I don’t hope so.
②I hope not.
③I don’t hope it rains tomorrow.
④I hope it doesn’t rain tomorrow.

これら4つの文のうち、一般的によく使われるのは②と④です。

「~でないことを望む」は「hope+否定文」になるわけです。

notの位置の違い

「降らないと思う」「降らないといいね」という日本語を英語にする場合、どちらも「雨が降る」という動詞rainを否定語notで否定すればよいのかと言うと、英語のルールではそうはなりません。

thinkを使った文を否定形にする場合はnotが前に出てdon’t think「~とは思わない」となるのに対して、hopeの否定形ではhope…not(~でないことを望む)となります。

短い応答表現の否定形

会話ではI think so.(そう思う)/I hope so.(そう願う)以外にも、自分の考えや希望を短く答える次のような応答表現をよく使います。

・I believe so.(そうだと思う)
・I expect so.(そうだろうと思う、そのはずだと思う)
・I guess so.(そうだと思う)
・I suppose so.(そうだろうと思う)
・I’m afraid so.(残念ながら、そうです)

これらの否定形はどうなるでしょうか。

英文法解説書では次のように説明しています。

・I believe so. ⇒ I don’t believe so.(そうではないと思う)
・I expect so. ⇒ I don’t expect so.(そうではないだろうと思う)
・I guess so. ⇒ I guess not.(そうではないと思う)
・I suppose so. ⇒ I don’t suppose so./ I suppose not.(そうではないだろうと思う)
・I’m afraid so. ⇒ I’m afraid not.(残念ながら、そうではありません)

混乱しそうですね。

間違えても言いたいことは伝わると思いますが、自然な英語を身につけるために意識してみてください。

特に、I don’t think so. / I hope not. / I don’t think… / I hope…notは会話で使うことがとても多いので、しっかり覚えておきましょう。

8. Could you…/Would you…の使い分け

「~していただけますか?」と丁寧にお願いしたいとき、どんな表現を使うでしょうか。

いつもCould you…?を使っているという人が結構多いかもしれません。

では、同じように丁寧な依頼の表現とされるWould you…?とはどこが違うのでしょうか。

この2つの表現はなぜ丁寧なのでしょうか。

過去形を使って遠回しに言う

Could you…?もWould you…?も依頼をするときの丁寧な表現と学んだと思います。

では、現在のことを話すのに、なぜ過去形の助動詞could/wouldを使うのでしょうか。

実はこの過去形は、相手との距離をとるための便宜的な使い方です。

英語では、現在のことを話す場合にわざわざ過去形を使って相手との距離を置く⇒ストレートな感じを出さない⇒遠回しな表現になる、ということがよくあります。

この「遠回しな」というところが大切です。

特に頼みごとをする場合には、ズバッと直球のような表現よりも、相手にあまり負担を感じさせない遠回しな表現や、相手に断る余地を与える表現が丁寧とされています

過去形の助動詞could/wouldを使う⇒相手との距離を置いて遠回しになる、というところからCould you…?/Would you…?が丁寧な表現になるわけです。

Could you…?/Would you…?の違い

では、Could you…?とWould you…?には意味の違いがあるのでしょうか。

この問題のポイントはCan you…?とWill you…?の違いです。

Can you…?は「~できますか?」という意味です。

助動詞canには能力、可能性の点から「できる」という意味がありますから、Could you…?は能力、可能性の点からできるかどうかにポイントを置いています。

それに対して、Will you…?は「~してくれますか?」という意味で、快くしてくれるかどうかという相手の気持ち、意向を尋ねています。

それがWould you…?にも当然反映されているわけです。

つまり、Could you…?/Would you…?はどちらも「~していただけますか?」ですが、Could you…?はできるかどうか、Would you…?はその気持ち、考えがあるかどうかというニュアンスの違いがあります。

例えば、知らない土地で駅までの行き方を尋ねるとします。

Could you…?/Would you…?のどちらの表現も使えますが、Could you…?を使うことが多いでしょう。

駅への行き方を教えることができるか、という能力、可能性にポイントがあるからです。

Would you…?を使うと、(能力的には可能という前提で)快く教えてもらえますか?教えるのが嫌ではないですか?というニュアンスになります。

一方、騒がしくしている人に「少し静かにしていただけますか?」という場合には、

Would you keep it down?

ということが多いでしょう。

快く静かにしてくれるかどうか、静かにするのが嫌ではないかどうかを尋ねることになるからです。

こうしたニュアンスの違いを理解しておくことは大切だと思います。

「丁寧さ」と「よそよそしさ」

人に何かをお願いするときには、Could you…?/Would you…?以外にも、

・Would you mind…?(~していただいて嫌ではないですか?)
・Would you be able to…?(~していただくことは可能ですか?)

などの表現を使います。

ただ、過去形で表す丁寧表現は、「距離を置く」感じがよそよそしいと受け取られる可能性もあります

あまりよく知らない人にお願いするときや、相手が親しくても面倒なことを頼まなければならないときには丁寧な表現が好まれますが、そうではない場合にはさほど神経質になることはないでしょう。

日本語では年上・目上の人に丁寧な言葉を使うのは当然とされていますが、これがそのまま英語に当てはまるわけではありません。

慣れるまでは一苦労かもしれませんが、相手との関係やその場に適した言葉選びも大切です。

9. Why…?/How come…?の使い分け

「なぜ~なのか」と理由を尋ねるときには疑問詞whyを使うことが多いですね。

例えば、パーティーに行ったときに知り合いの女性を見かけたとします。

「なぜ彼女がいるの?」と尋ねるなら、

Why is she here?

です。

でも、カジュアルな会話ではこんな言い方もあります。

How come she is here?

「なぜ」の疑問詞Why…?がHow come…?に置き換わります。

これらの微妙な違いを考えてみましょう。

理由・目的を尋ねるWhy…?

まずは疑問詞whyの定義を英英辞典で確認しておきましょう。

for what reason or purpose(どんな理由で、何の目的で)

理由や目的を尋ねるときに使うわけです。

Why is she here?は彼女がここにいる理由、目的を尋ねています。

インフォーマルなHow come…?

how comeも理由や目的を尋ねる表現です。

会話の中でHow come?(なぜ?)だけでも使いますし、How come she is here?(なぜ彼女がここに?)のように後ろに文を続けることもあります。

Why…?と違ってカジュアルなフレーズなので、改まった場面やビジネスの場面では避けるほうがよいでしょう。

ではhow comeの定義も確認しておきましょう。

≪informal≫ said when asking how or why something happened or is the case(≪インフォーマル≫何かがどのようにして起きたか、なぜ起きたか、あるいはなぜそうであるのかを尋ねるときに使われる)

まず≪インフォーマル≫と使用上の注意が書いてあります。

そして、「(何かが)どのようにして、なぜ起きたのか、なぜそうなのかを尋ねる」とあります。

意外、驚き、非難を表すHow come…?

冒頭に出てきた2つの例文を見ましょう。

Why is she here?
How come she is here?

どちらも「なぜ彼女がここにいるの?」という基本的な意味は同じです。

でも、厳密に言うと、この2つの質問の背景には微妙な違いがあります。

Why…?を使った質問では、単純に彼女がここにいる理由、目的を答えとして求めています。

それに対して、How come…?による質問は「(彼女がここにいるはずはないと思っていたのに)一体なぜいるの?」という意外、驚きのニュアンスを含んでいます

そもそも「彼女はいない」と想定していたことを示します。

このように、想定していたことと現実が食い違っているときにHow come…?をよく使います

そして、想定していなかった驚きの「なぜ?」を表すこともあれば、軽い非難のニュアンスを含む場合もあり、声の調子や表情、文脈から判断します。

必ずしも理由を求めていないHow come…?

また、How come…?は必ずしも答えを求めているとは限りません。

そうなったいきさつ、経緯を知りたかったり、あるいは理由が知りたいのではなく、ただ「なぜなの?」という納得できない気持ちを表すこともあります

それに対して、Why…?は文字どおり理由、目的を尋ねる質問です。

Why…?は理由を求める質問ですから、ざっくり言い換えればI want to know the reason.(理由が知りたい)ということになり、口調によっては威圧的に響いたり、きつく挑戦的に聞こえる場合があります。

それに比べてHow come…?はやわらかく響くために、カジュアルな会話で好まれるのです。

語順に注意する

冒頭の2つの文に戻ります。

Why is she here?
How come she is here?

語順に注意してください。

疑問詞whyの後は普通の疑問文と同じで「動詞+主語」の語順になります。

how comeの後は「主語+動詞」で、平叙文の語順です。

how comeの後にはいつも平叙文が続くということに注意が必要です。

10. How about…?/What about…?の使い分け

日常会話でとてもよく使う表現にHow about…?/What about…?があります。

見た目がよく似ていますね。

どちらも「~はどうですか?」と訳すことが多いのですが、使い分けの基本的なルールを復習しましょう。

How about you?/What about you?

会話の中で相手の質問に答えた後に、「あなたは(どうなの)?」と相手にも同じ質問を返すことがあります。

その場合にはHow about you?/What about you?はどちらでもOKです。

例えば、Where do you work?(どこで働いているの?)と聞かれて、I work at a local hospital.(地元の病院です)と答えた後に「あなたは?」と聞き返すとします。

この場合には、

・How about you?
・What about you?

のどちらも使います。

また、What are you doing this weekend?(今週末の予定は?)のように聞かれた場合も、

I’m going to the beach. How/What about you?(ビーチに行きます。あなたは?)

のように、どちらも使います。

提案・依頼に使うHow about…?

What about…?よりもHow about…?をよく使う典型は提案する表現です。

パートナーと「明日の休み、何をしようか?」という話になったとします。

「映画に行くのはどう?」と提案したい場合は、

How about going to the cinema/movies?

のようにHow about…?を一般的によく使います。

How about a movie?

というバリエーションもありますが、いずれにしてもWhat about…?ではなくHow about…?をよく使います。

また、「明日の待ち合わせは何時にする?」と言うときに、

How about eleven?(11時はどう?)

のように提案する場合にもHow about…?が活躍します。

また、「~してくれない?」と人にカジュアルに依頼するときにもHow about…?を使うことがあります

How about lending me five bucks?(5ドル貸してくれない?)
How about helping me out a little?(ちょっと手伝ってくれない?)

のような感じです。

相手の意見を求めるWhat about…?

次にWhat about…?をよく使うパターンを見てみましょう。

こんな会話を想像してください。

A:週末、泊りがけで温泉に行こうよ。
B:月曜日の試験はどうするの?

週末に試験勉強を予定していたBは、Aからの提案に乗り気でなく、質問で返します。

こんな場合にWhat about…?を使います。

What about the exam on Monday?

と言えば、「じゃ、試験はどうするの?(勉強できないじゃない)」というニュアンスになります。

このような場面でHow about…?はほとんど使いません。

相手の発言にある問題点を指摘したり、話の内容に関して「~はどうなるの?」「~に着いてはどう?」と相手の意見を求めるときにWhat about…?をよく使います。

How about…?は相手に「~についてはどう感じる?」と尋ねるのに対して、What about…?は「~についてはどう考える?」と、具体的な相手の意見を求める感じです。

実際には、提案するHow about…?の代わりにWhat about…?を使う人もいます。

混乱してしまいそうですが、提案するときに使うWhat about…?は多くの辞書で《略式》とされているので、How about…?で覚えておけば間違いなさそうです。

11. Can you…?/Do you…?の使い分け

次の文を英語で言ってみてください。

「あなたはお酒が飲めますか?」

さて、どんな文になりましたか?

「飲めますか?」は「~できますか?」なので、Can you drink alcohol?という文がひらめいた人もいると思います。

実は、動詞drinkには「~を飲む」という意味の他に「お酒を飲む」という意味もあるので、わざわざdrink alcoholという必要はありません。

これは日本語と同じですね。

「今日飲みに行く?」と言えば、お酒のことです。

「何を飲みに行くの?」と聞き返したりはしません。

だからと言って、私の周りのネイティブはCan you drink?と聞いてくることはありません。

それはなぜでしょうか。

能力について尋ねるCan you…?

「アルコールを飲める?」という意味でCan you drink?は間違いとは言えないかもしれません。

実際に、

・I can’t drink at all.(私はまったく飲めません)
・I can’t drink much.(私はあまり飲めません)

などと言うことはあります。

でも、canは「~する能力がある」という意味なので、人(特に話し相手)に対する質問に使うと直接的に響きすぎることがあります。

習慣について尋ねるDo you…?

人と初めて食事に行ったとします。

まずはドリンクの注文です。

自分は「やっぱり最初はビールだな」と思っても、相手がお酒を飲めるかどうかわからなかったら、気を遣ってこんなふうに尋ねますね。

「お酒は召し上がりますか?(飲みますか?)」と。

この「召し上がりますか?」は、「飲むことができますか?」という能力ではなく、飲む習慣があるかどうかを尋ねる質問です。

能力ではなく習慣を尋ねる、これは日本語でも英語でも同じです。

したがって、英語で「あなたはお酒が飲めますか?」は、

Do you drink?

となります。

シンプルに現在形を使った疑問文にすれば、習慣を尋ねることができます。

この質問なら、様々な理由でお酒が飲めない人も、実際に飲めるが飲まない人も、

No, I don’t drink.(いいえ、飲みません)

と答えることができます。

参考までに、Can you drink…?という表現をよく使うのは次のような場合ではないかと思います。

Can you drink the tap water?(水道水は飲めますか?)
Can you drink coffee while pregnant?(妊娠中にコーヒーを飲んでもいいですか?)

この場合の動詞drinkは「お酒を飲む」という意味ではないので、後に目的語を続けて、「~を飲んでも大丈夫ですか?」というニュアンスで使うことが多いように感じます。

12. 習慣について尋ねるDo you eat…?/Do you speak…?

Can you…?/Do you…?に関連して、表題のような英語での質問についても考えておきましょう。

日本には外国からの観光客が急増しています。

とりあえずの共通語は英語ということで、世界各国の人々と英語でやりとりする機会も増えるでしょう。

そんなときに心に留めておきたい異文化交流のヒントです。

「~は食べられますか?」もDo you eat…?

「~は食べられますか?」も日常的によく使う文です。

これも「お酒は飲めますか?」と同じで、その習慣があるかどうかという質問にすると、質問する側の意図も伝わりやすいと思います。

Do you eat…?(~は食べますか?)を使って、

Do you eat Japanese food?(日本食は召し上がりますか?)

のような感じですね。

Can you eat…?と尋ねても間違っているわけではありません。

ただ、

Yes, I can. But I don’t.(はい、食べられますけど、食べません)

という答えが返ってくる可能性があるかもしれません。

相手が食べられる(あるいは飲める)かどうかを質問したいときにはDo you like…?(~は好きですか?)で尋ねることもできます。

Do you like Japanese food?(日本食は召し上がりますか?)
Do you like natto (=fermented soybeans)?(納豆は召し上がりますか?)
Do you like beer?(ビールは召し上がりますか?)

この質問なら、「食べたことがない」「お寿司が好き」「あまり食べない」「飲めるけど普段は飲まない」などと相手も自分の事情に合わせて答えることができます。

納豆のよう日本独特の食べ物だったり、あまり海外では食べないような食材の場合は、

Have you eaten natto before?(納豆を召し上がったことはありますか?)

のように尋ねてみましょう。

また、友達を家に食事に招くときには、「食べられないものはありますか?」と尋ねたりします。

この表現も、

・Is there anything you can’t eat?
・Is there anything you don’t eat?

で意味に違いがあります。

前者は、アレルギーや健康上の理由で食べられないものを尋ねる質問です。

後者は、嫌いなものや習慣として食べないものを含めて口にしないものを尋ねることになります。

Do you speak…?

「英語が話せますか?」と尋ねたいときにCan you speak English?と言うと失礼になるので、

Do you speak English?

を使うほうがよいという意見があります。

その理由もすでに述べてきたことと同じです。

特定の言語を話すという習慣について尋ねる質問に能力を問うcanを使うことは不自然と感じる人もいます。

そのため、

・How many languages do you speak?(何か国語を話しますか?)
・I speak English and Japanese.(英語と日本語を話します)

のように言うわけです。

日本語をそのまま英語に直訳すると不自然になったり、意図していない響きを持つことがあります。

実際に使われている英語表現から学ぶということが、伝わる英語を身につけるために大切です。

13. can/be able to…の使い分け①

助動詞canと、形容詞を使ったbe able to…はどちらも「~できる」という意味です。

では、この2つはどう使い分けるのでしょうか。

能力・可能な状況を表すcan/be able to…

英文法解説書にはcan/be able to…の違いがこう書かれています。

You can say that somebody is able to do something, but can is more usual.(人が能力として~できることをbe able to…と言えるが、canのほうが一般的に使われる)

「~できる」という能力を表す場合にcan/be able to…はどちらも使います。

ただ、口語ではcanのほうを圧倒的によく使います

be able to…を使うとフォーマルすぎるというか、ちょっと不自然な感じがすることもあります。

しかし、文法のルールでcanが使えない場合がいくつかあります。

文法的に助動詞を入れることができない場合にはbe able to…を使います。

助動詞+be able to…

助動詞(will/should/may/might/mustなど)とともに使う場合は必ず「助動詞+be able to…」の形になります。

・She will be able to walk soon.(彼女はすぐに歩けるようになるだろう)
・Unfortunately, I won’t be able to attend the meeting.(残念ながらその会議には出席できません)
・Applicants must be able to speak fluent English.(応募者は流暢な英語を話せなければならない)

のような感じです。

助動詞の後にcanを続けることはできません。

完了形「have/has+been able to…」

canには過去分詞がないので「have/has+過去分詞」で表す完了形を文の動詞にする場合にはbeの過去分詞beenを使って「have/has+been able to…」になります

否定形で使われることが多いです。

・I haven’t been able to eat much.(このところあまり食べられません)
・I haven’t been able to contact him for a week.(彼と1週間連絡がとれない)

不定詞「to+be able to…」

不定詞を表すtoの後に助動詞を続けることはできないので、必ずbe able to…の形になります。

・I’ve always wanted to be able to play the piano.(ピアノが弾けるようになりたいとずっと思っていた)
・Do I need to be able to work full time?(フルタイムで働けないといけませんか?)

14. can/be able to…の使い分け②

前の項では「~できる」という意味を表すbe able to…の使い方を復習しました。

今回はフォーマルなbe able to…よりも圧倒的によく使う助動詞canの使い方です。

be able to…との意外な使い分けを発見できるかもしれません。

can+感覚・判断を表す動詞

前項で、能力を表す場合にcan/be able to…のどちらも使うが、canのほうをよく使うと説明しました。

次のような場合には、ほぼcanを使います。

see(~を見る)/hear(~を聞く)/smell(~のにおいがする)/taste(~の味がする)/feel(~を感じる)/remember(~を覚えている)/understand(~を理解する)/believe(~を信じる)/decide(~を決める)などの感覚・判断を表す動詞とともに使う場合はcanが一般的です。

・I can see you.(君の姿が見える)
Can you hear me?(私の声が聞こえますか?)

方法を知っていることを表すcan

know how to…(~する方法を知っている)という意味で能力を表すときはcanを使うことが多くなります

・I can cook.(料理ができます)
Can you drive a car?(車を運転できますか?)

一方、be able to…は特定の状況や場面で「~できる」というニュアンスで使うことが多いように思います。

例えば、

Are you able to cook?

は手をけがしている人に「料理はできる?」と尋ねたり、時間や器具の制約がある状況で「料理はできる?」と質問する感じです。

今話しているその瞬間の行為を表すcan

英文法解説書によい例文が載っていますので、まず紹介します。

Watch me, Mum; I can stand on one leg. (not…I’m able to stand on one leg.)(ママ、見て。片脚で立てるよ)

話しているその瞬間の行為について「~できる」という場合にはcanを使い、be able to…は使わないというわけです。

can+受動態

受動態の文ではcanを使うことが多くなります。

This can be used as a sofa or a bed.(これはソファとしてもベッドとしても使える)

のような感じです。

もの・場所を表す主語+can

主語が人ではなく、もの・場所が「~できる」と言いたい場合にはcanを使うのが一般的です。

This room can sleep up to three adults.(この部屋では大人3人まで泊まれます)

まずはbe able to…の使い方を覚える

ややこしくなってきたときには、まずは文法的にbe able to…しか使えないパターンをマスターしましょう。

その他の場合には圧倒的にcanのほうが出番が多いので、とりあえずcanを使うというのも手かもしれません。

なお、canの否定形はcan’tか、省略せずに書くならcannotです。

can notと2語に分けてしまう人が意外に多いので、気を付けてください。

また、過去形について「~できた」を表すcouldとwas able to…の使い分けは注意が必要です。

次の項で説明します。

15. could/was able to…の使い分け

2回に分けて「~できる」を表すcan/be able to…の使い方について考えました。

今回は過去について「~できた」を表すcould/was able to…の使い分けを考えたいと思います。

実はcan/be able to…の使い分け以上に間違えやすいのが、過去形のcould/was able to…の使い分けです。

もう一度しっかり基本を復習しましょう。

「~できた」を表すcould/was able to…

例えば、ある男性を探していたとします。

その男性を見つけることができました。

「彼を見つけられた」と言いたい場合、次の2つの表現のどちらを選びますか?

①I could find him.
②I was able to find him.

「~できる」という場合はbe able to…よりもcanのほうをよく使います。

ですから、過去の場合もcouldでよいかと言うと、そうではありません。

この場合には②が正しい表現です。

それはなぜでしょうか。

一度だけの出来事を表すwas able to…

could/was able to…の使い分けについて、英文法解説書は次のように説明しています。

We use ‘could’ for general ability. But if you want to say that somebody did something in a specific situation, use ‘was/were able to’ or ‘managed to’ (not ‘could’)(couldは一般的な能力を表すときに使う。特定の状況で誰かが何かをしたと言いたいときには、was/were able to…かmanaged to…を使う(couldは使わない))

一般的な能力の話ではなく、具体的な状況の中で何かをやり遂げたという意味の「~できた」はwas/were able to…、もしくはmanaged to…(~できた)で表します

一度だけ~できたという過去の出来事、事実を表すときにcouldは使えません。

これが、前述のI was able to find him.が正しいという理由です。

「見つけた」という過去の出来事、事実を表しているのでcouldは使えないのです。

couldを使うと、文脈によっては未来の可能性のニュアンスで伝わってしまうことがあります。

過去に持っていた能力を表すcould

では次に、couldを使うのが自然な場合を見てみましょう。

was able to…よりもcouldで表すことが多いのは、過去に持っていた一般的な能力を表す場合です。

・I could run fast when I was a child.(子供のときは速く走れた)
・My son could count to 0 at 18 months.(息子は1歳半で10まで数えられました)

could+感覚・判断を表す動詞

see(~を見る)/hear(~を聞く)/smell(~のにおいがする)/taste(~の味がする)/feel(~を感じる)/remember(~を覚えている)/understand(~を理解する)/believe(~を信じる)/decide(~を決める)などの感覚・判断を表す動詞とともに使う場合にはcouldが自然です。

We could see the sea from our hotel room.(ホテルの部屋から海が見えた)

すべて・最善・唯一を表すcould

ひとことで言うのは難しいのですが、「~できたすべて」「~できた最善/唯一のこと」という場合にcouldを使います

・All I could say was “I’m sorry.”(私が言えたことは「ごめんね」だけだった)
・It was the best thing we could do.(それが私たちにできた最善のことだった)

使い分けの必要がない否定形couldn’t

以上のように、「~できた」はcould/was able to…を使い分ける必要があります。

しかし、それが否定形の「~できなかった」になると一気に簡単になります。

どの場合にもcouldn’tが使えるのです。

否定形ではwasn’t able to…よりもcouldn’tのほうが一般的です。

・I couldn’t find him.(彼を見つけることができなかった)
・We couldn’t see the sea from our hotel room.(ホテルの部屋から海は見えなかった)

英語でのコミュニケーションを円滑にする重要表現

英語でのコミュニケーションを円滑にする重要表現

1.「すごい!」という相づちの表現

会話をしていて「すごーい」「すごいね」と相づちをよく口にしたり、耳にしたりします。

個人差もあると思うのですが、私は何かと「すごいね」と言ってしまいます。

そんな「すごいね」を英語ではどう表現するでしょうか。

基本的なものから、ちょっと英語らしい表現まで、いくつか紹介します。

相づちは会話の潤滑油

英語で話すことに慣れるまでは、会話を続けることに人知れず苦労するものです。

そんなときに自分からちょっとした相づちをはさむと、それだけで相手は話しやすくなってどんどん話してくれたりするので、相づちって侮れないものだと私は思います。

相づちが多すぎると話の腰を折ってしまうこともありますが、相手がうまく相づちを打ってくれたら自分も話しやすいと感じて、コミュニケーションがどんどん回転したりします。

そんな相づちの中でも使いやすいのが今回紹介する「すごいね」です。

簡単なので、今日からすぐに使えます。

That’s great!

まずはみなさんご存知の、

That’s great!(すごい)

です。

とても基本的な表現で、会話にもよく登場します。

この形容詞great(すごい)を、次のよう同じ意味を表す形容詞に変えてもいいですね。

amazing、awesome、cool、fantastic、incredible、wonderful

会話では同じ単語を繰り返すのではなく、同義語で変化をつけるといいですね。

口語でカジュアルな表現になりますが、ネイティブ(特に若い人)がよく使うのが、

That’s awesome.

です。

形容詞awesomeを辞書で引いてみると「(光景などが)恐ろしい、すさまじい」「すごい」という意味が載っていますが、口語では単に「すごいじゃん」という感じで使われて、

Awesome!

と単独でも使えます。

I’m impressed!

海外生活するようになってから「この単語、よく使われるな」と感じるものがいくつかあるのですが、その中のひとつがimpressという動詞です。

「~に感銘を与える、印象を与える」という意味ですが、受動態で、

I’m impressed!(感動した、感心した、すごい)

と相づちのようにも使います。

例えば、人がすごいことを成し遂げたときや、感動するものを見たとき、感銘を受けたときなどに使います。

涙が出るような感動、感銘ではありません。

feeling admiration for somebody/something because you think they are particularly good, interesting, etc.(特に良い、興味深いなどの理由で人や物ごとに感嘆すること)

という定義なので、「わあ、やるね」「すごいね」という感動を表します

また、否定形で、

I’m not impressed.(感心しませんね)

となると、ちょっとした不満を表すときに使うので、こちらも合わせて覚えておきたいですね。

That’s impressive!

impressの形容詞形impressive(印象的な、感動的な)を使った、

That’s impressive!(すごいね)

も、会話にとてもよく出てきます。

直訳すると「それは感銘を与える」ですが、簡単に言えば「うわあ、それはすごい」ということです

例えば、友達が難しいテストで高得点を取ったときにThat’s great!でもいいですが、

Wow, that’s impressive!

と言うと「それはすごいね!」と感心している感じがうまく出せます

これらはどれも、言うときの表情や声の調子も大切です。

2.「おめでとう」と祝う表現

誕生日、就職、結婚など、人に「おめでとう」という機会は多いもの。

時と場合に合わせた「おめでとう」は、英語ではどんなふうに表現すればよいのでしょうか。

それを知っておくと、海外の友達とのメールやSNSにも役立ちます。

Congratulations!/Congrats!

「おめでとう」を和英辞典で調べてみると、最初に出てくるのはやはり、

Congratulations!(おめでとう)

です。

必ず複数形になります。

略してカジュアルに、

Congrats!(おめでとう)

のようにも言います。

このCongratulations!ですが、実はどんな「おめでとう」にも使えるわけではありません。

動詞のcongratulateを英英辞典で引いてみると、

to tell somebody that you are pleased about their success or achievements(人に対して、彼らの成功や達成を喜んでいると伝えること)

と定義しています。

成功を収めたり、何かを成し遂げた人に対して「おめでとう」と言うわけです。

成功、達成という大事に聞こえますが、人が自分の意志で行動してよい結果になった場合にも使えます

就職、昇進、合格、婚約結婚、妊娠、出産などから、宝くじ、新築祝いなど、けっこう幅広く使えます。

具体的に祝う理由はon…を続けて、こんな感じになります。

Congratulations on your promotion!(昇進おめでとう)
Congratulations on your marriage!(結婚おめでとう)
Congratulations on your new baby!(出産おめでとう)
Congratulations on your new home!(新築おめでとう)
Congratulations on winning the lottery!(宝くじに当たっておめでとう)
Congratulations on your retirement!(定年退職おめでとう)

Happy Birthday/Anniversary!

誕生日や結婚記念日など、毎年繰り返される記念日や行事についての「おめでとう」にはCongratulations!は使いません。

Happy…!を使います。

Happy Birthday!(誕生日おめでとう)
Happy (Wedding) Anniversary!((結婚)記念日おめでとう)

このHappy…!ですが、実は日本語で「おめでとう」と訳すのはちょっとなじまないのでは…という使い方もあります。

Happy Father’s Day!(父の日)
Happy Mother’s Day!(母の日)
Happy Valentine’s Day!(バレンタインデー)
Happy Easter!(イースター)
Happy Halloween!(ハロウィーン)
Happy Holiday!(クリスマス休暇の時期)

など、どうも「おめでとう」という訳語はふさわしくないように思うのです。

英英辞典の定義を見れば納得がいきます。

if you wish somebody a Happy Birthday/Happy New Year, etc. you mean that you hope they have a pleasant celebration(人に対するHappy BirthdayやHappy New Yearなどの祝いの言葉は、彼らが楽しくお祝いできるように願っていることを意味する)

これらの場合にはHappy…!と声をかけて、ともに祝うという感覚で理解しておけばよいでしょう。

Best wishes!/I’m so happy for you!

他に、Best wishes!もメッセージカードでよく使う表現です。

書いて伝えるときの「おめでとう」ですね。

Best wishes on your birthday!(お誕生日おめでとう)
Best wishes on your wedding day!(結婚おめでとう)

ちょっと日本語にするのが難しいですが、「これからもたくさんの幸せや幸運、成功が訪れますように」と祈るフレーズです。

I’m so happy for you!(おめでとう)

もとてもよく使う表現です。

これは、「私もとてもうれしい」というニュアンスで、「おめでとう」「よかったね」と伝える感じです。

3. ほめられたときの答え方

いきなりですが、人をほめるのは得意ですか?

私はそんなに得意ではありませんでした。

友達に会ったときに「そのバッグ、いいね」とか「髪切った??似合うね」ぐらいしか出てきませんでした。

そんな私も、海外生活を始めてからはほめられることが多くなりました。

私に変化があったわけではありません。

こちらでは何かと人をほめる習慣があるので、自然とほめられる回数が増えただけです。

そこで困りました。

ほめられることにも慣れていなかったので、どう答えたらよいかわからないのです。

ほめることがコミュニケーションの基本

海外では、特に親しい中でなくても気軽に「それいいね!」と言ったりします。

暮らし始めたばかりで、英語もきちんと聞き取れない頃、雑貨店でうろうろしていたときに店員さんに突然話しかけられたことがありました。

「えっ?何か悪いことした?」とビクビクしていると、

I like your bag.(そのバッグ、いいですね)

と繰り返してくれました。

I like your smile.(笑顔が素敵よ)

などと接客中に言われて赤面した覚えもあります。

少しだけ髪型を変えてみたときに見知らぬ人から、

You look great!(すてきだね)

と言われることもあります。

「そんな、greatって言われるほどでもないけど…」と謙遜したくなるほど、みんなとてもほめ上手です。

知らない人に対しても、気軽に「いいね!」と言ってきます。

ほめられたらまずThank you.

では、日本語で「素敵だね」「かっこいいね」とほめられたら、何と答えますか?

「いやいや、そんなことないよ」と謙遜しませんか?

「ありがとう」と、笑顔で受けるのは少し気恥ずかしいかもしれませんね。

でも、英語ではほめられたらThank you.(ありがとう)と答えればよいのです。

「そんなことないよ」と謙遜してNo, no, no…などと言うと、相手に不思議がられるかもしれません。

素直にThank you.と答えるのが一番です。

ひとこと付け加えてみる

Thank you.と答えるだけではちょっと物足りないというときには、ほめてくれた事柄にひとこと付け加えてみましょう。

例えば、I like your bag.とほめてもらったら、Thank you.に続けて、

・I like this, too. I’ve had this for ages.(私もこれが気に入っています。もう何年も使っています)
・This was only $10!(たった1ドルだったんですよ)

などと言ってみてもよいかもしれません。

ほめられたらほめ返す

例えば、You look gorgeous!(とっても素敵ね)とほめられたら、

Thank you. You look great too.(ありがとう、あなたも素敵ですよ)

のように、ほめ言葉で返すことも多いです。

ただ、オウム返しになってしまうことを避けるために、

I like your coat.(あなたのコート、いいですね)

のように具体的なコメントを付け加えるとよいと思います。

ほめられたら、ほめ返す。簡単ですね。

ほめてくれたことに感謝する

Thank you.と答えるだけでなく、

Thank you. That’s very kind (of you to say so).(ありがとう、そう言ってもらえてうれしいです)

のように、ほめてくれたことに感謝するひとことを続けると、相手もうれしいでしょう。

また、自分の努力をほめてもらったときなどは、

Thank you. I’m really glad you noticed. I tried really hard!(ありがとう。気付いてもらえてとてもうれしいです。とても頑張りましたので。)

のように付け加えてもよいかもしれません。

4. I missed you.のもうひとつの意味

I missed you.と言う表現は、恋人や家族など、会いたい人に「あなたに会えなくて寂しい」という意味で使うのはご存じだと思います。

それを過去形にしたI missed you.はどうでしょうか。

「あなたに会えなくて寂しい」の過去形なので「あなたに会えなくて寂しかった」になりますね。

でも、I missed you.にはもうひとつ別の意味があります。

I’m sorry I missed you yesterday.

I missed you.はよく(I’m) sorryを前に付けて、こんなふうに使います。

I’m sorry I missed you yesterday.

これは「ごめんね、昨日は会えなくて寂しかった」ではありません。

ごめんね、昨日は会えなくて残念だった」という意味です。

I’m sorry…を付けなくても、人に会おうとして会えなかったときにI missed John.(ジョンに会えなかった)と表現したり、お互いにすれ違いで会えなかったりしたときにはWe missed each other.(私たちはすれ違いで会えなかった)というふうにも表現します。

動詞missは「~できない、~しそこなう」

動詞missには「~しそこなう」という意味があります。

英英辞典でmissを引いてみると、動詞の定義が11項目までありますが、そのうち最初の5項目がおもしろいことになっています。

1. to fail to hit, catch, reach, etc. something(打ちそこなう、捕えそこなう、達しそこなう)
2. to fail to hear, see or notice something(何かを聞き逃す、何かを見落とす、何かに気付かない)
3. to fail to understand something(何かを理解しそこなう)
4. to fail to be or go somewhere(何かに出そこなう、行きそこなう)
5. to fail to do something(何かをしそこなう)

すべてto fail to…で始まっています。

これは「~しそこなう」という意味で、missには「~を逃す」イメージがあるわけです。

例えば、バスや電車、飛行機などに「乗りそこねる、乗り遅れる」という意味でmissを使うのをご存じの人も多いと思います。

・I missed the bus.(バスに乗りそこねた)
・I missed my flight.(フライトに乗り遅れた)

みたいな感じですね。

冒頭に登場したI missed you.も直訳すると「あなたに会いそこなった」ということになります。

つまり「(会う機会があったのに)会えなかった」ということです。

動詞missは日常会話に頻出

この「~を逃す」イメージの動詞missは日常会話にとてもよく出てきます。

・I missed the last train.(終電を逃した)
・I missed my stop.(乗り過ごしてしまった)
・I missed the beginning of the movie.(映画の出だしを見逃した)
・I missed lunch today.(今日はお昼を食べそこねた)
・Sorry, I missed your call.(ごめん、電話に出られなくて)
・I think you’re missing the point.(あなたは話の要点がわかっていないと思う)
・So what did I miss?(で、何を話してたの?)

のような感じです。

これで動詞missの「~を逃す」イメージはつかめると思います。

最後にもうひとつ。

英語で道案内をするとします。

とてもわかりやすい建物(目印)なので「行けば、すぐにわかります」と言いたいときはどう言いますか?

You can’t miss it.

「見逃すはずがないですよ」ということです。

これも定番の表現なので覚えておくと役に立ちます。

5.「よくやったね」と称える表現

海外生活を始めて少し経った頃、周りのネイティブがGood on you!という表現をとてもよく使うことに気が付きました。

goodもonもyouも知っている単語なのに、Good on you!になると、意味も使い方もさっぱりわかりませんでした。

称賛に値する行動

Good on you!の意味がわかりやすいニュースをひとつ紹介したいと思います。

それは、ニュージーランドに住む、あるインド人の青年の行動を称えたニュースです。

この青年は、少年が車にはねられて頭から出血している現場に遭遇しました。

路上に倒れているその少年の頭の下に、彼は自分のターバンを取って敷きました。

本来なら宗教上の理由から、人前でターバンを取ることはありません。

このときは、少年の命を救うために宗教のしきたりを破ったわけです。

この青年の行動はニュースで大きく取り上げられ、それを報じた各新聞社のFacebookページには、ものすごい数のコメントが寄せられました。

そして、それらのコメントはGood on you!のオンパレードでした。

行動を称えるGood on you!

寄せられたコメントを見てみると、こんなことが書いてありました。

短いものを書き出してみると、

・Much respect.(とっても尊敬する)
・Awesome.(素晴らしい)
・Well done.(よくやったね)
・Good man.(いい人)
・Amazing.(すごい)

など、様々な言葉で彼の行動を称賛しています。

そして、Good on you! / Good on you, mate! / Good on him!の嵐です。

これでGood on you!の意味は推測できるでしょう。

Good on you!は「よくやった!」「でかした!」と、行動などをほめるときに使う表現です。

ニュージーランドやオーストラリアではGood on ya!と書くこともあり、そんな感じで発音する人も多いです。

上のコメントにもあるように、相手に直接言わない場合にはGood on him/her!(彼/彼女、よくやったね)のように言うこともできます。

Good for you! / Good on you!

英英辞典には次のように定義されています。

good for you (Australian English also good on you!):used to show approval for someone’s success or good luck(人の成功や幸運に賛意を表すために使われる)

個人的な印象としては、Good for you!は「よくやった」というよりも、相手が伝えてくれた良い知らせに対して「よかったね」と答える感じでしょうか。

ニュージーランドでは「よくやった」にも「よかったね」にもGood on you!を使うように思います。

また、ニュージーランドやオーストラリアでは、主に男性が軽くThank you.と言う代わりにGood on you!を使うことがあります。

例えば、カフェでお客にコーヒーを出したときや、おつりを渡しただけでもGood on you!と言われることがありました。

こんな場合のGood on you!は「よかったね」でも「よくやった」でもなくあいさつの代わりみたいなものなので、深く考えなくても大丈夫です。

Lovely.みたいな感じですね。

Good on you!はアメリカではあまり使われないようですが、ニュージーランドやオーストラリアでは頻繁に耳にします。

現地で生活したり旅行したりする予定の人は覚えておいて損はない表現です。

6. ほめ言葉としてのI’m proud of you.

日本語では、普段の生活で「私は誇りに思う」ということはあまりないように思います。

でも、英語ではproud(誇りに思って)という形容詞を普段からとてもよく使います。

特にI’m proud.(直訳:誇りに思う)、I’m proud of you.(直訳:あなたを誇りに思う)という表現はかなりよく耳にします。

文化の違いでしょうか。

実は、I’m proud.は必ずしも「誇りに思う」という意味になるとは限りません。

バンジージャンプに成功したらVery proud.

まず、I’m proud of you.と言う表現を使う状況を考えてみましょう。

例えば、子供が遊戯会でうまく踊れたり、テストでよい点を取ったり、何かの賞をもらったりしたら、親はI’m (so) proud of you.と言ってほめます。

親として子供を誇らしく思う気持ちはわかりますから、「あなたを誇らしく思う」と訳してもよいと思います。

では、こんな場面ではどうでしょうか。

先日、朝のニュース番組を見ていたら、その番組のスポーツキャスターがバンジージャンプをさせられる場面の中継がありました。

本人は恐怖でOh my God.を連発しながらジャンプを成功させたのですが、そこでスタジオの出演者たちから上がった声が、

・You did it.(やった)
・Well done.(よくやった)
・Good work.(よくやった)
・We’re so proud.(すごいね)
・Very proud.(よくやったね)

でした。

この場面で「誇りに思います」とは大げさな気がしますね。

ほめ言葉としてのI’m proud of you.

I’m proud of you.は文字通り「あなたを誇りに思う」という意味でも使いますが、もっと軽い意味で、何かを達成した人、頑張った人に対するほめ言葉としてもよく使います

形容詞proudを英英辞典で引いてみると、ほとんどの辞典の最初にpleased(喜んで)という定義が書かれています。

I’m proud of you.は相手が成し遂げたことをただほめるだけではなく、「(あなたが達成したことを)私も喜んでいる」という気持ちを込めたほめ言葉というわけです。

この表現を「誇りに思う」と訳すと堅苦しくて使いにくそうですが、「よくやったね」「すごいね」「おめでとう」というニュアンスと考えれば、スッと口から出てくるのではないでしょうか。

実際に、先ほども紹介したように「よくできたね」「えらいね」と子供をほめるときに親が使ったり、家族をほめるときに使ったり、先生が生徒に使ったり、上司が部下に使うこともあります。

親しい友達同士が難しい試験に合格した、大学を卒業した、仕事で大きなプロジェクトを成功させたようなときに、

Congratulations! I’m proud of you!(おめでとう!よくやったね)

と言ったりします。

それまでの努力を知っている人からこう言われると、ぐっときますね。

結果が出なかったときにも使える

I’m proud of you.は望ましい結果が出たときだけのほめ言葉ではなく、成果が得られなかったときの励ましの言葉としても使えます

それまでの努力を称えて、その努力は私にとっても価値があるもので喜ばしいというニュアンスを込めて言う「よく頑張ったね」のような感じになります。

I’m proud of myself.(自分としてはよくやった)

も同じです。

良い結果が出て「誇らしい」「すごく嬉しい」という気持ちを表すこともできますが、結果が出なかったときに「できるだけのことはしたのだから、胸を張れる」という意味でも使います

また、友達や知人から、その人の家族や子が何か大きなことを成し遂げたと聞いたときには、

・You must be proud of him/her.(彼/彼女、よくやりましたね)
・You must be very proud.(すごいですね)

で「すごいですね」「よかったですね」という気持ちを伝えることができます。

自分の家族や親しい人が何かを成し遂げたり、同僚が成功を収めたりしたときには、

・You made me/us proud.(よくやりましたね)
・You did me/us proud.(よくやりましたね)

と言って、自分も喜んでいる気持ちを伝えることができます。

7. 近況を尋ねるWhat are you up to?

英会話の勉強を始めると、最初にいろいろなあいさつの表現を学びます。

Hello./Hi.(こんにちは)はもちろん、How are you?/How are you doing?/How’s it going?(元気ですか?)などもあります。

では、道で偶然友達に会ったときにWhat are you up to?と言われたら、どう答えますか?

このWhat are you up to?は学校では学ばないかもしれませんが、実はネイティブがとてもよく使う表現です。

up toの定義

英和辞典でup toを調べると「~まで」という意味が最初に出てきます。

count up to 10で「10まで数える」となります。

洪水で「水が膝の高さまできた」ときにはThe water came up to my knees.などのようにも表現します。

これらは副詞upの上向きなイメージと前置詞toの「~まで」というイメージから、わりと簡単に理解できます。

他に、

It’s up to you.(あなたに任せます)

もよく知られた表現です。

カジュアルでフレンドリーなあいさつ

日本ではWhat are you up to?と聞かれることはあまりないのですが、海外では毎日必ず耳にします。

道で知人に会ったときにHow are you?よりもWhat are you up to?と言われることのほうが多いのではないかと思うくらいです。

What are you up to?はカジュアルでフレンドリーなあいさつの表現です。

英英辞典でのup to somethingの定義は、

to be doing something(何かをしていること)

となります。

したがって、What are you up to?は「何してる?」ということです。

What are you doing?(何をしているのですか?)は何をしているのかを直接的かつ具体的に尋ねる表現ですが、What are you up to?はもっとカジュアルに会話のきっかけを探すフレーズです。

答え方もいろいろですが、

・Not much.(別に何も)
・Nothing much.(別に何も)
・Just hanging out/around.(なんとなく、ぶらぶらしてる)
・Just hanging.(なんとなく、ぶらぶらしてる)
・Just doing some shopping.(買い物してるだけ)
・I’m going to work.(仕事に行くところ)

など、手短に伝えればOKです。

相手も本気で何をしているのかを尋ねているわけではありませんから、簡単に答えて、

・What are YOU up to?(あなたは何してるの?)
・How about you?(あなたは?)

と聞き返すことが多いです。

状況によって意味が変わる

この表現は別の状況で使われることもあります。

例えば、職場で仲のよい同僚に、

What are you up to tonight?

と聞かれた場合は「今夜の予定は?」という意味です。

また、久しぶりに会った人に、

・What are you up to these days?
・What have you been up to?

と声をかけられたら「最近どうしているの?」という意味になります。

8.「楽しかった」と伝える表現

日本語で「~は楽しかったよ」「~は楽しかった?」はよく使う表現でしょう。

「おもしろい」も同じようなニュアンスで使うことがあります。

これは英語でも同じです。

「楽しかった」「おもしろかった」はとてもよく使う表現ですが、英語でどう表現するでしょうか。

他動詞enjoyには目的語が必要

「~は楽しかった」「~を楽しむ」という意味を表す単語でまず思い浮かぶのは動詞enjoyかもしれません。

例えば、パーティーに行った翌日に友達から、

How was the party?(パーティーはどうだった?)

と聞かれて「楽しかったよ」と答えるつもりでI enjoyed.と言ってしまったことはないでしょうか。

enjoyは「~を楽しむ」という他動詞なので、後ろに何を楽しむかを表す目的語が必要です。

・I enjoyed it.((それは)楽しかった)
・It was good, I enjoyed myself.(よかったよ。楽しかった)

とすればOKです。

日本を観光で訪れている海外の人に「日本を楽しんでいますか?」と聞く場合は、Are you enjoying?ではなく、

Are you enjoying your time in Japan?(日本で楽しく過ごしていますか?)

のように尋ねるとよいと思います。

have a great time

実は、「楽しむ」には動詞enjoy以外の表現を使うことも多いのです。

上のパーティーの例ではI enjoyed it.ではなく、

I had a great time.(とても楽しかった)

と答えることができます。

「楽しむ」を直訳してenjoyを使うのではなく、「(充実した)素晴らしい時間を過ごした」という自然な、とてもよく使われる表現になります。

形容詞great(素晴らしい)の代わりに
(really) good/amazing/excellent/fantastic/wonderfulなどの同じ意味の形容詞を使うと、もっとイキイキした感じが出ます。

以前にホテルで一緒に働いていたニュージーランド人女性はお客がチェックアウトする際に、

Did you have a good time?(楽しかったですか?)

と尋ねていました。

誰かと一緒に出かけて「今日は一日楽しかったです、ありがとう」と言いたいときには、

I had a really good time today. Thank you.

のように表現できます。

have fun

ワクワクしたり、ハッピーになったりする「楽しいこと」を表すfunも使い勝手のよい名詞です。

・The movie was so much fun.(とても楽しい映画でした)
・Did you have fun at the party last night?(昨日のパーティー、楽しかった?)
・I had a lot of fun.(すごく楽しかった)

バンジージャンプに挑戦した後なら、

How was that? ― It was fun!(どうだった?―楽しかった)

のようなやり取りになるでしょう。

今から楽しいことが待っている人を送り出すときには

Have fun!(楽しんできて)

という表現もよく使いますし、仕事に出かける家族を送り出すときに、

Have fun at work!(仕事を楽しんできて)

とも言います。

日本語では「仕事を楽しんでね」とはあまり言わないでしょうから、この言葉を初めて耳にしたときは、英語ならではのおもしろい表現だと思いました。

9.「私がごちそうします」と申し出る表現

人と食事に行ったり、飲みに行って「今日は私がごちそうします」と言いたいとき、英語ではなんと言うのでしょうか。

treat(~にごちそうする;ごちそう)という単語を思い浮かべた人もいるかもしれません。

・I’ll treat you to lunch.(ランチをごちそうするよ)
・It’s my treat.(ごちそうします)

も使いますが、もっと簡単でよく使う言い方を紹介しましょう。

動詞buyを使う

「~をごちそうする」という日本語にそのままピッタリなのが、

I’ll buy you…

です。

「おごる=buy you」はなかなか出てこないかもしれませんが、とてもよく使う表現です。

動詞自体は簡単ですが、「buy+人+ごちそうするもの」の語順になることに注意してください。

・I’ll buy you lunch.(ランチをごちそうするよ)
・Let me buy you a drink.(私に一杯ごちそうさせて)

のように使います。

動詞getを使う

同じように、シンプルな動詞を使った言い方があります。

それが、

I’ll get this/it.(これは私がごちそうします)

です。

これは支払いのときに「ここは私が払います」という場合によく使う表現です。

例えば、日本でも会計時によくある「ここは私が…」と言いながら伝票を取り合う姿を想像するとわかりやすいでしょう。

ごちそうしようとしている人が伝票(イギリス英語ではbill、アメリカ英語ではcheck)をレジに持ってきます。

ごちそうされる人が横から自分の分を支払おうとしたときに、ごちそうしようとしている人がI’ll get this.という感じです。

以前の職場で会計をしていたとき、レストランでもカフェでもお客同士のI’ll get this.-No, I’ll get this!を数えきれないほど見ました。

getという動詞は「おごる」「ごちそうする」と言いたいときにも使えるわけですね。

前置詞onを使う

これも知らないとなかなか出てきませんが、前置詞onを使った表現もとてもよく耳にします。

・It’s on me.(これは私がごちそうします)
・Drinks are on me.(飲み物は私がごちそうします)

のように使います。

例えば、人と食事をして会計時に財布を取り出すと、相手が、

・No, no. It’s on me.(いや、これは私がごちそうします)

という感じです。

もしくは、友達を飲みに誘いたいときに、

Let’s go for a drink. It’s on me!(一杯行こうよ、ごちそうするから)

のように使います。

また、友達とバーに行って、それぞれ1杯目を注文して支払うときに、

This round is on me.(この分は私のおごりです)

のように言うことがよくあります。

名詞roundはバーなどでお酒を注文するときによく使い、ドリンクを人数分まとめて注文する「一回分の注文」を意味します。

全員一回分の注文をまとめて一人が支払うときにThis round is on me.と言い、次に全員分を支払おうという人が、

The next round is on me.(次の分は私のおごりね)

と言うわけです。

I’ll buy you a drink. / I’ll get this. / It’s on me.と言われたら、お礼を言ってI’ll buy you…next time.(次は私が~をごちそうするね)などと答えたらばっちりです。

10. 都合を尋ねる表現

友達と遊ぶ予定を決めるとき、仕事でアポを入れるときなど、スケジュールを決める際には相手の都合を必ず尋ねます。

日本語では「いつがいい?」「いつが空いていますか?」と尋ねますね。

自分から日程を提案するときは「明日は空いていますか?」と言うこともよくあります。

では、英語ではどのように言えばよいでしょうか。

形容詞availableを使う

日常生活でかなりよく使うのが形容詞available(会うことができる、空いていて)です。

Are you available tomorrow?(明日、空いていますか?)

のように人を主語にして使います

丁寧な言い方なので、ビジネスの場面でも安心して使えます。

「明日が都合がいいです」なら、

I’m available tomorrow.

となります。

このavailableは日常会話でとてもよく使う形容詞のひとつで、相手の都合を尋ねる場合以外にも、電話の会話でよく耳にします

・Is John available?(ジョンは電話に出られますか?)
・He’s not available right now.(彼は今、電話に出られません)

形容詞freeを使う

形容詞free「空いている」を少しカジュアルに表現できます

Are you free on Saturday?(土曜日は空いてる?)

となります。

・I’m free on Saturday. How about you?(土曜日は空いています。あなたは?)
・I’m free on Saturday after 1 pm.(土曜日は1時以降は空いています)
・I’m free all morning up until about 11 am.(11時くらいまでなら午前中はずっと空いています)
・Join us if you are free.(予定が空いているなら来てください)
・We should catch up later next week if you are free.(予定が空いていれば、来週の後半に会いましょう)

形容詞good/convenientを使う

これまた簡単な形容詞good(よい)を使うこともできます。

・What day is good for you?(何曜日が都合がいい?)
・When is good for you?(いつが都合がいい?)
・What time is good for you?(何時が都合がいい?)
・Is Saturday good for you?(土曜日は都合がいいかな?)

「都合がよい」という意味の形容詞convenientを使うこともできます。

・Is Saturday convenient for you?(土曜日は都合がいいですか?)
・When is convenient for you.(いつが都合がいいですか?)
・What time is convenient for you.(何時が都合がいいですか?)

convenientは人を主語にしてAre you convenient…?のようには言えないので注意してください。

動詞suitを使う

suitという動詞をご存知ですか?

Red suit you very well.(赤がよく似合うね)などの「~に似合う」という意味でよく使いますが、「~に都合がよい、適している」という意味もあるので、フォーマルな場面で次のように使えます。

Please let me know what time would suit you best,(何時がいちばんご都合がよいかお知らせください)

日時を提案されたときにもsuitを使って、

That suits me fine.(それで私はかまいません)

と答えることができます。

それから、相手の都合を尋ねるときには助動詞wouldを使うと丁寧な印象を与えることも覚えておくとよいでしょう。

11.「行けたら行く」「来られたら来て」と伝える表現

友達から遊びや集まりに誘われたり、同僚に飲みに誘われたりしたとき、その場で断るのではなく、「行けたら行く」と答えることもあると思います。

そんな「行けたら行くね」の表現と、反対に自分が誘うときに使える「来られたら来てね」という表現を紹介しましょう。

I’ll go/come if I can

予定が未確定だったり、忙しかったりして「行けるかどうかわからない」という状況で返事をするとします

「行けたら行く」をそのまま英語にすると、

・I’ll go/come if I can.
・I’ll be there if I can make it.

と言えます。

返事を先延ばしするなら、

・I’ll let you know if I can make it.(行けるかどうか連絡します)
・I’ll see what I can do.(行けるかどうか調整してみる)

などもあります。

ただ、これらは「行く」とも「行かない」とも言わない曖昧な返事になり、行く気がないように受け取られる場合もあります

I’ll try to make it.

「行けるかどうかわからないけど、行けるように頑張ってみる」という意味で、前向きな響きがあってよく使う表現があります。

・I’ll try to make it.
・I’ll try my best to make it.
・I’ll try to be there.

どれもtry (my best) to…という表現を使っています。

文字通り「~しようと試みる、~するように努力する」というニュアンスが加わります。

行けるかどうかわからない状況だけれど「行けるように頑張ってみる」という前向きな返事になります。

個人的な印象として、海外では「やってみる」ことを重視する傾向があるように思います。

そのせいか、このような場面で動詞tryをよく使います。

実際には、これらの表現は「行けない確率が高い」ということをやんわりと伝えて、丁寧に断るためにも使われるのですが。

(I) hope you can make it.

反対に、自分が誘う側のときに使う「来られたら来て」は英語でどういうのでしょうか。

Do come if you can.

という表現もあるのですが、私は次のような表現をよく目にしたり耳にします。

・It would be lovely to see you if you can make it.(来られるようなら、会えるとうれしい)
・(I) hope you can make it.(来られるといいな)

後者はカジュアルな表現ならIを省略します。

来てほしいイベントが翌日だとしたら、

Looking forward to seeing you tomorrow if you can make it.(来られるようなら、明日会えることを楽しみにしています)

のように言うことも多いですね。

どの表現も「来られたら来て」という意味ですが、「来てくれたらうれしい」という気持ちを積極的に伝えることができます

12.「何か意見はありますか」と尋ねる表現

会議やセミナーなどでとてもよく使う表現に「何か意見はありますか?」があります。

ビジネス以外の場面でも、「あなたはどう思いますか?」と相手に意見を尋ねることは少なくありません。

そんな「意見はありますか?」「どう思いますか?」という表現について考えてみます。

What’s your opinion? / What do you think?

まずは「何か意見はありますか?」「どう思いますか?」を、自分なら英語でどう言うか考えてみてください。

・What’s your opinion?(何か意見はありますか?)
・What do you think?(どう思いますか?)

をまず思い浮かぶという人が多いのではないでしょうか。

「意見」や「思う」という日本語から名詞opinionや動詞thinkを使いたくなります。

もちろんこれで通じますが、もっとやわらかく訪ねることができて、とてもよく使う表現があります。

Do you have any thoughts?

それは、

Do you have any…?

というフレーズです。

これを使えば「何か意見はありますか?」「どう思いますか?」のどちらも一度に表せてしまいます。

…の部分に入る単語は何でしょうか。

ここには、英英辞典で次のように定義されている名詞が入ります。

a person’s mind and all the ideas that they have in it when they are thinking(考えているときに抱く思いや、頭に浮かぶすべての考え)

この名詞を使うと、名詞opinionを使うよりも「ざっくばらんに思うところを聞かせてください」という気持ちを表現できます

正解はthoughts(意見、見解)です。

「何か意見はありますか?」という表現として実によく使うのは、

Do you have any thoughts?

です。あるいは、

What are your thoughts?

とも言います。

このthoughtは動詞thinkの過去形ではなく、名詞形です。

Do you have any thoughts?で「あなたの思うところを聞かせてください」というやわらかい表現になるので、人に意見を尋ねる場合にとてもよく使います

Do you haveを省略して、

Any thoughts?

ということも多いです。

必ず複数形(thoughts)になることに注意してください。

「これについてどう思いますか?」と言いたい場合には、

What are your thoughts on this?

のように後にon…を続けるだけなので簡単ですね。

何でも言える雰囲気づくりに役立つ

もちろん、

・What do you think about this?(これについてどう思いますか?)
・What’s your opinion on this?(これについてご意見はありますか?)

も実際に使う表現です。

でも、Do you have any thoughts?のほうが相手に心理的な圧力を感じさせないので、思ったことを何でも言えるような雰囲気づくりに役立ちます

会議やプレゼンのためには、

(Do you have) any questions?(何かご質問は?)

と合わせて覚えておいて損はありません。

13. 悪い知らせを伝えるときの前置き表現

英語では、最も伝えたいメッセージや結論を先に言うことが大切です。

こういうと、英語ではいきなりズバッと核心に迫る話し方が好まれそうですが、実はちょっとした前置きを使う話し方もあります。

I have some bad news.

知人が入院したとか、取引先が倒産したとか、残念なこと、言いにくいことを伝えなくてはならない場合があります。

そんなときに、日本語では「ちょっと言いにくいんだけど…」という前置きをしてから話しますね。

英語にもそんな表現があります。

悪い知らせを伝えるときに、「これからよくない知らせを言いますよ…」とワンクッションを入れて、相手にそれとなく心の準備をしてもらうわけです。

その表現が、

I have some bad news.(よくない知らせがあります)

です。

いきなりHey John, Ben was taken to hospital last night.(ジョン、ベンが昨日の夜に病院に運ばれたんだ)のように言うこともできますが、Hey John, I have some bad news.(ジョン、よくない知らせがあるんだ)と前置きを入れることで、相手は悪い知らせを聞かされると心構えができます

I’m afraid…

悪い知らせを伝えなければならないときの前置きの表現はもうひとつあります。

I’m afraid…(残念ながら~)

です。

この表現は英英辞典にこう定義されています。

used as a polite way of telling somebody something that is unpleasant or disappointing, or that you are sorry about(楽しくない話、がっかりする話、あるいは自分が残念だと思う話を人に丁寧に伝えるために使われる)

日本語では「残念ながら…」と訳されることが多い表現です。

本当に残念に思っているときにも使いますが、実際には残念とまでは思っていなくても、「相手にとってよくない知らせを丁寧に伝える」ための前置きとして使うこともしばしばです。

I’m afraid…と言うフレーズが相手の口から出てきただけで、「あっ、これからよくない知らせを言われる」とわかります。

例えば、ショップで店員さんに商品があるかどうかを確認してもらうと在庫が切れていることがあります。

そのときには、

I’m afraid we’re out of stock.(残念ですが、在庫切れです)

のように言われます。

そうすると、I’m afraidまで聞いた段階で、次の言葉を待つまでもなく「在庫はない」とすぐにわかります。

あるいは、仕事先に電話をしてMay I speak to…?(~さんをお願いします)と言うと、I’m afraid…と返事が返ってくることがあります。

そうすると、その後に続く言葉は会議中なのか、休みなのか、はたまた外出中なのか、理由は何であれ電話に出られないと察しがつきます。

I have some bad news.はわりと深刻な「よくない知らせ」の前置きに使うことが多いのに対して、I’m afraid…は活用できる場面がもっと多くて、「ちょっとしたよくない知らせ」を言うときにも使えます

メール・レターにも使う

こうした、悪い知らせを伝えるための前置き表現は会話だけでなく、メール・レターでもよく使います。

私がよく目にするのは、

・Unfortunately,…(残念ながら~)
・Regrettably,…(残念ながら~)
・We are sorry to inform you that…(残念ながら~とお知らせします)
・I regret to inform/tell you that…(残念ながら~とお知らせします)

などの表現です。

これらのフレーズが出てきたら、その後にはよくない知らせが続くというマーカーです。

特に動詞inform(~に知らせる)を使った2つの表現はとても丁寧な前置き表現で、企業などが用意するフォーマルな文章で特によく使います。

悪い知らせをいきなり伝えるよりも、コミュニケーションの潤滑油としてこうした前置き表現をうまく使いたいものです。

14. お悔やみの表現

人とのコミュニケーションは楽しいやり取りばかりではありません。

悲しい知らせに接することも避けられません。

人の死去の知らせに接したとき、どんな表現で弔意を表すべきでしょうか。

4年ほど前のことになりますが、突然の訃報に世界で多くの人が悲しみました。

『ミセス・ダウト』、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』、『パッチ・アダムス トゥルーストーリー』など数々の素晴らしい作品を世に送り出した俳優ロビン・ウィリアムズさんが亡くなりました。

私もとても好きな俳優だっただけに、あの笑顔がもう見られないと思うと、寂しい気持ちでいっぱいになりました。

そのときに書いた記事をここに再録します。

「亡くなる」を意味するpass away

「死ぬ」というとdieという動詞がまず思い浮かぶと思います。

死去を知らせるニュースではdieや形容詞dead(死んでいる)が使われます。

ロビン・ウィリアムズさん死去のニュースでも、Robin Williams dies at 63(ロビン・ウィリアムズ63歳で死去)やRobin Williams found dead(ロビン・ウィリアムズ遺体で見つかる)などの見出しが多くみられました。

しかし、dieは直接的すぎる表現として、遺族や故人と親しい人と話すときには避けるのが一般的です。

そこで、代わりに使う動詞表現がpass awayです。

dieを遠回しに表現するもので、日本語で「亡くなる」がしっくりくると思います。

例えば、友達のお父さんがなくなったと人づてに聞いて、友達に「お父さんが亡くなられたと聞きました」という場合にはdieは使わずに、

I heard that your father passed away.

のような表現が好まれます。

また、名詞death(死)も直接的すぎるので、代わりにloss(喪失)passing(死)を使います。

I’m sorry for your loss

では、「お気の毒に」「ご愁傷さまです」はどう言えばよいのでしょうか。

知らずにいると、突然の知らせに言葉をかけてあげたいときに何も言えなくなってしまいます。

英語にするのは難しそうですが、英語には「気の毒で」という意味の形容詞sorryがありました。

I’m sorry.には「ごめんなさい」だけでなく「お気の毒に」という意味もあります。

英英辞典にわかりやすく定義されています。

feeling sadness, sympathy, or disappointment, especially because something unpleasant has happened or been done(特に愉快でないことが生じたりして、悲しみ、同情、落胆を感じること)

会話の相手から直接に訃報を聞いたときには、

・I’m so sorry.(お気の毒です)
・I’m so sorry for your loss.(ご愁傷様です)
・I’m sorry to hear about your loss.(ご愁傷さまです)

などがシンプルに気持ちが伝わると思います。

I’m so sorry to hear about what happened to your family.(ご家族に起きたこと、とてもお気の毒に思います)

と心を込めて言うのもよいでしょう。

その後もシンプルに続けて、

・If there is anything I can do (to help), please let me know.(私にできることがあればお知らせください)
・I’m here for you, if you need anything.(何かあればお力になります)

など優しく言葉をかけるだけで十分だと思います。

手紙やカードを送る場合には、

・Please accept my deepest condolences.(お悔やみ申し上げます)
・My thoughts and prayers are with you.(あなたのことを思い、お祈りしています)

などもお悔やみを伝える表現としてよく使います。

ネイティブらしい英語表現―Part 2―

ネイティブらしい英語表現―Part 2―

12.「どうぞお座りください」と勧める表現

会社に海外からのお客様が来た、あるいは海外の人が家に遊びに来たとします。

部屋に入って着席を勧める「どうぞお座りください」は英語でどう言えばよいのでしょうか。

強制的にも響くPlease sit down.

「どうぞお座りください」を英語で言うとしたら、多くの人が思い浮かべるのは「座る=sit down」と「~してください=please」を組み合わせた、

Please sit down.

だと思います。

でも、この表現は失礼になることもあると言われています。

なぜPlease sit down.は失礼になるのでしょうか?

「座る」という意味のsit downにpleaseを付けて、丁寧に思えますが、これは「座る」という行為を相手に求める行為なのです。

声の調子や言い方、表情などによっては強制的に響くことがあり、こう言われると命令されたように感じる人がいるかもしれません。

では、ネイティブは使わないかというと、実際には親しい友人などに対して使うことはあります。

しかし、初対面の相手やビジネスの場面では、もっと丁寧な表現を選ぶ方がよいでしょう。

丁寧でやわらかなPlease have a seat.

相手に失礼のない丁寧な表現として最もよく使われるのは、

Please have a seat.(どうぞお座りください)

です。

相手に直接的に「座ってください」と言うのではなく「(よろしくければ)どうぞお掛けください」と着席を勧めるニュアンスが出ます

先日、病院に行ったのですが、そのときも診察室に入ると、この表現で着席を勧められました。

会社で海外からのお客様をもてなす場合にはPlease have a seat.が失礼にならず、丁寧でよいと思います。

少しインフォーマルなPlease take a seat.

Please have a seat.と似ている表現に、

Please take a seat.(どうぞ座ってください)

があります。

これはどちらかというと「座ってください」というお願いを少し丁寧にした感じで、インフォーマルな表現です。

カフェやフレンドリーなサービスのレストランでは、店に入ると店員さんに、

Take a seat. I’ll be with you in a minute.(座ってください。すぐに注文をうかがいます)

のように言われることがあります。

似た表現に、

Grab a seat.(座ってください)

というのもあります。

とてもカジュアルな表現ですが、かしこまらないサービスの店ではよく耳にします

そのほか、

Please be seated.(お座りください)

もありますが、これは多くの人に向かって言う「ご着席ください」のようなニュアンスです

言い方としてはフォーマルで丁寧ですが、「座ってください」と指示する表現です。

13.「静かにしてもらえますか」とお願いする表現

周りの人がうるさくて迷惑だという場合に、どのように注意すればよいでしょうか。

難しい問題ですね。

まず、Shut up.(黙りなさい)は個人的に絶対に使わない方がよいと思います。

丁寧に「静かにしてもらえますか」とお願いするフレーズを紹介します。

形容詞quietを使う

夜の長距離フライトで、後ろの席の乗客の話し声が気になるとします。

他の乗客も寝ている時間なのに、うるさくて眠れません。

そこで「静かにしてもらえますか」とお願いする表現を考えてみましょう。

Please be quiet.(静かにしてください)

でももちろん通じますが、もう少し丁寧に言うとどうなるでしょうか。

形容詞quiet(静かな)を使うなら、

Could/Would you please be quiet?(静かにしてもらえますか?)

と言えます。

Could you…?は可能かどうかを尋ねる、Would you…?は意思を尋ねるという細かい違いはありますが、この状況ではどちらでも大丈夫だと思います。

「話すのをやめてもらえますか」と言いたいなら、

・Would you please stop talking?(お話をやめていただけますか?)
・Would you mind not talking?(お話をやめていただいてかまいませんか?)

が丁寧な表現になります。

どのフレーズを使うにしても、まずExcuse me.(すみません)から始めるとよいでしょう

また、ただ「静かにしてもらえますか」というだけでなく、静かにしてもらいたい理由を付け加えるのもよいでしょう

例えば、

I’m trying to get some sleep.(寝ようとしているのです)

と言えば、うるさくて眠れないというニュアンスを感じ取ってもらえるはずです。

やわらかく響くkeep…down

「静かにしてもらえますか」は、実は形容詞quietを使わずに言うことも多いのです。

直接的な響きが抜けて、やわらかい感じになるフレーズがkeep…downです。

英英辞典で意味を調べてみると、

to make something stay at a low level; to avoid increasing something(何かのレベルを低く抑えておく;何かを増やすのを避ける)

となっています。

この表現を使って、

・Would you mind keeping it down?(声を下げていただいてかまいませんか?)
・Would you please keep it down a bit?(少し声を下げていただけませんか?)
・Could you keep it down?(声を下げていただけますか?)
・Keep it down, please.(声を下げてください)

などが定番の表現です。

代名詞itは騒音やうるさい声を指し、「話すのをやめてください」ではなく「音量を下げてください」というニュアンスになります

具体的に、

・Would you keep the noise down?(音を下げていただけますか?)
・Could you please keep your voice (s) down?(声を下げていただけますか?)

と言ってもかまいません。

さらに、a bit / a littleをつけると「ちょっと、少し」という控えめなニュアンスが出ます。

Would/Do you mind?

もっと簡単に「やめてもらえますか」は3語で表すことができます。

それは、

Would/Do you mind?

です。

具体的に「~してください」「~しないでください」というのではなく、「やめていただけますか」「やめてもらえますか」の一言だけ言って、相手に気付いてもらう感じです

これらの「静かにしてもらえますか」というフレーズを人から言われてしまったときにはOh, sorry.(あっ、すみません)と答えればOKです。

14.「少々お待ちください」と伝える表現

以前、日本で歯科に予約の電話を入れたときのこと。

症状を伝え、予約希望日を伝えると「お待ちください」と言われ、保留にされました。

こんなふうに、ビジネスの電話でも相手に待ってもらいたいときに「少々お待ちください」と保留にするのは珍しいことではありません。

でも、私はここでちょっと落ち着かない気持ちになりました。

電話だけでなく、英語で接客することがある人にも知っておいていただきたい「少々お待ちください」の使い方についてです。

「少々お待ちください」

英語で電話対応や接客するときの「少々お待ちください」を表すフレーズを見てみましょう。

まずは、電話口で言う表現からです。

・Hold on, please.
・Please hold.
・Just a moment, please.
・One moment, please.

対面で接客するときには次のような表現を使います。

・Can you wait a moment, please?
・Pease wait a moment.
・One moment, please.

英語で応対する際に、こうした表現を知っておくのはとても大事だと思いますが、実はもっと大切なことがあります。

英語では待たせる理由を説明する

冒頭での歯科の予約の電話に話を戻しましょう。

この会話は英語ではなく日本語だったのですが、私が落ち着かなく感じた理由は「お待ちください」という応答そのものにありました。

具体的に何を「待つ」のかを知らされないまま「お待ちください」とだけ言われたからです。

私も日本で生活していたときには、ただ「お待ちください」と言われて待つことに慣れていました。

しかし、海外生活をしていると、電話でも対面の接客でも、待たせるときには「~するから待ってください」「これから~します」と、待たせる理由、何のために待つかを説明することが圧倒的に多いのです。

例えば、病院に電話をして診察予約をとるとします。

I’d like to make an appointment with Dr… tomorrow.(明日に~医師の予約をお願いします)と言うと上で紹介した「お待ちください」のフレーズに続けて、I’ll see when he’s available tomorrow.(明日の何時に予約がとれるかをお調べします)のように理由を説明されます。

また、誰かに電話をつないでほしいときにもIs Brian available?(ブライアンをお願いします)などと言うと、One moment, please.などに続いて、I’ll put you through.(おつなぎします)と言われます。

ただ「お待ちください」というのではなく、待ってもらう間に自分が何をするのか、何をするから待ってほしいのかを言葉で伝えることが当然と考えられているわけです。

単に「待ってください」とだけ言ってその場を離れてしまったり、電話を保留にしたりすると、相手は何を待たされているのか、待っている間に何が起きているのかがわからず、不安になることがあります。

待たせる理由を説明する表現

電話をつなぐ場合には、I’ll put you through.はぜひ覚えておきましょう。

何かを調べたり、確認するために相手を待たせるなら、

・Let me check.(お調べします)
・I’ll check…(~をお調べします)
・I’ll see if…(~かどうかをお調べします)

なども使えると思います。

そのうえでOne moment, please.と言えば、相手は待つ理由がわかります。

接客中ですぐにお客の用件を聞けないときにもPlease wait a moment.だけでなく、

・I’ll be right back.(すぐに戻ります)
・I’ll be back in a minute.(すぐに戻ります)
・I’ll be right with you.(すぐにご用件をうかがいます)

などの言葉を添えます。

「待ってください」ではなく、「すぐにうかがいますから、お待ちください」というニュアンスですね。

英語がわかる人を呼んでくるまで待ってほしいのなら、

I’ll get someone who speaks English.(英語を話すものを呼んでまいります)

と伝えるとよいと思います。

英語では、これから自分が何をするのか(しようとしているのか)を言葉で伝えます

そのことも心に留めておくとよいでしょう。

15.「必ず~してね」と依頼する表現

「今日は7時までに必ず帰ってきてね」「あの本、必ず明日持ってきてね」というように「必ず~してね」という表現は日本語でもよく使います。

これを英語で言うと、どのようになるでしょうか。

Be home by seven tonight.(今夜は7時までに帰ってきなさい)やPlease bring the book tomorrow.(あの本を明日持ってきて)のようにも表現できますが、「必ず」というニュアンスをうまく加えて表現したいところです。

そんなときによく使う表現を紹介します。

この表現は、毎日耳にすると言ってもよいほど、ネイティブはよく使います。

make sure

「必ず~してね」という場面で必ず出てくるフレーズはmake sure(確かめる、確認する)です。

定義を英英辞典で見てみると、

ensure that something is done or happens(物事が確実に行われたり、起こるようにする)

となっています。

en-という接頭辞は形容詞の前につくと「~にする」という意味の動詞を作ることが多く(enlarge「~を拡大する」、enrich「~を豊かにする」など)、ensureは「~を確実にする」という意味です。

つまり、上の定義によると、make sureは「何かが起こることを確実にする」ということです。

これが日本語では「必ず~する」に相当します。

場面によっては「忘れずに~する」がしっくりくるときもあると思います。

make sure (that)…

make sureの後ろには「that+文」が続くのが一般的ですが、口語ではこのthatは省略することが多くなります。

Make sure you’re home by seven tonight.(今日は7時までに必ず帰ってきてね)
Make sure you bring the book tomorrow.(あの本、明日必ず持ってきてね)
・Can you make sure he/she gets the message?(彼/彼女に必ず伝言してもらえますか?)

のように使います。

私は病院に電話して診察予約をとったときに、

Please make sure you bring your passport.(必ずパスポートを持ってきてください)

と言われたことがあります。

こんなふうにPleaseを最初につけると「必ず~してください」と少し丁寧な言い方になるので、Please make sure…の形でよく使います。

また、make sure to…は正しい用法ではないという意見もありますが、使われていないわけではなく、

Please make sure to close the door behind you. Thank you.(開けたら必ず閉めてください。よろしく)

のような貼り紙が店のドアに貼られているのも見かけたりします。

「~を確実なものにする」

「~を確実なものにする」という意味はそのままに、「~を確認する、確かめる」という意味でもmake sureよく使います。

「~かどうかをはっきり確かめる」というニュアンスですね。

例えば、旅行先のホテルの予約を確かめる電話をする場合には、

I’d like to make sure my reservation is confirmed.(予約がコンファームされているか確認したいのですが)

のように言えます。

友達や家族が地震や災害の被害にあっていないか確認したいときなどには電話やメールで、

I just wanted to make sure you are OK.(大丈夫か確認したかっただけなの)

のようにmake sureを使うことも多いです。

また、寝る前にドアに鍵をかけたか不安になったら、

I think the door’s locked, but I’ll go and make sure.(ドアの鍵がかかっていると思うけど、行って確かめてくる)

と、ここでも「確かめる」という意味で使うことができます。

日常会話、ビジネスを問わず広く使われる表現です。

基本の「~を確実なものにする」というイメージさえつかめれば、日本語訳にとらわれずに使いこなせるようになるでしょう。

16. wantを使わずに希望を伝える表現

イギリス英語でとてもよく使う単語についての話です。

こんな状況を想像してみてください。

一緒にコンサートに行く予定だった友達が行けなくなってしまい、チケットが1枚余りました。

別の友達を誘おうと思って「もし行きたかったら教えてね」と英語でメールするとしたら、どんな表現を使うでしょうか。

動詞wantを使わずに「(とても)~したい」「~に乗り気な」と表現できる便利な単語があります。

形容詞keenを使う

今回紹介する単語は、英和辞典では最初に「鋭い」という意味が示されていることが多いので、この意味で覚えている人も多いかもしれません。

見当がつきましたか?

その単語とは形容詞keenです。

普段はあまり使いそうにない単語だと思うかもしれませんね。

でも実は、イギリス英語圏では「とても~したい」「~に乗り気な」という意味で、頻繁に耳にする単語です。

例えば、冒頭に出てきたコンサートのチケットの話。

「もし行きたかったら知らせてね」は、

If you are keen, just let me know.

という表現をよく使います。

もちろん、If you want to go,…(もし行きたければ…)やIf you are interested,…(もし興味があれば…)も使えますが、形容詞interested(興味がある)よりも「行きたい!」という乗り気な感じが伝わる形容詞がkeenです

英英辞典ではこんなふうに定義されています。

(especially BrE) wanting to do something or wanting something to happen very much((特にイギリス英語で)とても何かをしたい、あるいはとても何かが起きてほしい)

If you are keen,… / be keen to… / be keen on…

では、実際にどのように使われるのか、もう少し詳しく見てみましょう。

私が一番よく耳にしたり目にするのは、上にも登場したIf you are keen(もし~したければ)という使い方です。

押し付けがましくなく、サラッと誘いたい場合などに使います。

英和辞書には「熱望して」という意味が載っていますが、それほど大げさでなく、「もし興味があれば」よりもう少し乗り気な「もし~したければ」くらいのニュアンスで使われていると思います。

be keen to…という形で「とても~したい」という意味でも使います。

want to…より強い希望を表す表現がbe keen to…です。

日本に興味のある海外の人は、

I’m keen to learn Japanese.(ぜひ日本語を勉強して身につけたい)

というふうに使います。

また、be keen on…は「~に夢中である、~に熱中している」のように「好き」というニュアンスが含まれます

例えば、

He’s keen on Kate.

だと、「彼はケイトに熱を上げている」となり、ヨガに熱中している人のことを、

She’s keen on Yoga.(彼女はヨガに夢中だ)

と表すことができます。

否定形でも便利に使える

形容詞keenは否定形でもよく使います。

She really wanted to go out, but I wasn’t keen.

なら、「彼女はとても外出したがっていたけど、私は気乗りしなかった」という訳がしっくりくると思います。

I’m not too keen.

は「あまり気乗りしない」というニュアンスが出て、誘いなどをやわらかく断りたい場合にもよく使います

not too keenは、控えめに「~は好きではない」を表すときにも使えて便利です

I’m not too keen on karaoke.

なら、「カラオケは好きではない=行きたくない」ことをやわらかく表現できます。

「~したい」と言いたい場合にI want to…を多用しすぎると、子供っぽい話し方に聞こえてしまいます。

「~したい」は様々な表現があるので、ネイティブとの会話の中で新しい表現に出会ったら意識して使ってみましょう。

17. You want to…の意外な使い方

先日、街でYou want to…の面白い使い方を耳にしました。

その日、海の近くを歩いていたら、向こうから男性2人が歩いてきました。

何気なく見ていると、一人は途中で立ち止まり、もう一人は私とすれ違ってどんどん歩いて行ってしまいました。

そのあたりには多くの屋外アートが置かれていたのですが、立ち止まった男性の目の前には、誰かの言葉が刻まれた石のアートが。

刻まれていた言葉を呼んでいた男性は、先に行ってしまった別の男性に向かって大きな声で、

Hey Rob, you want to read this!

と言ったのです。

「ロブ、あなたはこれが読みたい!」とは、一体どういう意味なのでしょうか。

You want to read this.

男性が言ったセリフはこうです。

You want to read this.

相手に質問しているのではありません。

この場面では、相手はもうすでに歩いて行ってしまったので、相手が読みたいかどうかに関係はなく、一方的に声をかけているわけです。

このYou want to…はどう意味なのか、見当はつきましたか?

「~したらどう?」と伝えるYou want to…

とっさにうまい日本語訳が出てこないYou want to read this.ですが、実はこのYou want to…は意外によく使います。

英英辞典のwant to…を見ると、下の方にこんな意味が出てきます。

(informal) should or need to do something((インフォーマル)何かをするのがよい、何かをする必要がある)

want to…には、実はこんな意味もあったのです。

You want to…は「~するのがよい」「~したらどう?」とカジュアルに言うときに使う、とても英語らしい言い回しです。

これでYou want to read this.の謎が解けました。

アートに刻まれていた言葉を読みながら「これ、読んでみたら?」と呼びかけていたわけです。

ニュアンスとしては「ちょっとちょっと、これ読んでみて」のような感じです。

You don’t want to know

この「~するのがよい」という意味のYou want to…は否定形You don’t want to…でもよく使います

例えば、女性2人が「~さんの彼ってイマイチだよね」と話しているとします。

そこに突然、話題の女性本人が現れて、2人にHey, what are you guys talking about?(2人で何を話しているの?)と声をかけてきました。

2人はびっくりして、

You don’t want to know.

と答えたとします。

これはもちろん「あなたは知りたくない」ではありません。

「あなたは知らないほうがいい(話よ)」というニュアンスになるのです。

You want to…は会話でよく使いますが、英英辞典にもあるようにあくまでもインフォーマルなので、改まった場面では使わないほうがよいでしょう

You may/might want to…

「~するほうがいい」と助言や提案をする表現が英語にたくさんありますが、その中から使う表現を選ぶときに「相手にどう聞こえるか」が気になることがあります。

「きつい感じで受け取られたらいやだ」とか「できるだけやわらかく言いたい」と思うときです。

そんな場合に使うことが多い表現が、

You may/might want to…

です。

You want to…に助動詞may/mightを加えて、「~するほうがいいのでは」「~したらどうですか」という遠回しな響きになるので、丁寧でやわらかい印象を与えます。

例えば、すごく良い英語教材を見つけたとします。

一緒に英語を勉強している友達に、

You might want to try this.(これ、試してみたら)

と声をかければ、「これ、良いから使ってみたらどう?」のように、押し付けがましくなく勧める感じが出ます。

慣れないとなかなかスッと出てこないYou want to…ですが、ネイティブは口語でよく使うので、頭の片隅に入れておくと役に立つと思います。

18.「頑張って」と励ます表現

何か大きな挑戦や大事な計画を控えている人に励ましの声をかけるとき、日本語でよく使うフレーズは「頑張って」ですね。

試験や面接の前などに限らず、「頑張って」は何かと出番の多い表現です。

「頑張る」は英語でdo one’s bestと覚えた人も多いと思います。

では、「頑張ってね」はDo your best!でよいのでしょうか。

do one’s bestは「最善を尽くす」

英語では、人に「頑張って」という場合にDo your best!は使いません。

では、「頑張る=do one’s best」という学校で学んだ知識は間違いだったのでしょうか。

そうではありません。

英英辞典のdo one’s bestの説明にも、

do all one can(できることをすべてやる)

と書いてあります。

「最善を尽くす」ということですね。

・I did my best.(私は頑張りました。最善を尽くしました)
・He did his best not to laugh.(彼はなんとかして笑わないように頑張った)

などはナチュラルな表現だと思います。

でも、これから新天地で生活する人に「新しい場所でも頑張って」と励ましたり、これから何かに挑戦したり、新たな課題に取り組もうとしている人に対して、Do your best in your new place!のようには言いません。

do one’s bestは基本的に自分について「頑張る、頑張った」という意味で使う表現です。

人を励ます目的ではほとんど使いません。

「頑張って」はGood luck!

では、日本語の「頑張ってね」に相当する英語のフレーズは何でしょうか。

Good luck!(うまくいきますように、頑張って)

です。

この表現は本当によく使います。

「幸運を祈ります」というよりも「うまくいきますように」という願いを込めた言葉です

したがって、これから大切なことを控えた人に対して幅広く使えるわけです。

例えば、試験を控えた人には、

Good luck on your exam.(試験がうまくいきますように)

と言葉をかけます。

新天地で新たな生活を始める人には、

Good luck in Tokyo.(東京での成功を祈ります)

のように声をかけます。

「試験、頑張って」「東京でも頑張って」という日本語には「うまくいくように」という思いが込められていますから、Good luck!がしっくりきます。

あいさつにもなるGood luck!

Good luck!は励ましの言葉として使うこともできますが、別れのあいさつとしてもよく使います

日本語でも「じゃあ、明日の面接を頑張ってね」と言って別れることがあります。

そんなときに、

Bye. Good luck with your interview!

と言って去っていくわけです。

妊娠中のときにも別れ際に、

Good luck with your baby!((妊娠/出産/育児が)うまくいきますように)

とよく言われます。

同じようなニュアンスで、

All the best.(すべてうまくいきますように)

という表現もあります。

Good luck!は、これから何かに挑戦したり、大きな計画を控えている人に対して言う「頑張ってね」です。

マラソン大会の沿道で応援するときの「頑張って」のように、現在進行形で何かを頑張っている人に対する応援には使いません

日本語の「頑張る」「頑張って」はとても便利な言葉だけに、英語にするのが難しい表現でもあります。

19. OKの使い方には注意が必要

OKという単語はみなさんもよく使っていると思います。

日本語としても浸透しているので、英語で使うときも特に難しいとは思わずに、サラッと口から出るのではないでしょうか。

でも、実は英語のOKは日本語の「了解」「いいよ」というだけでなく、それほどポジティブではない意味で使われることも多いのです。

「了解」「許される」という意味のOK

英語でOKを使う場面を思い浮かべてみましょう。

例えば、Call me tonight.(今夜電話して)と言われてOK.(わかった)と答えたりします。

Yesという意味でOKを使うわけですね。

これは「了解」というニュアンスです

他に「~しても許される、~してもよい」という意味でもOKを使います

英英辞典には、

permissible; allowable(許される、差し支えない)

と定義されています。

例えば、

・Would it be OK if I take tomorrow off?(明日休みを取ってもいいですか?)
・It‘s not OK to use violence.(暴力を振るうのは許されない)

といった感じです。

ここまでは日本語の「オッケー」からもイメージできる意味の範囲内だと思います。

ポジティブに響かないOK

では次に、日本語のイメージとは少し異なるOKの使い方を見てみます。

「OK=good」ではありません。

実はOKは、それほどポジティブではない意味で使われることも多いのです

例えば、How are you?(どう、元気?)と聞かれて、「調子いいよ」というつもりでI’m OK.と答えると、「どうかしたの?」と再度質問が返ってくるかもしれません。

あるいは、道を歩いていて目の前で人が転んだとします。

その人にAre you all right?(大丈夫ですか?)と声をかけると、Yeah, I’m OK.と返されるかもしれません。

これは「大丈夫です」ということですが、実はそれほどポジティブな意味ではありません。

また、試験を受けた後に友達に「どうだった?」と聞かれてIt was OK.と答えると、友達は「うまくいかなかったのかな…」という印象を持つでしょう。

「悪くはないけど、良くもない」

実は、これらの場合のOKは「悪くはない」というニュアンスで伝わります

OKにはこんな意味があるからです。

satisfactory but not especially good(満足のいくものではあるが、特に良いわけではない)

後半のnot especially good(特に良いわけではない)がポイントです。

OKは「悪くはないけど、特別良くもない」という意味でよく使うということです。

日本語で言うなら「まあいいか」というところでしょうか。

夕食を作ってくれたホストマザーからHow do you like it?(どう?)と聞かれてIt’s OK.(まあまあです)と答えてしまうと、失礼になってしまいます。

OKはgoodという評価を前面に出したいときの褒め言葉としては使えないのです。

このギャップを頭に入れておくことは大切です。

No, thank you.を意味するIt’s OK.

私には、初めて耳にしたときに意味がわからなかったOKもありました。

それはカフェで働いていたときに、Would you like a plastic bag?(レジ袋はいりますか?)とお客に尋ねるとIt’s OK.と返されたり、持ち帰りコーヒーを買った人にWould you like sugar?(砂糖はいりますか?)と聞いたときにもIt’s OK.と言われることがありました。

OKはYesの意味でも使うのでややこしいのですが、このような場合のIt’s OK.はNo, thank you.(いいえ、ありがとう)の意味です

20. 意外と使わないShall I…?

「(私が)~しましょうか?」と申し出る表現を英語ではどう言うでしょうか。

学校で学んだのはShall I…?という表現ではなかったかと思います。

実はShall I…?は日常会話ではそれほど耳にしません。

では、どんな表現をよく使うのでしょうか?

相手の意向を尊重しながら申し出る

まず、どんなときに「~しましょうか?」と言うかを考えてみましょう。

例えば、観光地でカップルや家族連れが一緒に写真を撮ろうとしています。

誰かがカメラのシャッターを押さないといけないので、全員が写真に入ることはできません。

そんな光景を見かけたらこう声をかけます。

「写真、撮りましょうか?」と。

あるいは、家族や友達が海外旅行から帰ってくる日になりました。

重いスーツケースを引きながら電車で帰宅するのは大変です。

自分の予定が空いていれば「車で空港まで迎えに行こうか?」と言うかもしれません。

「~してあげましょう」と言うと、一方的に響いて、押し付けがましく思われるかもしれません。

自分から~してあげると申し出ると同時に、「それはいかがですか?」と相手の意向も尊重したい場合に「(私が)~しましょうか?」となります。

相手の意向を尋ねるWould you like me to…?

「写真を撮りましょうか??」と英語で声をかけるときには、学校で学んだShall I…?を使って、

Shall I take a photo?
Shall I take a picture?

という表現を思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。

残念ながら、このような場面でネイティブはShall I…?とはほとんど言いません。

その代わりによく使うのが、相手の希望を丁寧に尋ねるWould you like to…?(~なさりたいですか?)を応用した表現です。

「写真を撮りましょうか?」と尋ねる場合に私がよく耳にするフレーズは、

Would you like me to take your photo/picture?
Would you like me to take a photo/picture for you?
Would you like me to press the button for you?

です。

自分が~することを相手が望むかどうか、つまり相手の意向を丁寧に尋ねるWould you like me to…?(~しましょうか?)、あるいは同じ意味でもっとカジュアルなDo you want me to…?(~してほしいですか?)が助力を申し出るときの定番です。

私もこれを知るまではShall I…?を使っていました。

ところが、ある日友達と写真を撮ろうとしていたときに近くの人にこう聞かれて以来、注意して聞いているとWould you like me to…?/Do you want me to…?がとてもよく使われていうことに気付きました。

日本語では「私に~してほしいですか?」という意味になります。

なんだか直接的な質問だと感じるかもしれませんが、英語ではこれが自然に聞こえるようです。

事前に尋ねる文化

海外と日本では生活習慣の違いを感じることがしばしばあります。

もちろん文化も言葉も違うので当然で鵜が、日本で長く暮らしていた私にとっては、Would you like me to…?/Do you want me to…?と聞かれるのはけっこう衝撃でした。

日本では多くのスーパーで買い物をしたらレジ袋に入れてくれます。

デパートでは、雨の日には紙袋に雨除けのビニールまで被せてくれたりもします。

それも、わざわざお願いしなくても当たり前のようにやってくれます。

しかし、海外では、買い物をしたときに聞かれるWould you like a bag?(袋はご利用ですか?)をはじめとして、お客のために何かをする前には必ずWould you like me to…?/Do you want me to…?と尋ねてきます。

何も聞かずに気を利かせて「~しておきました」ということはほとんどありません。

逆に、こちらが気を遣って何かしてあげると「そんなことしなくてよかったのに」と言われることもあったりして、私もだんだん「事前に尋ねる」ためにWould you like me to…?を使う習慣がついてきました。

21. ルールについて尋ねるAre you allowed to…?

美術館の中で写真を撮りたいけれど、撮影してよいのかわからない。

喫煙したいけれど、吸ってもよい場所かわからない。

日本では当たり前のことでも、文化や習慣が違う外国ではルールが異なることはよくあります。

さて、こんな場合にはどのように尋ねればよいのでしょうか。

Can I…?

「~してよいですか?」と尋ねる表現としてまず思いつくのはCan I…?ではないでしょうか。

Can I take photos in the museum?(美術館の中で写真を撮ってもいいですか?)
Can I smoke here?(ここで喫煙してもいいですか?)

みたいな感じですね。

もちろんこれでちゃんと伝わります。

でも、美術館で写真を撮る、喫煙する、のようにルールとして「~してもよいですか?」と尋ねるときには、違う表現を使うことも多いのです。

be allowed to…?

~してようかどうかというルールを尋ねる場合にCan I…?の代わりによく使われるのがbe allowed to…(~することを許される)という表現です。

動詞allowは人に「~することを許す」という意味です。

受動態のbe allowed to…は「~することを許される」になり、これが「(ルールとして)~してもよい」と言うときによく使われます。

Am I allowed to take photos in the museum?(美術館の中で写真を撮ってもいいですか?)
・You’re allowed to take photos in the museum.(美術館の中で写真を撮ることを許されています)
・You’re not allowed to take photos in here.(ここでは写真撮影は禁止です)
・Photos are not allowed.(写真撮影は禁止です)

こんなふうに使われるallowのポイントは、be allowedのように受動態になることです。

ルールについて尋ねるAre you allowed to…?

私が以前働いていたカフェでは、お客からこんな質問をよく受けました。

Are you allowed to smoke outside? ― Sure.(外で喫煙できますか?―どうぞ)

建物が全面禁煙の場合、お客はカフェの屋外で喫煙できるかどうかを確認してきます。

ここで、少し気になることがあります。

喫煙したいのは自分(=お客)なのに、店のスタッフにAre you allowed to…?((あなたは)~してもよいですか?)と尋ねるのです。

Am I allowed to…?の間違いではないでしょうか。

実は、このような場合にはAre you allowed to…?をとてもよく使います。

youには「あなた」という意味の他に「(一般に)人、誰でも」という意味があるからです。

Are you allowed to…?のyouは会話の相手を指しているのではなく、一般的にできるかどうかというルールを尋ねているのです。

喫煙したいのは自分でも、喫煙のルールとしてAre you allowed…?と尋ねるわけです。

美術館内でCan I take photos in here?と尋ねてNo, you’re not allowed.(いいえ、禁止されています)と答えが返ってきた場合も、あなただけが撮影を許されないのではなく、誰であってもルールで撮影禁止だということです。

日本を一歩出るとルールが異なることはよくあります。

何も知らずにルール違反をしないように、迷ったときにはまずAre you allowed to…?を使って周囲の人に尋ねてみることです。

ネイティブらしい英語表現―Part 1―

ネイティブらしい英語表現―Part 1―

1. ネイティブらしいWould you like…?の使い方

Would you like…?(~はいかがですか)は丁寧な表現と理解している人が多いと思います。

Do you want…?よりもWould you like…?の方が丁寧な尋ね方だと学んだと思います。

では、こんな疑問を感じたことはあるでしょうか。

どれくらい丁寧で、どんな場面、状況で使えばよいのだろうかと。

私が実際に海外生活して感じたWould you like…?の使い方について書いてみます。

丁寧に申し出る

英英辞典には、こんなふうに書かれています。

used in polite offers or invitations(丁寧な申し出や誘いに使われる)

Would you like…?が丁寧な表現であることは間違いないようです。

ただ、「丁寧」というと、どこか改まって特別な感じを受けるかもしれませんが、Would you like…?はまったく特別な表現ではありません。

むしろ、日常生活でとにかくよく使われます。

フレンドリーな接客のカフェで注文を取るときでもWhat would you like?(何になさいますか?)を普通に使います。

スーパーで「レジ袋はいりますか?」と尋ねるときにもWould you like a bag?を一番よく耳にすると思います。

人に「私が~しましょうか?」と申し出るときにはWould you like me to…?もよく使います。

よく知らない人とのコミュニケーションでは、

・Would you like…?(~はいかがですか?)
・What would you like?(何をご希望ですか?)
・Would you like to…?(~をなさりたいですか?)
・Would you like me to…?(私が~しましょうか?)

を使うのが基本と考えてよいと思います。

家族・友人に対してもWould you like…?

以前、友人の家に遊びに行って驚いたことがあります。

友人が奥さんに「お茶飲む?と尋ねるときに」Would you like a cup of tea, Susie?(スージー、お茶を飲みますか?)と言ったのです。

Would you like…?は結構丁寧な表現だと思っていた私は「えっ、家族にもWould you like…?を使うの?」と、びっくりしました。

そして、その友人は私にも「何を飲む?」と聞いてくれたのですが、それもやっぱりWhat would you like to drink?でした。

Tea, please.(紅茶をお願い)と答えたら、返ってきたのはWhat would you like? Camomile? Earl Grey? Or English breakfast?(何がいい?カモミール?アールグレイ?普通の紅茶?)でした。

友達なのでもっとカジュアルな表現でもよさそうですが、若者言葉ではない大人の会話では友達にもWould you like…?を普通に使っているのを耳にします。

子供に対してもWould you like…?

そして、私がもっと驚いたWould you like…?の使い方があります。

親が小さい子供に対してもこの表現を使うことです。

ちょっとビックリですね。

娘と歳が近い子のママたちとおしゃべりしたり、お茶したりすることがあります。

すると、ママたちは1歳の子に対してWhat would you like to eat?(何食べたい?)とかWould you like a banana or sandwich?(バナナかサンドイッチを食べる?)と話しかけています。

Would you like…?を日本語に訳すと「~はいかがですか?」となりますが、この場面にその訳は合いません。

でも、親は子供に小さい頃から丁寧な言葉遣いを教えるためにWould you like…?を使うわけです。

相手を選ばずに使えるwould like

話す相手によって尊敬語や謙譲語を使い分ける日本語では、丁寧な表現は目上の人に対して使うという意識が身につくのかもしれません。

英語の丁寧な表現はそれとは違って、相手を選んで使うのではなく、自分に言いたいことを丁寧に表現することにポイントがあるわけです

こうしたwould likeの使い方はイギリス英語の影響が強いのかもしれません。

丁寧な表現を選んで失敗することはありません。

年下の相手に対してwould you like…?はおかしいかな、客の立場で店員さんにI would like…(~をお願いします)というのはおかしいかな、などと思わずに、自信をもって使ってください。

2.「もしよろしければ」と控えめに言う表現

「もしよろしければ」「もしよかったら」という表現は日本語でよく使います。

少し控えめに何かをお願いしたり勧めたいとき、押しつけがましく響かないようにしたいときに付け加える表現です。

これは英語でどう言えばよいのでしょうか。

そもそも、英語にも「もしよろしければ」という表現はあるのでしょうか。

if you like / if that’s OK / if you don’t mind

日本語の「もしよろしければ」は控えめに提案や依頼をしながら、相手の意向を尊重する響きを感じさせます。

英語にもこれらに相当する表現はあります。

「もしよろしければ、それあげるよ」と言いたい場合には、「もしそれを好むなら」という意味のif you likeを使って、

You can have it if you like.

と言えます。

「もしよろしければ、車で迎えに行くよ」と言いたければ、

I can pick you up if you like.

となります。

「もしよければ、私がそちらに行きますけど」と言いたいとします。

自分の提案が相手にとって都合がよいかどうかわからない場合にif that’s OK / if that’s all rightを使って、

・I’ll come to you if that’s OK (with you).
・I’ll come to you if that’s all right (with you).

と言えます。

「あなたが気にしないなら…」というニュアンスの場合にはif you don’t mindを使って、

I’d rather stay if you don’t mind.(もしよろしければ、私は家にいたいのですが)

などの表現もよく耳にします。

「機会があれば…」「時間があれば…」という意味では、

・Please call me if you have a chance.(機会があれば、お電話ください)
・Please call me if you have time.(時間があれば、お電話ください)

なども使えるでしょう。

一番伝えたいことを先に言う

これらの表現はそれぞれ微妙なニュアンスの違いがありますが、日本語との大きな違いは文中の位置かもしれません。

日本語の場合は「もしよろしければ~してください」「もしよろしければ~したいのですが」のように「もしよろしければ」が文の始めにきます。

一方、英語では文の終わりにくることが多いように感じます。

「~してください」「~したいのです」をまず先に言ってから、その後に、

・if you like
・if that’s OK/all right
・if you don’t mind
・if you have a chance
・if you have time

を付け加える感じです。

まずは一番伝えたいことを先に言う、という言葉の順序がいかにも英語らしい感じです。

I’d like to have a look if that’s OK.(もしよければ、ちょっと見たいのですが)

必ずしも付け加えなくてよい

「もしよろしければ」に相当する表現をいくつか紹介しましたが、必ずしもこれらの表現を付け加える必要はないと思います。

・Would you like to…?
・Do you mind…?
・How about…?

などの表現には、すでに相手の意向を尋ねるニュアンスが含まれているからです。

「もしよかったら、パーティーに来ませんか?」と誘うとします。

Would you like to come to the party?

これは「パーティーに来たいですか?」というよりも、「パーティーに来ませんか?」と誘う自然な言い方です。

カフェにコーヒーを買いに行く同僚に、

Do you mind getting one for me?

と言って、自分にもコーヒーをお願いしてもよいでしょう。

How about a movie?

は、「映画でもどう?」となりますが、そこには「もしよろしければ」というニュアンスがすでに含まれています。

3. Would you mind…?への答え方

いきなり英語で話しかけられると、どう答えるか頭でわかっていても、とっさに英語が出てこないときがあります。

普段から英語でやりとりしていないと、せっかく身につけた英語の知識が役に立たないのです。

その典型がWould you mind…?という質問への答え方なのかもしれません。

Would you mind taking a picture?

東京や京都など海外からの旅行客が激増している都市で、いきなりこう話しかけられたら何と答えますか?

Would you mind taking a picture?(写真を撮ってもらってかまいませんか?)

あまり英語が得意でなくても、taking a pictureが聞き取れて、相手がカメラを持っていれば、写真を撮ってほしいんだということは雰囲気でわかるでしょう。

そこで、とっさにこう答えてしまったりします。Of, Yes, yes!と。

相手がよほど意地悪な人でない限り、Thank you.と言いながらカメラを渡してくれるでしょう。

でも、これはちょっとおかしな答えです。

Would you mind…?は「~することはいやですか?」

Would you mind…?は「~していただけますか?」という意味だと学んだ気がします。

そして、応じる場合はNo、断る場合はYesで答えるということでした。

紛らわしいですね。

この答え方に悩んでしまうのは、「~していたいただけますか?」という訳し方のせいではないでしょうか。

動詞mindは「~をいやがる」という意味です。

したがって、Would you mind…?は「~することは嫌ですか?」という意味です。

これなら混乱しませんね。

Yesと答えれば「はい、いやです」と断ることになります。

Noと答えれば「いいえ、いやではありません」と応じることになります。簡単です。

No, problem. / Sure. / Sorry,…

Would you mind…?に対して私がよく耳にする答えは次のとおりです。

「もちろんいいですよ」と応じる場合は、

・No problem.
・No, not at all.

などを使います。

とっさのことで頭が混乱してしまったときは、

Sure.(どうぞ)

でよいと思います。

Sure.は答えとして正しくないという意見もありますが、実際に使われていますし、Yesよりは相手に正しく伝わると思います。

断るときは、やわらかく伝えます。

Sorry, I’m in a hurry.(ごめんなさい、急いでいるので)

のように、(I’m) sorry…と言ってから理由を付け加えるだけです。

YesもNoも関係ないので、これなら簡単ですね。

日本語でもそうですが、特に英語では断るときには理由を付け加えることが多いように感じます。

Yes, I do (mind).(はい、いやです)とだけ答えたのでは、シンプルすぎて感じが悪くなります。

許可を求めるときはDo you mind…?

動詞mindは依頼だけでなく、許可を求めるときにも使います。

Do you mind if I sit here?(ここに座ってもいいですか?)
Do you mind if I use this chair?(この椅子を借りてもいいですか?)
Do you mind if I borrow your pen?(ペンを借りてもいいですか?)

「~してもいいですか?」と自分の希望を伝えつつ相手の都合、気持ちにも配慮する、丁寧でやわらかい表現です。

答え方は、

・No problem.
・No, not at all.
・Sure.
・Go ahead.(どうぞ)
・I’d (=I would) rather you didn’t.(そうしないでいただけますか)
・Sorry, it’s taken.(ごめんなさい、使用中です)

のようになります。

Do you mind if I use this chair?に対して、ネイティブの人でもニコニコしながらYeah, go ahead.(はい、どうぞ)と答えたりすることもあります。

何事も教科書どおりにはいきません。

表情で気持ちを伝えることも大切です。

4.「はい、どうぞ」と応じる表現

あなたの机の上にペンがあります。

同僚がそのペンを借りようとして、Can I borrow your pen?(ペンを貸してもらえる?)と聞いてきました。

「はい、どうぞ」と英語で答えるとしたら、何と言いますか?

Yes.(はい)とかYes, you can.(はい、いいです)でも意味は通じるでしょう。

でも、ネイティブはもっと心地よく響く表現をとてもよく使います。

Sure. / Certainly.

日本語の「どうぞ」にはいろいろな意味があります。

今回は「~してもいいですか?」と聞かれたときに許可したり、促したりする意味での「はい、どうぞ」です。

冒頭の「ペンを貸してもらえる?―どうぞ」や、遊びに来た友達に「トイレを借りてもいい?―どうぞ」などと答えるときにも、気持ちよく「いいですよ」と伝えたいですね。

そんなときにも「もちろん、どうぞ」というニュアンスの、

Sure.

をよく使います。

ちょっと高級なレストランやホテルなどでは、

Certainly.

という答えが返ってくることもあります。

Go ahead.

実はネイティブがとてもよく使う、カジュアルな言い方が他にもあります。

それは、

Go ahead.

です。

みなさんは、おそらく「お先にどうぞ」という意味で覚えているのではないでしょうか。

ドアのところで人と一緒になったり、順番待ちしているときに、「どうぞ、お先に」と相手に先を譲る表現ですね。

After you.(どうぞ、お先に)の方が丁寧と言われたりもしますが、ニコッと笑ってGo ahead.と先を譲ってくれる人もたくさんいます。

このGo ahead.は「はい、どうぞ」「もちろん、いいですよ」と許可したり、相手を促すときにもよく使われます

・Can I use your bathroom?―Sure, go ahead.(トイレ借りてもいい?―はい、どうぞ)
・Can I ask you a question?―Sure, go ahead.(ひとつ質問してもいいですか?―はい、どうぞ)
・Can I take this chair?―Yes, go ahead.(この椅子を持って行ってもいいですか?―はい、どうぞ)

という感じです。

Sure. / Yes.と言って許可したうえで、Go ahead.と促すと、気持ちよく応じている響きが出ます。

簡単な表現ですが、慣れないとなかなか口からスッと出てきません。

相手を先へ促すGo ahead.

go aheadの使い方をもう少し。

家でパスタマシンを買って使ってみたら不良品とわかったときのことです。

レシートを持って店に戻ると、快く新品交換に応じてくれたのですが、店員さんが持ってきた交換品の外箱がボコッとへこんでいました。

商品箱が破損していることは珍しくないので、念のため箱の中を確認してよいか尋ねると、返ってきた言葉がYeah, go ahead.(ええ、どうぞ)でした。

あるいは、店内で写真を撮ってもよいか店員さんに尋ねてもGo ahead.が返ってきます。

go ahead.の文字通りの意味は「先に進む」です。

前項の例文もすべて「相手を先へ促す」イメージです。

「~してもよいですか?」に対するGo ahead.は「先に進んでください=どんどんそうしてください」、道を相手に譲るときのGo ahead.も「お先にどうぞ=先に行ってください」と、相手を先へ促します。

このイメージをつかめれば、行動や計画を先に進めてもらうgo aheadもスっと理解できると思います。

例えば、友達がコンサートに誘ってくれました。

「平日だけど、行ける?行けるならチケット取るけど」と言われて、「休みがとれるかな…」と不安はあるけれど「チケット取って、お願い!」と答えるとします。

そんなときにも、

Go ahead and get me a ticket!

と言えます。

日本語の「どうぞ」という訳だけにとらわれずに、どんどん使ってみてください。

5. 「はい、どうぞ」と手渡す表現

友達に「ちょっとテーブルの上の本を取ってもらえる?」と言われて、その本を渡してあげるとき、日本語では「はい」と言いながら手渡しますね。

もう少し丁寧に「はい、どうぞ」と言うかもしれません。

この、何かを手渡したり差し出すときの「はい」「はい、どうぞ」は英語で何というのでしょうか?

Here you are.(はい、どうぞ)しか思い浮かばないという人のために、一緒に考えてみましょう。

手渡すときにPlease.とは言わない

「どうぞ」に相当する英語としてpleaseを思い浮かべるかもしれません。

でも、pleaseは基本的にはお願いをするときに使う単語です。

手渡すときに言う「はい、どうぞ」に使うのはちょっと変です。

また、Go ahead.は「どうぞ、そうしてください」と相手を促す表現なので、これも使えません。

Here you are.より使われるHere you go.

学校で学んだ表現がHere you are.です。

何かを渡しながら「はい、どうぞ」という意味で使います。

でも、海外で生活し、働くようになって気付いたことがあります。

それは、Here you are.を使っている人が意外と少ないということです。

もちろん国や地域、個人によって差があるので一概には言えませんが、私はなぜかあまり耳にしません。

その代わりに、例えば店で商品やおつりを渡されるときによく耳にするのはこんな「はい、どうぞ」です。

・Here you go.
・There you go.
・There you are.

使い分けは気にしなくてよい

さて、気になるのはこれらの表現の違いですね。

Here you are.がいちばん丁寧だと感じる人もいるようですが、実際のところ特に違いはないようです。

念のために英英辞典の定義を見てみると、

(informal) Here you are / Here you go:
used when you are giving something to somebody(人に何かをあげるときに使われる)
(informal) There you are / There you go:
used when giving somebody a thing they want or have asked for(人に、その人が望むもの、あるいは求めたものを与えるときに使われる)

とありました。

多少の違いがあるようにも思えますが、注文した品を持ってきてくれる接客係もHere you go.(はい、どうぞ)はよく使うので、厳密にこのように使分けられていないと思います。

日本語では、接客係がドリンクをテーブルに置きながら「はい、どうぞ」とはあまり言わないと思いますし、おつりをお客に渡すときにも「はい、どうぞ」とは言わないでしょう。

しかし、英語では何かを手渡すときには無言で渡すのではなく、これらの表現を言うように心掛けると感じがよくなります。

There you go! / There you are!のこんな使い方

There you go.には、「はい、どうぞ」とは別にこんな使い方もあります。

例えば、子供に靴紐の結び方を実演しながら教えていて、子供が自分でやってできたときなどにThere you go!(やったね、できたね)という感じで使います。

説明したり、やって見せたことを相手がちゃんとできたときのYou did it right!(ちゃんとできたね)というニュアンスです。

また、There you are!は、誰かを探していて、その人がふと現れたときに「あっ、そこにいたの」というニュアンスでもよく使います。

6. やわらかく否定する表現

日本語は人間関係を重視するために遠回しな表現が好まれ、英語はYes/Noをはっきり伝える表現が好まれる、そんなイメージがあるかもしれません。

でも、何でもYes/Noをズバッとハッキリ言うわけではなく、英語にも「やんわり」言う方法があります。

日本語と同じで、英語でも遠回しに言う方が相手にやわらかく響きます。

特に注意したいのが、相手の意見を否定するときです。

私がネイティブから学んだ、やんわりと相手の意見を否定する言い方を紹介しましょう。

youを主語にして否定しない

まずは日本語で想像してみてください。

「君、間違ってるよ」と「君の言っていること、間違っているよ」。

どちらが相手にとって強く否定的に響くでしょうか。

私は「君、間違ってるよ」だと思います。

よほどのことでない限り、否定するのはあくまでも「相手の言っていること」であって「相手(の人格)」ではないはずです。

これは英語でも同じです。

主語をyouにすると、相手は自分そのものが否定されたと感じるかもしれません。

You’re wrong.(あなたは間違っている)よりThat’s wrong.(それは間違っている)の方が受け入れやすいでしょうが、That’s wrong.もまだまだきつく響きます。

「not+反対語」を使う

これはネイティブと話していて、私がいつも感じることです。

相手の意見を否定するときには、「not+反対語」をうまく使うのです。

例えば「それは間違っている」と言うときには、That’s wrong.ではなく、

・That’s not right.(それは正しくありません)
・That’s not correct.(それは正しくありません)

という表現をよく耳にします。

「間違って」という意味を表す形容詞にはwrongやincorrectがあります。

でも、あえて遠回りをしてwrongの反対語であるrightや、incorrectの反対語であるcorrectを使って、それをさらにnotで打ち消す言い方をするわけです。

これだけでもずいぶん耳に優しく響きます。

あるいは「その考えはいまいちだね」も、That’s a bad idea.(ひどい考えです)とは言わず、

That’s not a good idea.(それは良い考えではありません)

のように言います。

「私はあなたに反対です」と言いたいときも、ズバリI disagree with you.と言うのではなく、

I don’t agree with you.(私はあなたに賛成しません)

と少し遠回りした言い回しを使います。

さらには、notとともにvery(とても)やreally(本当に)、quite(まったく)、exactly(まさに)などの程度を表す副詞を使うと、もっと響きを和らげることができます

That’s not a good idea.(それは良い考えではありません)/That’s not right.(それは正しくありません)/It’s not what I want.(それは私が欲しいものではありません)よりも、

・That’s not a very good idea.(それはあまり良い考えではありません)
・That’s not quite right.(それは完全に正しいわけではありません)
・It’s not exactly what I want.(それは私が欲しいものとは少し違っています)

の方が、それぞれやわらかい響きになります。

I don’t think…を使う

最初のYou’re wrong.に比べると、だいぶやわらかい響きの英語になってきましたが、もっと間接的に表現することができます。

それは相手の発言内容そのものを否定するのではなく、「私はそうは思いません」「私の考えは違います」と自分の意見として述べる方法です

この言い方であれば、相手が正しいか間違っているかではなく、自分の意見は違うと相手を否定せずに伝えることができます。

英語ではとても簡単です。

否定したい内容の前にI don’t think…を付けて、その後の文を肯定形に変えるだけです。

That’s not very good idea. / That’s not quite right.は、

I don’t think that’s very good idea.(それはあまり良い考えとは思いません)
I don’t think that’s quite right.(それは完全に正しいとは思いません)

となります。

どうですか、You’re wrong.と比べてください。

言われた身になると、受け入れやすいと思います。

自然と相手の意見に耳を傾けようという気持ちにもなってくるから不思議です。

7. やわらかく断る表現

同僚に飲みに誘われたり、友達に遊びに誘われたときに気乗りがしなくて「今日はやめておきます」と言いたいときがありますね。

あるいは、衣料品店で店員さんに勧められて買うかどうか迷った末に「やっぱりやめておきます」と断りたい場合もあります。

「やめておきます」「遠慮します」を英語でどう言えばよいでしょうか。

I think I’ll pass.

例えば、同僚に「仕事の後一杯どう?」と誘われたけど行きたくないという場合、日本語でも「今日はパスする」と言ったりします。

これは英語でもそのまま通用して、

I think I’ll pass.(やめておきます)

これで「やめておきます」「遠慮しておきます」という意味になります。

この動詞passの定義は英英辞典では、

to say that you do not want something that is offered to you(受けた申し出を望まないということ)

となっています。

食後に「コーヒーはいかが?」と聞かれたような場合にもI’ll pass.は使えそうです。

I thinkを前に入れるとやわらかい響きになります。

I’ll leave it.

次に紹介する表現は、私は日本では知らなかったのですが、海外ではとてもよく耳にするものです。

例えば、衣料品や靴を買おうかどうか迷っているとします。

試着して店員さんが「いかがですか」と声をかけてきたけれど、あなたは納得がいかず「やっぱりやめておきます」と言いたい。

そんなときには、

I’ll leave it.(やめておきます)

をよく使います。

わりと感じよく断れる表現なので、「買わないと言ったら申し訳ないかな…」と悩む必要がなくなります。

I’d rather not.

最後に、丁寧な「やめておきます」を紹介します。

それは、

I’d rather not.(やめておきます)

という表現です。

これも、誘われたり、食べ物や飲み物を勧められたけれど「やめておきます」と言いたい場合に使います。

例えば、Would you like to join us for dinner together?(今夜一緒に食事をいかがですか?)と誘われたときに、Thank you, but I’d rather not. Today’s my son’s birthday.(ありがとう。でもやめておきます。今日は息子の誕生日なんです)と断ることができます。

直訳すると、「どちらかというと望みません」という意味なので、遠回しにやわらかく断ることができます。

少し改まった表現なので、親しい友達にはあまり使いません

誘いや提案を断る場面ではいろいろな表現が登場します。

教科書に載っているNo, thank you.(いいえ、ありがとう)も悪くはないですが、No, I’m fine.(いいえ、結構です)もよく使います。

また、誘いを断る場合にはここで紹介した以外にも、I’m sorry but…(申し訳ないですけど…)に続けて理由を述べてもよいでしょう。

8. やわらかく「嫌い」と伝える表現

一般に日本語では自分の好みをあいまいに表現するのに対して、英語でははっきり伝えるというイメージがありませんか?

確かに、日本語では好き嫌いをストレートに言うのではなく、ちょっとぼかして表現することが好まれるところはあります。

例えば、友達が家に招待して手料理を振る舞ってくれたとします。

あまり好きではない食べ物が出されたら、「ちょっと苦手なので…」と、やんわり「嫌い」ということを伝えたりしますね。

では、英語ではそんなときにI don’t like this.(これは好きではありません)とはっきり言うでしょうか。

実は英語でも、やんわり「嫌い」と伝える表現の方が好まれます。

遠回しに言うほど丁寧に響く

「嫌い」「好きではない」「あまり好きではない」は程度の差こそあれ、どれも基本的には「嫌い」を表しています。

では、この中で一番きつく感じる言い方はどれでしょうか。

「嫌い」がストレートで強く響きますね。

「好きではない」は「嫌い」より少しやわらかい印象です。

これは「嫌い」の反対語である「好き」を使って否定するという遠回しな表現になっているからです。

遠回しに言うほど丁寧に響くわけです。

動詞hateは使わない

実はこの法則は英語にも当てはまります。

「嫌い」を動詞hate(~をひどく嫌う)で表現してしまう人がいます。

しかし、hateはとても強い響きを持つ動詞なので、ネイティブはめったなことでは使いません

母親に叱られた幼い子が、母親に向かってI hate you.(お母さんなんて大嫌い)と言ったりしますが、多くの親は子供がhateという動詞を使うと注意します。

食べ物や物事について「嫌い」という場合は、hateではなく、

I don’t like…(~が好きではない)

という言い方が一般的です。

しかし、相手に失礼にならないように言いたい場合には、もう少しやわらかく「あまり好きではない」と言えると、与える印象も変わってきます。

not…very much/not really

友達の家に招待されて、嫌いなセロリが入っているサラダを勧められたとします。

I don’t like celery.(セロリは好きではありません)と言うよりも、

・I don’t like celery very much.(セロリはあまり好きではありません)
・I don’t really like celery.(セロリはあまり好きではありません)

の方がやわらかく響きます。

このnot…very much / not really…(あまり~でない)は、英語では実によく使います。

very muchやreallyを特につけなくてよい場合でも、口調や印象をやわらかくするために使います

ただ、reallyを使う場合は語順に注意が必要です。

I really don’t like celery.と言ってしまうと「セロリは本当に好きではありません」と強調する意味になってしまいます。

必ずnot reallyという語順になるように気を付けましょう。

not a big fan of…

don’t likeを使わずに「好きではない」と言えると、もっとやわらかい響きになります。

例えば、

I’m not a big fan of celery.(セロリはあまり好きではありません)

と言われたらどんな想像をしますか?

a fanは「私は阪神ファンです」の「ファン」です。

a big fanは「すごいファン」ということです。

したがって、上の文は直訳すると「私はそれほどセロリの熱狂的なファンではありません」となり、つまりは「セロリはそんなに好きではない」ということです。

日本語の「ファン」は、有名人やスポーツチームに対して使いますが、英語ではこういう使い方もあります。

この言い方は英語らしくて私は好きです。

また、名詞favorite(大好きなもの)を使って、…is not my favorite.と言っても、やわらかく「嫌い」を表せます。

9. 丁寧なNoの伝え方

誘いを断らなければならないとき、うまくNoを伝えるのは難しいと感じたことがあるのではないでしょうか。

感じが悪く響かないようにするためにはどう言えばよいのか。

日本語でも気を遣うのに、英語となるとさらに難しく感じてしまうものです。

そこで感じよく誘いを断るNoの伝え方を考えてみます。

Noははっきり伝える

誘われたときにNoと答えるのは悪いことではありません。

誘われたけれど行けない、もしくは行きたくないというときには「行けるかどうかわからないけれど…」と言葉を濁すのではなく、はっきりNoと伝えるべきです。

ただ、Noをどのように伝えるかは大切です。

例えば、「飲みに行かない?」と誘った時に返ってきた答えが「行かない」という一言だけだったら、ちょっと感じが悪いですよね。

これは英語でも同じこと。

感じよくNoというためには、押さえておきたいポイントがあります。

理由とポジティブ情報を続ける

一番大切なのはNoだけですませないことです。

具体的には、

(1)断る理由 (2)ポジティブ情報

を続けるのがよいと思います。

誘いを断る場合には、一般的には理由を続けます。

例えばSorry…に続けて、

・I have plans tonight.(今夜は予定があります)
・I have something else this evening.(今夜は別に用事があります)
・I’d rather stay at home tonight.(今夜は家にいたいのです)
・I have a lot of work to do today.(今日はしなくてはいけない仕事が多くて)
・I’ll be at work this Saturday.(土曜日は仕事なので)
・I’m going to be out of town this weekend.(今週末は遠出するので)

のような感じです。

理由は短くてかまいません。

長く説明する必要はありません。

そして、理由に続けてポジティブ情報を付け加えることが結構大切です。

ポジティブ情報とは、例えばこんなものです。

・Another time will be great.(またの機会にね)
・Let’s catch up soon.(近いうちに会おうね)
・Can I take a rain check?(またの機会でもいい?)
・Have a fun!(楽しんできてね)
・Enjoy!(楽しんできてね)

丁寧な前置き表現

誘いを断る場合にはSorry, I can’t.(ごめん、無理なんだ)のように、sorryを使うことが多いと思います。

それで問題ないのですが、他にも誘いを断るときにぜひ使いたい表現があります。

・I’m afraid…(残念ながら)
・Unfortunately,…(残念ながら)
・I wish I could go, but…(行けたら行きたいのだけれど…)

などです。

これらを前に付けることで「残念だけれど…」「行けたら行きたいのだけれど…」というニュアンスが出せます。

I’m afraid I can’t make it. I’ll be working this Saturday.(申し訳ないけど行けないんだ。土曜日は仕事なので)
Unfortunately, I have plans this weekend.(残念だけど、今週末は予定があるんだ)
I’d love to go, but I have to look after the kids tonight.(行けたら行きたいんだけど、今夜は子供たちの面倒を見ないといけなくて)
I wish I could go, but I have a lot of work to do today.(行けたら行きたいんだけど、今日はしなくてはいけない仕事が多くて)

これらの前置き表現は丁寧に断るときの定番で、単に「行けない」と答えるのとは与える印象が大きく変わります。

サラっと口から出るようにしておきたいですね。

誘ってもらって本当に行きたかった場合はもちろん、あまり気乗りしないけれど丁寧に断りたい場合にも、「興味はある」という気持ちを示すことがうまく断るポイントのような気がします。

Unfortunately, I already have plans. But have a great time at the party!(残念だけど、予定があって。パーティーを楽しんでね)のように、ほんの少し言葉を加えるだけでかなり印相が変わります。

10. 丁寧に響く過去形の質問

先日スーパーのレジで会計をしてもらっていたときのこと。

レジの女性が肉をスキャンしながら、こんな質問をしてきました。

Did you want a separate bag for this?(これ、別の袋を用意しましょうか?)

現在の話をしているのに、なぜDo you want…?ではなくDid you want…?なのでしょうか?

そんな「過去形の謎」に迫ってみたいと思います。

現在の希望を尋ねるDid you want/need…?

冒頭の場面は明らかに、今袋が必要かどうかを尋ねています。

それなのにDid you want…?と過去形で質問しています。

なんだか居心地が悪く感じるかもしれませんが、実は意外によく耳にします。

例えば、レストランで食事を終えたころに接客係が来て、

Did you want coffee or tea?(コーヒーか紅茶をお持ちしますか?)

と尋ねられたり、お店に入って商品を見ていると、

Did you need any help?(お手伝いしましょうか?)

と声をかけられたりします。

動詞want(~を求める)やneed(~を必要とする)を使って「現在」の希望を尋ねるときに、Did you want/need…?のように過去形で言うわけです。

現在のお願いをするCould/Would you…?

英語の動詞には時制があり、過去のことを表す場合に過去形を使うと学びました。

そのルールに従って、普通は現在のことは現在形、過去のことは過去形の動詞を使って文を作ります。

もちろん、それが基本ルールです。

でも、現在のことなのに過去形の動詞で表すこともルール違反ではありません。

その代表例をみなさんもすでにご存じのはずです。

例えば、Can you…?(~してもらえますか?)の丁寧な言い方は何でしたか?

Could you…?(~していただけますか?)ですね。

同じようにWill you…?(~してもらえますか?)よりもWould you…?(~していただけますか?)の方が丁寧です。

どちらも現在のお願いをするために助動詞could/wouldを使っています。

過去形を使うと丁寧に響く

現在のことについて過去形の動詞を使う理由がわかったのではないでしょうか。

Do you want…?ではなくDid you want…?を使うのは、過去形の方がやわらかくて、丁寧な表現になるからです。

なぜ過去形の方が丁寧に響くのでしょうか?

現在形の動詞を使った質問文は直球で、相手にストレートに響きます。

動詞を過去形にすると、相手との距離をとって、直接的な響きを和らげることができるのです。

冒頭に出てきたレジの女性も、Do you want…?ではなくDid you want…?と尋ねることで、カジュアルな感じを出しつつ、やわらかく、丁寧な表現をしていたわけです。

11. 「そうしてもらえると助かります」と答える表現

英語圏を旅行中に大きなスーツケースを持って駅の階段を上がっていたら、たまたま通りかかった人が「手伝いましょうか」と声をかけてくれたとします。

「そうしてもらえると、とても助かります」と言いたいけれど、Thank you.(ありがとう)としか言葉が出てこない。

もちろんThank you.だけでもわかってもらえますが、「そうしていただけたら助かります、ありがたいです」と言えれば、もっと自分の気持ちが伝わるはずです。

Yes, please.の代わりにThat would be great.

日本語でも、「~しましょうか」と助力を申し出てくれた人に対して「そうしてもらえると助かります」とよく言います。

出かけようとしていたときに「車で送って行こうか」と言ってもらえたら、「ありがとう、助かる!」と言って感謝すると思います。

こんなときに、Yes, please.(はい、お願いします)に代わる返事としてとてもよく使われる「そうしてもらえると助かります」には、実は定番の表現があります。それが、

That’s would be great.(そうしてもらえると助かります)

です。

「そうしてもらえるならありがたい、助かる」という仮定の表現なので、助動詞wouldを使います。

これは、会話の中で決まり文句のように頻繁に使います。

「~しましょうか」という申し出を受けるときにThat would be great.だけで使うこともありますし、Thank you.に続けてThat would be great.と言うこともあります。

相手の申し出に対して、丁寧にYes, please.と答える表現です。

「それはいいですね」の意味にもなる

That would be great.は他の場面でも使います。

例えば、カフェの店員さんにWould you like another coffee?(コーヒーのお代わりはいかがですか?)などと聞かれたときです。

Yes, please.やI’d love one.(ぜひいただきます)といった返事が定番ですが、ここでThat would be great/awesome.と答える人もいます。

この場面では「そうしてもらえると助かります」とは少し違って「それはいいですね」「それ、いいね」のように申し出を受ける感じになります

イギリス英語圏ではThat would be lovely.も使います。

また、男性でもlovely(素敵な、素晴らしい)という形容詞を日常的によく使いますが、アメリカでは男性はあまり使わないようです。

私は海外生活を始めた当初は、もちろんThat would be great.という表現は知りませんでした。

でも、職場でお客と話していると、毎日必ずと言っていいほど耳にするフレーズだったので、覚えて使うようになりました。

仮定法のwouldは「使いこなすのが難しそう…」と思ってしまうかもしれませんが、That would be great.は決まり文句としてかたまりで覚えてしまいましょう。

使えるようになると、表現の幅が広がること間違いなしです。

英語でのコミュニケーションの基本表現―Part 2―

英語でのコミュニケーションの基本表現―Part 2―

12. 言葉に詰まったときに役立つ表現

英語で会話をしているとき、英会話レッスンで話をしているときに言葉に詰まってしまうことがあります。

スラスラと自分の言いたいことが口から出てくればよいのですが、いつも詰まらずに話せるとは限りません。

かといって、会話の途中でいきなり沈黙してしまうと、相手も戸惑ってしまいます。

それは日本語でも同じです。

話の途中で言葉が見つからずに、「えーっと」「ほら」「あのー」といったつなぎ言葉をはさむことがあります。

英語で話していてそんなときに役立つ、ちょっとした間をつなぐ単語や表現を紹介しましょう。

文はとっさに出てこなくても、相手は「話を続けたくて、何を言えばよいか表現を探しているんだな」とわかってくれます。

um/er/erm/well/let me see/let’s see

英語にも日本語のつなぎ言葉と同じ働きをする音や表現があります。

場面や状況に応じて使い分けることができると、とても便利です。

英英辞典の定義も合わせて見てみましょう。

um:used in writing to represent the sound that people make when they are pausing or deciding what to say next(人々が言葉に詰まったり次に何を言うか決めているときに、口から出す音を文字にしたもの)

er (erm) :the sound that people often make when they pause in the middle of what they are saying or pause before they speak, often because they are deciding what to say(何かを言っている途中あるいは言葉を発する前に間を置いたときに何を言うか決めながら口から発する音)

well:used to introduce something you are going to say, often to show surprise, doubt, slight disagreement, or anger, or to continue a story(驚き、疑い、ちょっとした反対意見、怒りを示して、これから言うことへの導入として、あるいは話を続けるために使われる)

let me see/let’s see:used when you want to think carefully about something or are trying to remember(何かについて慎重に考えたいとき、何かを思い出そうとしているときに使われる)

どれも簡単なものばかりですが、いざとなるとなかなか口から出てこなかったりします。

「えーっと」と日本語で言いそうになったら、これらを思い出してください。

ワンクッション入れる表現

次に、言葉に詰まったり、言い直そうとするときにワンクッション入れる表現を紹介します。

・I mean(つまり、その)

自分で言ったことに補足をしたり、言い直したりするときによく使います。

I really like him, I mean, as a friend.(彼のことがとても好きです、つまり、友人としてね)のように文の途中にはさむことが多いですが、文末に置くこともあります。

・You know(ほら、あの)

話している途中で言葉が出てこなかったり、言いたいことがうまく言えないときなどによく使います。

I went to the new bar by the beach, you know,…the Shed Bar.(浜辺の新しいバーに行ったんだ、ほら、シェド・バーに)

という感じで途中にはさみます。

・What I’m trying to say is…(つまり私が言おうとしているのは)

これはI meanに似ていますが、自分が言ったことをまとめて言い直すときに使います

頭の中で要点を整理しながら少し時間をかせぐときに便利です。

・I don’t know what to say.(何と言ったらよいのかわかりません)

英語でうまく表現できないときは「わからない」と言ってしまうのも手です。

このセリフの後にbut…と続けて単語の羅列でもいいので一生懸命伝えようとすると相手も推測して「こういうこと?」とシンプルな英語で逆に尋ねてくれたりします。

沈黙せずに、言葉をつないでいく

英語で話していて言葉に詰まったときには、沈黙したり、日本語で間をつなぐのではなく、これらの英語のつなぎ言葉を使うようにしましょう。

そうすれば、相手はきちんと聞いてくれます。

沈黙するのではなく、何かを伝えようと言葉をつないでいくことは最初は難しいのですが、会話力をつけるためには大切です。

13. 聞き返す表現

英語で会話をしていて、相手が言ったことが聞き取れないことが必ずあります。

特に相手がネイティブだと早口だったり、知らない単語があったりして、会話のところどころで「?」となってしまうこともあるでしょう。

そんなときはどうしますか?

聞き返しますか?それとも、なんとなくスルーしますか?

わからなければ聞き返す

話を止めてわざわざ聞き返すのも悪いからと、適当に流すのはやめましょう。

後になればなるほど聞き返しにくくなってしまいます。

日本語の会話でも同じですね。

英語が外国語である以上、わからないのは仕方がありません。

私の経験では、「自分の英語をわかってくれるかな」と気にかけながら話してくれるネイティブにはほとんどあったことがありません。

しかし、日常の会話であれば、「英語があまり得意じゃないから、わからなくてごめん」と言えば、相手はわかりやすいように話してくれるはずです

逆に、わからないと言わないと、わからないことをわかってもらえません。

聞き返す表現

では、どうやって聞き返したらよいのでしょうか。

「もう一度言ってもらえますか?」を英語にしてみましょう。

私が日常的によく耳にするのはこんな表現です。

・Pardon?
・(I’m) sorry?
・Excuse me?
・Could you say that again?
・Come again?

どれも語尾を上げる感じで発音します。

Pardon?はI beg your pardon?を短くした言い方ですが、日常会話では私はPardon?を圧倒的によく耳にします。

初対面の人にも年上の人にも使えるので、いちばん無難な聞き返し方かもしれません。

アメリカ英語ではPardon?よりもPardon me?の方がよく使われるようですね

他には、かなりカジュアルですが、

・What’s that?
・What was that?

もあります。

こちらは相手によっては失礼になることもあるので、あまりお勧めはしません。

「もう一度言ってください」ではなく「すみません、聞き取れませんでした」と言っても、相手はもう一度言ってくれます。

そんな場合には、

・Sorry. I didn’t catch that.
・Sorry. I didn’t catch what you said.

と言えばOKです。

たまにEh?(えっ?)やHuh?(何?)と聞き返す人もいますが、相手からすると「何か悪いこと言った?」と不安になってしまうほど強く響くので、こちらもお勧めしません。

何度も聞き返すのは気が引ける…

一度聞き返しても、それでも聞き取れないことがあると思います。

そんなときはどうするか。

もう一回くらいはPardon?と聞き返せても、それ以上は聞き返しにくいという気持ちはとてもよくわかります。

そんなときには、ちょっと言い方を変えるだけで、相手をうんざりさせなくてすむ方法があります。

それについては次の項で説明します。

14. 部分的に聞き返す表現

相手が言うことを聞き取れなかったときにどんな表現を使って聞き返すか。

ここでは一歩進んで、聞き返してもやっぱり聞き取れなかったとき、相手をうんざりさせずにもう一度聞き返す方法を紹介します。

Pardon?/Sorry?を使わない

とてもよく使われると紹介しておいて矛盾するようですが、Pardon?/Sorry?を使うのをやめてみましょう。

Pardon?/Sorry?は「もう一度言ってもらえますか?」という意味です。

この表現を使うことは、もう一度同じことを言ってもらわなければならないという負い目を感じることにもなります。

何度も聞き返すのは気が引ける…原因になってしまいますね。

そんなときには、全文を繰り返してもらわなくてすむような尋ね方をすればよいのです。

聞き取れなかった部分だけを聞き返す

相手の言うことが聞き取れなかったという場合も、全部が全部まったく聞き取れないということはそれほどないはずです。

ですから、聞き取れたところは除いて、聞き取れなかった部分だけを聞き返せばよいのです

例えば、相手がI went to…restaurant with Catherine last week, and we ate frog legs!(先週キャサリンと…レストランに行って、カエルの脚を食べた!)と言ったとして、部分的な聞き返し方を考えましょう。

次のように聞き取れなかったところだけを聞き返します。

・Iだけ聞き取れて、その後が聞き取れなかった
⇒You did what?(何をしたの?)
・I went toまで聞き取れて、その後が聞き取れなかった
⇒You went where?(どこに行ったの?)
・誰と言ったか聞き取れなかった
⇒(You went) with who?
・いつ行ったのか聞き取れなかった
⇒You went when?
・何を食べたか聞き取れなかった
⇒You ate what?(何を食べたの?)

このように、聞き取れなかった部分をピンポイントで聞き返すことで、相手も同じことを最初から言い直す必要がなくなって、会話がスムーズに運びます。

名前の聞き返し方

人の名前が聞き取れないことは、本当によくあります。

日本人にとって、外国人の名前ほど厄介なものはないと言ってもよいくらいです。

外国ではわりとよくある名前でも、早口で言われたらもうだめです。

でも、そんなときもきちんと聞き返しましょう。

英語ではThank you, John.やHi, Kate!のように、会話の中にどんどん相手の名前を入れるのが基本なので、最初に聞き逃したら後は聞き返しにくくなるばかりです。

相手の名前を聞き取れない場合は、「お名前はどうつづりますか」とスペルを尋ねるのがよい方法です。

その場合は、

・How do you spell your name?
・Could you spell your name?
・How do you spell that?
・Can you spell that for me?

などをよく使います。

名前を覚えようとしてくれている、と相手も好感を持ってくれるでしょう。

逆に、外国の人にとっては日本人の名前も厄介です。

私もほとんどの場合、How do you spell that?と聞かれるので、聞き返すことを恥ずかしがる必要はありません。

15. 話を切り上げる表現

人と話していて、会話を切り上げたいときにどうしていますか?

うまく切り上げられることもあれば、なかなか言い出せなくてズルズル長引いてしまったり…ということもあると思います。

それが英語での会話となれば、ますますハードルが高く感じてしまうかもしれません。

話を終わらせたいときのフレーズやポイントをいくつか紹介します。

会話を楽しむ文化

海外で生活するようになってから、私は接客の仕事が長かったのですが、一番楽しかったのはお客と話をする時間です。

日本の接客スタイルとは違って、海外では店員さんとお客がフレンドリーに会話するのはごく普通のことです。

それほど忙しくなければ、ずっと話しているということもあります。

ビジネスの面でそれがよいかどうかはまた別の話ですけれど。

お客も「店員さんの仕事を邪魔しちゃいけない…」と気遣うことなく、多くの人が会話を楽しんでいます。

「そろそろ行かなくては」

私自身が仕事中にお客と話したり、逆に客として店員さんと話していて感じたのは、会話を始めるのもうまいけれど、話の切り上げ方もうまい人が多いということでした。

会話を切り上げるときの定番は「そろそろ行かなくては」という表現です。

私がよく耳にするのは、

I have to go.

です。

Sorry,…(申し訳ないですけど…)を前に付けてもよいでしょう。

他にもいくつかフレーズがあります。

・I have to go now.
・I gotta go now.
・I’ve got to get going.
・I gotta get going.
・I should get going.
・I should head off.
・I’d better get going.
・I’d better go.

gottaはhave got to(~しなくてはならない)を省略したカジュアルな言い方です。

どの表現も、話が途切れたときに時計を見たりしながらさりげなく言う感じにすると自然ですが、まずWell,…(さて…)と切り出したり、It’s getting late.(遅くなってきたね)などと前置きすることで、さらに自然に響きます。

会話の切れ目に

・OK then.(さて、それでは)
・I’m off then.(それでは行きますね)

という表現も個人的にはよく耳にするように思います。

It was nice talking to you.と続ける

これらのフレーズで行かなければならないということは伝えられますが、そっけなく響く可能性もあります。

私が感じるのは、これらのフレーズの後に続ける一言が大事だということです。

特に初対面の人と楽しく会話したときにはなおさらです。

よく耳にするのは、

It was nice talking to you.(お話しできてよかったです)

です。

たとえお決まりのフレーズだとしても、こう言われるとうれしいもので、印象が違うように感じます。

あるいは、

Well, I enjoyed talking with you.(さて、お話できて楽しかったです)

なども言われてうれしい言葉だと思います。

普段からよく会っている友達には、

・See you.(またね)
・See you later.(またね)
・See you tomorrow.(また明日ね)

などの方が自然かもしれませんが、そうでない場合には「お話できてよかった」と言うのが素敵な締めの言葉でしょう。

電話ではI’d better let you go.

話を切り上げる必要があるのは対面の会話だけとは限りません。

電話で話していて「そろそろ切りたい…」という場合には

I’d better let you go.(そろそろ切りますね)

もよく耳にします。

let you go(あなたを解放してあげる)という言い方がいかにも英語らしいですね。

私が職場でお客と話していて別のお客が来てしまったときに、I’d better let you go.とお客の方から会話を終わらせてくれたこともありました。

16. メール・レターの敬辞の書き方

ビジネスメールやレターで「~様」と相手の名前を最初に書きます。

英語ではDear…(親愛なる~様)がまず頭に浮かびますね。

では、Dearに続く部分はどう書きますか?

ビジネスでは特に気を付けたい部分なので、今回は間違えて使ってしまうことも多いDearの使い方を復習しましょう。

最も一般的なDear…,

メール・レターの書き出しのDear…,やTo whom it may concern,(関係各位)は英語ではsalutation(冒頭敬辞)と呼ばれていて、これは誰に宛てた文章であるかを示します。

Dear…,は「親愛なる~様」と訳すと、友人や親しい人に対して使う気がしますが、フォーマルなビジネスレターも、必ずと言ってよいほどDear…,で始まります。

メールはレターよりもカジュアルなので、Dear…,で始まるものはグッと少なくなりますが、それでも相手に与える印象を考えて、面識のない相手にはDear…,で書き始めるのが好まれるようです(インフォーマルなメールではHi,が主流です)。

Dearで始める敬辞には4つのルールがあります。

Dear+敬称+姓+コンマ

まず、最もフォーマルなDearの使い方から。

Mike Watsonさんという男性に宛てる場合はこうなります。

Dear Mr. Watson, ⇒Dear+敬称+姓+コンマ

MrやMsなどの敬称の後には姓(last/family name, surname)だけを続けます。

ここで注意したいのは敬称です(ピリオドなしはイギリス英語)。

・男性:Mr/Mr.
・女性:Ms/Ms.もしくはMrs/Mrs.とMiss
・特定の敬称:De/Dr.やProfessor/Prof.など

相手が博士号保有者や医師、教授などDrやProfessorの場合には必ずそのタイトルを使います。

無視してMrやMsとするのは失礼と受け取られることもあるので注意します。

Dear+フルネーム+コンマ

性別が名前からはわからない場合には、想像で敬称を付けるよりも省略する方が無難です。

Dear Jessie Watson, ⇒Dear+フルネーム+コンマ

のようになります。

名前はフルネーム(名+姓)で書くことがポイントです。

Dear Watson,のように姓だけを続けることはありません。

英語では、敬称なしで姓だけを呼ぶことはほとんどありません。

Dear+名+コンマ

Dearは面識のある相手に使うこともあります。

その場合は、

Dear Mike, ⇒Dear+名+コンマ

のようになります。

Hiほどにはカジュアルではなく、フォーマルながらも親しみがある印象です。

Dear Mr. Mike,のように敬称に名だけを続けるのは誤りです。

相手の個人名がわからない場合

相手と面識がなくて個人名もわからないが、担当者や担当部署に宛ててメールやレターを送らなければならないこともあります。

担当者の名前はできる限り事前に調べることが大前提になりますが、どうしてもわからない場合の敬辞の書き方は次のようになります。

[個人宛て]
・相手が男性とわかっている⇒Dear Sir,
・相手が女性とわかっている⇒Dear Madam,
・相手の名前も性別もわからない⇒Dear Sir or Madam,
[個人宛てでない]
・担当者の係宛て⇒Dear+役職名,
・顧客宛て⇒Dear valued customer,
・部署宛て⇒Dear+部署名,
・部署を特定しない⇒To whom it may concern,

Dear Sir or Madam,やTo whom it may concern,は一見便利そうですが、誰に宛てたものかわかりにくいので、できるだけ避けるのがよいとされています。

17. メール・レターの結びの言葉

メールなどのコミュニケーションツールが発達して外国との距離も縮まり、英語でメールやビジネスレターを書くことも少なくないと思います。

メッセージの内容はさておき、最後をどのような結びの言葉で縮めるか迷ったことはありませんか?

私は最近はお客とメールでやり取りする機会も多くなり、どのような結びの言葉をどのような感じで使うのかがわかるようになりました。

レターはYours sincerely/faithfully,

ビジネスレターなどのフォーマルな手紙では、少しだけ形式が決まっています。

Dear Mr/Ms…(~様)のように個人名で始める場合、最後はYours sincerely,(敬具)で結ぶことが多く、Dear Sir or Madam,/To whom it may concern,(ご担当者様)のように、個人を特定しない場合や個人名がわからない場合にはYours faithfully,(敬具)で結ぶのが正しいとされています。

[特定の個人名宛ての場合]
・Dear Mr/Ms…, ⇒Yours sincerely,
[特定の個人名宛てでない場合]
・Dear Sir/Madam, ⇒Yours faithfully,
・To whom it may concern, ⇒Yours faithfully,

なお、アメリカではSincerely yours,(敬具)やSincerely,(敬具)がよく用いられ、Yours faithfully,はあまり使わないようです。

これらの結びの言葉の下に1行あけて、自分の名前をフルネームで書きましょう。

ビジネスメールはKind regards,

メールの場合は、レターほどかたい表現で結ぶ必要はありません。

(カジュアルすぎない)ビジネスメールなどでよく使われる「敬具」を意味する結びの言葉は、

・Kind regards,
・Warm regards,
・Best regards,
・Regards,
・Best wishes,

などです。

これらはそれぞれに個別の意味があるわけではなく、定型として使われるものですから、どれを使ってもよいでしょう

個人の好みに左右される部分が多いので、どれが正しいか神経質になる必要はありません。

個人的な印象から言うと、先方から初めて届くメールにはKind regards,が使われていることが多いようです。

そして、メールのやりとりが続くうちに、

・Regards,
・Thanks,
・Cheers,

などと簡単になっていき、ついには結びの言葉はなくなることも珍しくありません。

カジュアルメールはCheers,

友達へのメール、ビジネス以外で送るカジュアルメールの結びの言葉は、上で紹介したものだと堅苦しい感じがします。

カジュアルメールの場合は結びの言葉を入れなくてもよいのですが、入れた方が感じがよいと思うので私は入れるようにしています。

私が実際に使っている表現、よく見かける表現を挙げてみると、

・Cheers,
・Thank you,
・Thanks,
・Take care,
・See you soon,
・Keep warm,
・Have a good week!
・Have a great weekend!

のようになります。

定番のCheers,(じゃ、またね)の他に、相手を気遣うTake care,(気をつけてね)や寒い季節にはKeep warm,(暖かくしてね)もとてもよく見かけます。

さらに、週の初めならHave a good week!(よい1週間を)、週末ならHave a great weekend!(楽しい週末を)なども便利な表現です。

なお、ここまで「メール」と書いてきましたが、英語を書いたり話すときはきちんとemailという単語を使うことをお勧めします。

英語でmailは「郵便」という意味です。

emailを意味する場合もありますが、誤解を避けるためにはきちんと使い分ける方が無難です。

18. 「返事が遅くなってすみません」と書く表現

あなたはメールの返信が早い方ですか?

すぐに返事をしなくてはと思いつつ、忙しいスケジュールに追われて返信が遅くなってしまうことは私にも経験があります。

特に英語のメールの場合は、後でゆっくり返信しようと思っていると、どんどん遅くなってしまったり…

日本語なら「返事が遅くなってすみません(ごめんね)」と書けばすむわけですが、英語では何と書けばよいでしょうか。

形容詞late/delayedを使う

まずは「すみません、ごめんなさい」という謝罪ですから、I’m sorry for…(~を申し訳ありません)という表現が思い浮かぶと思います。

この後に「遅い返事」という名詞を続けるのが一番簡単です。

「遅い」は形容詞late、「返事」は名詞replyですね。

そう、「返事が遅くなってすみません」は、

・(I’m) sorry for the late reply.
・Sorry for my late reply.

です。

後にI just saw your message.を続けると「返事が遅くなってごめんなさい。今メールを見ました」と簡単に言えます。

少し改まった表現だと形容詞delayedも目にします。

delayは「遅れ、遅延」という名詞と、「~を遅れさせる」という動詞の意味があります。

この動詞の過去分詞delayedは形容詞として「遅れた」という意味になります。

したがって、

・Sorry for the delayed response.(返事が遅れてすみません)
・I’m sorry for the delay in replying.(返信するのが遅れて申し訳ありません)

のようになります。

take so longを使う

「返事が遅くなった」は、言い換えると「返事をするのに時間がかかった」ということです。

これをそのまま英語にできます。

・I’m sorry for taking so long to get back to you.(お返事するのに時間がかかってしまい申し訳ありません)
・I apologize for taking so long to reply/respond.(お返事するのに時間がかかってしまいお詫びします)

などの表現をよく目にします。

「あなたに返事する、返信する」をget back to youや動詞reply/respondで表していますが、ポイントはtake so long(とても時間がかかる)という表現です。

これで「すごく時間がかかって」というニュアンスが出ます。

take longでもよいのですが、take so longの方が断然多く使われます。

副詞sooner/earlierを使う

最後に、take so longの逆バージョンともいえる表現も紹介しておきます。

「返事が遅くなってすみません」を「もっと早く返事しなくてすみません」に言い換える方法です。

まずは「返事しなくてごめんなさい」を英語にしてみましょう。

これは簡単ですね。

・I’m sorry for not replying.
・Sorry for not getting back to you.

となります。

notの位置に注目してください。

そして「もっと早く(に)」を表す副詞を文の最後に加えます。

これが英語でスッと出てくるでしょうか。

一般的なのはsooner/earlierです。

それぞれsoon/early(早く)の比較級で「もっと早く(に)」という意味になります。

では、文を完成させます。

・I’ sorry for not replying sooner.
・Sorry for not getting back to you earlier.

「返事が遅くなってすみません」を直訳しようとすると、この発想はなかなか出てこないかもしれませんが、私の周りでは多くの人がこのsooner/earlierを使っています。

Sorry for…/I am sorry for…の使い分け

今回はSorry for…で始まる例文も多かったですね。

友達同士のカジュアルなやりとりではよくI’m がよく省略されます。

逆に、きちんとした文を書きたいとき、フォーマルな印象を与えたいときにはI’m sorry for…という省略形ではなくI am sorry for…ときっちり書く、もしくはI am sorry for…ではなくI apologize for…を使うなどのちょっとした工夫も必要です。

ビジネスでは、フォーマルなMy apologies.(申し訳ありません)もよく使います。

19. 「メールするね」と伝える表現

別れ際に「メールするね」というとき、英語ではどのように表現するでしょうか。

私が初めて海外にきたときに戸惑った表現のひとつがこの「メールする」でした。

ホストマザーから「メールしてね」と言われたのに、emailという単語はどこにもなく、最初はまったく意味がわかりませんでした。

海外生活経験のある人には当たり前のことかもしれませんが、これから英語圏で生活する予定の人はぜひ覚えておきましょう。

「メール」はemail

まずは、「メールしてね」「メールするね」の「メール」から。

書類や写真などを「メールで送ってもらえますか」というつもりでCould you send it to me by mail?と言っていたら注意しましょう。

「メールで」を直訳したby mailは「郵送で」という意味にとられる可能性が高いので、注意が必要です。

名詞mailに「電子メール」という意味がないわけではありませんが、私たちが普段「メール」と呼んでいる「電子メール」は、英語ではemailというのが普通です。

また、emailには動詞で「~を電子メールで送る」という意味もあります

「その写真をメールで送って」はSend me the photo by email.でも悪くないですが、Email me the photo.の方がスッキリしますね。

Text me.

私がホストマザーに言われた「メールしてね」の話に戻ります。

確かにホストマザーに「メールしてね」と言われたのですが、そこにはemailもmailも使われていませんでした。

何と言われたのかというと、

Text me.(携帯にメールして)

です。

当時の私はtext(~の携帯にメールする)という動詞の意味がまったくわからず、頭が真っ白になりました。

このtextは本来は名詞で、text messageとも呼ばれる、携帯電話の番号で送受信する「携帯メール」です。

日本では「ショートメール」とも言われます。

携帯電話でやりとりするメールを英語圏ではtextと呼び、メールアドレスでやりとりするemailとは区別することが多いのです。

名詞のtextは、I got a text from my ex.(別れた相手から携帯にメールが来た)のように使います。

動詞では「~の携帯にメールする」という意味になり、

・Text me.(携帯にメールして)
・I’ll text you.(携帯にメールします)
・Text me when you get home.(家に着いたら携帯にメールしてね)

のように使います。

携帯電話でのやりとりにemailの出番はありません。

英語圏では日本のように携帯電話専用のメールアドレスがないことも多いのです。

PM me.

PM me.(個人的にメッセージ送ってね)というフレーズを見かけたことはあるでしょうか。

私は初めて目にしたときに「うん?PMってPM2.5(微小粒子状物質)くらいしか知らないけど…」となりましたが、これも実はネイティブがよく使う表現です。

私はFacebookの投稿でよく見かけますが、PMとはPrivate Messageの略で、PM me.はメッセージ機能を使って「個人的にメッセージを送ってね」という意味になります

例えば、友達が「イベントをやります!」とFacebookに投稿して、最後にPM me if interested.と書いていたら「興味ある人は個人的にメッセージしてね」ということです。

逆に「個人的にメッセージ送るね」はI’ll PM you.となります。

こちらもよく使われるので、覚えておくと役に立つかもしれません。

20. 「また何かあったら連絡するね」と伝える表現

「また何かあったら連絡するね」というフレーズはとても便利です。

あなたがイベントの幹事をすることになったとします。

会場、集合時間、集合場所などが「決まったらすぐに連絡するね」というつもりで「また連絡するね」「随時連絡するね」と英語で言うとしたら、どんなふうに表現しますか?

ネイティブがとてもよく使うシンプルな表現を紹介します。

I’ll let you know.

「連絡する」を英語で言おうとすると意外と難しいですね。

辞書を調べるとcontact、communicate、inform、notifyなどの動詞が出てきますが、友達同士のカジュアルな会話ではこれらの動詞はあまり使いません。

その代わりによく耳にする表現のひとつがこれです。

I’ll let you know.(あとで知らせるね)

これはとにかくよく使うので、絶対に覚えておきたいフレーズです。

youをmeに変えてLet me know.とすれば「知らせて(教えて)ね」という意味になり、これもよく使います。

I’ll keep you posted.

同じように、「進展があったら連絡するね」「最新の情報を逐一お知らせします」と言いたいときにはこんな表現を使います。

I’ll keep you posted.

これは、何かしら情報のアップデートがあれば連絡します、というニュアンスになります。

カジュアルな会話だけでなく、ビジネスでも使える便利な表現です。

動詞postは「~を投函する」という意味でご存知かもしれません。

でも、英英辞典にはこんな別の意味が示されています。

keep somebody posted=to regularly give somebody the most recent information about something and how it is developing(何かについて、またその進展状況について最新の情報を人に定期的に連絡する)

keep sb posted=to make sure that someone always knows what is happening(何が起きているかを常に人に知らせる)

(Please) keep me posted.

逆に「進展状況を逐一教えてね」「情報のアップデートをよろしくね」といたい場合にも動詞postが使えます

keep you postedのyouをmeに変えて

(Please) keep me posted.

でOKです。

シンプルですね。

「~について」と何の情報かを示したい場合には前置詞on…を後に付けますが、会話の流れの中で何の情報かが明らかな場合にはKeep me posted.だけで通じます。

動詞postを英和辞典で調べて見ると「(人に)新情報を知らせる」という意味が載っています。

でも、その日本語の意味だけを覚えるのではなく、I’ll keep you posted./Keep me posted.のようにフレーズを口に出して覚えてしまいましょう。

そうすると、いざというときにスッと口から出てくるはずです。

新しい表現は、実際に使うことを意識して身につけましょう。

21. ファーストネーム社会

私が海外暮らしを始めた当初はまったく慣れなかったのが「お互いの(姓でなく)名を呼び合う」ことです。

これは英語圏で生活するなら必ず付いてまわる習慣です。

日本とは少し違うけれど、とても大切な「名を呼び合う」ことについて考えてみましょう。

ファーストネームが基本の社会

日本では、友達や特に親しい人とのコミュニケーションを除いては上の名前、つまり性(苗字)で人間関係が成り立っています。

オフィスでも、住んでいる生活圏でも人は姓で認知されます。

初対面の人に自己紹介するときも、例えば「鈴木と申します」のように姓で名乗ります。

しかし、海外ではオフィスでも生活圏でも姓ではなく、多くの場合は名、つまりファーストネームで呼び合います

初対面の人に名乗るときも、I’m John.(ジョンです)のようにファーストネームを言います。

簡単な名であればよいのですが、あまり馴染みのない名だと聞き取って覚えるのが本当に大変です。

そして、この習慣が現地での生活に意外な難しさを生みます。

ファーストネームがどんどん増えていく

日本はファーストネームではなく姓で名乗る社会なので、覚える名前の数が少なくてすみます。

例えば、山田花子ちゃんのお父さんが花子ちゃんの友達の親に自己紹介するとします。

お父さんは「花子の父です」とか「山田です」というでしょう。

自己紹介された側からすると、そこでお父さんの名を新しく覚える必要はありません。

田中さんの奥さんが田中さんの同僚にあいさつするときは「はじめまして、田中の妻です」と言うでしょう。

自己紹介された同僚はもちろん「田中」という姓はすでに知っているので、ここでも新しく名を覚える必要はありません。

でも、海外では違います。

Davidくんの父親のJohnさんが自己紹介するときはI’m John.です。

そして、Johnさんの奥さんが名乗るときはHi, I’m Kate.となります。

自己紹介された側はJohnとKateという2つのファーストネームを覚えなければなりません。

これが人間関係が広がるたびに繰り返されます。

何が言いたいのかというと、ファーストネームで呼び合う社会では、覚えなければならない名がどんどん増えていくわけです。

そして、もっと大きな習慣の違いが日本人を苦しめます。

ファーストネームを呼び合う社会

相手の名を口に出して呼び合う習慣、これが最大のクセものです。

日本では「おはよう(ございます)」というあいさつは普通です。

でも、海外の習慣では、Morning, John.(おはよう、ジョン)やHow are you, John?(元気ですか、ジョン?)などといちいちファーストネームを加えます

Thank you, John.(ありがとう、ジョン)のように、毎日頻繁に使うThank you.にも名を入れて言うことが多いのです。

先日はこんな光景を目にしました。

カフェでコーヒーを飲んでいたら、私の横でtakeaway(持ち帰り)用コーヒーを注文したお客(A)がバリスタ(B)と立ち話をしていました。

そして、話の最後に2人の間でこんなやりとりがあったのです。

A:I’m Matt, by the way. Nice talking to you.(ところで、マットといいます。お話できてよかった)
B:I’m Richard. Nice talking to you, Matt.(リチャードです。お話できてよかったですよ、マット)

2人で自分のファーストネームを名乗ったうえで、最後にバリスタがお客の名前をちょっと強調して繰り返しながら、お互いガッチリ握手です。

意識して習慣づける

お客と店員さんがちょっとした言葉を交わすことは海外では日常です。

そして、そこから少し会話が発展すると、お互いに名乗って認知し合うという習慣があるように思います。

したがって、きちんと相手の名前を呼ぶ、そのための前提として相手のファーストネームを覚えることは重要です。

日本語にはない習慣なので、最初は意識して身につけることが大切です。

英語でのコミュニケーションの基本表現―Part 1―

英語でのコミュニケーションの基本表現―Part 1―

1. Hello./Hi.の使い分け

英語の日常のあいさつと言えばHello.(こんにちは)とHi.(やあ)ですね。

この2つの違いは何でしょうか。

英語を特に勉強したことがなくても感覚的にわかるような気もします。

でも、実は辞書にも載っていないことが多い、そして日本人にはわかりにくいHello./Hiの使い分けがあるのです。

Hello./Hi./Hey./Hiya.の違い

せっかくなので、Hello./Hi.以外のあいさつ表現としてHey.(やあ)とHiya.(やあ)も併せて考えてみます。

すべて日常的なあいさつとして使います。

厳密に言えばHello.は一番フォーマルです。

ちょっと改まってあいさつするとき、スピーチの冒頭などではHello.が多く使われます。

Hi.はもう少しカジュアルで、同僚や友達、身内などに対して使うことが多いのですが、カジュアルな接客の店などでも頻繁に耳にします。

Hey.はカジュアルなあいさつとして使えますが、少し品位に欠ける響きがあります。

「ちょっと!」と人を呼び止めるときにも使うので、あいさつでは避ける方がよいかもしれません(相手との親しさ、声の調子にもよります)。

Hiya.は書き言葉で使うことはあまりない、Hi.よりもさらにカジュアルなあいさつです。

女性がよく使います。

同じ表現の繰り返しを好まない

英語では、同じ単語や言い回しを繰り返し使うことを好みません。

これは書き言葉で特に顕著なのですが、会話の中でも同じ言い回しばかり何度も使っていると表現力に欠ける印象を与えてしまうこともあるようです。

日本語でもそうですね。

文の最後に「~です」だけを繰り返していると単調になって、表現力に疑問を持たれてしまいます。

英語では同じ表現の繰り返しを好まない傾向が特に強く、日本語の場合以上にネイティブは抵抗を感じるようです。

そこで、Hello.と言われたらHello.とおうむ返しで答えるのではなく、Hi.とかHiya.と表現を変えることが多いのです。

Hello.にはHi.で、Hi.にはHello.で

実際に、以前の職場で接客の際にHello.なりHi.とあいさつして、お客が何と答えるか注意深く聞いてみました。

すると、かなりの確率でHello.と言えばHi.かHiya.、Hi.と言えばHello.と返ってきました。

Hello.に対してHello.、Hi.に対してHi.と返ってくることはほとんどありませんでした。

顔なじみになれば店員さんが親しげにHi./Hiya.と声をかけてきたり、初対面でもHi.と言われることも珍しくありません。

日本の店員さんとお客の距離感とは違う気がします。

でも、Hello.と言われたらHi.と表現を変えて答えるというのは、日本語にはない感覚です。

日本語で「こんにちは」と言われれば、たいてい「こんにちは」と答えます。

こんな違いも面白いですね。

皆さんも、英語で話すときにはHello./Hi.の使い分けをぜひ意識してみてください。

2. Hi, there./Hello, there.のthereの意味は?

Hi, there.(やあ)というあいさつを耳にしたことはあるでしょうか。

私は最初は知らなかった表現ですが、店やカフェなどで店員さんにHi, there.と声をかけられることがとても多いのです。

なぜこんなところにthereが出てくるのでしょうか。

このthereはどんな意味なのでしょうか。

なぜわざわざthereを付けるのか

Hi, there.があいさつの表現であることは、Hiで始まることからもわかると思います。

声の調子にもよりますが、とてもフレンドリーに響く表現で、お店などでよく耳にします。

例えば、カフェで注文の順番待ちをしていて、いよいよ自分の番になったらレジの店員さんから、

Hi, there. What would you like?(こんにちは。何になさいますか?)

と言われたりします。

衣料品店で商品を見ていると店員さんが寄ってきて、

・Hi there. Do you need any help at all?(こんにちは。お手伝いしましょうか?)
・Hello, there. Are you all right?(こんにちは。お手伝いしましょうか?)

のように声をかけられることもあります。

Hi, there./Hello, there.はHi./Hello.ということです。

では、なぜわざわざthereを付けるのでしょうか?

「そこのあなた」ではない

副詞thereには「そこに、そこで」という意味がありますから、私は最初はHi, there.は「そこのあなた」という意味かと思っていました。

でも、そうではなかったのです。

このthereはこんな意味でした。

used to attract somebody’s attention(人の注意を引くために使われる)
used as an indefinite substitute for a name(名前の代わりの漠然とした名称として使われる)

このthereは特に意味はなく、相手の注意を引くための呼びかけとして使うわけですね。

Hi, there.で「やあ」ぐらいの感じです。

そして、興味深いのは2番目の説明にあるsubstitute for a name(名前に代わるもの)という定義です。

あいさつには名前を添える

私は、この定義を見たときに、とてもしっくりきました。

英語のあいさつでは、相手の名前を添えることが本当に多いのです。

Hi, John./Hello, Diana.という感じですね。

相手の名前がわかっている場合は、Hi./Hello.の後に相手の名前を続けてあいさつするのが普通です。

でも、店員さんはもちろんお客様一人ひとりの名前を覚えているわけではありません。

そこで、Hi, there./Hello, there.と言うことが多いのかもしれません。

面識のある人に対しても使うことがあるそうですが、私はほとんど耳にしたことがありません。

初対面の人からのフレンドリーなあいさつとして耳にすることが圧倒的です。

Hi, there.とあいさつされたら、Hi./Hello.で答えればよいのです。

ちなみに、このあいさつはメールでも使われます。

面識のない人からのメールやメールマガジンなどでは、Hi./Hello.よりカジュアル、フレンドリーに響くあいさつとしてHi, there.という呼びかけをとてもよく目にします。

3. 「久しぶりですね」と伝える表現

誰かと会ったとき、最初に英語で何とあいさつしたらよいのか悩んでしまうものです。

その相手が長い間会っていなかった人だとしたら、なおさらです。

日本語では「久しぶりですね」という場面で、英語では何と言えばよいのでしょうか。

ほとんど耳にしないLong time no see.

「久しぶりですね」という英語表現として、多くの人が最初に思いつくのはLong time no see.だと思います。

私もそうでした。

しかし、海外生活を始めてから「ネイティブは本当にLong time no see.を使うのかな」と疑問に思うようになりました。

実際にLong time no see.と言われることがほとんどないからです。

前の職場で働いていたとき、日常的にほとんど顔を合わせる機会のない役員がいました。

会うときはいつも「久しぶり」だったわけですが、その人の口からLong time no see.を聞いたことは一度もありませんでした。

また、常連のお客がしばらく顔を見せず、久しぶりに来たときにはLong time no see.ではなく、別の表現を耳にすることが多かったのです。

では、それはどんな表現なのでしょうか。

「久しぶり」には現在完了形が合う

「久しぶりですね」というあいさつで私がよく耳にするのは、

・It’s been a while.
・It’s been (such) a long time.

です。

どちらの表現も後に…since we last met.(最後に会ってから)という語句が省略されているのですが、ここで注目したいのは動詞がhas beenという現在完了形になっていることです。

現在完了形を使うことによって「今まで長い間ずっと」というニュアンスが出るので、「久しぶりです」にぴったりくるわけです。

あるいは、

・I haven’t seen you in a while.
・I haven’t seen you in ages.
・I haven’t seen you for ages.

などを使う人もいます。

直訳すれば「長い間会っていませんね」ということから、「久しぶりですね」という意味になります。

ここでも現在完了形を使っています。

特にagesを使って「何年も」と大げさに言う表現は友達同士でとてもよく使います。

「久しぶりですね。元気にしていましたか?」の「元気にしていましたか?」も現在完了形を使って、

How have you been?

がしっくりきます。

現在形のHow are you?は「元気ですか?」と現在の状態を尋ねるのに対して、How have you been?は過去から現在までの期間を意識した表現です。

さらに、

What have you been up to?

も「最近どうしていましたか?」という近況を尋ねるフレーズとして、とてもよく使います。

親しい人に使えるLong time no see.

ところで、Long time no see.は文法的におかしいと感じませんか?

これは、もともと中国語を話す人たちが英語を話す人たちとビジネスをするときに使っていた表現で、中国語で「久しぶり」を意味する「好久不見」を英語に直訳したものだそうです。

英語の文法に当てはめて説明できないのも当然かもしれませんが、そのまま現在に至っています。

英語で書かれたサイトで、Long time no see.は「コミカルに響くので、フォーマルな場面では使わない」と書いているものがいくつかありました。

ただ、親しい人に対しては問題なく使えるようです。

Long time no see.から派生した表現にLong time no speak. / Long time no talk.などがあります。

友人がメールでHi! Long time no speak.と書いてきたときはギョッとしましたが、他の友達も使っていました。

こんなカジュアルな表現があるということは知っておいてよいかもしれません。

また「久しぶり」という日本語にとらわれずに、

Good to see you again.(また会えてうれしい)

と表現してもよいでしょう。

まずは自分でしっくりくる表現をひとつ使ってみて、そこから少しずつバリエーションを増やしていくのがよいと思います。

4. Nice to meet you. / Nice to see you.の使い分け

Nice to meet you.(はじめまして)もNice to see you.(会えてうれしいです)も人に会ったときのあいさつに使います。

ただ、きちんとした使い分けが必要です。

meet/seeはどちらも動詞で「~に会う」という意味がありますが、どのような使い分けが必要でしょうか。

初対面限定のNice to meet you.

Nice to meet you.は初対面の人に対して使うあいさつの表現で、「はじめまして」と訳されます。

一方、Nice to see you.は副詞again(再び)を後に付けたりして、すでに会ったことがある(つまり面識のある)人に再会したときのあいさつに使います。

それはなぜでしょうか。

すでにあったことのある人になぜNice to meet you again.と言わないのでしょうか。

実は、そうは言えない理由があるのです。

meet/seeはここが違う

meetは「会う約束をして会う」、seeは「偶然に会う」。

そんなふうに理解していないでしょうか。

次の例文を見てください。

・Meet me at the office at 3 p.m.(オフィスで3時に会いましょう)
・I saw him at the station.(駅で彼を見かけました)

なるほど、上の理解で正しそうですね。

でも、seeは次のようにも使います。

・I’ll see you at 3 p.m.(3時に会いましょう)
・I’m going to see my grandma.(祖母に会いに行きます)

約束しているのか、偶然なのかでmeet/seeを使い分けるのではなさそうです。

しかし、meetとseeには決定的な違いがひとつあります。

英英辞典のmeetの定義はこうなっています。

make the acquaintance of (someone) for the first time(初めて誰かと知り合う)

meetは「~と知り合いになる」という意味です。

Nice to meet you.は「お知り合いになれてうれしいです」という意味になるので初対面の相手にしか使えません。

すでに面識のある人にNice to meet you.と言ってしまうと、相手は心の中で「以前にお会いしましたけど…」とつぶやいてしまうかもしれません。

Nice you meet you again.という言い方ができないはずですね。

「初めて会う」のにagainはありえませんから。

次にseeの定義を見てみましょう。

meet (someone one knows) socially or b chance(知っている人に付き合いとして、あるいは偶然に会う)

seeは「知っている~に会う」という意味です。

Nice to see you (again).は面識のある相手にしか使えません。

なお、イギリス英語ではNice to meet you. / Nice to see you.をLovely to meet you. / Lovely to see you.ということもあります。

出会いを表すmeet

ネイティブは、meetに「会う」という意味だけでなく、「~に初めて会う」というニュアンスを感じるようです。

カップルに知り合ったきっかけを尋ねるときには、

Where did you two meet?(2人はどこで出会ったの?)

を使います。

Where did you two see?とは言いません。

「そのレストランで初めて彼女に会ったんだ」という意味でI met her at the restaurant.とは言いますが、I saw her at the restaurant.とは言いません。

「~に初めて会う」は必ずmeetを使うと覚えておきましょう。

5. 初対面での名前の尋ね方

初対面の人に英語で名前を尋ねるときはどのように言いますか?

「なるべく失礼のないようにMay I…?を使って尋ねましょう」と教えられた気もします。

人と初めて会ったとき、あるいは電話でも必ず相手の名前を尋ねる必要が出てきます。

ここでまた基本に戻って考えましょう。

まず自分から名乗る

まずは、これまでに習ったMay I have your name?(お名前をうかがえますか?)のような「丁寧に相手の名前を尋ねる表現」を一度忘れましょう。

丁寧な表現を使うより、実はもっと大切なことがあります。

それは、自分から先に名乗ることです。

いくら丁寧な表現で名前を尋ねたとしても、自分は名乗らずに相手に名前を尋ねることは、残念ながらあまりよい印象を与えません。

いきなりMay I have your name?と尋ねるのではなく、

Hi, I’m Taro.(こんにちは、太郎です)

と自分から名乗るのがスマートです。

そして、手を差し出して握手を求めるのもよいでしょう。

そうすれば、相手はHi, I’m John.と返してくれるはずです。

わざわざ名前を尋ねる必要はありません。

Hi, I’m Taro, and you are…?(こんにちは、太郎です。あなたのお名前は…?)

と最後の部分の言葉を濁しながら言っても、相手はI’m John.と返してくれるはずです。

自己紹介なしで始まる会話

海外暮らしを始めたころ、日本との違いに驚いたことがありました。

それは、初対面の相手ともすぐに打ち解けて、おしゃべりがはずんでしまう人が少なくないということです。

公園で、カフェで、あるいは飛行機の中で、隣の人とかなり親しそうに話してると思ったら、知り合いではなく、たまたま話していただけという場面に何度も遭遇しました。

そんなときにはたいてい、たわいもない話題から始まるので、わざわざ名乗って自己紹介をする機会はないかもしれません。

でも話の途中や最後で名乗ることもあります。

そんなときには、

By the way, I’m Taro.(ところで、私は太郎です)

と言いながら笑顔で握手を求めると自然です。

意外とよく使うWhat’s your name?

What’s your name?(お名前は何ですか?)は失礼な尋ね方といわれますが、意外とよく使います。

ホテルや企業の受付などの改まった接客ではMay I have your name (,please)?をよく使いますが、それ以外の場面では多くのネイティブがWhat’s your name?と尋ねます。

コーヒーショップで注文時に名前を聞くことがありますが、その場合もWhat’s your name?が多く使われます。

個人的な印象としては、自分が名乗る必要がない接客などの場面ではWhat’s your name?を一般的に使うように思います。

電話で「どちら様ですか?」と相手の名前を尋ねる場合には、

・May I ask who’s calling, please?
・Who am I speaking to?

などをよく耳にします。

同じ「どちら様ですか?」でも、玄関や部屋のドア越しに尋ねる場合は、

Who is it?

となります。

聞いた名前は必ず口に出す

相手の名前を聞いたら、とにかく口に出しましょう。

自己紹介で相手の名前を聞いたときには、

Nice to meet you, John.(はじめまして、ジョン)

のように答えて相手を名前で呼びかけることはとても大切です。

名前が聞き取れなかったり、忘れてしまった場合にはできるだけ時間を置かずに、

Sorry, what was your name again?(すみません、お名前は何とおっしゃいましたか?)

と確認します。

名前を思い出せずにうやむやにしてしまうよりも、もう一度尋ねる方が失礼になりません。

What was your name again?と過去形で尋ねることも忘れずに。

6. 初対面での会話に役立つ表現

日本は海外からの旅行者が激増していますね。

先日、街の中心から近いビーチ沿いの公園に娘を連れて出かけたときのこと。

他にもたくさん子供が来ていて、何人かのお母さん、おばあちゃんと話す機会がありました。

そこでよく聞かれた「ここに住んでいるの?それとも旅行中?」など、初対面の人との会話のきっかけになる表現を紹介したいと思います。

日本国内で海外からの旅行者と話す機会があったとき、海外旅行先で人と話す機会があったときに役立ててもらえればうれしいです。

まずは定番の質問から

まずは、日本国内でも海外旅行先でも定番の「このあたりに住んでいるのですか?それとも旅行中ですか?」という質問です。

私は見た目バリバリのアジア人ですから、この質問を受けることが少なくありません。

私がよく耳にするのはこんな表現です。

Do you live here, or are you visiting?(ここに住んでいるのですか、それとも旅行中ですか?)

これは「ここに住んでいますか?」と「旅行で来ているのですか?」を合体させた表現ですが、それぞれ別の言い方もあるので、いくつか紹介したいと思います。

「この辺に住んでいるのですか?」

「この辺に住んでいるのですか?」「地元の方ですか?」と尋ねるには、次のような表現があります。

Do you live here?(ここに住んでいるのですか?)

この表現はhereが何を指すかがあいまいで、地域や国を指すと理解されることもあります。

・Do you live around here?(このあたりに住んでいるのですか?)
・Do you live near here?(このあたりに住んでいるのですか?)

といえば、近くに住んでいるのかどうかを尋ねていることがはっきりします。

・Are you from here?(ここの出身ですか?)
・Are you from around here?(このあたりの出身ですか?)

という表現も、出身地に限らず「この辺に住んでいるのですか?」「地元の方ですか?」と尋ねる場合にも使います。

「旅行中ですか?」

「旅行中ですか?」を英語にするとまずAre you travelling?を思いつくかもしれません。

でも、個人的な印象で言うと、こう聞かれることは少ないように感じます。

もっとよく耳にするのがすでに出てきた、

Are you visiting?(旅行(滞在)中ですか?)

です。

これで「(旅行などで短期間)滞在中ですか?」となります。

Are you on holiday?(休暇中ですか?)

もわりとよく耳にします。

アメリカ英語ではAre you on vacation?となりますね。

Where are you from?には注意が必要

注意してもらいたいのがWhere are you from?(ご出身はどちらですか?)という表現です。

これは初対面の人にいきなり尋ねるべきではないデリケートな質問です。

海外出身者のように見えても、その国に長く住んでいる可能性もあるからです。

雑談の中で自然にそんな流れになったら尋ねるというのがスマートだと思います。

また、その場合にもまず自分の出身について話してから質問するのがよいと思います。

まずはAre you from around here?と尋ねる方がよいでしょう。

7. 別れのあいさつの基本

人と会って別れるとき、日本語では「じゃあね」「またね」「さよなら」などとあいさつします。

では、英語ではどんな表現を使うでしょうか。

私がよく耳にするフレーズを中心に、別れのあいさつをいくつかまとめてみます。

個人の好みや地域性もありますが、参考になればと思います。

Bye.系のあいさつ

私が日常生活で一番よく耳にする別れのあいさつはBye.(さよなら、それじゃね)です。

友達、ビジネスの相手、店員さん、お客など、誰に対しても使えるのでどれも便利です。

次に紹介するSee you.(またね)系のフレーズの後にBye.で締めくくることも多いので、出番が多いのかもしれません。

学校では別れのあいさつとしてまずGoodbye.(さようなら)を学んだと思います。

実は普段の会話ではほとんど耳にしません。

とてもフォーマルで、かしこまった表現だからです。

個人的な印象としては、年配者が親しくない人に使う感じでしょうか

また、再び会うことのない相手との別れの際に使うことが多い表現です。

Bye-bye.(じゃあね)は子供っぽい表現とよく言われます。

確かに子供に対して使うことはあっても、大人同士の間で使っているのは耳にしたことがないように思います。

しかし、「バイバイ」ではなく「ババイ」という発音でなら、特に女性が使っている印象があります。

また、電話を切る前のあいさつに使うこともあります。

電話ではBye now.(それじゃ)もよく耳にします。

See you.系のあいさつ

See you.(それじゃあまた)はよく知られているあいさつだと思います。

I’ll see you.を略した表現ですが、再び会う可能性がない相手に対しても使います

後にlater(後で)/ soon(すぐに)/ tomorrow(明日)などの語句を続けるバリエーションがたくさんあるのがこの表現の特徴です。

See ya.(じゃあね)はとてもよく耳にするSee you.のくだけた言い方です。

とてもカジュアルな表現なので、ビジネスでは控える方がよいかもしれません。

See you later.(またね)も親しい者同士でよく使うカジュアルなあいさつです。

直訳すると「また後でね」ですが、laterは数時間後、明日、明後日、1週間後、そのうちいつか、など特にいつとは決まっていない、曖昧な未来を指します。

再び会うかどうかわからない相手に対しても使いますが、その可能性がない人に対しては使いません。

See you soon.(またね)も同じです。

See you+日付・曜日・時間など

次にいつ会うか予定がはっきりしている場合には「じゃ、また~に会おうね」という表現をよく使います。

・See you tomorrow.(じゃあ、また明日ね)
・See you in the morning.(じゃあ、また明日の朝ね)
・See you next week.(じゃあ、また来週ね)
・See you (on) Monday.(じゃあ、また月曜日に)
・See you next Saturday.(じゃあ、また来週の土曜日に)
・See you in two weeks.(じゃあ、また2週間後に)

さらに、会う約束をした後すぐに「じゃ、またね」という場合には、

・See you then.(じゃあ、その時に)
・See you at three.(じゃあ、3時に)
・See you at the party.(じゃあ、パーティーで)

次回の予定が決まっていなくても、

See you sometime next week.(じゃあ、また来週のどこかで)

これらはすべてI’llが省略されています。

I’ll see you tomorrow.のように省略しないで言っても構いません。

Cheers.

イギリス英語でよく耳にする表現がCheers.(じゃあね)です。

カジュアルな表現ですが、親しい者同士や、メールの締めとしてもよく使います。

以上の表現は単独で使うこともあれば、組み合わせて、

See you later. Bye.(じゃあ、またね)

のように言うことも多くなります。

8. Have a nice day.で締めくくる

親しい仲間と遊んで家に帰るときの別れ際に、どんな言葉であいさつするかは学びました。

ところが、国が違えば別れ際もちょっと違って面白い、そんな話をしましょう。

とにかく長い別れ際

先日、こんな別れ際に遭遇しました。

バスを待っていたとき、目の前でカップル2組4人が立ち話をしていました。

その4人が「今日は会えてよかった」などと口々に言い出したので、「あ、そろそろ別れるんだな」と想像していると、その別れ際が長いこと。

It was great seeing you, guys.(みんな、会えてよかったよ)

と言いながらハグし合って…とそこまでは普通です。

日本ではめったに路上でハグしませんが、海外では会ったときにハグ(特に久しぶりに会ったとき)、そして別れるときもハグは当たり前の光景です。

その4人もカップル同士でハグした後、See you guys.と言って反対方向に歩き出しました。

ところが、2組は何度も振り返ってはSee ya. Love you.(またね。愛してるよ)と声をかけ合い、最後にHave a good day.(=よい一日を)で締めるまで延々とそのやりとりを繰り返しました。

ここまで長い別れ際にはなかなかお目にかかれないと感じた出来事でした。

ぜひ使いたいHave a nice day.

日本では人と別れる際に「よい一日を」と言葉をかけることは少ないと思います。

テレビの朝の番組で司会者が「それでは皆さん、今日もよい一日を」と言うくらいでしょうか。

でも、海外では別れ際に「よい一日を」が付き物です

See you later.(それじゃ、また)と言った後に、

・Have a nice day.
・Have a good day.
・Have a great day.

私は日本を離れてから、なかなかこれに慣れませんでした。

ついついSee you later.と言っただけで終わってしまいます。

それで悪いわけではないのですが、相手から先にHave a nice day.と言われて「あっ、また忘れてた」と気付くことがよくありました。

我が家の隣に住むご家族の旦那さんはとてもフレンドリーで、会ったら必ず話しかけてくれるのですが、彼も別れ際に必ず、

・Have a nice afternoon.(楽しい午後を)
・Have a lovely evening.(楽しい夜を)

などと言ってくれます。

こんなふうに言われると、それだけでうれしくなります。

お店でもよくSee ya. Have a nice day.と言われます。

とてもポジティブな感じがして、私は良い文化だなと思います。

Have a nice day.と同じ意味で、

Have a good/nice one.

もわりとよく耳にします。

「oneって何?」とうろたえないように、覚えておくとよいかもしれませんよ。

Have a nice day.などは誰もが知っているフレーズだと思いますが、使うタイミングがわからなかったり、タイミングを逃してしまうと使えずに終わったりします。

別れ際にひとことHave a nice day. / Have a good one.と、今日から使ってみませんか。

9. 「お疲れさま」と声をかける表現

日本語の生活では欠かすことのできない「お疲れさまです」という表現。

みなさんも普段から使っているはずです。

私も日本で働いていたときは、出社から帰宅するまで数えきれないほど使っていました。

そんな「お疲れさま」は英語で表現できるのでしょうか。

「お疲れさま」は英語に訳せない

改めて考えてみましょう。

「お疲れさま(です・でした)」はどんなときに使うでしょうか。

(1)廊下やエレベータで同僚、上司に会ったとき
(2)同僚、上司と電話で話すときのあいさつとして
(3)大きな仕事をやり終えた人をねぎらうとき
(4)仕事を終えて帰宅する人へのあいさつとして

「お疲れさま」はいろいろな場面で使われますね。

本来は相手の疲れを気遣って使う表現だったのでしょうが、相手の疲労に関係なく、あいさつとして定着している気もします。

では、こんな便利な「お疲れさま」を英語に訳せるでしょうか。

残念ながら、「お疲れさま」に相当する便利な表現は英語にはありません

場面や状況に応じてふさわしいフレーズを使い分ける必要があります。

Hi.で済ませる

廊下やエレベーターで同僚、上司に会ったときの「お疲れさまです」は単なるあいさつと考えてよいでしょう。

したがって、英語ではHi.(こんにちは)か、Hi,…と相手の名前を続けて言うだけですから簡単です。

そして、How’s it going?((今日は)どうですか?)やHow are you? / How are you doing?(元気ですか?)のように続けます。

同僚、上司と電話で話すときのあいさつもHi.で済みます。

Hi, John. It’s Taro here.―Hi, Taro. How’s it going?(「やあ、ジョン。太郎ですけど」「やあ、太郎。調子はどう?」)

のように簡単に挨拶してから、すぐに用件に入ります。

Great work.とねぎらう

大きな仕事をやり終えた人をねぎらう場合にも、次のような表現が「お疲れさま」に相当します。

・Great work.
・Good work.
・Great job.
・Good job.
・Well done.
・Great effort.

いずれも「よくやりましたね」というほめ言葉としてよく使います。

チームで大きな成果を上げたときには、後にeveryone(みんな)やteam(チーム)を続ければ「みんな、よくやったね」となります。

相手の「疲れをねぎらう」というよりは「成果や努力をほめる」感じです。

See you tomorrow.とあいさつする

日本の職場では、勤務時間を終えて「お先に失礼します」と声をかけると「お疲れさまでした」と返ってきます。

英語圏ではシンプルに別れのあいさつだけです。

定番は

・See you tomorrow.(また明日)
・Have a good evening.(楽しい夜を)

などですが、金曜日には

Have a great/good weekend.(よい週末を)

ということが多いですね。

直訳できない文化・習慣の違い

本来は仕事の疲れを思いやってねぎらう「お疲れさまです」をそのまま日常のあいさつとして使う習慣が、英語にはありません。

英語のHi./Hello.は同僚や上司に対しても使いますが、日本語の「こんにちは」を職場で使うことは少ないでしょう。

場面や相手によって「お疲れさまです」と「ご苦労さまです」を使い分ける必要もあります。

こうした違いは文化・習慣の違いです。

言語は文化や習慣と切り離せないので、外国語の学習は外国の習慣や文化を知ることにもつながります。

さらに、それが日本語の使い方を見つめ直すきっかけにもなります。

英語に訳しにくい日本語は、その日本語の使い方やニュアンスを考えることで意外な答えが見つかったりします。

10. 会話のきっかけの見つけ方

みなさんの中には英会話スクールなどで話す英語を学んでいる人も多いと思います。

教室ではインストラクターがその日の話題を提供してくれたりして、英語での話のきっかけもつかみやすいものです。

しかし、実際にコミュニケーションの場では、軽くあいさつを済ませても、How are you?(元気ですか?)から先に話が進まない、話題に困ってしまうという悩みがあるものです。

そんな悩みの解決策を考えてみましょう。

まずは天気の話から

どんな相手に対しても使えて、一番簡単な話題は天気です。

特別に気の利いたことを言わなくても、寒い日だったら「今日は寒いね」とか「部屋の中は暖かいね」など、簡単な文で話のきっかけを作れます。

ただし、ひとつ重要なポイントを外さなければ。

単にIt’s cold today.(今日は寒いです)でも伝わるとは思います。

では、この状況を日本語でイメージしてみましょう。

「今日は寒いです」という事実を淡々と言われるのと、「今日は寒いねー」と感情を込めて言われるのとでは、後者の方が会話が進みそうな気がしませんか?

英語も同じです。

相手に会話のためのボールを投げるつもりで、感情を込めてIt’s sooo cold!(なんて寒いんだろ)と言ってみたり、Cold today, isn’t it?(今日は冷えますね)と話を振れば、相手も「最近寒いですよね。このあいだの大雪で転んじゃって…」などと、話を先へ広げてくれるかもしれません。

相手の情報を引き出す

ただ、毎回天気の話ばかりではワンパターンになりがちです。

でも、他に何を話そうかと心配する必要はありません。

会話する相手は目の前にいるわけですから、そこから糸口を見つけましょう。

相手の話の引き出しをひとつ開けてみるわけです。

例えば、週明けに人と会った場合は、

How was your weekend?(週末はどうだった?)

と尋ねてみます。

午後に人と会ったら、

How’s your day been? Busy?(今日はどう?忙しい?)

と聞いてみましょう。

相手について差し障りのない簡単な質問をするわけです。

そうすれば「このところなんだか忙しくてね」などと、何かしら答えてくれるはずです。

会話のキャッチボールが始まります。

自分のことを話してみましょう。

相手をほめる

相手をほめる。

これは本当に簡単で、効果は絶大です。

人をほめることに慣れていないと、最初は少し違和感があるかもしれませんが、服装やアクセサリー、持ち物など、相手のセンスがうかがえる点を何か一つほめてみましょう。

私は以前、灰色の生地にトトロの顔が書いてあるTシャツを着ている人に出会ったので何気なく、

I like your T-shirt.(素敵なTシャツですね)

と言ってみたところ、本人お気に入りのデザインだったようで、「いいでしょう!トトロ知ってる?」とすごい勢いで話しかけられたことがありました。

あるいは、

・I like your tie.(そのネクタイ、いいですね)
・That looks good on you.(それ、似合いますよ)
・Your hair looks great.(髪型、すごくいいね)

など、ほめるものは何でもよいのです。

「実は彼女からもらったんだ」などと、ちょっと照れながら話してくれるかもしれません。

とにかくI like your…とほめてみましょう

親しくない人にいきなり服装のことを言って失礼にならないかなどと心配しなくても大丈夫です。

人からほめられれば、誰だってうれしいものです。

特に初めて会う人だったりすると、お互いに少し緊張して何を話してよいのかわからない、というのはよくあることです。

日本語の場合も同じことがよくありますが、誰もが適当に切り抜けていきます。

それが英語でのやりとりになってしまうと、急に不安が重くのしかかってきて、何を話したらよいのかわからなくなってしまうわけです。

最初から難しいことを話す必要はありません。

簡単な一言で始めてみましょう。

11. 会話がはずむ相づちの打ち方

英語で話していて、いまいち会話がはずまないと悩むことはありませんか?

私は日本で英語を勉強していたとき、相手の言っていることは何となく理解できても、気の利いた相づちが打てなくて会話が長続きしないというのが大きな悩みでした。

その後海外で働いてお客と話す機会も増えるようになってから、相手が会話の間にどんな相づちをはさんでくるのか必死で盗んでみました。

相づちの定番表現

相づちの筆頭と言えば、みなさんご存知の、

Really?

があります。

でも、何度もReally?を連発するのは芸がありません。

そんなときは、

Is that so?(そうですか?)

なども使えます。

「いいね!」と言いたいときには、

That’s great!

があります。

形容詞greatをawesome/wonderful/amazing/fantasticなどに置き換えることで変化をつけられます。

相手に同意したいときは、

・I think so, too.(私もそう思う)
・You’re right.(そのとおりです)
・(That’s) true.(確かにそうですね)

などもよく聞きますが、もっと感情を込めて「まさにそのとおり!」と言いたいときには、

・Exactly!
・Totally!

なども使えます。

That’s terrible!(それってひどい!)

も場面によっては使えそうです。

Yes.を多用しない

覚えておきたいのは、相づち代わりにYes.を多用しないということです。

yes, yes, yes…と繰り返したくなる気持ちはわかるのですが、そこは我慢して違う表現で置き換えてみましょう。

・Of course.(もちろん)
・Sure.(確かに)

などもありますが、

Absolutely!(そのとおり!)

をぜひ使ってみてください。

相づちのバリエーションを増やすだけでなく、感情を込めて反応することによって、相手がもっと話したくなるようなムードを作ることも大切です。

一番簡単な疑問形相づち

最後に紹介するのは、疑問形で返すだけの相づちです。

このパターンの相づちは実はとてもよく使われていて、私はこれが一番簡単な相づちだと思います。

例えば、こんな感じです。

・I went to Paris last month.―Did you?(「先月パリに行きました」「そうでしたか」)
・I drink beer every day.―Do you?(「毎日ビールを飲みます」「そうですか」)

相手が言った文に時制を合わせる必要があるので、慣れるまでは少し難しく感じるかもしれませんが、相手の発言をしっかり聞いて練習を重ねれば、意外と簡単です。

以前お客にChilly, isn’t it?(肌寒いですね)と話しかけたらYes, it is. Isn’t it?(寒いですね、本当に)と返ってきたことがあって笑いそうになりましたが、これは使えると思ってからよく耳を澄ましていると、海外ではこの手法がよく使われていることに気がつきました。

英語のMagic Words

英語のMagic Words

1. No, thank you./Yes, please.をきちんと使う

先日カフェでコーヒーを飲んでいたのですが、座った席がたまたまレジの近くでした。

お客と店員さんのやりとりを何気なく観察していると、あることに改めて気付きました。

それはThank you.(ありがとう)とPlease(お願いします)の大切さです。

英語によるコミュニケーションを考えるうえで、まずは基本から始めましょう。

英語のMagic Words

英語圏での生活経験がある人はご存知かもしれませんが、英語ではThank you.とpleaseを日常的によく使い、耳にしない日はないくらいです。

日本語では、「ありがとう」という意味で「すみません」ということもあります。

でも、英語で「ありがとう」はあくまでもThank you.であって、Sorry.ではありません

また、日本語ではわざわざ「ありがとう」と言わないような場面でもThank you.を使い、とにかく出番が多い表現です。

そして、それと同じくらいpleaseもよく使います。

断るときにはNo, thank you.

「Thank you.という表現をよく使いますか」と問われれば、「使っています。」何かしてもらったら必ずThank you.と言います」と答える人も多いと思います。

確かに、何かしてもらった時にThank you.と感謝の気持ちを伝えることは最低限のマナーでしょう。

では、それ以外の場合はどうでしょうか。

何かを断るときにもきちんとThank you.を使えているでしょうか。

Would you like…?(~はいかがですか?)/Do you want…?(~がほしい?)と質問されると、(頭ではわかっていても)ついYea/Noだけで答えてしまう人も多いのではないでしょうか。

しかし、Noと答える場合にも、後にthank youを続けて、

No, thank you.(いいえ、結構です。ありがとう)

と答えることがコミュニケーションの基本です。

私がカフェで観察していたときも、Would you like your receipt?(レシートはいりますか?)と毎回尋ねる店員さんに対して、「いりません」と答えるお客も必ずNo, thank you.と答えていました。

この表現以外に、

・No, I’m all right.(いいえ、結構です)
・No, I’m good.(いいえ、大丈夫です)

を使っているお客もとても多かったのですが、いずれにしても後にThank you./Thank.を続けることが多いのです。

お願いするときにはYes, please.

では、次にpleaseです。

「please=どうぞ」ではありません。

Do you mind if I sit here?(ここに座っても構いませんか?)と聞かれて、「どうぞ」と答えるつもりでPlease.と言ってしまいそうになるかもしれませんが、この場合はPlease.は使いません。

pleaseは「どうぞ」と勧めるのではなく、「お願いします」という依頼の意味で使うことが断然多いのです。

例えば、店で何かを注文するとき、日本語ではよく「~をください」と言いますが、わざわざ「~をください。お願いします」とは言いません。

「ください」にpleaseの意味が含まれているからでしょう。

あるいは、自宅で家族に「お茶飲む?」と聞かれたら、「うん、飲む」と答えることもあります。

「うん、飲む。お願いします」とはあまり言いませんよね。

でも、英語ではこのような場合にpleaseを付けることが基本中の基本です。

意外に思うかもしれませんが、Would you like…?/Do you want…?の答えがYesの場合にはほぼ確実に、

Yes, please.(はい、お願いします)

を使います。

子供がYes.とだけ答えたりすると、親はたいていWhat’s the magic word?(ほら、なんて言うの?)と促して、その子にYes, please.と言い直させます。

たとえ家族であろうと、お願いをする場合にはYes, please.が当たり前なのです。

対極の意味を表す丁寧な表現

No, thank you.とYes, please.は同じくらい頻繁に使います。

人からの申し出を断るときにはNo, thank you、申し出を受けるとき、あるいはお願いする場合にはYes, please.が基本と考えてください。

この2つは対極の意味を表す丁寧表現です。

簡単すぎて何を今さらと思うかもしれませんが、日常会話の基本中の基本としてNo, thank you./Yes, please.を見直していただければと思います。

2. 必ず覚えておきたいpleaseの使い方

Thank you.(ありがとう)と並ぶ英語のMagic Word(魔法の言葉)がplease(お願いします)です。

この単語は、丁寧にお願いするときに使うと考えて間違いではありませんが、それだけではpleaseの本来の使い方を誤解してしまうことがあります。

必ず覚えておきたい2つの使い方

私は、日常生活で必ず覚えておきたいpleaseの意味と使い方は次の2つだと思います。

①used to make a request more polite(依頼をもっと丁寧にするために使われる)
②used when accepting something politely or enthusiastically(丁寧に、あるいは大喜びで申し出を受けるときに使われる)

丁寧な響きを強めるplease

pleaseはまず、何かを依頼する際に、丁寧な響きを強めたいときによく使われます

レストランで食事中に水が欲しくなったとします。

接客係にExcuse me, water please.(すみません、水をお願いします)と言っても、もちろん通じます。

でも、pleaseを付けていても丁寧な表現ではありません。

実は、pleaseの役割は、依頼する表現に付け加えて、丁寧な響きを強めることです。

ですから、まず第一に依頼する表現をきちんという必要があります。

例えば次のような表現です。

・Could/Can you…?(~していただけますか/~もらえますか)
・Would/Will you…?(~していただけますか/~もらえますか)
・Could/Can I…?(~してよろしいですか/いいですか)

これらにpleaseを付けることで「お願いします」という意味が強まって、丁寧な響きが強まるわけです。

名詞にpleaseを付けるだけでは丁寧になりません。

Can I have some water, please?(お水をください、お願いします)

のように依頼すれば丁寧になります。

申し出を受けるplease

口語英語に慣れていないと忘れがちなpleaseがこれです。

相手からの申し出を受けるときに使います。

相手が何かを申し出てくれたり、提案してくれたときに、ネイティブは必ずと言ってよいほどpleaseを使います。

・Would you like some more tea?―Yes, please.(「もう少し紅茶をいかがですか?」「お願いします」)
・Do you need a bag?―Yes, please.(「袋は必要ですか?」「お願いします」)
・What would you like to drink? Tea, coffee, or water?―Uh, coffee, please.(「何をお飲みになりますか。紅茶、コーヒー、お水がありますが」「ええと、コーヒーをお願いします」)

のような感じです。

Yes, please.(はい、お願いします)は決まり文句としてそのまま覚えておくとよいでしょう。

3番目の例文のように、いくつかの選択肢の中から選ぶように言われた場合は「名詞+please」で答えても構いません。

しかし、自分から「~をください」と頼む場合には、Could/Can I have…(,please)?のように丁寧な表現を使う方がよいと思います。

「Please+命令形」には注意が必要

注意したいのが「Please+命令形」の使い方です。

英語の命令形は主に、相手にとって利益になるとき、言われたとおりにするのが自然なとき、規則を表すときに使います。

そこにpleaseを付けて「どうぞ~してください」となります。

・Please come in.(どうぞお入りください)
・Please have a seat.(どうぞお座りください)
・Please let us know if you need any further assistance.(さらに助けが必要な場合はお知らせください)
・Please do not touch.(触れないでください)

のような感じです。

Please reply as soon as possible.(至急お返事をお願いします)のように、相手への依頼を「Please+命令形」で言うと、相手にNoと断る余地を与えず威圧的な響きになることがあります。

Could/Would you…?/Would you mind…?(~していただいてよろしいですか?)など依頼の表現を使う方がよいでしょう。

3. Thank you./Thanks./Thank you very much.の使い分け

Thank you.(ありがとう)という表現には、Thanks/Thank you very much.という言い方もあります。

これらの表現はどのように使い分けるのでしょうか。

Thank you very much.はThank you.の丁寧な言い方なのでしょうか。

意外と耳にしないThank you very much.

「日本人はThank you very much.を使いすぎる」という指摘が著名なネイティブの方が書いた本にあるようです。

私も同じように感じることがあります。

日本人ならThank you very much.と言いそうな場面でも、実際にはThank you.で済ますことが多く、Thank you very much.って最近言われたのはいつだった…?と、なかなか思い出せないくらいです。

その代わりに、とにかくよく耳にするのはThank you./Thanks.です。

Thank you.の温度差

では、なぜThank you very much.はあまり耳にしないのでしょうか。

私はそこには「Thank you.の温度差」があるのではないかと思います。

・Thank you.(ありがとう)
・Thank you very much.((丁寧な)ありがとう、ありがとうございます)

でも私が感じるネイティブの使い分けは次のようになります。

・Thank you.((丁寧な)ありがとう、ありがとうございます)
・Thank you very much.(本当にありがとうございます)

ちょっとズレがありますね。

これが「Thank you.の温度差」です。

日本人がよくThank you very much.を使うのに対し、ネイティブは普段の生活でそう頻繁には使わない理由はこの温度差があるのではないかと思います

基本はThank you./Thanks.

最も一般的な感謝を伝える表現がThank you.です。

実は、この表現自体がすでに丁寧な言い方です

例えば、建物に入るときに、前を歩いていた人がドアを押さえてあなたが来るのを待っていてくれたら、Thank you very much.と言いたくなるかもしれません。

しかし、後に続く人のためにドアを押さえて待つことは、英語圏では自然に行われるマナーです。

このような一般的な親切や助力に対してはThank you./Thanks.を使うことが多いのです。

Thanks.は(友人や同僚など)親しい人々に対して使いますが、世間一般の人々に対して「ちょっとした事柄」について感謝する場合にも使います

例えば、カフェや店頭でお釣りやレシートをもらったりしたときですね。

少しカジュアルな印象です。

インターネットで買い物をしたときに店から送られてくるメールでは、Thank you for your order.(ご注文いただき、ありがとうございます)のようにThank you.が一般的です。

Thank you very much.はまず見かけません。

日本語の感覚では、お客に対してThank you.だけでは丁寧さが足りない気がするかもしれませんが、ここでvery muchはちょっと大げさな感じがします。

特に強い感謝を表すThank you very much.

では、そのThank you very much.の使い方です。

日本語で「本当にありがとうございます」という場面を思い浮かべてみてください。

例えば、道に迷ってしまい、通りがかりの人に行き方を尋ねたら、途中までわざわざ連れて行ってくれたとします。

このように、相手が自分のためにわざわざ骨を折って何かをしてくれたときによく使うのがThank you very much.です。

あるいは、困っている時に助けてくれた場合などです。

特に強く感謝の気持ちを伝えるときに使います。

相手がお客様だから、目上だからという、日本語の敬語とは使い方が異なります。

Thank you very much.はフォーマルに響くので、普段の会話では少しよそよそしい印象を与えることがあるかもしれません。

そんなときには、

Thank you so much.(本当にありがとうございます)

を使うと、ややカジュアルになって気持ちが通じやすくなります。

4. ネイティブらしいThank you.の使い方

日本語の会話でも普通に使うThank you.ですが、ネイティブが使っているのを聞いていると、ただのThank you.も、ちょっとした工夫でネイティブらしくなることに気付きました

相手の名前を後に続ける

友達に何かをしてもらったときにThank you.は反射的に口から出てくると思います。

そのとき、ネイティブは、

Thank you, Yoko.(ありがとう、陽子)

のように、かなりの頻度で相手の名前を後に続けます

日本語では「ありがとう」の一言で済ませることが多いので、最初は慣れないかもしれませんが、ぜひ試してみてください。

相手はきっと親しみを感じてくれるはずです。

余談ですが、バスの乗客が降りるときには、Thank you, driver!(ありがとう、運転手さん)と声をかけて降りていきます。

それもかなり多くの人がそう言っています。

何に感謝するか伝える

次に、英語の授業でも学んだThank you for…を使って、「~してくれてありがとう」と何に感謝するかを具体的に伝えます。

例えば、何かを手伝ってもらったときに、

Thank you for your help.(手伝ってくれてありがとう)

友達が「コーヒー飲む?」と聞いてくれたら、

I’m good, but thanks for asking.(私は大丈夫。でも、聞いてくれてありがとう)

ホームパーティーでは、招かれた人がホストに対して、

Thank you for having me.(招いてくれてありがとう)

というのもよく耳にします。

就職面接などで、わざわざ自分のために時間を割いてもらったときには、

Thank you for your time.(お時間をいただき、ありがとうございます)

も使います。

そして、何かをしてもらったときの軽い感謝には、

Thank you for that.((それ、)ありがとうね)

のように、Thank you for…は頻繁に使います。

いつもThank you.の一言で済ませずに、何に感謝するかを具体的に言ってみましょう。

グンと生きた感じの英語になってきます。

Sorry.ではなくThank you.

日本語では感謝の言葉として「すみません」ということがあります。

お礼はThank you.です。

Sorry.は謝罪や同情を表すときに使います。

路上で前から来る相手に道を譲ってあげたときにSorry.が返ってくることはめったにありません。

普通はThank you.と言われます。

使うべきでない場面でSorry.と言ってしまうと、Sorry for what?(何を謝ってるの?)と聞かれることもあります。

相手に感謝する場合はSorry.ではなくThank you.です。

どんどん使いましょう。

5. Thank you.への答え方

英語ではThank you.(ありがとうございます)を本当によく使います。

単にThank you.と言うこともあれば、理由を具体的に述べて感謝するThank you for…(~をありがとうございます)もとてもよく使います。

それほどよく使うということは、相手から言われる機会も多いということです。

Thank you.と言われたときの答え方をまとめてみます。

You are welcome.ではなくYou’re welcome.

学校では「Thank you.と言われたらYou are welcome.と答える」と学びました。

そして、You are welcome.は「どういたしまして」という意味だと学んだように思います。

私は「You are welcome.と答えると、ちょっと上から目線になってイヤミに聞こえる」と聞いたことがありました。

でも、私の周囲のネイティブは普通に使います。

ただし、You’re welcome.という短縮形です。

You are…とはっきり言うことはあまりないように感じます。

接客してくれた店員さんにThank you.と言うと、You’re welcome.と返ってきますし、道を教えてくれた人にThank youと言うと、You’re welcome.と返ってきます。

「~してあげたのだから感謝されて当然」という上から目線で言っている雰囲気はありません。

「あなたのThank you.を受け止めましたよ」くらいのニュアンスでしょうか。

カジュアルすぎない、ほどよく丁寧な表現なので、一番使いやすいのではないかと思います。

もっと丁寧な言い方として、次の表現も使います。

・You’re very welcome.
・You’re most welcome.
・You’re more than welcome.

「どういたしまして」のバリエーション

日本語で「ありがとう」と言われたときに毎回「どういたしまして」と答えるわけではありません。

「いえ」「いえいえ」「いいえ」とか「こちらこそ」ということも多いと思います。

英語でも同じです。

Thank you.に対する答え方はYou’re welcome.だけではありません。

思いついたものを挙げてみましょう。

・No problem.
・Not a problem.
・No worries.
・That’s OK.
・That’s all right.
・Not at all.
・Don’t worry about it.
・Don’t mention it.
・(It’s)my pleasure.
・Anytime.
・You bet.(カジュアル表現)
・Sure.(カジュアル表現)

あえて日本語訳はつけませんが、「問題ないです」「気にしないで」「いいですよ」「いつでもどうぞ」など、どれもThank you.に答える表現です。

Not at all./Don’t mention it.は、個人的には他の表現に比べて日常生活ではあまり耳にしないように感じます。

ただ、それほど神経質に「この場面ではどれを使うのが正解かな?」と悩む必要はありません。

ひとつだけが正しいということはありません。

Thank you.には必ず言葉で答える

どの場面でどの答え方が最適なのかと悩んで沈黙してしまうと、Thank you.と言った相手も困ってしまいます。

それでは本末転倒です。

Thank you.と言われたらYou’re welcome.でも何でもいいから答える→慣れてきたら違うパターンも入れてみる、でよいと思います。

感謝の言葉には言葉で答えることが大切です。

お礼に対して無言でいることが失礼なのは日本語の場合と同じです。

そして、自分からも積極的にThank you.を使いましょう。

そうすると、相手がどう答えるかも観察できて、それが上達の近道になります。

こんな表現も使える

私がよく耳にするのはダントツでNo worries.です。

これは、No problem./Not a problem.のように「たいしたことではありません」というニュアンスで答えるカジュアルな表現です。

ニュージーランドやオーストラリアで特によく使われるフレーズですが、アメリカでも使われているようです。

Thank you.と言われて、「いやいや、こちらこそありがとう」と言いたいときには、

Thank YOU.(こちらこそ、ありがとうございます)

という答え方もあります。

youを強く発音して強調することで、相手への感謝の気持ちを返すことができるので、私はこのフレーズが好きです。

6. Thank you.を使わない感謝の表現

英語で「ありがとう」は基本的にThank you.ですが、英語は日本語以上に相手に対する感謝を口に出して言うことが多いと思います。

そこで、ワンパターンにならないように、いろいろな感謝の表現を覚えておきましょう。

動詞appreciateを使う

感謝を伝える表現でよく使うのが動詞appreciateです。

「~に感謝する」という意味で、後には人(感謝する相手)ではなく物事(感謝する事柄)が続きます

ビジネスの英語でよく使いますが、日常的にもよく使う便利な動詞です。

・I really appreciate it.(本当にありがとうございます)
・Thank you. I appreciate it.(ありがとうございます。感謝します)
・Thank you so much for your help. I really appreciate it.(助けていただいて、大変ありがとうございます。本当に感謝しています)
・I appreciate your help.(ご協力ありがとうございます)
・I appreciate your advice.(助言していただいて、ありがとうございます)
・I would appreciate it if you could/would…(~していただけるとありがたく思います)

また、受動態で物事(感謝する事柄)を主語にして…is much appreciated.という形でも使います。

(It’s) much appreciated.(ありがとうございます)

形容詞kindを使う

もっと簡単な単語を使って「ありがとう」と伝えることもできます。

それは「親切な、やさしい」という意味を表す形容詞kindを使う言い方で、

That’s (very) kind (of you to…).

です。

この表現は、「~してくれるとはご親切ですね」という意味で学校でも学んだのではないでしょうか。

ただ、その使い方がよくわからないという人も多い気がします。

使い方は簡単です。

「頼んだわけではないのに、相手がわざわざ~してくれた」というときにピッタリの表現なのです。

この「頼んだわけではないのに」がポイントです。

頼んだわけではないのにしてくれたのは「親切」からの行為ですから、形容詞kindを使えるのです。

Thank you.だけではそっけないかなと感じたときに役立つ表現ですね。

以前に働いていたカフェでは、セルフサービスではないのに、多くのお客が飲み終わったコーヒーカップをカウンターに持ってきてくれました。

そして、Great coffee. Thank you.(コーヒー、美味しかったよ。ありがとう)と言って帰っていきます。

とても良い習慣だと思ったので、私もカフェに行ったときに同じようにすると、

Oh, that’s very kind of you.(ああ、どうもご親切にありがとう)

と言われたりします。

あるいは、海外旅行のお土産を渡したときなどに、

That’s very kind. You shouldn’t have. Thank you.(わざわざありがとう。こんなことしてくれなくてもよかったのに。ありがとう)

と言われることもあります。

日本語で「ご親切にありがとうございます」「わざわざどうもありがとう」という場面で気軽に使ってみましょう。

形容詞sweet/gratefulを使う

kindと同じ意味を表す形容詞sweetを代わりに使うこともできます。

同僚がコンビニに買い物に行ったついでに飲み物を買ってきてくれたら、

That’s (very) sweet of you.(わざわざありがとう)

と言えば、喜んでいる気持ちが伝わります。

また、日常会話ではあまり耳にしませんが、「感謝して、ありがたく思って」という意味の形容詞gratefulを使って、

・I’m grateful for…(~していただいてありがとうございます)
・I’m grateful to you for…(~していただいて、あなたに感謝しています)

のように言うこともできます。

感謝の気持ちは具体的に言えば言うほど丁寧になり、相手に伝わりやすくなります。

7. No, thank you.を使わない断りの表現

「結構です」「必要ありません」「いや、大丈夫です」と何かを断る場面を想像してください。

レストランで飲み物のお代わりを勧められたとき、店頭で「レシートはいりますか?」と聞かれたとき、「飲み物を買ってこようか?」と言われて「ううん、大丈夫」と断るときなどに、No, thank you.以外にどんな表現が使えるでしょうか。

No, thank you.の意外な難しさ

「結構です」と断るときにNo, thank you.と言うと冷たく響くという意見があります。

でも、ネイティブは実際にNo, thank you.を使います。

ただ、言い方と、言うときのトーンが意外と大切なので、私たちのようなノンネイティブにとってはなかなか難しい表現のような気がします。

さらに、No, thank you.はレストランやお店でサービスを断る場合によく使い、友人や知人が「~しましょうか」とわざわざ言ってくれたときには別の表現を使って断ることも多いように思います。

やわらかく断るNo, I’m fine.

No, thank you.以外で一番よく耳にする、やわらかな断りの表現がこれです。

・No, I’m fine.(いいえ、結構です)
・Would you like some water?―No, I’m fine. Thank you.(お水はいかが?―いいえ、結構です。ありがとう)

I’m fine.は学校では「元気です」という意味で学んだと思います。

しかし、実際の会話ではNo, I’m fine.(いいえ、私は大丈夫です)の形でNo, thank you.の代わりに使うことが断然多くなります。

No, thank you. I’m fine.のようにも言います。

No, thank you.の後にI’m fine.と続けることで、相手にやわらかく響きます。

That’s fine.と答えるネイティブもいますが、これは「はい、それでいいです」「いいえ、結構です」のどちらにも解釈できるので、No, that’s fine.と言えば断ることがはっきりします。

カジュアルに断るI’m good.

カジュアルな言い方では、

I’m good.(大丈夫です、結構です)

もよく使います。

I’m good.も「元気です」という意味の表現として知られていますが、英英辞典には形容詞goodについてこんな意味も載っています。

used to tell someone that you have everything that you need(必要なものはすべてそろっていると伝えるために使われる)

形容詞satisfied(満足して)の意味に近いので「(もう)いりません」となるわけです。

若い人たちが使うことが多いように思いますが、とてもよく耳にします。

goodの代わりにOK/all rightも使います。

断りを表すDon’t worry about…

カフェで働いていたときにとてもよく耳にした表現がもうひとつあります。

Don’t worry about…(~は結構です)

です。

Don’t worry.はI’m sorry.(ごめんなさい)に答える表現としても使いますが、「気にしないで」という意味です。

そこから「~は結構です」という断りの表現としても使うわけです。

例えば、Would you like your receipt?(レシートはいかがなさいますか?)と聞かれて、

Don’t worry about it.(いえ、結構です)

と答えたり、支払いをしながら、

Don’t worry about the receipt.(レシートは結構です)

と言います。あるいは、

Don’t worry about the change.(おつりはいりません)

のように言えば、かっこよく響くかもしれません。

Thank you.を続けると丁寧に響く

わざわざ「~しましょうか」と申し出てくれた人に対して断る場合には、日本語でも、「いえ、大丈夫。ありがとう」と言いますね。

英語でもそれは同じです。

上で紹介したI’m fine./I’m good.は単独でも使えますが、やはりThank you./Thanks.を続ける方が相手に気持ちが伝わります

断る理由を一言添えることも丁寧になります。

8. Excuse me.とひと声かける

「すみません」は日本語のMagic Word(魔法の言葉)です。

道に迷って近くの人に尋ねたいとき、通路を人が塞いでいて通れないとき、会話中の人に至急の用事で声をかけたいとき、レストランで注文をしたいとき…こんな場面で「すみません」の一言で何を求めているかを伝えられます。

では、英語ではどのように声をかけるでしょうか。

「ちょっとすみません」のExcuse me.

上記のような場面で使うのはExcuse me.です。

日本語では「すみません」と訳しますが、謝罪の表現ではないので「ちょっとすみません、失礼します」の方がニュアンスを理解しやすいと思います。

ほとんどの場面が「すみません」だけで片付く日本語と違って、Excuse me.は意外と使い方が難しいかもしれません。

Excuse me.は、人に声をかけて注意を引きたいときに使います。

知らない人に道を尋ねたり、時間を尋ねるときですね。

急いでいるので道を通してもらう、立ち話をしている人が道を塞いでいて通れないというときにも使います。

この場面で使うExcuse me.が一番多いのではないかと思うくらい、私はよく使います。

通行人を通すために道の端によけたり、邪魔にならないようにする習慣を身につけている人が多い日本と違って、道を塞いで立ち話、通行人が来ても道を譲らないということがよくあるのです。

そんなときは「なぜ脇によけてくれないの」とイライラせずに、Excuse me.と一言声をかけます。

そうするとOh, sorry.(あっ、失礼)と言いながら道をあけてくれます。

Thank you.と気持ちよく答えて通りましょう。

これが日本なら、すべて「すみません」で済んでしまいますね。

やっぱり魔法の言葉です。

それからExcuse me.は途中で席を外したり、(偶然に体が触れたり、くしゃみをしたときなどの)軽い非礼を謝るときにも使います

マナー違反にもなるExcuse me.

飲食店などで「すみませーん」と大きな声で店員さんを呼ぶ光景は日本で珍しくないと思います。

しかし、海外で外食する際は気を付けましょう。

超高級レストランでなくても、声を大きくしてExcuse me!と離れたところにいる接客係を呼ぶのはマナーに違反します。

では、用があるときはどうしたらよいのでしょうか。

目線を送って、気付いてもらえたら軽く手で合図します。

近くに接客係がいるときはExcuse me.と小さく声をかけて構いません。

どうしても気付いてもらえないときは、自分から近づいていきます。

日本では当たり前のような行動が実は海外ではマナー違反だったり、日本の常識が他の国では通じなかったりします。

英語を学んでいくうえで、そうした文化の違いにも気付くようにしたいものですね。

なお、会話中の人に急ぎの用事で声をかけるときにはExcuse me.でもよいのですが、よく使う表現がもうひとつあります。

(I’m) sorry to interrupt.(お話し中のところ、失礼します)

です。

動詞interruptは「~を遮る、中断させる」という意味です。

覚えておくと便利ですよ。

9. ネイティブらしいI’m sorry.の使い方

一声かけるために使うExcuse me.(ちょっとすみません)に対して、I’m sorry.(ごめんなさい)は謝罪の表現としてご存じだと思います。

この表現もネイティブは巧みに使いこなします。

使えるとぐっと表現力が高まる形容詞sorryの活用法を見ていきましょう。

軽い謝罪、失礼を表すSorry about that.

学校で学んだ記憶はないように思うのですが、日常生活でとてもよく使う表現に、

Sorry about that.(すみません、ごめん)

があります。

例えば、カフェで接客中の店員さんがすぐに注文を受けられないときにI’ll be with you in a minute.(すぐに伺います)などと言って接客を終わらせてから、Sorry about that.と言いながら注文を聞いてくれたりします。

他にも例を挙げていくときりがないほど、「ごめんなさいね」と軽く謝るときに使われます

I’m sorry about…/I’m sorry for…の使い分け

Sorry about that.は日常生活でとてもよく使いますが、実は自分の責任を認めて謝罪する意味では使いません

その理由は、次の2つの文の違いにあります。

・I’m sorry about the mess in my room.(部屋が散らかっていてごめんなさい)
・I’m sorry for what I said to you yesterday.(昨日言ったことは申し訳なかったです)

さて、この2つの文の違いは何でしょうか。

最初の文はI’m sorry about…を使い、「部屋が散らかっていること」を謝っています。

次の文はI’m sorry for…を使い、「昨日の自分の発言」を謝っています。

どちらも謝罪を意味しています。

しかし、I’m sorry about…は状況に対して謝っているのに対して、I’m sorry for…は「自分がした行為」を謝っているのです。

この違いが前置詞about/forの使い分けに表れています。

基本的にI’m sorry about…もI’m sorry for…も謝るときに使いますが、forを使う方が自分の非や責任を全面的に認めて謝罪する表現になります

「お気の毒に」のI’m sorry.

I’m sorry.の形容詞sorryは「すまなく思って、後悔して」という意味ですが、さらに「気の毒に思って」という意味もあるのです。

・I’m sorry to hear your mother is unwell.(お母さんの体調が悪いと聞いてお気の毒に思います)
・I’m so sorry to hear about your daughter.(娘さんのこと、大変お気の毒です)

のように使います。

会話ではもう少し短い、

I’m sorry to hear that.(それはお気の毒に)

が、残念な知らせなどを聞いたときに答える表現です。

同情して「~はかわいそうに」と言いたい場合には、

I feel sorry for him/her.(彼/彼女はかわいそうに)

となります。

近親者に不幸があった人に対してお悔やみの気持ちを伝える、

I’m so sorry for your loss.(お悔やみ申し上げます)

にもsorryを使います。

10. I’m sorry.への答え方

Thank you.(ありがとう)と言われたときだけでなく、Sorry.(ごめんなさい)と言われたときにも返事をするのがマナーです。

でも、何と答えたらよいのか一瞬迷うことがあります。

すぐに何か言わなくてはと思っても、答え方がわからなければ言葉が出てきません。

これを機に覚えてしまいましょう。

「大丈夫です」のバリエーション

待ち合わせをしていて、約束の時間に5分遅れて現れた友達が「遅れてごめんね」と言われたら何と答えますか。

長時間待たされたわけではないのだから、「ううん、大丈夫」というのではないでしょうか。

あるいは、電車で知らない人に足を踏まれて「すみません」と言われたら、「いえ」などと答えると思います。

大きな迷惑をかけられたのでなければ、相手の気持ちの負担を軽くするような言葉を返すことが基本になるでしょう。

それは英語でも同じです。

Sorry.と言われたら、次のように答えるでしょう。

・That’s/It’s all right.
・That’s/It’s OK.
・No problem.
・No worries.
・Don’t worry about it.

どれも「大丈夫です、気にしないで」という意味でよく使います。

相手もSorry.と言えばこれらの答えが返ってくと予想しています。

単にNo.と返されたり、返事がなかったりすると、落ち着かないでしょう。

謝る必要などありませんよ」という意味を込めて答えたいときには、こんな表現も使えます。

・Don’t be (sorry).(謝らなくていいですよ)
・It’s not your fault.(あなたの責任ではありません)
・(There’s) no need to apologize.(謝る必要はありません)
・You don’t need to apologize.(謝る必要はありません)
・I’m the one who should be sorry.(謝るのは私の方です)

Sorry.の温度差

以前働いていた職場のレストランで、ネイティブではない新人の接客係が料理を出す際にお客の衣服にソースをこぼしてしまいました。

I’m so sorry.(大変申し訳ありません)と謝る接客係に、幸い、その常連客はNo problem. It’ll come out.(シミは取れるから大丈夫だよ)と笑顔で言ってくれたのですが、接客係はその後もお客にSorry.を繰り返してしまいました。

きちんと謝って許してもらえた後もSorry.を言い続けると、逆に相手を不快にさせてしまうことがあります。

謝罪の気持ちを伝えて、気持ちよくIt’s OK./Don’t worry.と受け入れてもらえたら、それ以上Sorry.を繰り返す必要はありません。

ノンネイティブがI’m terribly sorry.(大変申し訳ありません)と言ってしまいそうな場面でも、ネイティブはSorry.の一言で一件落着ということもあります。

このあたりは文化の違いで興味深いなと思ったりします。

11. sorryを使わない謝罪の表現

先ごろ、YouTubeで話題になったBBCニュースの動画がありました。

韓国政治が専門の大学教授が自宅からスタジオにいるキャスターと生中継で真剣な議論をしているときに、愉快な珍事件が起きて番組の進行がストップしてしまいます。

そのときに大学教授が再三謝ったのですが、そのフレーズを紹介します。

丁寧な謝罪を表すMy apologies.

まずはBBCニュースで登場した謝罪の表現が次の3つです。

・Sorry.(すみません)
・Pardon me.(失礼しました)
・My apologies.(申し訳ありません)

どれも「すみません」という謝罪の表現ですが、このMy apologies.というフレーズを耳にしたことはありますか。

「謝罪する」という意味の動詞がapologize、その名詞形がapology(複数形:apologies)です。

そこから、My apologies.は「お詫びします、すみません、申し訳ありません」という意味になります。

丁寧でフォーマルな感じなので、特にビジネスでよく使います。

取引先へのメールの返信が遅れたりしたときなどによく使うので、覚えておくとI’m sorry.の繰り返しから抜け出します。

単数形apologyと複数形apologies

ここで、apologyの意味を英英辞典で見てみましょう。

a word or statement saying sorry for something that has been done wrong or that causes a problem(してしまった悪いこと、問題を引き起こす事柄について謝罪する言葉や発言)

となっていますが、実は注意しなければならないことがあります。

I’m sorry.の意味で使う場合には、必ずMy apologies.と複数形にします。

・My apologies. I seem to have misplaced the book you lent me.(申し訳ありません。お借りした本をなくしたようです)
・My apologies for delay in replying to your email.(いただいたメールへの返信が遅くなって、すみません)

のような感じです。

さらに、次の表現はビジネスメールやレターで好まれる、丁寧でフォーマルなものです。

Please accept our (sincere) apologies for any inconvenience caused.(ご不便をおかけして(心より)お詫び申し上げます)

もちろんapologyは単数形でも使われて、「謝罪」という意味になります。

・I owe you an apology.(あなたに謝らないといけません)
・I received a letter of apology from the company.(その会社から謝罪の手紙が届いた)

12. Pardon?/Pardon me.

pardon(~を許す;許しという単語を一度は聞いたことがあると思います。

では、Pardon?(何と言いましたか)/Pardon me.(すみません)はどうでしょうか。

Pardon?もPardon me.もよく耳にするので、実際にどのように使われているのかを紹介します。

聞き返すPardon?

まずはPardon?からです。

相手が言ったことが聞き取れなかったり、意味がよく分からなかったりして「何と言いましたか?」と聞き返すときによく使います。

アメリカ英語ではPardon me?とも言うようですが、イギリス英語ではもっぱらPardon?です。

I beg your pardon?(何とおっしゃいましたか?)は丁寧な表現ですが、かしこまりすぎている印象があったり、「何ですって?」のように怒りや不快な気持ちで聞き返すときにも使うので、単純に聞き返すならPardon?で十分だと思います。

「もう一度言ってください」と聞き返す表現には、

・(I’m) sorry?
・What’s that?
・Excuse me.
・Could you say that again?

などもあります。

Pardon me.はExcuse me.と同じ

動詞pardonには「(人や行為)を許す」という意味があるので、失礼なことをしてしまったとき、これから失礼になりそうなことを言ったりしたりするときに、Pardon me.(失礼しました、失礼します)を使います

Excuse me.(失礼しました、失礼します)と同じ意味ですが、Pardon me.の方が丁寧でフォーマルに響きます

個人的な印象では、年配の方がよく使っています。

・Oh, pardon me. I wasn’t looking where I was going.((人にぶつかって)失礼しました。ちゃんと前を見ていなかったので)
・Pardon me for interrupting you, but I have to go.(お話し中に申し訳ないですが、もう行かなくてはなりません)

また、相手が言ったことを訂正したり、反対するときの丁寧な前置き表現としても使います

Pardon me, but I don’t understand.(失礼ですが、理解できません)

イギリス英語でのPardon me.

イギリス英語でPardon me.をとてもよく使う場面、それはおならやげっぷをしてしまったときです。

これもExcuse me.と同じ使う方なのですが、イギリス英語ではPardon me.を使う人も多いのです。

先日はスーパーで、隣のレジに並んでいる女性が連れていた男の子がおならをしてしまいました。

すると、その女性がすかさずOh, pardon me.(あら、ごめんなさい)と子供の代わりにレジの人に謝っていました。

ちなみに「おなら」はfart、「げっぷ」はburpと言いますが、これらを遠回しにrude noise(下品な雑音)と表現することもあります。

Pardon my French.とは?

最後に、Pardon my French.というイディオムを紹介します。

直訳すると「私のフランス語をお許しください」という意味ですが、実際には汚い、あるいは下品な言葉を使ってしまったとき、もしくは使う前に「失礼しました」「失礼!」という意味で使います。

Excuse my French.も同じ意味です。

自分から積極的に使う機会はなくても、誰かが言ったときに「?」とならないように、意味だけは覚えておくとよいでしょう。

13. Sorry.よりThank you.

「お待たせしてすみません」を英語で言うと、どう表現しますか。

I’m sorry to have kept you waiting. / Sorry to keep you waiting. / Sorry for making you wait.などを思いつくでしょうか。

確かに、これらの表現は「お待たせしてすみません」という意味です。

でも、私は待たされたときにこう言われたことは実はあまりありません。

その代わりにもっとよく耳にする表現があります。

to keep you waiting / to have kept you waiting

「お待たせしてすみません」の英語表現としてよく紹介されるのが(I’m) sorry to keep you waiting. / (I’m) sorry to have kept you waiting.だと思います。

to keep you waiting / to have kept you waitingの違いから復習してみましょう。

例えば、スターバックスに入って注文しようと思ったら、先客が10人以上並んでいたとします。

順番を待って自分の番が来たときにレジ係から言われる「お待たせしてすみません」はどちらの表現でしょうか。

この場合にはSorry to have kept you waiting.が正解です。

「順番が来た」すなわち「待たされる状態が今終わった」ので、現在完了形のto have kept you waitingを使います。

では、Sorry to keep you waiting.を使うのはどんな場合かというと「待たされる状態がこれからも続く」ときです。

列で順番を待っているお客のところに店員さんが来て、メニューを渡しながら言う「お待たせして(いて)すみません」にはSorry to keep you waiting.がしっくりきます。

Sorry.ではなくThank you.

これで、Sorry to keep you waiting. / Sorry to have kept you waiting.の使い分けはわかりました。

この2つのフレーズは文としては正しいのですが、スターバックスの店員さんはおそらくこうは言わないと思います。

実際に私が同じような場面でよく耳にする表現はまったく違います。

それは、

Thank you for waiting.(お待ちいただいて、ありがとうございます)

です。

カフェやレストランだけでなく、様々な接客の場面でとてもよく耳にする表現です。

こう言われると長く待たされても怒る気になれないので、私もわりと好きな表現です。

Thank you for your patience.(お待ちいただいてありがとうございます)

もあります。

名詞patienceは「忍耐、辛抱」という意味ですが、英英辞典にはとても良い定義が載っています。

the ability to stay calm and accept a delay or something annoying without complaining(落ち着いて、遅れや苛立たしいことを不平を言わずに受け入れられる能力)

Thank you for waiting.はそれほどフォーマルでない場面でよく使いますが、Thank you for your patience.は改まった雰囲気を感じさせます。

また、電話の途中で相手を保留にしたり、待たせたときには次の表現をよく使います。

Thank you for holding.(受話器をそのままでお待ちいただき、ありがとうございます)

I’m sorry to keep/to have kept you waiting.やSorry for making you wait.と言う表現は使わないということではありません。

ただ、個人的な事情で待たせた場合を除いて、あまり耳にしないと思います。

日本語では相手に少しでも負担をかけた場合は詫びるのが基本なので、英語で話す場合もついSorry.が多くなるでしょう。

しかし、大勢のお客が順番に並んでいる状況で多少待たせるのは仕方のないことです。

そんなときにはThank you for…を使います。

英語ではSorry.よりもThank you.―つまり詫びるのではなく、感謝を伝えるわけです。

これも文化の違いということになるのでしょうが、英語で話すときには日本語の「すみません」を直訳しすぎないほうがよいと思います。

14. してしまったことの謝罪にI’m sorry to…は使わない

約束の時間に遅れて到着したら、たいていの人はこう言います。

「遅れてすみません」と。

では、これを英語でどう言うのでしょうか。

これが意外と間違えやすいのです。

遅刻の謝罪はI’m sorry I’m late.

遅刻して言う「遅れてすみません」を英語にすると、次の表現が思い浮かぶのではないでしょうか。

・I’m sorry for being late.
・I’m sorry to be late.
・I’m sorry I’m late.

結論から言うと、I’m sorry I’m late.が最も一般的です

I’m sorry for being late.も使われるかもしれませんが、私の周囲では耳にしません。

してしまった(過去の)ことについて謝る場合は「I’m sorry (that)+文」で言うことが多い気がします。

学校英語では「~して申し訳ない」をI’m sorry for…やI’m sorry to…と学んだ気もするので、このどちらかを思い浮かんでも無理はないと思います。

私も以前は英語に触れる機会がそれほどなかったので、I’m sorry for being late. / I’m sorry to be late.も使えると思っていました。

でも、I’m sorry to be late.と言われたネイティブは戸惑うようです。

それはなぜでしょうか。

I’m sorry for/about…

まずは形容詞sorryの使い方を復習しましょう。

私が愛用している英文法解説書から引用しながら考えていきます。

前置詞のfor/aboutが後ろに続く場合の使い方は、こう解説してあります。

You can use sorry for or sorry about (doing something) to apologize for something you did before.(自分が過去にしてしまったことについて謝るためにsorry for/about…を使う)

I’m sorry for/about what I said yesterday.(昨日言ったこと、ごめんなさい)

I’m sorry to…

次にsorry to…を使った「すみません」の定義を見てみると、こう書いてあります。

We also say sorry to…to apologize at the time we do something.(何かをするときに詫びるためにsorry to…も言う)

例えば、こんな感じで使います。

・I’m sorry to interrupt, but do you have a minute?(お話し中に申し訳ないけど、ちょっといいですか?)
・I’m sorry to bother you again.(たびたびすみません)
・Sorry to be a pain, but can you send me more information?(お手数ですが、もっと詳しい情報を送ってもらえますか?)

相手からI’m sorry to…と言われると、ネイティブは「おっ、これから謝罪されなければならないようなことをされる/言われる」と身構える感じになるようです。

I’m sorry for/about…とI’m sorry to…の違い

さて、I’m sorry for/about…とI’m sorry to…の大きな違いがわかったでしょうか。

この違いがI’m sorry to be late.と言わない理由です。

I’m sorry for/about…は「apologize for something you did before」なので、すでにしてしまったことについて「~してしまって申し訳ない」という意味です。

I’m sorry to…は「apologize at the time we do something」ですから、何かをするに際して「申し訳ないですが今から~します」という意味です。

I’m sorry to be late.の意味を考えてみると、おかしいことに気付きます。

「申し訳ないですが、今から遅れます」となってしまいます。

遅刻したという過去の行為についての謝罪にはなりません。

語順自体が持つ「心理」を理解せよ

語順自体が持つ「心理」を理解せよ

1. Is~、Do~から始まっても疑問文とは限らない

この項で扱うのは、「形容詞の限定用法」です。

どこにスポットライトを当てるかを考える

以前にお話しした、疑問文以外にもいろいろと使われている「疑問文の語順」がなぜそうなるのかを以下に説明します。

①否定の倒置

I have never thought of such a thing.(私はそんなことを一度も考えたことがない)

この文で「一度もない!」ということを強調したければ、まずどの単語に気持ちのスポットライトが当たるでしょう?

それはneverですね。

そこでまず、neverが文頭に出ます。

Never….

次に、neverが否定している言葉は何でしょう?

「私」ですか?「そんなこと」ですか?「考えたこと」ですか?

何が「一度もない」のかと言えば、「考えたことが一度もない」わけですよね。

「考えたことが一度もない」で1つの意味のセットです。

ということは、neverが強調されるときは、それと一緒に、neverが否定するhave thoughtという動詞も強調されるわけです。

動詞が強調されるのですから疑問文語順が発生します。

Never have I thought of such a thing.

②mayの祈願文

「~でありますように」と神に祈る文を「祈願文」と呼びます。

mayが文頭に出る、疑問文の語順をとります。

May God bless America.(合衆国に神のご加護があらんことを)

普通の文ならGod may bless America.という語順になるはずです。

動詞はblessです。

まずmayの「~していい」というのは決して優しい意味の言葉ではありません。

「上の立場の人が下の立場の人に『~してよろしい』と許可を出す」という意味を持つ言葉です。

You may have a seat.(着席してよろしい)

上から下への、半ば、命令的に聞こえる「許可」ですね。

上の立場といえば、キリスト教世界で「究極の『上の立場』」は「神」です。

祈願文でmayが文頭に出るのは、「神への許可(may)を乞う」ことを強調することが、「『~でありますように』という神頼みの表現」になったものと考えられます。

許可を強調するのですから、mayが強調されて文頭に出ます

したがって、God may bless America.という「主語+動詞~」の語順が、May God bless America.という疑問文語順になるわけです。

「スター・ウォーズ」に出てくる“May the Force be with you.”(フォースとともにあらんことを)もこの構文ですね。

③仮定法の倒置

以前に詳しく述べていますが、「実際起きていないけど、仮にもしそうなら、こうなるだろうよ」という、「あくまで想像の話をする」ときに使う動詞の活用が仮定法です

仮定法では動詞をわざと過去形にしたり、過去完了にすることで、「現実の話じゃないんだよ」ということを宣言しています。

If it were raining now,…((今、実際には降っていないけど)仮に今雨が降っていたら…)
⇒現実には100%雨は降っていない。100%仮定の話です。

さて、「仮の話」であることを宣言するためにわざと動詞の過去形や過去完了を使うのですから、「あくまで仮の話だけど」ということを強調したければ、動詞の過去形や、過去完了形の部分を強調すればよいということになります。

動詞を強調するのだから、疑問文の語順が発生するのです。

If Were it raining now, …
⇒仮の話だということが強調されるので、ifはいらなくなって消えると考えるとよいです。

④So do I. Neither do I.などの「同意表現」

“I’m hungry.” “So am I”(「お腹すいた」「私も」)

このSo am I.は、So am I hungry.のhungryを省略した形です。

相手がすでにhungryと言っているので、「同じ言葉は二度繰り返さない」という英語のルールが働いて省略が起きています

さらに言えば、大元にはこういう表現があったと想像できます。

I am so hungry.(私もそれくらいお腹が減っている)

現代英語ではsoは「とても」という意味で使われることが多くなっていますが、元々soは日本語の「そう」に近い意味の言葉で、「そう」「そのくらい」という意味を持つ言葉です。

例えば、He was so hungry that he couldn’t sleep.は学校で習う通り、「彼はとてもお腹が減っていたので眠れなかった」と訳すこともできますが、

He was so hungry / that he couldn’t sleep.(それくらい空腹だったよ。眠れない(くらい))
⇒彼は眠れないくらいお腹が空いていた。

という訳し方もできます。

soの「それくらい」の内容が「どれくらい」なのかの詳しい説明を、thatが指差してくれているわけです。

thatはもともと「あれ、それ」という「情報を指す」ための言葉ですからね。

さて、会話の相手が、I’m hungry.と言ったときに、「自分も同じだ」というSo am I.と言う表現があるわけですが、これは以下のように考えられます。

(1) I am so hungry.
⇒「それくらい」、つまり「あなたと同じくらい」ということを強調したいので、まずはsoが文頭にきます。
(2) So…
⇒「(お腹が減っている)状態だ」ということを強調したいので、「状態である」を意味するbe動詞が次に強調され、疑問文の語順が発動します。
(3) So am I hungry.
⇒hungryは相手がすでに言っている言葉なので省略されます。

否定語のneitherですが、neither=not+eitherです。

eitherは「どちらか一方」という意味で、not eitherつまりneitherは「どちらの一方を見てもnot」「両方ともnot」という意味になります。

A:“I don’t like him.” B:“Neither do I.”(A:「私は彼が好きじゃない」B:「私もだ」)

なら、「Aさんの方を見ても、話者であるBさん自身の方を見ても、どちらの一方を見てもnotと言っている」という意味でneitherがあります。

①の否定の倒置と同じく、「(私も)notだ」を強調したいので、まずneitherが文頭にやってきます。

(1)Neither…
⇒neitherが否定する動詞であるlikeも一緒に強調されることで、疑問文の語順が発生します。
(2)Neither do I like him.
⇒likeとhimはすでに述べられているので、省略されます。

2. 疑問詞が文の最初にくるのには理由がある

疑問詞は「一番尋ねたい情報」

疑問詞を使った疑問文は、語順がややこしく感じます。

しかし、「言いたいことから先に言う」という原則は変わりません

質問の中で一番尋ねたいことが「動詞」のとき、疑問文の語順では動詞が主語の前にきます。

疑問詞を使った疑問文では、疑問詞が一番尋ねたい情報になります。

したがって、疑問文を作ったうえで、さらに疑問詞が文頭にやってきます

例をいくつか見てみましょう。

下線部分はそれぞれ、疑問詞と、疑問詞に置き換わった情報です。

・Do you live in Kobe?(神戸に住んでいるのですか?)→Where do you live?(どこに住んでいますか?)
・Did he do it for that reason?(そういう理由で彼はそれをやったのですか?)→Why did he do it?(なぜ彼はそれをやったのですか?)
・Do you like it?(それが好きですか?)→Which do you like?(どちらが好きですか?)

このように、疑問詞に置き換わった情報は一番言いたいこととして文頭にくることがわかります。

疑問詞を使った疑問文には、この応用編ともいえる現象が見られる場合があります。

それは、間接疑問文と呼ばれる形式で起きる現象です。

間接疑問文で倒置が起こるとき・起こらないとき

大きな文の中に組み込まれた小さな疑問文のことを「間接疑問文」と呼びます。

直接疑問文:普通の疑問文 Where is he?(彼はどこですか?)
間接疑問文:I don’t know where he is.(彼がどこにいるのか知りません)
⇒大きな文の中にwhere he isという小さな疑問文が組み込まれています。

作り方は単純で、上の文なら

「私は知らない」+「『知らない』内容」という順番にくっつけます。

疑問文を組み込むときは「動詞+主語」(Where is he?)という疑問文の語順を、元の「主語+動詞」(where he is)の語順に直します。

日本語で「どこですか?」を「どこにいるのか(を)」に直すような作業です。

間接疑問文でも疑問詞が文の最初にくる場合

さて、以下の例文を見てください。

Do you know…?+Where is he? → Do you know where he is?(彼がどこにいるか、あなたは知っていますか?)
Do you think…?+Where is he? → Where do you think he is?(彼がどこにいると、あなたは思いますか?)

普通ならDo you know where he is?のように、Do you think where he is?でもよさそうなものです。

ところが、do you thinkの場合、Do you think where he is?とはなりません。

do you~?の前に疑問詞(ここではwhere)がやってきて、Where do you think he is?となるのです。

このパターンになる場合、do youの後ろにthink、hope(希望する)、believe(信じる)、expect(期待する)、imagine(想像する)など、「心に思う」系の動詞が使われることが多いです。

「う~ん、なぜかはわからないけど、じゃあそういう動詞のリストを覚えておいて、こういう文を作るときに気をつけておかなきゃいけないのか?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、文法は暗記科目ではありません。

こういう現象が起きるのにはきちんとした理由があるのです。

ここでもやはり、働いているのは、「言いたいことから先に言う」という英語の語順の大原則です。

質問に想定される答えを見てみると、なぜこういう語順になるのかがわかります。

“Do you know where he is?” “Yes, I do (=I know).”/”No, I don’t (know).”
(「彼がどこにいるか知っていますか?」「はい、知っています/いえ、知りません」)
⇒返答から見て、この質問で一番尋ねたいことは「(彼の居場所を)知っているのかどうか」つまり、Do you knowが一番尋ねたいことです。

דDo you think where he is?” “Yes, I do (=I think).”/”No, I don’t (think).”
(「彼はどこにいると思います?」「はい、思います/いえ、思いません。」)
⇒「思う」「思わない」を答えても返事にはならない。つまり、一番尋ねたい情報はDo you thinkではないということがわかります。

“Where do you think he is?” “He may be in the bathroom.”
(「彼はどこにいると思いますか?」「彼はトイレにいるかもしれません」)
⇒場所を答えてあげればこの会話は成立します。つまり、一番尋ねたい情報は「どこ?」ということです。したがって、whereから先に話します。

すでに述べましたが、この倒置が起きるときには、think、hope、expect、believe、imagineなどの「心に思う」系の動詞が使われます。

こういう動詞を使うとき、「思うかどうか」「信じているかどうか」「希望しているかどうか」が尋ねられているわけではなく、「思っている内容」「信じている内容」「希望している内容」などが尋ねられるのが普通です。

したがって「内容」の部分にきている疑問詞が一番言いたいことになり、そこから先に話されるのです。

・Do you think…?+Who are you? → Who do you think you are?(あなたは自分を何様だと思っているの?)
返答:This time, I’m your boss.(今回は、私が君のボスだ)
⇒Who are you?に対する返答になっています。

・Do you hope…?+Which team will win the game? → Which team do you hope will win the game?(あなたはどちらのチームが勝つといいなと思っていますか?)
返答:I hope the Yankees will win.(ヤンキースが勝てばいいなと思っています)
⇒Which team will win the game?に対する返答になっています。

・Do you believe…?+When did it happen? → When do you believe it happened?(あなたはいつそれが起きたと考えているのですか?)
返答:I believe it happened this morning, not yesterday.(昨日ではなく、今朝それが起きたと私は考えている)
⇒When did it happen?に対する返答になっています。

3. 語順の2大ルールで倒置をマスター

言いたいことから先に

①whatの感嘆文とhowの感嘆文

「言いたいことから先に言う」のルールにのっとった倒置の文は、疑問文以外にもあります。

まずhowの感嘆文から見てみましょう。

howというのは「様子や程度を尋ねる」というのが根っこの意味です。

「どんなふう?」とか「どんだけ?」という感じですね。

後者の「どんだけ~だよ!」というのが感嘆文で使うhowの感覚です。

そして、感嘆文の語順を考えるとき重要なことは「howはveryの生まれ変わり」と考えることです。

例えば、

That girl is very beautiful!(あの娘はとても美しい)

という文があったとして、このvery beautiful(とても美しい)を「どんだけ美しいの!」と強調したければ、veryをhowに変えます

The girl is how beautiful!

ここで強調されているのはhowだけでなく、how beautifulというひとかたまりの意味の言葉であることに注意しましょう。

「言いたいことから先に言う」ルールが働き、how beautifulというかたまりから先に言われて、以下のような文が完成します。

How beautiful that girl is!(あの娘はなんて美しいの!)

実際の会話の中では、言いたいことはhow beautiful!だけで十分事足りるので、that girl isは省略されることがよくあります。

次にwhatの感嘆文です。

感嘆文ではwhatもhowもveryの生まれ変わりです。

なのですが、これは少し特殊で、howが副詞で感嘆文では形容詞(もしくは副詞)を強調するのに対し、whatは名詞で、感嘆文では「(形容詞+)名詞」を強調します。

つまり、howは様子を表す言葉(形容詞・副詞)と仲が良くて、whatは名詞と仲が良いのです。

そこで、whatを使う感嘆文の元の文は以下のようになります。

She is a very beautiful girl!(彼女はとても美しい女の子だ!)
⇒veryの後ろに、beautiful girlという「形容詞+名詞」がきていることに注意。whatは形容詞だけでなく、名詞も必要とします。

次にveryをwhatに変えて、強調を表します

そして強調されているかたまりを先に言います。

She is a what beautiful girl! → A what beautiful girl she is!
⇒a what beautiful girlの中で一番言いたい言葉はwhatです。したがってwhatから先に言います。
What a beautiful girl she is!

これも通常の会話ではshe isは省略されて、What a beautiful girl!となることがよくあります。

先ほど「whatは名詞と仲が良い」と述べました。

形容詞がなくても、「What a 名詞!」だけで「何て~なんだ!」という言い方になります

What a man!(何て男だ!)

②I don’t think he is kind.か?I think he is not kind.か?

否定というのは重要な情報です。

それがあるかないかで、文の意味が正反対になってしまうからです。

そこで、英語では否定語はなるべく前に置くようにします

これも「言いたいことは先に言う」というルールの一種です。

日本語では「彼は親切ではないと思う」も「彼は親切だとは思わない」も、どちらも問題のない文ですが、英語ではI don’t think he is kind.が自然で、I think he is not kind.は、間違いとまでは言わないにしても、かなりブサイクで、添削される文です。

同様に、Nobody was there.(そこには誰もいなかった)は自然ですが、Anybody was not there.というのは不自然なのです。

また、notやnoだけでなく、否定的な意味の言葉もなるべく先に言うという習慣があります。

The budget will be likely to be denied. → The budget will be unlikely to be approved.

日本語なら「予算はおそらく否決されるだろう」でも、「予算はおそらく承認されないだろう」でもどちらでもいいですよね。

でも英語だと、likely(ありそうだ)という肯定的情報を先に言い、deny(拒否する)という否定的情報を後で言うよりも、unlikely(ありそうにない)という否定語を前に置き、denyの代わりに肯定的なapprove(承認する)を使う形を良しとします

軽い情報が先、重い情報は後

長い英語の文章を読んでいると、ときどき「あれ?この動詞は普通SVOのに、なんかとんでもなく後ろの方にOのかたまりが回されているぞ?」というような文を見かけます。

その多くは「短い情報が前、長く重いOのかたまりが後ろ」という配置になっています。

単純かつ典型的なものはsuggestやexplainの構文で、これらの動詞は普通、以下のような構文をとります。

suggest+提案の内容(O)+to人「人に~を提案する」
例:He suggested the plan to me.
explain+説明の内容(O)+to人「人に~を説明する」
例:I explained the reason to her.

しかし、(O)の部分であるこの「提案の内容」や「説明の内容」が長くて重い情報になってしまうと、後ろに回されるのです。

例:He suggested to me that the plan should be put off.(彼は計画を延期してはどうかと私に提案した)
例:I explained to her the reason why we had put off the plan.(私はその計画を延期した理由を彼女に説明した)

4. 数式と英語の語順は同じ!

中学で習った文字式を思い出してください。

掛け算ではこのように文字を横に並べます。

a×b=ab

英語の表現でも同じ形が現れます。

例えば「30分」は1/2時間なわけですが、「1/2×1時間=half an hour」というふうに表せます。

今度は、足し算の文字式を思い出してください。

a+b=a+b

つまり、「+」の記号は省略できませんでした。

英語の表現でも同じ形が現れます。

例えば「1時間半」というのは1時間+1/2時間<なわけですが、「1時間+1/2時間=an hour a half」というふうに、「+」を表すandが表示されます。

これらは果たして偶然なのでしょうか?

もちろんそうではなく、必然です。

数式というのは数字を使ってこの世の現象を説明する、一種の言語です。

そして、私たちが中学以上で習う(方程式以降の)数学は古代ギリシャで生まれ、ヨーロッパで育ったものです。

したがって、ヨーロッパで生まれた数式には、ヨーロッパ語の影響が濃く表れているのです。

他にも例えば、すでに上に「1/2」と書いた通り、分数というのは分子を先に、分母を後に書くことができます。

a half(1/2)やa quarter(1/4)は少し特殊な言い方ですが、例えば、2/3ならtwo thirds、3/5ならthree fifthsというように、分子が先、分母が後にきます。

これを利用すると、いわゆる「倍数表現」というのが楽に作れるようになります。

as~as構文でよく出てくるやつですね。

He is twice as rich as I.(彼は私の倍金持ちだ)

というような文です。

倍数表現というのは、文字通り「掛け算」を表す文です。

ですから、「横並び」に並べれば「~倍」を表せるわけです。

上記の例文の作り方を考えてみましょう。

ついでですから、as~as構文のわかりやすい作り方も一緒に説明していきます。

as~as構文の、すごく簡単な作り方

as~asや比較級の文は読みにくいし、作るのも大変です。

理由は、「比べる側」と「比べられる側」の2つの情報、つまり、普通の文の倍の情報を扱わないといけないからです。

これを一度に作ろうとすると頭が混乱します。

単純な文から順に、手順を追って膨らませていけば、楽に作れるだけでなく、長めの比較の文を読むのも大変楽にできるようになります。

(1)He has many books.(彼はたくさんの本を持っている)

まずはこういう普通の単純な文を作ります。

作れたら、次にこの中で「様子を表す言葉(文法的に言えば、形容詞か副詞)」を探します

この中ではmany(たくさんの)がそれです。

(2)He has as many books.(彼は同じくらいたくさんの(=同じ数の)本を持っている)

「様子を表す言葉」の前に1回目のasを置きます。

as~as構文において、1回目のasと2回目のasは同じ意味ではありません。

1回目のasの意味は「同じくらい~」です。

as many booksなら「同じくらいたくさんの本」、つまり「同じ数の本」という意味になります。

(3)He has as many books as I.(彼は私と同じ数の本を持っている)

「同じ数の本を持っている」と言われれば、聞き手は当然、「ん?誰と同じ数?」という説明が聞きたくなりますよね。

そこで出てくるのが2回目のasです。

2回目のasは、「誰と同じくらいなのか」を説明する「基準」の役割を果たします。

ここで注意すべき重要なポイントが1点あります。

それは2回目のasは文末に置くということです。

中学で習った時に「as形容詞as」と機械的に覚えてしまっている英語学習者が多く、

×He has as many as books

とやってしまう人がかなりいます。

元の文をきちんと考えると、He has many books.だったわけですから、2回目のasが置かれるのは文末、つまりbooksの後です。

さてここからは、これを倍数表現にする方法を説明します。

例えば「彼は私の2倍本を持っている」を作ってみましょう。

(1)He has as many books as I.
⇒直訳すると「彼は持っているよ、同じ数の本を。比べる基準は私」となります。

これを2倍にしたいなら、数式と同様に考えます。

(2)「彼は持っているよ、2×[同じ数の本を]+比べる基準は私」となるわけです。

英語なら、He has 2×[as many books]as I.ということになります。

「2倍」は英語でtwiceですから、

(3)He has twice as many books as I.

という文ができ上がるのです。

比較級も数式の考え方で

比較級の文も同じパターンでできます。

例えば「この塔はあの塔の3倍の高さだ」という文を作りたいなら、こういうステップを考えましょう。

(1)This tower is tall.(この塔は高い)
⇒形容詞tallを比較級にします。
(2)This tower is taller.(この塔はより高い)
⇒何より高いのかという基準を表すthanを文末に置きます。
(3)This tower is taller than that one.(この塔はあの塔より高い)
⇒3×[taller]という形にして「3倍の高さ」とします。
(4)This tower is three times taller than that one.(この塔はあの塔より3倍高い)

「修飾する」の真実

「修飾する」の真実

1. 「他のじゃなくて」という形容詞

この項で扱うのは、「形容詞の限定用法」です。

もう、そう聞いただけで閉じたくなった読者の方もいらっしゃるかもしれません。

文法用語が嫌で嫌で、なるべくそういうことがわからなくても、中身だけわかるようにしてほしい!

そういう気持ちを抱いている方はいっぱいいらっしゃると思います。

でもご心配なく。

その「用語」の意味を必ずわかるように説明いたします。

そして、文法用語は、一般その意味がわかってしまうと、とても便利なのです。

この機会に、文法用語を理解しておきましょう。

すると、今まで難しくてわからない!と思っていた他の文法書や、素晴らしい他の先生方の説明がもっと簡単にわかるようになります。

今までモヤモヤしていた頭の中の霧が晴れるのは、気持ち良いですよ!

特に形容詞や副詞といった修飾語関係の用語や考え方はわかりにくいものです。

きちんとわかるように、ここでは「修飾」「形容詞」「限定用法」と呼ばれるものを解説していきます。

「修飾する」とはどういうことか

さて「修飾する」というのは「様子を説明する」と言い換えてもよい言葉です。

名詞の様子を説明するのが形容詞です。

そして、名詞以外の言葉(主に動詞)の様子を説明するのが副詞です。

まず、形容詞が名詞を修飾するということを説明していきましょう。

形容詞は、名詞の様子を説明する言葉です。

例えば、「机」はモノの名前ですから名詞です。

「古い机」「大きな机」「木でできた机」「父が使っていた机」は全て「机」の様子を説明しています。

これらが「形容詞」です。

厳密に言えば、単語一語なら「形容詞」、複数の語が集まってできた1つのかたまりが名詞の様子を説明していれば「形容詞句」、主語+動詞のかたまりが形容詞の働きをしていれば「形容詞節」です。

・an old desk(古い机)⇒形容詞
・a desk made of wood(木でできた机)
・a desk that my father used to use(父がかつて使っていた机)⇒形容詞節

英語は「軽い情報が先、重い情報が後」というのが語順の原則なので、長いかたまり、つまり2語以上で修飾する場合、名詞の後ろに形容詞のかたまりがつきます

学校で習う関係代名詞節は、先行詞である名詞の様子を説明する一種の形容詞節です。

形容詞の限定用法

「修飾する」を英語に直すと「to modify」です。

これは「修正する」とか「限定する」という意味もある言葉で、語源的には「サイズに合わせて余分なところを削っていく」イメージを持つ言葉です。

形容詞の修飾には「限定用法」というのがあります。

これは、名詞に形容詞が直接くっつく形をとり、機能としては、漠然とした情報を「削って」いくことで、名詞の情報をより具体的に、明確にします

I need a red pen, not a black one.(赤ペンが必要なんだ。黒じゃない)
⇒他の色ではなく「赤」、他の色ではなく「黒」というふうにペンの種類を色で限定して説明しています。

a girl who speaks French(フランス語を話す女の子)
⇒a girlだけだと、世の中に存在するあらゆる女の子から取り出した、「とある1人の女の子」というとても漠然とした意味になりますが、そこに「フランス語を話す」という修飾語をつけることによって、「フランス語を話さない女の子」は候補から削り取られ、除外されます。

限定用法の修飾を行うことによって、情報がより具体的になっていくことがわかるでしょうか。

具体的に数えられるものとして捉えることが可能に

実はこれが意外な文法的効果を発揮する場合があります。

皆さん、こういうルールを聞いたことはあるでしょうか。

ルール:lunch、breakfast、dinnerは原則的に不可算名詞であるが、形容詞とともに用いられるときには可算名詞になる。

I’ve already had lunch.(もう昼食は食べましたよ)
⇒lunchは不可算。
I had a big lunch today.(今日はガッツリ系のランチを食べました)
⇒a big lunchは可算。

breakfast、lunch、dinnerはともに不可算名詞です。

一方で「食事」を意味するmealは可算名詞です。

a mealは「一回の食事」という1つの「形」、別の言い方をすれば「区切り」を持っているので、可算名詞になるのです。

しかし、breakfast、lunch、dinner は、そのmealを「朝用、昼用、夜用」のどの「機能」として食べるのかを意味する言葉です。

つまり、形ではなく「用途・機能」の話をしているのです。

このように、形をイメージしない言葉なのでbreakfast、lunch、dinnerは不可算名詞になります。

ところが、ここに形容詞がつくと、breakfast、lunch、dinnerが実体を持ったモノ、つまりmealのイメージで具体化されるのです。

機能としての、「昼用」という用途が、「昼に食べたガッツリとした一回の食事」というふうに具体的な形で捉えられていくわけです。

ここではbigという形容詞によってlunchが具体的にmeal化され、a big lunchという可算名詞に化けます。

これが限定用法の修飾が持つ具体化の力です。

この現象は、breakfast、lunch、dinnerにとどまらず、より広範囲な抽象的な意味を持つ名詞にも起きます。

例えば「影響」を意味するinfluence、effectを辞書で引いてみてください。

これらの名詞は原則的に不可算名詞ですが、辞書には「具体例ではan~、~s:その際しばしば修飾語を伴う」と書かれています。

The herbal medicine had a beneficial effect on my health.(漢方薬が健康に有益な効果を及ぼした)
⇒beneficialという形容詞がつくことで、「一個・一回の具体的な『有益な影響』」が実際に体の中に発揮されたことを表します。

他にもexpectation、improvement、adjustmentなど、様々な抽象名詞で同じ現象が起きますが、原理はどれも同じで、形容詞が限定用法の修飾を行うことにより、抽象的な数えられない概念が、一回・一個の具体的で数えられる現象として捉えられるようになるというものです。

今回は形容詞の限定用法についてお話をしました。

次項ではもう1つの用法である叙述用法について説明します。

限定用法と叙述用法の違いがわかれば、関係代名詞の制限用法と非制限用法の違いが直感的にわかるようになります。

2. 「ただの様子説明」の形容詞

形容詞が名詞の様子を説明するのに、限定用法に加えてもう1つ、叙述用法というのがあります。

叙述というのは、別の言い方をすれば「説明する」ということです。

え?ちょっと待って、そもそも「修飾」って「様子を説明する」ってことでしょ?と混乱する読者の方もいらっしゃると思います。

具体例で説明しましょう。

叙述用法の典型的な形は、補語にやってくる形容詞です。

I bought an old paint.(私は古い絵を買った)…限定用法
⇒世の中にいろいろ絵はあるけれど、ここでは「古い」絵を買ったんだよ、という情報を絞り、具体化しています。
This paint is very old.(この絵はとても古い)…叙述用法
⇒「この絵」がどんなものなのかの情報を説明しています。

叙述用法との違いを理解するため、限定用法の特徴を再確認しましょう。

限定用法の要点は2つあります。

<限定用法の特徴>
① 世の中に○○と呼ばれるものはたくさんある。
② その中で、今回のは、~という性質を持つものだよ、それ以外の性質のものじゃないよ、と情報を絞る。

I bought an old paint.なら、①は「この世には絵と呼ばれるものはたくさんあるけれど」です。

oldがつくことで②「今回の絵は『古い』という性質を持つものだよ。新しいものじゃないんだよ」と、絵の情報を絞っていく働きを持ちます。

一方で、叙述用法は、その名詞(ここではthis paint)の様子をただ語るだけです。

「他のじゃなくて…」という「絞る」働きはありません。

上の例文ではわかりにくいでしょうか?

実は学校英文法での難関の1つ、関係代名詞の非制限用法を例にとると、これは随分とわかりやすくなります。

関係代名詞の制限用法

まず日本語で、「機能赤い服を着ていた女性」というフレーズを考えましょう。

「機能赤い日服を着ていた女性」というフレーズの、「昨日赤い服を着ていた」の部分は、どんな「女性」なのかを説明する形容詞のかたまりです。

そして、限定の働きをしていますね。

まず、①世の中に「女性」と呼ばれる人間はたくさんいます。

そして、②その中で「昨日赤い服を着ていた」という形容詞のかたまりが、「今話題にしている女性は、昨日赤い服を着ていた女性のことだよ。他の色の服を着た女性じゃないよ」というふうに、「女性の情報を絞って」います。

これを英語にすると、

a woman who wore a red dress yesterday

となります。

このように限定用法の機能を果たす関係代名詞節は、制限用法と呼ばれます。

ここでの「制限」は、まさに「限定」と同じ意味で、言い方が違うだけです。

関係代名詞の非制限用法

次に、日本語で、「鹿児島生まれの私の母」というフレーズを考えてみましょう。

さて、まず、「私の母」ですが、限定用法(関係代名詞なら制限用法)のように、①「この世に『私の母』はたくさんいるけど」、という考えは成立しますか?

常識的に考えて、「私の母」というのは「女の人」や「猫」のような「種類名」ではありません。

つまり、「この世にたくさんいる「私の母」と呼ばれる生き物のうちのとある一人」というわけにはいかないはずです。

もし、これが限定用法なら、②「この世に『私の母』はたくさんいるけれど、その中で今私が話題にしているのは『鹿児島生まれの』私の母であって、他の私の母じゃないよ」ということになります。

これは明らかにおかしいですね。

つまり、「鹿児島生まれの」というフレーズは「私の母」を限定したり、区別しているのではなく、「私の母」に「鹿児島生まれ」という情報を追加しているだけです。

これが叙述用法の形容詞の働きです。

関係代名詞を使ってこのフレーズを英語にしてみましょう。

叙述用法は関係代名詞では非限定用法と呼ばれます。

制限、つまり情報を限定するのではなく、情報を単に追加しているだけなので、このような呼び名があります。

×my mother who is from Kagoshima
⇒関係代名詞としては制限用法と呼ばれます。「他の『私の母』ではなく、鹿児島生まれの私の母のこと」という意味になり、不自然です。

My mother, who is from Kagoshima, visited her hometown last month.(鹿児島生まれの私の母は、先月、生まれ故郷を訪ねた)
⇒関係代名詞としては非制限用法と呼ばれます。カンマで区切られるのが特徴で、「私の母がいて、ちなみに鹿児島生まれなのだけれど…」という「情報の追加」を意味します。

もしも説明を受ける名詞(先行詞)が「この世に1つ/1人しかないもの」なら、使う関係代名詞は、基本的に非制限用法になります

「私の母」は基本的には1人しかいないはずです。

「猫」とか「男の子」のように、「この世にたくさんいる、種類全般」の話をしているのではありません。

すると、当然、「たくさんいるものの中から、情報を絞る」というようなことはする必要がなくなるので、制限用法の関係代名詞節は使いません。

その代わりに、情報の追加を表す非制限用法の関係代名詞を使うわけです。

Bill Clinton, who is the former president of the United States, made a speech at the ceremony.(元米国大統領であるビル・クリントン氏がセレモニーで挨拶をした)
⇒「この世にたくさんいるビル・クリントンのうちの、元大統領のビル・クリントン」というのはおかしいので、関係代名詞はカンマをつけた非制限用法にして、「情報の追加」であることを表します。これを発音する際には、カンマのところをしっかりと区切ってポーズを置いて読み上げます。

このような感覚がわかっていれば、ライティングでよりフォーマルな文を作り出すことができるようになります。

関係代名詞の非制限用法も、従来のようにリーディングのためだけではなく、ライティング、さらにはスピーチに使うことを目標にしましょう。

3. 副詞を知ろう

名詞はすごく大雑把に言えばモノや人の概念の名前を表し、動詞はこれまた大雑把に言って、動作を表します。

それに対して、形容詞と副詞は「様子」を表す言葉です。

形容詞は名詞を修飾、つまり、名詞の様子を説明する言葉だということがわかりました。

それでは副詞は何でしょう?

端的に言ってしまえば「名詞以外の言葉を修飾する」言葉です。

事実なのですが、これでは、え?広すぎじゃん?ということになってしまうので、もう少し絞って、具体像をつかみやすいように説明していきます。

副詞の最も一般的な働きは、動作の様子説明

副詞の一番よくやる働きは、動詞の修飾、つまり、動作の様子や目的を説明することです。

例えば「走る」という動詞。

どんなふうに「走る」のか?

「速く走る」、「ダラダラ走る」、「友達と走る」、「明日走る」…これらはどれも「いつ、どこで、どんな風に『走る』のか」を説明する副詞です。

また、「終電に間に合うよう走る」、「健康のために走る」、「痩せたいから走る」なども、走る理由を説明する副詞です。

英語にしてみると、以下のようになります。

・He ran fast.(彼は速く走った)
・He ran with his friend.(彼は友達と走った)
・He will run tomorrow.(彼は明日走るだろう)
・He ran in order to catch the last train.(彼は終電に間に合うように走った)

副詞は、程度の幅を持つ形容詞と副詞の「程度」も表す

次に副詞が行う働きは、形容詞と副詞の修飾です。

ただし、形容詞と副詞なら何でも副詞が修飾するのではなく、「程度の幅を持つ」形容詞と副詞の「程度」を副詞が説明するというものです。

例えば、「速く走る」と言うとき、「速く」は「走る」という動詞の様子を説明する副詞ですが、「速く」には「どのくらい速く」なのかに関する幅があります。

この幅の程度を説明するのもまた副詞の役割です。

ここでは「とても速く(走る)」とか「そこそこ速く(走る)」、または「世界一速く(走る)」などです。

・He runs very fast.(彼はとても速く走る)
・He ran fast like never before.(彼はこれまでにないくらい速く走った)
⇒どちらもfastの程度を説明しています。

形容詞でも同じです。

例えば「美しい景色」なら、「景色」という名詞の様子を「美しい」という形容詞が説明していますが、この「美しい」には「どのくらい美しい」のかに関する幅があります。

その幅を説明するのが「とても美しい(景色)」「見たことないくらい美しい(景色)」というような言葉で、これらも副詞です。

・The city is known for its very beautiful scenery.(その町はそのとても美しい景観で知られている)
⇒どれくらい美しいのか説明しています。
・The hotel is surrounded by some of the most beautiful scenery in the area.(そのホテルはその地域で最も美しい景色に囲まれている)
⇒どう美しいのかを説明しています。

いわゆる「副詞的用法」は何をしているのか

不定詞の副詞的用法や分詞構文など、文法における多くの副詞用法は動詞の様子を説明していると考えてよいです。

①不定詞の副詞的用法

・My daughter grew up to be a doctor.(私の娘は大人になって医者になった)
⇒grew upしてどうなったのか、という「動作の結果」の説明。
・I am happy to hear the news.(その知らせを聞いて嬉しく思います)
⇒何をした結果(嬉しいという)状態になったのか、という「状態(be動詞)の原因」の説明。

分詞構文(=分詞の副詞的用法)

Hearing her voice, I was relieved.(彼女の声を聞いてホッとした)
⇒どういうことをして、was relievedしたのか、という「動作の原因」の説明。

ただし、形容詞や副詞の程度を表す不定詞の副詞的用法もあります。

代表的なのがtoo~to構文と、enough to構文です。

・He was too afraid to go there by himself.(彼は怖くてそこへは1人で行けなかった)
⇒直訳すると、「そこへ1人で行くことに向かっては、恐れすぎた」。どれくらい怖かったのかの程度を表しています。
・You’re smart enough to know that.(あなただってそれくらいのことわかってるでしょ)
⇒直訳すると、「それを知っていることに向かってあなたは十分頭が良い」。どれくらい頭が良いのかの程度を表しています。

いわゆる「副詞節」は何をしているのか

副詞の働きをするS+V~のかたまりを副詞節と呼びます。

多くの場合、主節の動詞の動作の原因や条件、結果などを表します

If you come earlier, we’ll show you around.(もし早く来るなら、この辺りを案内するよ)
⇒show aroundという動作が実現するための条件を、副詞節であるif節が説明しています。
When the ambulance arrived, he was unconscious.(救急車が着いたとき、彼には意識はなかった)
⇒unconsciousという状態にあった(=was)のが、どういうときの話なのかを副詞節であるwhen節が説明しています。

形容詞や副詞の程度を表す副詞節もあります。

so~that構文がその典型です。

I laughed so hard that I could hardly breathe.(笑いすぎて息が苦しかった)
⇒that I could hardly breatheはどのくらいhardに笑ったのかの程度を表します。

4. 関係副詞と関係代名詞の違い

関係代名詞と関係副詞の違いをすっきりさせないまま、ビジネスの現場で英語を使っていらっしゃるビジネスマンをよく見かけます。

話し言葉では避けて通ることもできる表現ですが(それでも結構使います)、フォーマルなプレゼンでは使うでしょうし、ライティングにおいては使う必要があります。

関係副詞をマスターするにあたって、1つ覚えておくと便利な知識があります。

それは「前置詞+名詞」→副詞というルールです。

副詞が最も多く行う働きは動詞の様子を説明する(=修飾する)ことでした。

例えば、

私は学校で、友達と話した。

なら、動詞「話した」の様子を説明しているのは「友達と」と、「学校で」の2つです。

誰と、どこで話したのかを説明しています。

つまり「友達と」と、「学校で」はどちらも副詞の働きをしているわけです。

これらを分解してみると、「友達」は「友達」という名詞と、「と」という助詞が組み合わさったもの、「学校で」は「学校」という名詞と、「で」という助詞が組み合わさったものです。

英語でもこれと同じことが起きます。

I talked with friends at school.

with friendsとat schoolはtalkedを修飾する副詞ですが、それぞれ「前置詞+名詞」で構成されています。

学校でhereとthereを習うときに、原則的にこれらの前に前置詞をつけてはいけないと習います。

それぞれ「ここに・ここで」、「そこに・そこで」と訳せる言葉なのでついついto hereとかat hereとやりたくなりますが、一部の表現を除いてそれはできません。

なぜかと言えば、hereとthereは副詞で、それぞれが

here≒in this place、to this place、at this place
there≒in that place、to that place、at that place

という構成になっているからです。

つまりhereとthereは前置詞を内蔵している言葉なのです。

これは関係代名詞と関係副詞の関係にも当てはまります。

where≒in which (place)、to which (place)、at which (place)
⇒実際にはplaceは省略されます。
when≒in which (time)、on which (day)、at which (month)
⇒実際にはtime、day、monthは省略されます。
why≒for which (reason)
⇒実際にはreasonは省略されます。
how≒in which (way)
⇒実際にはwayは省略されます。

このように、「前置詞+関係代名詞」→関係副詞という構成になっていることがわかります。

どういうときに関係副詞を使うのか

関係代名詞ではなく関係副詞を使うのは、「関係副詞節の中に、先行詞を置いてみるときに、前置詞がなければその先行詞を置くことができないとき」です。

先行詞とは、「それだけでは情報が足りない、説明を必要とする名詞」のことで、関係詞節の直前に存在します。

関係詞節とは、「関係代名詞や関係副詞を使った、先行詞を詳しく説明するためのS+V~」のことです。

以下、具体例を見ていきましょう。

例えば、
I visited the city where my mother spent some years in her youth.(私は母が若いころに数年間を過ごした街を訪れた)

なら、the cityが「どんな街なのか」の説明を必要とする名詞(先行詞)で、where my mother spent some years in her youthが説明の内容である関係副詞を使った関係詞節です。

このmy mother~in her youthという節の中に先行詞であるthe cityを入れてみましょう。

うまく入れるためにはthe cityの前に前置詞inをつけて、in the cityとしなければなりません。

つまり、もしこの節を関係副詞whereの代わりに関係代名詞whichで書くなら、

I visited the city.+My mother spent some years in the city in her youth.
→I visited the city in which my mother spent some years in her youth.

となります。

前置詞+関係代名詞→関係副詞」の原則に従い、このin whichがwhereになるわけです。

I visited the city where my mother spent some years in her youth.

しかし、関係詞節の中に先行詞を置いてみるときに前置詞が不要な場合は、関係代名詞を使います。

例えば以下に使っているvisitという動詞は他動詞で、前置詞を使わず直接、目的語を後ろにつけます。

This is the city.+My mother visited the city several times in her youth.
→This is the city which my mother visited several times in her youth.

このように、「前置詞+関係代名詞」にする必要がないときには、関係副詞(ここではwhere)にせず、そのまま関係代名詞(ここではwhich)を使えばいいわけです。

howを使うときの注意

関係副詞のhowを使うときは、先行詞をつけてはいけません

つまりthe way howとしてはいけない、ということです。

×This is the way how he successfully started his business.

howだけを使うか、the wayだけを使うか、どちらか1つです。

〇This is the way he successfully started his business.
〇This is how he successfully started his business.
(こうやって彼はうまく自分の事業を立ち上げた)

関係副詞の先行詞は省略して使うことが多い

関係副詞の先行詞は、それがあからさまに場所や時、理由を表しているなら省略されることが普通です

これは先行詞と関係副詞が「同じことを言っている」ために起きます。

・This is the place where he was hit by a car.(ここが、彼が車にはねられた場所です)
⇒the placeもwhereもどちらも「場所」を表すので、繰り返す必要がありません。
・This is the time when challenges began.(ここから難局が始まった)

I don’t understand the reason why he complains about me.(彼がなぜ私に文句があるのかわからない)

中には先行詞ではなく、関係副詞の方を省略する人もいます。

間違いではありませんが、私たちノンネイティブにとっては先行詞を省略する方がシンプルで使いやすく、また、伝わりやすい表現です。

5. 名詞の後ろに置く修飾語

英語の語順は、消化しやすい情報から先に消化していこう、という考え方なので、「軽い情報が先、重い情報が後」です。

名詞とそれを説明する形容詞の組み合わせでは、名詞の説明を担当する形容詞が長くなることが往々にしてあります。

そうやって情報量が大きくなった形容詞のかたまりは、名詞の後ろに回ります

a running man(走っている男)→a man running along the river(川沿いを走っている男)
⇒manという名詞の様子を説明する形容詞がrunning一語のときは「軽い情報」なのでmanの前にきますが、running along the riverと2語以上で「重くなる」と、manの後ろに回されます。

分詞の形容詞用法や、不定詞の形容詞用法、関係代名詞節は長くて重い情報になることが普通なので、説明をする名詞の後ろにくっつきます。

これを「後置修飾」と呼ぶわけです。

英語を話すとき、書くときには「軽いものから先に言う」ことを意識しておくことが英文の直感的な組み立てに必要です。

・a cat lying on the sofa(ソファに横たわっている猫)
⇒分詞の形容詞用法
・a room to study(勉強するための部屋)
⇒不定詞の形容詞用法
・the man who I thought just an ordinary businessman(ただのビジネスマンだと私が思っていた男)
⇒関係代名詞節

上記の例文ではa cat、a room、the manといった軽い情報をとりあえず先に言い、その説明は後で考えるくらいの気持ちがあった方が実践的です。

使い分けについて考える

さて、今回のトピックはここで出てくる分詞の形容詞用法、不定詞の形容詞用法、および関係代名詞節の使い分けについてです。

例えば、「明日泊まるホテル」はthe hotel staying in tomorrowなのか、the hotel to stay in tomorrowなのか、はたまたthe hotel I’m staying in tomorrowなのか。

文脈にも左右され、一筋縄ではいきません。

一緒に考えていきましょう。

分詞の形容詞用法 vs 不定詞の形容詞用法

分詞の形容詞用法と、不定詞の形容詞用法の使い分けのカギになるのは「やっている最中(~ing)」なのか、「これからすることに向かう(to)」のか、です。

例えば「ハンバーガーを食べている人」という表現なら、「食べている最中の人」ということになります。

ですから、ここは~ingがふさわしいので、the guy eating a hamburgerという表現になります(ちなみにここでa guyではなくthe guyになっているのは「他の人ではなく、ハンバーガーを食べているその男だよ」という気持ちからです)。

Hey, look at the guy eating a hamburger.(なぁ、あのハンバーガーを食ってる奴を見てみろよ)

この表現が名詞の「様子を描写」するための表現だということがわかります。

実況中継みたいな感じです。

ちなみに分詞の形容詞用法には過去分詞もあります。

これは名詞が「される立場」のときに使うものです。

例えば「フランス語で書かれた手紙」ならa letter written in Frenchです。

どんな感じの手紙なのかをwritten in Frenchが描写しています。

~ingと同様、描写するという役割は変わりません。

I received a letter written in French.(私はフランス語で書かれた、一通の手紙を受け取った)

一方で、不定詞の形容詞用法はtoの持つ「→」のイメージが、「これから向かう」という意味を出し、「目的・機能」の意味を出していきます。

「~するための」とか「~するべき」というのは「これからやる、向かう」というイメージがあるわけです。

例えば、a room to study in(勉強するための部屋)という感じです。

これをa room studying inとしてしまうと、「勉強している最中の部屋」となり、「勉強をするための」という機能の意味は出なくなってしまいます。

In this dormitory there are some rooms to study in.(この寮には勉強部屋もある)

というわけで、~ingや過去分詞といった分詞なら名詞の様子を描写し、不定詞なら名詞の機能や目的を表すことがわかりました。

関係代名詞節はどんなときが出番なのか?

では関係代名詞節はどういうときに出番がやって来るのでしょうか?

ここでは分詞の形容詞用法と比べてみましょう。

分詞の形容詞用法には語順に重要な特徴があります。

それは、分詞の前についている名詞が、分詞の意味上の主語の役割を必ず果たすというものです。

The man standing still on the front porch is Jim.(玄関先でじっと立っている男がジムだ)
⇒The man is standing still on the front porch.と言えることでわかるとおり、the manとstandingには、意味の上で主語と動詞の関係があります。

What is the language spoken in Chile?(チリで話されている言語は何ですか?)
⇒The language is spoken in Chile.と言えることでわかるとおり、the language とspokenは意味の上で主語と動詞の関係にあります。

では、形容詞の前に来ている名詞が、意味の上で「主語」の役割を持っていなかったら?

そのときは関係代名詞の出番です。

×The hotel staying in yesterday is good one.
⇒stayは「人stay in a hotel」という構文をとる動詞です。hotelは意味上の主語になれません。
〇The hotel that/which I’m staying in is a good one.(私が今日泊まっているホテルはいいホテルだ)
⇒「名詞+関係代名詞+S+V~」の時、関係代名詞は省略するのが普通です。
ちなみにthe hotel to stay inなら機能の話になります。
例:We must find a better hotel to stay in.(宿泊のためのもう少しましなホテルを見つけないといけない)

逆に関係代名詞の前にくる名詞が意味の上で主語の役割をする場合、分詞の形容詞用法との意味の差はほとんどなくなります。

The factory producing a lot of pollution is going to be closed soon.
The factory that/which is producing a lot of pollution is going to be closed soon.
(汚染物質をたくさん出しているその工場は、まもなく閉鎖されることになっている)

しかし、これもあくまで「関係代名詞+be動詞+~ing/過去分詞」というときに限った話で、例えば関係代名詞節の動詞が進行形でなければこの理屈は通じません。

A woman who just got off the train dropped her wallet in front of me.(電車をちょうど降りたばかりの女性が、私の目の前で財布を落としました)
⇒a woman getting off the trainだと、「今電車を降りつつある最中の女性」という意味になり、意味することが変わってしまいます。こういうときは~ingを使わず、関係代名詞節を使います。